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B型肝炎予防ワクチンが定期接種に!任意での接種回数に注意

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肝炎と言う病気は様々なシーンで語られることの多い病気ですね。イメージとしては「お酒の飲み過ぎ」によって起こる病気で、その他ウイルス感染による肝炎も怖いと言う感じでしょうか。

しかし、実際のところ統計によって多少のばらつきがあるものの、日本では肝炎の80%くらいがウイルス性肝炎で、アルコール性肝炎は全体の1割程度にとどまっているのです。

そのウイルス性肝炎の中でも、劇症肝炎と言う致死率が50~80%にも上る病態を引き起こしやすいB型肝炎には充分な注意が必要です。

そのB型肝炎の予防ワクチンについて、厚生労働省から予防接種法に基づく原則無料の定期接種の方針が発表されました。この内容をきちんと知っておきましょう。

ウイルス性肝炎にも多くの種類がある

医療関係のニュースなどで、良くB型肝炎だとかC型肝炎だとか言う名前で報道されていることを見聞きしますね。あれが「肝炎ウイルス」による肝炎のことなのです。

一方、最近話題のNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)や、お酒の飲み過ぎで発生するアルコール性肝炎と言うのも注意しなければいけない病気です。

劇症肝炎と重症型アルコール性肝炎は助かりにくい

冒頭でお話しした劇症肝炎は特発性(原因不明のもの)や薬物アレルギー、自己免疫型の肝炎、ウイルス性の肝炎が原因になりますが、圧倒的に多いのはB型肝炎から劇症化する人です。

一方、重症型アルコール性肝炎はその名の通り、お酒の飲み過ぎでひどい肝炎を起こす病気です。女性に多くなってきている病気で、最近では飛躍的に救命率が上がってきましたが、それでも4割くらいの人が助かりません。

禁酒しても肝炎症状が治まらず、1か月以内に亡くなると言う人が多いのです。20世紀にはほとんど助からない病気でした。今回は肝炎ウイルスのお話ですので、詳しいことは別の機会に譲りましょう。

肝炎ウイルスの中には食べ物から感染するものもある

ウイルス性肝炎は肝炎ウイルスによるものと、それ以外のウイルスによるものがあります。ヘルペスウイルスや「キス病」(伝染性単核症)の原因病原体であるEBウイルスによる肝炎が存在していますね。

一方、肝炎専門の肝炎ウイルスは現在のところA型からE型までの5種類と、肝炎ウイルス候補のF型・G型、肝炎ウイルスかどうかよく判っていないTT型があります。TT型は20世紀の終り頃日本で発見されたものです。

これらの中でも、日本ではA型・B型・C型の3つでウイルス性肝炎の原因病原体の大半を占めています。その中でもA型肝炎ウイルスは飲食物と共に口から入って感染しますので、家族に感染者が出ると拡がりやすいと言う特徴があります。

数は少ないですが、E型肝炎ウイルスも飲食物から感染するもので、豚・鹿・猪について加熱不十分食肉類から感染した事例が国内でも複数報告されています。妊婦さんが注意しなければならない病気の一つです。

C型肝炎は肝がんになる確率が最も高いウイルス性肝炎

C型肝炎ウイルスの主な感染源は不衛生なピアスの穴開けやタトゥー、覚せい剤などの注射針です。だいたい違法なものが多いので、あまり感染する機会はないと思いますが、要注意は美容としてのタトゥーですね。

意外と知られていませんが、タトゥーやアートメイクのような入れ墨に類似するものの他、レーザー脱毛やケミカルピーリングは、医療従事者が医師の監督のもとで行わないと医師法違反になる違法行為です。

施術する人も従事者としての資格は必要ですし、医師が監督していないと従事者が資格を持っていても違法です。また、違法とは限りませんが、外国で行われている手軽なアートメイクは肝炎ウイルスをもらう元ですからやめておきましょうね。

毎回新品の針を使っていても、墨(色素)を使いまわしていたら、墨入れの中はウイルスが繁殖しまくっていると考えた方が良いでしょう。C型肝炎に関する詳しい情報は別の記事に詳しいのでそちらをどうぞ。
C型肝炎の治療薬は飲み薬の時代に!検査結果が陽性ならすぐ受診

B型肝炎は劇症化が危険なウイルス性肝炎

B型肝炎もC型と同じように飲食物ではなく、血液や体液を介した感染です。しかし、こちらはむしろ性感染症としての性格が強いのがC型肝炎とは異なるところです。

それだけではなく、コンドームでは100%防げるとは言い切れないウイルス感染症であることも、この病気の危険性を示しています。詳しくは次の記事をどうぞ。
B型肝炎って性病!?性行為でも感染するし危険度も上がります

ひとくちに肝炎と言っても、非常に種類や原因が多いのです。

しかし常識的な注意を払っておけば、現在ではかかる心配はずいぶん減ってきた病気でもあるんですよ。

ワクチンで予防できるウイルス性肝炎

怖い病態も多いウイルス性肝炎ですが、幸いなことにA型とB型の肝炎ウイルスにはワクチンが開発されていますし、D型にはB型用のワクチンが有効です。

ですから、現在において通常の生活を送っている分にはまず感染しないC型や、清潔な環境が保たれている日本では、ジビエ料理などで不完全加熱の野生動物でも食べない限りまず感染しないE型を含めて、ほぼ予防可能なのです。

