健康生活TOP 肝炎 C型肝炎の治療薬は飲み薬の時代に!検査結果が陽性ならすぐ受診

C型肝炎の治療薬は飲み薬の時代に!検査結果が陽性ならすぐ受診

shutterstock_237247588

C型肝炎は国内に200万人以上の感染者がいると推定されているものの、新規の感染者は最近まで、ほぼ抑え込まれていた状態のウイルス感染症です。

肝がんの原因の80%とまで言われるC型肝炎なのですが、検査で見つかっていながら治療のために医療機関にかかっていない人が100万人以上いるとも言われています。

まだ検査を受けていない人を含めると、大変な数になりそうですね。ここでC型肝炎について知識を新たにして、万が一感染していたらすぐ治療しましょう。2015年から治療方法もずっと楽になったんですよ。

C型肝炎治療の主力であるインターフェロンの弱点

これまでC型肝炎の治療と言えばインターフェロンか、インターフェロンと他のお薬の併用によるものでした。しかし、インターフェロンは注射薬です。しかも副作用が強いことで有名です。

最近では週に1回で良いと言う薬も開発されましたが、従来は毎日あるいは週3回の注射でした。これが24週間から最大72週間も注射を続けなければいけないとなると、まだ症状の出ていない人が治療に二の足を踏むのも無理のないことだったと思います。

インターフェロンと言うお薬の正体

インターフェロンはもともとウイルスの働きに干渉する免疫系のホルモン様物質、サイトカインの一種として発見されました。しかし、その後がんの治療に役立つ可能性がある事が判り、その働きの方で一躍有名になった物質です。

現在では白血病や悪性黒色腫の治療薬としての他、本来の働きを期待されてB型・C型肝炎などのウイルス感染症のお薬として使われています。

弱点は「値段が高いこと」ですね。これまでだと1か月あたり自己負担額は7万円くらいになったそうです。これは、例えば標準報酬月額が28万~50万円の人の場合、健康保険の自己負担限度額以下です。つまり自分で支払わなくてはいけません。

もちろん、別の病気やけがで複数の医療機関で治療を受けたり、同一世帯の中で複数の人が医療費を支払った場合などは、一定条件を満たせばそれらを合算できますから高額療養費の支給を受けられる場合もあります。

でも、これだけ高額だとやっぱり二の足を踏んじゃいますよね。特に症状が出ていなければ、そんな高いお金を払うのはためらってしまうのが普通です。でもウイルス性肝炎は症状のないうちから治療する方が良いのです。

そこで国の施策として、B・C型肝炎に対する医療費助成制度が設けられ、実際の負担額は原則として月間1万円まで、所得の多い人でも2万円までに抑えられると言うことになっています。

ですから、必ず検査を受けて、陽性であればインターフェロン療法や、後ほどお話しする飲み薬などでしっかり治療しましょう。

一方、インターフェロンの薬としての働きですが、特定のタイプには優れた効果を発揮するのですが、効かないタイプが多いことや、副作用が多いこと、注射でしか使えないことなどの弱点があります。

C型肝炎ウイルスにはタイプがあるので薬の効き方も異なる

C型肝炎ウイルスには10種類以上の遺伝子型(ジェノタイプ)がありますが、日本で見られるのは1a・1b・2a・2bの4タイプです。

このうち、1a型と1b型はインターフェロンが効きにくく、2a型と2b型はインターフェロンの効き目が割合良い事が知られています。

1a型はもともと日本ではほとんど見られなかったのですが、かつてアメリカの血液製剤で起こった薬害の関係で、血友病患者さんがかかっているC型肝炎ではこのタイプが見られます。

1b型は日本で一番多く見られ、全体の70%以上がこのタイプです。そして、このタイプは、特にウイルス量が多くなるとインターフェロンの効きが非常に悪くなることが知られています。

このため、インターフェロンと、他の薬剤1~2種類とを組み合わせた治療が行われることが多くなっています。

昭和生まれは感染の可能性大!?なぜC型肝炎に感染してしまうのか

1219124

C型肝炎の感染ルートは感染した人の血液によるものです。ですので、特別な条件が発生しない限り、現在の日本では感染する機会はあまりありません。

しかし、それほど遠くない昔には感染機会がいっぱいあったのです。それが「C型肝炎の検査は受けなくてはいけないが、1度受ければOK」とされる理由なのです。

昭和生まれなら誰でも感染している可能性がある

C型肝炎は血液で感染します。今では信じられないような話ですが、昭和の終り頃までは、学校で行われていたような予防接種でも、注射器は使い捨てじゃなかったんですね。

それどころか、大病院の血液検査用の針ですら昭和40年代くらいまでは、消毒して使いまわすのが普通でした。

予防接種については、昭和51年の厚生省(当時)の通達で「ディスポーザブルの予防接種用具を使っても差し支えない」と言うのが出されたくらいですので、今との意識の差に驚かされます。

このような歴史的経緯があったので、昭和生まれ、あるいはそれ以前の生まれの人は、誰にでもC型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。

もちろんこれは、同時にB型肝炎ウイルスへの感染機会でもあります。ですから、肝炎ウイルス検査はB型とC型を同時に行うんですね。

肝炎ウイルス検査は都道府県単位で行われていますので、お住まいの都道府県庁のサイトから医療関係のページで確認してみて下さい。

40歳以上などの年齢制限があるかもしれませんが、多くのところが無料で行っていると思います。

C型肝炎に感染する可能性が高い場合や低い場合

血液で感染するわけですから、血液に触れる機会があれば危険があると言うことです。そうなってくると、出産や性交渉も危険なのかと言うことになりますが、実際のところ「危険性はゼロじゃない」と言う程度のようです。

