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ヘルニアの種類ごとの症状・原因・治療法!気になる手術の方法は?

たとえば「痛風」は、足が痛くて歩けないくらいつらい症状ですが、痛い病気として思いだされるのが、「ぎっくり腰」です。ぎっくり腰にはいろいろな種類がありますが、最も代表的な病気が「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」でしょう。

椎間板ヘルニアの場合、「痛い」という感覚はもちろんですが、それだけでなく、「力が入らない」という症状に襲われることもあります。まさに「腰が抜けた状態」が痛みとともに襲いかかってくるという、なかなか困った病気です。

また、腰のヘルニアは「腰椎椎間板ヘルニア」ですが、腰だけでなく、首(頚椎椎間板)のヘルニアもかなり深刻な症状です。腰でも首でも、ヘルニアは全身への悪影響も懸念される疾患であると考えなければなりません。

今回は主に、この椎間板ヘルニアについてお話していきます。椎間板ヘルニア以外のヘルニアについてもいくつかの種類のヘルニアがありますので、これについても言及したいと思います。

ヘルニアとは?その意外な意味と種類について

椎間板ヘルニアに悩む日本人は多いといわれますし、そう言われれば確かにそんな感じはします。そしてそこから先に話を進めたい気もします。

しかしちょっと待っていただきたいのですが、そもそも「ヘルニア」ってなに?と立ち止まりたい気も、なんとなくしませんか?

ヘルニアには、今挙げた「椎間板ヘルニア」をはじめ、「鼠径(そけい)ヘルニア」など何種類かあります。どれも「ヘルニア」であることは間違いなさそうですが、しかし病名が違うということは、部位や症状も異なるはず・・・

ヘルニアの意外な意味は?

ということで、ちょっと手元の辞書で「ヘルニア」を調べてみたところ、もともとヘルニアは”hernia”というスペルのラテン語だそうで、その意味は「臓器があるべき位置からはみ出る疾患。特に、脱腸」(三省堂国語辞典)とあります。

「臓器」ということばで、まずは「えっ!?」と思った人も多いと思います。もしかして椎間板ヘルニアは腰骨の間からどこかの臓物の一部がはみ出して・・・と、そんな想像をしてしまうかもしれませんね。

しかしそういうことではありません。もともとヘルニアには「ひゅっと飛び出す」というような意味があるそうで、これが「脱腸」に対して用いられたのがはじめだったそうです。この脱腸のことを「鼠径ヘルニア」と呼びます。

一説では、鼠径ヘルニアはすでに3500年も昔に病気として認識されるようになっていたのだとか。つまりヘルニアの元祖は「鼠径ヘルニア」であり、昔はヘルニアといえば「脱腸」のことだったといえそうです。

その後椎間板をはじめ、とにかくいろいろな箇所に「ひゅっと飛び出す」病気が認められるようになり、それぞれの病名がつけられたと推測されます。

では、鼠径ヘルニアや椎間板ヘルニアについては後ほどじっくりお話するとして、これら以外にどんなヘルニアがあるのか、その種類や部位についても、次のところで簡単にご紹介しておくことにしましょうか。

こんなにたくさんあったヘルニアの種類

それでは、鼠径ヘルニアと椎間板ヘルニア以外のヘルニアのうち、代表的なものについて簡単にご紹介します。

腹壁瘢痕ヘルニア

開腹手術後の傷から臓器が飛び出すタイプのヘルニアが、腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニアです。縫合(ほうごう=開腹後に傷を縫い合わせる)部分が弱くなると、膨れたり腫れたりして、時に痛みを伴う症状です。

