健康生活TOP 心臓病 ピーナッツで心臓病リスクが減る!?ナッツの量と驚きの健康効果

ピーナッツで心臓病リスクが減る!?ナッツの量と驚きの健康効果

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以前からナッツは健康に良いとされ、ナッツ類をよく食べる人は、心筋梗塞などの心血管疾患による死亡が少ないと言われてきました。

しかし、こうしたデータは、欧米の、比較的社会的地位が高く、裕福な層をターゲットにした研究が多かったため、他の栄養や休息、運動習慣などの影響が考慮されてなかったのです。

先ごろ発表されたアメリカの研究では、比較的経済的地位の低いヨーロッパ系とアフリカ系のアメリカ人、それに上海在住の中国人を対象とした研究データでした。

やっぱりナッツは有効だった!死亡率をグッと下げる

その研究データによると、およそ20万人の研究対象の人々の、どのグループにおいてもナッツをたくさん食べる人は、あまり食べない人より心血管疾患による死亡と、全死亡数が少なくなっていました。

残念ながら、がんや糖尿病にかかるリスクは、ナッツ類、ピーナッツを食べる量との関連性は見いだせなかったそうです。

ナッツと言えばピーナッツ

アメリカではナッツ類と言うことで、様々なナッツの合計を調べていたものの、その内訳の約50%がピーナッツバターであったことから、ピーナッツ・ピーナッツバターに絞ってデータを取り直しても、やはり結果は同じだったそうです。

アメリカでは様々なナッツ類が食べられていますが、主要農産品であることもあって、低所得者層にとっては最も入手しやすいナッツ類と言うことになる<>んでしょう。特にピーナッツバターは子供の栄養食品としても重要ですね。

一方、中国の研究対象では、ピーナッツ以外のナッツ類は、日常的に食べるものとしては対象になっていませんでした。中国と言えば、アメリカやインドを抑えて、ピーナッツの生産量世界一ですから当然かもしれません。

ピーナッツはどのくらい食べれば良いの?

この研究に関する記事は、ネット上でも見られますが、ソースは一つのようで、どの記事も元記事を日本語に翻訳したものばかりでした。

そして、残念ながら、その元記事には、どのくらい食べた人が長生きだったのかについては触れられていませんでした。

安易に使われないための配慮

元記事自体は研究論文の概要で、誰でも読める部分にはそうした数値は載っていません。研究者さんたちが読む分には載っているのかもしれませんが、健康食品業界などに安易に利用される可能性を懸念しての配慮かも知れませんね。

それでも私たちだって気になります。ピーナッツが健康に良いらしいと聞いても、参考になる数値がなければ食べ過ぎて太ってしまい、かえって健康を害するかもしれませんよね。

そこで、産業的な方面から、数値を推測してみることにしましょう。ただし、これは飽くまで概算による推測なので、食べ過ぎやアレルギーなどについては皆さんで判断して下さいね。

ピーナッツ産業の数値は”1人当たり1日7.5gくらい”

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アメリカでの食用ピーナッツ消費量のうち数%ほどがピーナッツオイルに回され、それ以外がピーナッツバターやスナック用として食べられていました。むき身換算で、1人当たり1日7.5gくらいの量です。

その論文によると対象を食べる量によって5つのグループに分けて観察したそうです。そこで、単純に平均値である7.5gを中央値として取り、均一に割り振ってみましょう。

  • 一番少なく食べている人のグループは1日3g未満
  • 次が3g以上6g未満
  • 中央値を含む第3グループが6g以上9g未満
  • その上が9g以上12g未満
  • 一番多く食べる人で1日12g以上

となります。

それほど多い量ではないような気もしますね。1日12gと言うことになると、350円くらいで売っている有名メーカーのピーナッツバターが160g入りですから、あれを2週間以内に食べきるぐらいのペースです。

