健康生活TOP 肝炎 アルコールもウイルスも関係ない!脂肪肝がおこす肝炎の原因とは

アルコールもウイルスも関係ない!脂肪肝がおこす肝炎の原因とは

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肝炎と言えば「ウイルス性感染により引き起こされるもの」と「アルコールの多飲によるもの」という、大きな二つの原因が有名です。

しかし近年、もう一つの原因が明らかになってきたのです。
このどちらでもない、となるとどういった原因なのでしょうか…。不安になりませんか?

肝炎の種類

よく知られているものも含めて、簡単に肝炎の種類を紹介しましょう。知っているつもりで知らなかったこともあるかもしれません。

ウイルス性肝炎

肝炎を引き起こすウイルスは現在A、B、C、D、Eという5つの型が知られています。この中でもA、B、Cは日常生活で耳にすることが多い事と思います。

A型肝炎は経口的にA型ウイルスを取り込んだ時に起こります。海外に旅行へ行って現地の生水などを飲んだ際に頻繁に発生しますが、適切な治療により99%は慢性化せず治療することができます。

B型とC型肝炎は血液を介して感染します。かつて、輸血や注射の際にC型ウイルスが感染し、多くの人が肝炎を発症しました。現在では対策が取られ、輸血や注射の際の感染はほとんどなくなっています。

B型も適切な治療を行えば9割以上の確率で慢性化せずに完治することができます。ですが、C型はおよそ7割の確率で慢性化し肝機能に障害が発生し、肝硬変へと繋がってしまうのです。

アルコール性肝炎

アルコールの飲みすぎが良くないとされる理由の最たるものがこのアルコール性肝炎と、それが進行したアルコール性肝硬変です。

一般的には、一日に日本酒3合、ビール大瓶3本のお酒を5年以上長期的に飲むと発症すると言われています。

細胞単位では、肝細胞が膨化(風船化)し、マロリー体という独特な細胞が見られるようになります。飲酒により肝臓に脂肪が蓄積し、そこから肝炎が発症します。そこで禁酒できなければ、肝線維症、肝硬変へと進行するのです。

もう一つの肝炎の原因「NASH」

これまで紹介したウイルスによるものでも、アルコールによるものでもない肝炎がNASHです。non-alcoholic steatohepatitisという病名の頭文字をとり、ナッシュなどと呼ばれています。

NASHの日本語訳は非アルコール性肝炎といいます。

アルコール性肝炎の原因は脂肪の蓄積、つまり脂肪肝でしたが、NASHの場合も同じく脂肪肝が原因で肝炎になるのです。脂肪肝になった理由がアルコールではなく食事や運動などの生活習慣にある、ということがアルコール性肝炎との違いです。

脂肪肝から肝炎そして肝硬変へ

血液検査の結果、飲酒の量を反映する検査値は高くない上、本人も飲酒はしないと言っているのに肝機能を示す数値は異常。

NASHが認知され始めてようやく、脂肪肝により肝臓が炎症を起こしていると分かるようになりました。

症状の無い脂肪肝

肝臓に脂肪が蓄積する段階では症状はなく、自覚することが出来ません。誰しも「今脂肪が溜まっている気がする」と思うことはできないでしょう。これは、食べ過ぎによる肥満や糖尿病の人に多く見られます。

ただ、意外かもしれませんが栄養失調でも脂肪肝は見られます。特にたんぱく質を食べ物から摂っていないと、脂肪を乗せて血液に送り出す役割の物質を合成できなくなり、肝臓に脂肪が残り続けて脂肪肝になってしまうのです。

肝硬変は元に戻らない

脂肪肝から始まった肝炎を放置しておくと、肝硬変に進行します。肝硬変まで至ると、肝臓を元に戻すことは出来ません。細胞が壊され、線維化という状態になり、どんどん硬く、小さくなってしまうのです。

肝硬変には代償期と非代償期と呼ばれる期間があります。代償期には比較的肝臓の機能が保たれていますが、非代償期には高度な肝機能障害を起こします。

  • 黄疸
  • くも状血管腫
  • 食道・胃静脈瘤
  • 腹水

などの他、合併症として肝性脳症も見られます。

末期状態の肝不全

肝臓が役目を果たせなくなると肝不全の状態となり、多臓器不全を起こして命を落とすことも少なくありません。血中に有害な物質であるアンモニアが増加し、脳に影響を与え行動障害や意識障害を引き起こします。

自覚症状の無かった脂肪肝が知らぬ間に進行し、やがて命に関わる病態を生んでしまいます。また、肝細胞癌の発症リスクも上昇させるのです。肝臓の病気はアルコールを飲む、飲まないに関係ないものだということが、よくわかります。

NASHを食い止めろ!

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NASHの前段階は単純性脂肪肝と呼ばれています。

“血液検査の結果ASTとALTという数値の上昇が見られるが、肝細胞に脂肪が蓄積していない、壊死や線維化を起こしていない”という状態です。

単純性脂肪肝の原因は肥満

ほとんどの場合、単純性脂肪肝の原因は肥満によるものです。食事管理をきちんとして減量することで、AST、ALTを正常値に戻すことが出来ます。

まだ細胞の変化は起きていないので、肝臓のダメージを最も少なく抑えることが出来ます。

NASHになってしまったら

気が付いた時にはもうNASHになってしまっていたという時にも、基本となるのは減量です。
減量のためには、食事の内容を見直す必要があります。

一概には言えませんが、男性では油ものを好み、女性では甘いものを好むという傾向にあります。

油ものは代謝されて中性脂肪という形で肝臓に溜まるという想像が容易ですが、糖も同じく中性脂肪として蓄積されます。お酒も飲まない、食べ過ぎでもないのにNASHになってしまったという人の多くは甘いもの好きという場合が多いのです。

食事を是正しただけで、簡単には減量できません。運動も両輪の一つです。食事をコントロールしながら身体を動かすことで効率よく減量することができます。中性脂肪を燃焼させるには有酸素運動が効果的です。

いきなりランニングしようなどとは思わず、ウォーキングやストレッチなど、続けられそうな目標を立てましょう。まずは目標を近くに設定し、自分のペースで徐々に難易度を上げます。達成し続けることが継続の秘訣です。

NASHでは薬物療法もその対象になります。自分一人の力でなんとかしようとは思わず、医師などの力を借りて肝臓への負担をなるべく軽くしましょう。脂肪肝やNASHは放置せずに向き合えば、必ず進行を食い止めることが出来ます。

健康的な食事、運動は様々な病気を遠ざけます。健康で充実した生活のためにも、できることから実践してみましょう。

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