見た目の問題が生じ、手術して治療するケースが多いです。以下は腹壁瘢痕ヘルニアのイメージ画像です。

臍ヘルニア

臍ヘルニア(さいヘルニア、へそヘルニア)は、いわゆる「でべそ」の一種で、治療が必要となることもあるタイプのヘルニアです。

詳細は「でべそ(臍ヘルニア)」のページをご覧ください。

脳ヘルニア

原発性(転移によるものではない)脳腫瘍の一種である「髄膜腫(ずいまくしゅ)」と呼ばれる疾患の症状として現れるのが「脳ヘルニア」です。

脳ヘルニアは、腫瘍が大きくなることによって頭蓋骨内の圧力が高くなる「頭蓋内圧亢進症状(ずがいないあつこうしんしょうじょう)」の一症状です。

頭蓋骨の底のほうに小さな穴があるのですが、頭蓋骨内の圧力が高まることによって、脳の一部がその穴から押し出されるように飛び出してしまうのが、脳ヘルニアです。

(この項の参考:髄膜腫-日本医科大学付属病院より)

という具合に、思いもよらない部位にヘルニアの症状がみられることもあるのです。脳が飛び出しても「ヘルニア」なんですね。しかも、これはあくまでも「代表的なヘルニア」なので、他にももっとヘルニアの種類はあるのです。

ここからは、最も多いヘルニアの症状である鼠径ヘルニアと椎間板ヘルニアに特化してお話していきます。

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鼠径部にできる「鼠径ヘルニア」ってどんなヘルニア?

鼠径ヘルニアは、「鼠径」と呼ばれる部位(一般に「鼠径部」といいます)におこるヘルニアです。上の各ヘルニアも椎間板ヘルニアも、もちろんこの鼠径ヘルニアも、「部位+ヘルニア」で病名になる場合がほとんどです。

鼠径部とは、リンパマッサージに詳しい女性ならご存知のかたも多いですね。足の付根あたりを想像していただくといいかもしれません。

下腹部と太股の間の溝の部分が鼠径部になります。ちょうど上半身と下半身の境界部ですね。

では、ここから鼠径ヘルニアの定義や症状、種類、原因などについてお話を進めます。

鼠径ヘルニアの定義と症状は?

俗称というか、別名の「脱腸」のほうがよく知られており、イメージしやすいかもしれませんが、まずは鼠径ヘルニアを厳密に定義しておくことにしましょう。

鼠径ヘルニア(脱腸)
本来ならお腹の中にあるはずの小腸などが、ももの付け根(鼠径部)の筋膜から皮膚の下に出て膨らむ病気です。

患者さんは乳幼児から高齢の方まで幅広く分布しますが、特にももの付け根の筋膜が弱くなる40歳以上の男性に多い傾向があります。

出典…鼠径ヘルニアについて-常滑市民病院

鼠径ヘルニアの厳密な意味での定義は、上の引用文の赤帯の部分です。その下に簡単な説明も加えています。本来あるべきところから「腸」が「脱する」ヘルニアだから、「脱腸」という病名も付されていると考えられます。

やはり「飛び出す」というイメージがヘルニアの特徴をはっきりと示す病態であるといえます。とはいえ、ことばだけでは少々イメージしづらいかと思うので、イラストもみておきましょう。

出典…鼠径ヘルニアについて-常滑市民病院

鼠径ヘルニアの症状は、上記のヘルニア症状(腸が飛び出していて、たいていは指で押すと戻る)以外の自覚症状として、痛み、不快感があります。しかしすべての鼠径ヘルニアで痛みがあるわけではありません。

腸が飛び出しているという状況に不快を感じない人はいないと思いますが、痛みが強くなる、不快感が我慢できない、あるいは指で押し戻しても戻らないといったレベルに達した際には、手術による治療が行われることが多いです。

鼠径ヘルニアの多くが先天性です。ただ、鼠径部はそれほど丈夫な構造になっていないことで、成人してから後天的に発病する可能性も十分考えられます。特に筋肉が薄い部位が鼠径部には3か所あり、その部分の鼠径ヘルニアが多いです。

3種類の鼠径ヘルニアについて

鼠径部にある特に筋肉が薄い部分は次の3か所です。

  • 外鼠径(がいそけい)
  • 内鼠径(ないそけい)
  • 大腿(だいたい)