過去の輸血や血液製剤の投与、臓器移植、適切な消毒をしない器具を使っての医療行為、民間療法、刺青、ピアスの穴あけ、麻薬、覚せい剤の回し打ち、感染者との剃刀や歯ブラシの共用などで感染の可能性があります。

(中略)

またごくまれですが出産や性交渉の際にも感染の可能性があるといわれています。

ですが、常識的な社会生活のうえで、他人の血液に直接触れることが無ければ、家庭や集団生活での感染のおそれはまずありません。握手や抱擁、食器の共用や入浴での感染はありません。

これを見ると、過去のものを除けば、次のような行動が危険を招きそうですね。

  • 麻薬・覚せい剤などの注射
  • 民間療法(瀉血など出血を伴うもの)
  • タトゥー・いれずみ・アートメイク
  • ピアスの穴あけ
  • 個人用衛生用品の共用

一番下の歯ブラシやかみそりの共用を除けは、ほとんど違法行為ばっかりですね。一応、自分で行ったり、誰かに行ってもらうだけでは、麻薬・覚せい剤以外は犯罪にはなりません。

でも、あまり危険なことはしない方が良いですよ。アートメイクやピアスの穴あけは、ちゃんと専門病院でお医者さまにやってもらいましょう。お医者さま以外がやると、施術した人は犯罪を行ったことになります。

もう一つの危険!海外での針を使った治療や美容アートメイク

C型肝炎は世界全体でみると1億数千万人の患者数がある、世界有数の感染症です。特に衛生状態の悪い国や、衛生観念の低い国で貰ってしまう可能性は無視できません。

特に体調を崩した時に、現地の病院で注射や点滴を受けたりすると感染の可能性は出てきます。また、理髪店や美容院で顔そりを行ってもらうのもリスクが伴います。

さらに、主に中国になると思いますが、東洋医学の鍼治療は受けない方が良いですね。治療の内容はあちらが本場かもしれませんが、感染の可能性はあるんじゃないでしょうか。

もちろん美容の本場、韓国のアートメイクも要注意です。これは国内の違法アートメイクにも共通するのですが、針は新品を使っていても、墨の方が使いまわされていたんでは意味ありませんよね。

まず、海外で医療・美容行為を受けることは極力避けた方が良いですね。また、受けてしまった場合は、最低3か月以上経ってから肝炎ウイルス検査を受けましょう。

それより短い期間で受けると、肝炎ウイルスに感染していても検出できないことがあります。

今は症状がなくても将来肝がんになる!?新たな飲み薬療法の可能性は

shutterstock_1710212872

C型肝炎ウイルスに感染していても、肝臓の状態を示す値、ALTが正常な場合もあります。しかし、そうした場合でも肝炎が進行する事が判ってきました。

そしてC型肝炎が進行すると肝硬変となり、そうなった場合10年以内に80%の人が肝がんを発症すると判っています。

現在、肝がんの手術後5年生存率は50%くらいです。そう言う暗い未来にならないよう検査を受け、陽性であったなら症状が出る前に治療しましょう。

インターフェロンが効かなくても治せる方法が開発された!

先にもお話しした通り、日本で最も多いジェノタイプ1b型のC型肝炎ウイルスには、インターフェロンがあまり効きません。

そこで、エンテカビル・ラミブジン・アデホビルなどの、核酸アナログ製剤と呼ばれる、B型肝炎の治療で使われるお薬を併用する治療法があります。

これを用いることで、インターフェロン単体では効果のなかったウイルスに対しても効果が期待できることがあります。

さらに、抗ウイルス剤のリバビリン・プロテアーゼ阻害剤のシメプレビルなどと一緒に使う3剤併用療法と言う手法もあります。

しかし、いずれも注射薬であるインターフェロンを長期投与する必要があるため、症状の出ていない人にとっては敷居の高い治療法だったんです。

しかし、ここにきて画期的な薬が承認されました。

2015年3月には保険適用制限が撤廃され、ゲノタイプ1型慢性肝炎・代償性肝硬変症例すべてに対する使用が保険認可された。

本療法はIFNフリーの抗ウイルス療法であり、これによってIFNの多彩な副作用は回避できる反面、薬剤耐性変異や肝障害などの副作用の問題があるため、

ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師により、適切な適応判断がなされた上で行われることが必要である。

ここに出てくるダクラタスビルとアスナプレビルと言うのはどちらも飲み薬です。

この健康生活の記事の中でも何度かご紹介しましたが、その段階ではまだ、インターフェロンが効かない事が判っていたり、使ってみたけど効かなかった人にしか使えませんでした。

しかし、上の引用の通り、未治療の患者さんに対しても最初から保険適用で使えるようになりましたので、治療の敷居はかなり低くなったんじゃないでしょうか。

なお、このお薬による治療も医療費助成制度の対象になり始めています。お住まいの都道府県のサイトで調べて見て下さい。

飲み薬だけの治療法の承認で治療を嫌がる必要はなくなった

もちろん、この方法を選択するかどうかは主治医の先生との話し合いになります。何せ、副作用や好ましくない影響がないわけじゃありません。それでも1b型にもよく効くお薬ですから良いですよね。

何はともあれ、昭和生まれの人は肝炎ウイルス検査を受け、陽性だったらすぐに治療開始。それが先々苦しい思いをせずに済むベストな選択ですよ。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る