2016年10月から新生児に対して定期接種になる予定

厚生労働省は、2016年10月からB型肝炎ワクチンを定期接種にする方針を固めたようです。法律に定められた定期接種になると、予防接種はほとんどの場合無料で受けられるようになります。

これまで、任意接種だったため費用負担がありましたが、これで広く行き渡ることになりそうですね。

それによると、B型肝炎ワクチンは生後1年になるまでに、3回の接種を完了することが求められています。標準的なスケジュールでは生後2か月の時に1回目、3か月の時に2回目、7~8か月の時に3回目となっています。

しかし、それを上手くずらせば、2016年4月以降に生まれる赤ちゃんは、生後6か月の10月のうちに1回目、11月のうちに2回目、生後11か月の2017年3月のうちに3回目を打てば条件を満たせます。

ですので、2016年4月以降に出産予定のお母さんは、B型肝炎ワクチンを無償で赤ちゃんに接種できるようだと覚えておいて下さい。

B型肝炎ワクチンは安全性の高い予防接種

予防接種と言うと、副反応で色々なトラブルが起こるのではないかと言うことを懸念される方も少なくないと思います。しかし、B型肝炎ワクチンは、様々な予防接種の中でも安全性の高いものです。

B型肝炎ワクチン(HBワクチン)はHBVの予防接種です。

4~6ヶ月間に3回の接種を行うことで、B型肝炎と将来の肝がんを予防できるとされています。接種は他のワクチン同様通常皮下注射で行われます。接種量0.25mLから0.5mLです。

HBワクチンの接種は世界180か国以上で行われており、ワクチンの中でも最も安全なものの一つです。

今回定期接種化されるのは新生児だけですが、大人も任意接種で受けることができますので、ハイリスク群の人は接種しておきましょう。ただ、やはり免疫完成までに6か月3回の予防接種が必要ですので、スケジュールは早めに立てて下さい。

ハイリスク群の人とは、医療従事者や警察官、消防士や家族に感染者がいる人、B型肝炎流行地域へ渡航する人などです。

B型肝炎の流行地域とは日本以外の東アジア、サハラ砂漠より南のアフリカ、アマゾン川流域、東欧、中欧南部です。やや持続感染率が低いものの中東やインドも要注意ですね。

こうしたところへ旅行や仕事で渡航される人は、B型肝炎ワクチンを受けておかれることをお勧めします。

こうした重要なワクチンが定期接種になるのは良いことですね。

A型のワクチンは任意接種ですが、A型B型混合ワクチンがありますので、B型が任意接種になる大人はそちらを受けても良いかもしれません。

移行期には接種漏れや打ち過ぎが起きやすいので注意して

今回の定期接種化に伴って、途中まで打った赤ちゃんも残りの分は定期接種になります。ですので、2015年10月1日以降に生まれた赤ちゃんは対象になる可能性があります。

逆に、それ以前に生まれた赤ちゃんについては、残念ながら定期接種の対象にならない可能性が高いので、スケジュール通りに任意接種を受けて下さい。

2016年4月1日を過ぎて公的機関から正式なアナウンスがありましたので、赤ちゃんのいるお母さん方は情報に注意しておいて下さいね。

接種間隔を守ることと生後1年までに3回を忘れないこと

予防接種としては4週間隔で2回打ち、20週~24週を経過した後に3回目を打つことで免疫を獲得できます。また、定期接種が始まった時に、任意接種を1回または2回打っていた人は、残りを定期接種で受けることになります。

ですので、接種時期を調整することでお金の節約も可能です。現段階で判っている情報をもとに、簡単なスケジュール例を作ってみました。

※クリックで大きい画像が見られます
B型肝炎ワクチン接種スケジュールの例

このように、接種タイミングをずらすことは可能です。ただし、定期接種として受けるには、生後1年以内に3回目を打ち終わっている必要がありますので注意して下さい。

また、このワクチンは3回を超えて打つと副反応の危険性を否定できませんので、「任意接種で1回打ったけど、せっかくだからあと3回打っておこう」などとは決して考えないで下さいね。

さらに、タイミングをずらして調整しているうちに「3回目を忘れちゃった」などと言うこともないように気を付けて下さい。

B型肝炎は長期的にも短期的にも危険な病気

3歳までの小さな子供がB型肝炎にかかるのは、ほとんどの場合出生時にお母さんからもらってしまうケースです。ですので、妊婦さんの検査で抗体が出たら、きちんと治療してもらえると思います。

3歳までにB型肝炎に感染すると、多くの場合症状が出ず、そのままキャリアとして年月を重ねてしまいます。運が良ければそのまま一生症状が出ないこともないわけではありませんが、多くは症状が出るようになります。

すると、慢性肝炎の症状から肝硬変、肝がんへと進み、生命が脅かされます。一方、それ以上の年齢で感染すると、急性肝炎を発症します。急性肝炎の大半はやがて治りますが、10%ほどは慢性肝炎になり、やはり肝硬変から肝がんへと進みます。

そして、急性肝炎の一部は劇症肝炎を引き起こし、多くの場合それによって生命を奪われてしまうのです。ですから、B型肝炎は必ず予防しておく必要があるのです。

実はB型肝炎ウイルスには肝臓の細胞を破壊する力はありません。では、なぜウイルスで肝炎が起こるのでしょう。

それは、B型肝炎ウイルスに感染した肝臓の細胞を、免疫細胞が異物として破壊してしまう事から肝炎が発症するのです。

いわば、勝手に体内に入ってきて肝臓を道連れにする悪いヤツがB型肝炎ウイルスと言うわけなのです。

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