そして例によって、「これらの部位+ヘルニア」で3種類の鼠径ヘルニアに分けられることになります。

そけいヘルニアの種類

出典…そけいヘルニアの種類-東京ヘルニア日帰り手術センター執行クリニック

それでは、3種類の鼠径ヘルニアについてそれぞれ簡単に説明を加えます。

外鼠径ヘルニア(間接型)

最も発症率が高い種類の鼠径ヘルニアです。幼児でも成人でも、一般に言われる「脱腸」というと、たいていはこの部分のヘルニアであると考えて問題ありません。

外鼠径とは、鼠径部の外側(脇腹寄り)です。

「間接型」というのは、「内鼠径輪(ないそけいりん)」と呼ばれる部分を経由してヘルニア症状が起こっているタイプの鼠径ヘルニアであることを示しています。

外鼠径ヘルニアの多くは男性に見られる症状ですが、女性にまったくないわけではありません。女性の場合は、子宮円靭帯(しきゅうえんじんたい)と呼ばれる内臓が飛び出すケースが多いです。

内鼠径ヘルニア(直接型)

内鼠径ヘルニアの発症率自体は高くありません。こちらは内鼠径輪を経由せず、直接小腸などが飛び出すヘルニア症状であることから「直接型」と呼ばれることがあります。

やはり男性に多いヘルニアで、特に中年以降の比較的高齢の男性に多く見られます。

大腿ヘルニア

大腿ヘルニアは男性よりも女性に多い傾向があるという点で例外的、特徴的な鼠径ヘルニアです。特にお産を多く経験した高齢の女性に多く見られます。

大腿ヘルニアの画像は用意できませが、原理的には外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニアと同じです。ただ、部位が大腿鼠径部であること、そして発症部位の構造が外鼠径、内鼠径とは異なります。

大腿ヘルニアは、嵌頓ヘルニア(かんとんヘルニア=患部が元に戻らず、最悪の場合飛び出した部分が壊死、やがて死に至ることもある怖いヘルニアの一病態)として発症するリスクもまれにあり、緊急を要するヘルニアであると理解する必要があります。

鼠径ヘルニアの治療方法やその他の注意点

すでにお話してきましたが、ごく軽度の鼠径ヘルニアは、病院に行って専門のお医者さんに指で押し戻してもらって、お医者さんの判断で経過観察になる場合が多いです。

特に小児の場合、軽度の鼠径ヘルニアは自然治癒することも多いため、見た目にあまりこだわらないということであれば、無理にメスを入れる必要はないでしょう。ただ、医師の判断で手術治療したほうがよい場合もあります。

特に、大腿ヘルニアに関しては、やや緊急を要する手術になることもありますので、要注意です。

また、鼠径ヘルニアに似た症状の、まったく別の疾患のリスクも(ごくまれですが)考えられますので、念のため注意が必要になります。ちなみに、以下の疾患は、鼠径ヘルニアの症状に酷似しているので要注意です。

▼鼠径ヘルニアに似た症状の疾患

男性 女性
  • 精索水腫(せいさくすいしゅ)
  • 後腹膜脂肪腫(こうふくまくしぼうしゅ)
  • 精索脂肪腫、
  • 精索肉腫(せいさくにくしゅ)
  • 精索脂肪肉腫
  • 精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)
  • 睾丸腫瘍(こうがんしゅよう) など
  • ヌック管水腫
  • 鼠径部子宮内膜症
  • 鼠径部脂肪腫
  • 子宮円索静脈瘤
  • 大伏在(だいふくざい)静脈静脈瘤 など

出典…鼠径ヘルニアに似ているが、違う病気-常滑市民病院

日本人の多くが悩んでいるとされる椎間板ヘルニア

ヘルニアは「患部の名称+ヘルニア」という形で正式な病名が決定するとこれまでにお話してきましたが、よく考えてみると、この「椎間板ヘルニア」だけは例外的な病名であることに気づきます。

というのも、椎間板ヘルニアというヘルニアは、「椎間板という部位にヘルニアが起こる」のではなく、「脊椎(せきつい)から椎間板と呼ばれるパーツが飛び出す」タイプのヘルニアだからです。

ということは、椎間板ヘルニアの患部は「脊椎」であり、飛び出すのが鼠径ヘルニアのように「臓器」ではなく、「何やら板状らしきもの(椎間板)」であることになります。

そもそも「椎間板」とは?