日本人の場合:消費量はアメリカの1/3以下

日本でのピーナッツ消費量はアメリカの1/3以下です。ですので、1人あたりにすると、むき身換算にして、1年に1kgも食べていないことになりますね。

柿ピーなど、おつまみ系で召し上がる方は、意外と多く食べておられるのかもしれませんが、毎日食べるものでもないだけに、思うほどは食べていないのかもしれません。

中国人の場合:中国ではピーナッツはよく食べられている

私の個人的経験から言わせて頂くなら、中国人は非常に良くピーナッツを食べます。普通の家庭料理から、ホテルのレストランでの会食の席にまで、ピーナッツを茹でた大皿は、一年中当然のように出てきます。

それも並大抵の量じゃないですよ。殻に入ったまま茹でてあることもあって、ボリュームがすごいです。ただ、実際に食べられるのは、殻を外した部分ですから半分ぐらいの体積でしょうか。

それでも、あっさり塩味に茹でられたピーナッツは、中華料理のイメージとは程遠く、いくらでも食べられてしまいますね。実に美味しいです。

面白いことに、ホテルでの会食に同席するような、比較的所得の高い階層の中国人は、茹でピーナッツの好き嫌いが大きいらしく、全く手を付けない人がいるかと思えば、そればっかり食べてるような人もいます。

ですので、こうした研究対象としてはもってこいなのかもしれませんね。

アメリカでの観察では心筋梗塞だけが減ったのに対して、中国での観察では心筋梗塞のほか、脳梗塞や脳出血などの脳卒中も減少したと言うデータが得られています。

その理由については、観察で得られたデータからは推測することはできません。それが人種的なものなのか、ピーナッツバターと茹でピーナッツの差なのか、あるいは普段の食事内容との組み合わせなのか、全く不明です。

ただ、同じアジア人種ですから、日本人としてはちょっと期待したい気持ちも出てきますよね。

カロリーは高いけど…?気になる炒ったピーナッツの栄養価

さて、死亡者数に影響があると言うことになると、気になるのは栄養価です。いったい何が好ましい影響を出しているのでしょう。

もちろん油が搾れたり、ペーストにしてピーナッツバターと呼ばれるぐらいですから、カロリーは高いです。でもそれを補って余りある良さがあると言うことなのでしょう。

ピーナッツバターや茹でピーナッツもありますが、代表選手として、炒っただけのピーナッツの栄養価を見てみましょう。

食べられる部分100gあたりの数値で、カッコ内はそのすぐ上の栄養素の主な内訳です。

  • カロリー:585kcal
  • 炭水化物:19.6g
  •  (水溶性食物繊維:0.3g)
     (不溶性食物繊維:6.9g)
     (糖質:12.4g)

  • たんぱく質:26.5g
  • 脂質:49.4g
  • ミネラル分:2.4g
     (ナトリウム:2mg)
     (カリウム:770mg)
     (マグネシウム:200mg)
     (カルシウム:50mg)
     (鉄:1.7mg)
     (亜鉛:3.0mg)
     (銅:0.69mg)
  • ビタミンA:1μg
  • ビタミンB1:0.23mg
  • ビタミンB2:0.1mg
  • ナイアシン:17.0mg
  • ビタミンB6:0.46mg
  • 葉酸:57mg
  • 飽和脂肪酸:8.95g
  • ω3不飽和脂肪酸:0.09g(αリノレン酸など)
  • ω6不飽和脂肪酸:13.65g(リノール酸など)
  • ω9不飽和脂肪酸:24.44g(オレイン酸など)

国産は美味しいけどちょっと高価…それなら中国産のピーナッツ!

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もちろん千葉県産など、国産のピーナッツが美味しいのですが、お値段はかなり厳しいものがあります。それに入手のしやすさと言う点でも中国産が中心になるでしょうね。

ただ、ひとくちに中国産と言っても地域差はずいぶんあります。例えばピーナッツの主産地である山東省も河南省も、どちらも日本の半分くらいの面積に、それぞれ1億人ぐらいが住む自治体です。

と言うことで、ここからは少しだけ、私が中国に良く出張していたころの経験からお話しします。

なにせ、パスポートの査証欄が赤で埋め尽くされるぐらい、よく行ってたんですよ。(入出国スタンプとも赤なのは中国くらいです。日本では自動化ゲートを使っていたので、それ以前の青スタンプが昔のページにあるだけです。)

お勧めは山東省産のもの

中国のピーナッツ産地と言えば、山東省・河南省・河北省・天津市あたりになります。飽くまで個人的な評価になりますが、この中でも山東省のものは比較的品質が高く、他の省や市の生産品は一歩譲ります。

もちろん、そのため山東省産のものは他の地方のものより割高で、場合によっては2倍以上の価格の開きがあります。それでも国産の1/4以下と言う価格帯で手に入ります。

なぜ山東省のものが良いのかと言うのは、天候によるところが大きいのかもしれません。山東省・河南省はピーナッツの生育に適していますが、河北省・天津市はちょっと温度が低いかもしれません。

また、河南省は内陸で、山東省に比べると降水量が多いため、収穫後の乾燥が不十分でカビなどのトラブルがある可能性も捨てきれませんね。

そんな理由もあって、美味しくて品質の安定した、山東省産の殻つきピーナッツを入手されるのが、費用対効果が最も高いんじゃないかと思います。

ピーナッツは連作さえしなければ、肥料や農薬は使わない方が良いくらいの作物なので、中国産と言っても、警戒すべきはカビと蔓ボケ(実が入っていない殻だけのもの)程度ですね。

炒っただけの殻つきピーナッツを1日に7~8個食べよう!

さて、実際毎日食べるのはどのくらいが良いかと言うことになると、炒っただけの殻つきピーナッツを、毎日7~8個(平均15粒程度)くらいも食べれば充分じゃないかと思います。

よく市販されている大粒種の場合で20gぐらいになるでしょう。国産のものの中には、超大粒種もありますから、ご自身ではかりを使ってみるのも一つの方法です。

なぜ殻つきがいいのか?

もともと脂質の多い食べ物ですから、例えばバターピーナッツにしてもそれほど脂肪分が増えるわけではありません。ピーナッツバターに加工されたものの場合は、甘さが加えられていますので、その分の糖質量が増える程度です。

栄養価をチェックしてみても、明らかに減っているのはオレイン酸とビタミンEくらいで、他は大差ありません。ただ、ピーナッツバターは水分が減っているのでカロリー当たりの栄養素は平均15%くらい少なくなっている勘定になります。

さらに、ピーナッツの薄皮には、ポリフェノールの一つで抗酸化物質のレスベラトロールが含まれているとも言われていますので、殻つきで炒った物を食べるのが一番お勧めだと思います。

1日20gに期待できる効果は?摂取できる様々な成分

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さて、1日に殻つきの状態で7~8個、20g相当のピーナッツから摂れる栄養にはどんなことが期待できるのかを見てみましょう。

カロリーはおよそ117kcal、ハンバーガーショップのフライドポテトSサイズの半分よりまだ少ないですね。ごはんを茶碗半分弱ぐらいと言っても良いでしょうか。

そこで仮に、1日に2000kcalを摂っている女性を対象に考えてみましょう。厚生労働省が想定している30歳~49歳の女性の推定エネルギー必要量です。

これに対して117kcalは5.85%にあたります。そこで20gのピーナッツから、同じく厚生労働省が示した1日の目安量に対して、その5.85%より多く得られる栄養素を見て行きましょう。

三大栄養素の一つたんぱく質

1日の推奨量の10.6%にあたるたんぱく質が摂取できます。お肌や内臓を含めて、身体を作るのに欠かせないのがたんぱく質です。

これを効率よく摂れることは、すべてにおいて、より良い健康状態を維持できることに繋がるでしょう。ただし、すでに病気があって、たんぱく質を制限されている場合は、その栄養指導に従って下さい。