ことばだけではわかりづらいので、以下の図で「脊椎」や「椎間板」の用語を確認していただきます。

椎間板ヘルニアが起こる場所

出典…椎間板ヘルニア-まえしろ鍼灸・整骨院

上の図は、頭蓋骨と脊椎(頚椎+胸椎+腰椎)、そして左側の骨の下部にある仙骨(せんこつ)を現した模式図です。椎間板というのは、腰椎のところに赤で示してある部分です。これが飛び出すと「腰椎椎間板ヘルニア」となります。

「椎間板」とは、「背骨どうしの接続部のクッション(ベアリング)となる緩衝材の板」であるなどと説明されることが多いです。荷物と箱の間の緩衝材のようでもあり、車輪と車体の間のスプリングのようでもあり、また、お尻と床の間の座布団のようでもありますよね。

椎間板ヘルニアには

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 頚椎椎間板ヘルニア
  • 胸椎椎間板ヘルニア

の計3種類あります。

椎間板ヘルニアの種類1.頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニア
背骨(頚椎)の椎間板がヘルニアを起こし、神経根(※)圧迫、脊髄の圧迫、もしくはその両者を圧迫するタイプの椎間板ヘルニアの根元の部分
(※)神経根(しんけいこん)・・・脊髄神経

頚椎椎間板ヘルニアの診断

頚椎を後方もしくは斜め後方へそらせると、腕や手の痛み、しびれが出現あるいは増強する。また、手足の感覚や力が弱い、手足の腱反射異常などで診断する。MRIにより神経根や脊髄の圧迫が確認されると頚椎椎間板ヘルニアであることが確定する。

頚椎椎間板ヘルニアの症状

頚椎椎間板ヘルニアは、首、肩、腕にしびれの症状がみられることが多いです。これは、神経根の圧迫が原因である場合が多いです。また、食事のときに、箸を思うようにつかえない、ボタンがうまくかけられないといった症状も見られます。

頚椎は、脊椎(背骨)の首の部分の骨ですが、下肢に症状が現れることも多いです。たとえば、足のもつれや歩行障害は、頚椎椎間板ヘルニアに端を発する脊髄の障害である場合が多いです。

なぜ起こる?頚椎椎間板ヘルニアの原因

頚椎椎間板ヘルニアの主な原因は「加齢」です。年齢を重ねることによって疲労した椎間板が、頚椎の後ろ側(脊椎側)に飛び出すことによって、痛みや不快感などを伴います。

また、加齢以外にも、正しくない姿勢を長時間継続する(家事や仕事など)ことが習慣化すること、激しいスポーツなどが原因になることもあります。自分の頭の重さが負担になることが原因になるケースが多いです。

頚椎椎間板ヘルニアの治療法・予防法

予防に関しては、上記の「原因」のファクターをできるだけ取り除くことが大切です。とはいえ、加齢はどうにもなりませんし、スポーツに関しても、激しいプレーは禁止というわけにもいきませんので、予防は難しい部分が多いです。

ただ、普段の仕事や家事などは、できるだけ正しい姿勢を保持することを意識し、激しいスポーツのあとのケア、加齢による筋力の衰えを回避するためのトレーニングなどが、予防方法として効果があります。

治療に関しては、ある程度段階的な治療法が確立しています。以下にまとめておきます。

頚椎椎間板ヘルニアの治療法

頚椎椎間板ヘルニアによる首の痛みが強まったとき、次のような流れで治療されます。

  1. 首の安静保持(首を固定するための頚椎カラー装具を装着する場合もある)
  2. 1で改善が見られない場合や改善を急ぐ場合、鎮痛剤、消炎剤、神経ブロック注射などを行う
  3. 1、2で改善が見られず、上下肢の筋力低下の顕著化や歩行・排尿障害が見られる場合、手術療法を採用する

手術療法は、「経皮的内視鏡頚椎椎間板ヘルニア摘出術(PECD)」と呼ばれる内視鏡手術が採用されることが多いです。他にも手術による治療法がありますが、方法によって治療費が異なってきます。

(この節の参考:頚椎椎間板ヘルニア-公益財団法人日本整形外科学会より)

椎間板ヘルニアの種類2.胸椎椎間板ヘルニア

頚椎、腰椎のヘルニアに比べてあまり知名度は高くありません。

胸椎椎間板ヘルニア
胸椎椎間板が飛び出し、胸椎脊椎管(きょうついせきついかん=脊髄をはじめ、重要な神経が束になって通っている管)を圧迫するタイプの椎間板ヘルニア

胸椎椎間板ヘルニアの診断

下肢のしびれ、脱力などの脊椎圧迫症状がみられ、MRI撮影の結果、ヘルニアによる圧迫が確定することで、胸椎椎間板ヘルニアの診断が確定します。

胸椎椎間板ヘルニアの診断は、レントゲン撮影では明確に判別できないことが多く、MRI撮影による判断が必要になります。

胸椎椎間板ヘルニアの症状

主に下肢のしびれが見られます。しびれに加え、しつこい脱力感が違和感として感知され、病院で診てもらって胸椎椎間板ヘルニアであることに気づく患者さんが多いです。

基本的には、頚椎椎間板ヘルニアや腰椎椎間板ヘルニアにくらべると、疼痛や激痛が走ることは多くないのが胸椎椎間板ヘルニアの大きな特徴になります。とはいえ、症状があまりにも重度化すると、背部の強い痛みを感知します。

なぜ起こる?胸椎椎間板ヘルニアの原因

椎間板の外側を囲むように位置している「線維輪(せんいりん)」と呼ばれる部位が破損することで、胸椎椎間板の髄核(ずいかく)が外に飛び出してしまうことで起こります。

髄核の脱出による胸椎脊椎管の圧迫症状が下肢のしびれ、脱力感などの直接的な原因になります。胸椎脊椎感は非常に重要な神経や脊髄が通る管なので、非常に丈夫にできています。

それだけに、頚椎や腰部ヘルニアにくらべると、そう簡単には発病しない傾向は確かにあります。しかし、加齢や、特に交通事故など大きな衝撃によって発病する可能性はあります。また、原因の特定が難しいとされるヘルニアでもあります。

頚椎椎間板ヘルニアの治療法・予防法

上記の「原因」からも想像できると思いますが、胸椎椎間板ヘルニアは、予防のしようがありません。事故に遭わないなど、普段の生活面に注意を向ける以外にありません。

治療法はあります。胸椎椎間板ヘルニアは、かなりゆっくりではありますが、進行性の椎間板ヘルニアですので、やはり根治治療となる手術療法が有効とされるケースが多いです。

薬や整体などで一時的に症状が改善することはあるかもしれませんが、しかし「進行を止める」ためには手術する以外に方法はないといえるのが、胸椎椎間板ヘルニアの特徴ということになってしまいます。

(この節の参考:胸椎椎間板ヘルニア-公益財団法人日本整形外科学会より)

椎間板ヘルニアの種類3.腰椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアに悩む日本人は多いですが、中でも、「腰椎椎間板ヘルニア」は日本の国民病ともいわれるくらい発病率の高いヘルニアです。単なる腰痛と異なり、激しく鋭い痛みが走り、力が入らなくなるくらい激しい症状を伴います。

腰椎椎間板ヘルニア
線維輪の破損により、髄核が飛び出し、神経根や馬尾神経(ばびしんけい=腰部の主要な神経の1つ)を圧迫するタイプの椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの診断

膝を伸ばしたまま下肢を挙げて坐骨神経痛の有無を確かめる「下肢伸展挙上試験(かししんてんきょじょうしけん)」により、下肢の感覚の状態、筋力の状態など多角的な検査を行い、最終的にレントゲンやMRIを見て腰椎椎間板ヘルニアの診断を下します。