不溶性が多い食物繊維

水溶性、不溶性を合わせて、1日の目標量の8.5%がピーナッツ20gから得られます。脂肪分が多いだけでなく、食物繊維が多いと言うことは血糖値の上昇を防ぎ、便秘の改善も期待できますね。

不溶性が多いとはいえ、腸内細菌による大腸内での発酵によって、酪酸や水素ガスなど、がん予防効果や抗酸化効果も期待できます。

血圧調整に欠かせないカリウム

カリウムは1日目安量の7.7%を摂ることができます。カリウムはナトリウムとのバランスで血圧を下げる方向で働くことはよく知られていますね。

それに関わるものでもあるのですが、ナトリウムとセットで、神経伝達においても非常に重要な役割を持っているミネラルです。

万能ミネラルの亜鉛

亜鉛は1日推奨量の6.7%を摂ることができます。最近では男性向けのサプリなどで効果が強調されていますが、実際には、それは亜鉛の働きの中の、ごくわずかなものでしかありません。

亜鉛不足が味覚障害を招くこともよく知られているでしょう。そして、亜鉛は実に100種類以上の酵素の活性化に役割を持っていて、人の身体の中では鉄に次いで多く含まれている、大切なミネラルなのです。

コラーゲン合成に必要な銅

銅は1日推奨量の19.7%を摂ることができます。体内でのコラーゲン合成に欠かせないミネラルですね。また、貧血と言えば鉄分と言うことになりますが、この鉄が小腸で吸収される際に銅は役立っています。

めったに貧血に繋がるほど銅が不足することはありませんが、鉄欠乏性貧血の場合、鉄剤の中に吸収促進剤として銅が少し含まれていることもあるんですよ。

ナイアシンは別名ビタミンB3

ナイアシンは1日推奨量の1/4以上、28.3%を摂ることができます。糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素の代謝に欠かせないビタミンです。

さらに、循環器系、消化器系、神経系のすべてにおいて、その働きを促進してくれることもナイアシンの重要な活動です。身体を元気にしてくれそうですね。

貧血にもかかわるビタミンB6

ビタミンB6は1日推奨量の8.4%を摂ることができます。もともと腸内細菌が合成してくれるので、あまり不足する事のないビタミンですが、腸内フローラの状態が悪化したりすると不足もあり得ます。

ヘモグロビン合成の最初のステップを担うほか、アドレナリンやセロトニン、ドーパミン、さらにγアミノ酪酸(GABA)などの神経伝達物質の生合成にもかかわっています。

ビタミンEが大量に

ビタミンEは、たった20gのピーナッツから1日推奨量の32.6%もの量が摂れます。ビタミンEと言えば最高効率の抗酸化物質ですね。ピーナッツの薄皮に含まれるレスベラトロールとも相まって、いろいろ期待できそうです。

抗酸化効果を発揮した後のビタミンEをリサイクルするためのビタミンCは、ピーナッツには含まれませんので、フルーツや野菜などと一緒に食べるのも良いでしょう。

オレイン酸が中心の脂肪酸

これについて目安量などの設定はありませんが、最近摂り過ぎが問題になっているリノール酸より、オレイン酸の方が多くて支配的な脂肪酸組成になっています。

残念ながらαリノレン酸はわずかしか入っていませんが、それでも今の食生活の中では良い脂肪酸構成だと言えるでしょう。

心臓に良い理由は判りませんが…身体にとっては素敵な食べ物!

こうして見てみると、身体にとって大変お得な食べ物であると言うことは充分見て取れますね。しかし、どの要素が心筋梗塞などを予防しているのかは見えてきません。

あるいは、いろいろな要素が複雑に絡み合った結果、好ましい影響を及ぼしているのかもしれませんね。

いずれにせよ、統計的に心筋梗塞などの心血管疾患による死亡や、全死亡数が減っていることは判っているんですから、積極的に食べて行きたいアイテムではないでしょうか。

ただ、基本的に高カロリーなものですから、くれぐれも食べ過ぎで太らないようにはご注意下さいね。

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