腰椎椎間板ヘルニアの診断も、MRI撮影による判断が必要になります。

ただ、MRIでヘルニアが起こっている場合でも、しびれ、痛みなどの症状が出ないケースもあり、この場合は特に処置をせず、経過観察します。

腰椎椎間板ヘルニアの症状

腰の強い痛み、お尻の奥のほう痛み、下肢のしびれ(移動することもある)、足の力が入りづらいといった症状が、腰椎椎間板ヘルニアの典型的な症状です。腰椎椎間板ヘルニアの痛みが出る部分は特徴的です。

なぜ起こる?腰椎椎間板ヘルニアの原因

腰椎椎間板ヘルニアの直接的な原因は、線維輪の破壊による髄核の脱出による神経根の圧迫です(この状況では馬尾神経が見えていません)。

なぜこのようなことが起こるのかというと、やはり「普段の姿勢」が大きな問題であるといえます。悪い姿勢のまま長時間仕事や家事をして、これが習慣化すると、腰椎椎間板ヘルニアを起こすリスクが非常に高まります。

また、スポーツなどで激しい衝撃を受けることで、背骨がずれ、そこから腰椎椎間板ヘルニアに発展するケースも数多く紹介されています。さらに、喫煙習慣がこのタイプのヘルニアの発病率を高くしているという意外なデータもあります。

腰椎椎間板ヘルニアの治療法・予防法

強い腰痛(ヘルニア痛)が出ている時間帯は、とにかく安静が一番です。どうしても身体を動かさなければならないときには、いわゆる「コルセット」を装着して急場をしのぐなどの対処が必要になります。

本格的なものだと高価になってしまうかもしれませんが、術後など重症患者さんは装備が必要になることもあります。

一般的な腰椎椎間板ヘルニアであれば、もっと簡易で安価なコルセットでも十分役立つケースが多いです。

そして、強い痛みがなかなか引かず、移動に苦労するレベルに達したら、ロキソニンなどの痛み止めや、神経ブロック注射をうって鎮静化をはかるケースが多くなります。

さらに、歩行障害や排尿障害など、健全な生活が困難なレベルまで悪化した場合は、やはり「手術」が行われることが多いです。かつては(腰椎に限らず)椎間板ヘルニアの手術というと、かなり大掛かりな手術と考えられ、恐れられてもいました。

しかし近年は、内視鏡手術の進化が見られ、多少は椎間板ヘルニアの手術も簡易化してきているとされることが多くなってきました。やはり生活がどうにもならないようであれば、手術に踏み切る勇気は必要でしょう。

(この節の参考:腰椎椎間板ヘルニア-公益財団法人日本整形外科学会より)

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ヘルニアは「上手に付き合う」ことが大切!

ヘルニアを発症したからといって、何もすぐにたいへんだ、えらいことだ、手術しなければ・・・などと色めき立つ必要はありません。もちろん中には悠長に構えていられない種類のヘルニアもあります。

しかし基本的には、脳卒中や心臓病のような緊急を要するものではありませんし、また、たいていのヘルニアは、命に別状がない疾患であるといえます。ですから、慌てる前に、まずは病院でお医者さんの意見を仰ぐことから始めましょう。

実は、筆者も長年「スポーツ性の腰椎椎間板ヘルニア」に悩まされてきました。現在も発作的に襲いかかってくることがあります。その都度病院で薬をもらったり、神経ブロック注射を打ってもらったりしています。

そのたびにお医者さんに言われることは、「ヘルニアはとにかく上手に付き合うことだよ」という内容のことです。このくらいの症状ならみんなうまくやってるよ・・・と、医師は必ずいいます。

おそらく多くのヘルニアは、そういう病気なのかな、という気がします。まあ大きな病気であることは間違いありませんが、あまり気に病んでしまうと、ストレスにもつながります。

ヘルニアを敵視するのではなく、「ヘルニアとうまくつきあって行く」というくらいの心構えが、確かにちょうどいいのかもしれませんね。

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