健康生活TOP 健康管理 代謝・基礎代謝・新陳代謝とは?それぞれの意味や違いを知ろう

代謝・基礎代謝・新陳代謝とは?それぞれの意味や違いを知ろう

「代謝」「基礎代謝」「新陳代謝」という言葉は、どこかで聞いたことがあるでしょう。基礎代謝はダイエットの話題には欠かせない言葉ですし、新陳代謝も美容関連の話題で出てくることの多い言葉です。

これらの言葉の意味について、何となくはわかっているつもりなのだけどはっきりと説明できない・・・という人も多いかもしれません。

日常でもよく使われるこれらの言葉について、それぞれの意味と違いについて説明させていただきます。この機会に再確認してみてください。

「代謝」「基礎代謝」「新陳代謝」を簡単に説明すると・・・

それぞれの言葉について、ひとことで説明すると次のようになります。

代謝
外から取り入れた栄養素を生きていくために必要なエネルギーにしたり、体を構成する材料に合成するといったような、体内で起きるさまざまな化学反応
基礎代謝
何もしていない、じっとした状態で消費されていくエネルギー
新陳代謝
古くなった細胞が新しく生まれた細胞に入れ替わっていくこと

簡単に説明すると、以上のようなことになります。

これだけの説明では、まだわかったようなわからないような・・・という感じではないでしょうか。では、それぞれの言葉についてもっと詳しく説明していきましょう。

「代謝」とは、生命維持のために体内で起きている化学反応

私たちは生きるために、外から必要な食べ物を摂取しています。そしてその食べ物から生きるためのエネルギーを得たり、また体を構成する細胞を作り出しそれが内臓になったり筋肉になったりしていきます。

食べ物は私たちの血となり肉となっていくのですが、だからといって夕食に食べた肉がそのままの形ですぐに筋肉になるわけではありません。

食事によって体内に取り込まれた食べ物は、胃腸で消化・吸収されていきます。吸収された栄養素は体内でいろいろな化学反応を経て様々に変化をし、エネルギーになったり新しい細胞になったりするのです。これらの一連の流れが「代謝」になります。

代謝には、大きく分けて次の2つの流れがあります。

異化作用 摂取した栄養素を分解してエネルギーを産生する代謝
同化作用 エネルギーを消費して生体物質を合成する代謝

ではそれぞれの作用について、もっと詳しくみてみましょう。

食べ物から摂取され生命維持に必要な物質が「栄養素」です。特に重要な炭水化物、タンパク質、脂質を「三大栄養素」と言い、これにビタミン、ミネラルを加えたものを「五大栄養素」と言います。

異化作用

異化作用とは、食事から摂取された栄養素を細かく分解してエネルギーを産生する反応のことです。エネルギーはATP(アデノシン三リン酸)という形で産生、貯蔵されています。

ATPは「生体のエネルギー通貨」とも言われるもので、ATPからリン酸1分子が放れてADPになるときにエネルギーを放出します。TCA回路(クエン酸回路)ではATPが大量に産生されています。

この異化作用は大きな分子を単純な小さな分子に分解する反応で、エネルギー的に起こりやすく、この反応が起こるときにはエネルギーが産生されます。

同化作用

同化作用とは、消化吸収されて細かく分解された栄養素を使って、体にとって必要になる複雑な生体物質を合成していく反応です。

例えば内臓や筋肉などの細胞の構成成分を合成したり、グリコーゲンや中性脂肪を合成したりします。グリコーゲンや中性脂肪はエネルギー源として体に貯蔵され、何かのときにはこれを分解してエネルギーとして使います。

この同化作用は小さい分子から大きく複雑な分子を合成する反応で、エネルギー的に起こりにくく、この反応が起きるためにはエネルギーが消費されます。

わかりやすく言うと、栄養素などの大きな分子を小さな分子に分解するのが異化作用、小さな分子を生体に必要な大きな分子に合成するのが同化作用。そして異化作用と同化作用を合わせて「代謝」と言うんだよ。

「基礎代謝」とは生きていくために必要な最小限のエネルギー

「基礎代謝」という言葉は、特にダイエットの話題でよく聞くのではないでしょうか。基礎代謝が上がると体重は落ちやすくなってダイエットに成功する、と言われます。

人は生きていくために、エネルギーを消費しています。仕事や運動といった活動のときにエネルギーを消費するのはもちろんですが、何もしていないときにもエネルギーを消費しています。

安静な状態であっても、呼吸や体温維持のためにはエネルギーが必要になるのです。基礎代謝量とは身体的にも精神的にも安静な状態でのエネルギー消費量で、これは生きていくために必要になる最小限のエネルギーになります。

一日のエネルギー消費は、次の3種類からなります。

基礎代謝 一日のエネルギー消費量の約60~70%
活動代謝 一日のエネルギー消費量の約20~30%
食事誘発性熱産生(DIT) 一日のエネルギー消費量の約10%

基礎代謝について、もっと詳しく説明しましょう。また活動代謝と食事誘発性熱産生についても説明します。

基礎代謝

先ほどの繰り返しになりますが、基礎代謝量とは身体的にも精神的にも安静な状態で生命を維持するためだけに必要となる最小限のエネルギー代謝量です。

安静にしている状態であっても呼吸をしたり体温を維持したり、心臓を動かして血圧を一定に保ったりといったようなことを、体は自然に行っています。このために必要なエネルギーが基礎代謝なのです。

基礎代謝量は年齢別、性別よって決められた「基礎代謝基準値」を使って計算することができ、体重が増えるほど基礎代謝量も大きくなります。(正確には体表面積により基礎代謝量が決まりますが、計算が複雑なため通常は体重から算出されます。)

基礎代謝量は年齢、性別、体型などの状況によって変化します。

まず年齢が若いほど、体重当たりの基礎代謝量は大きくなります。これは若いときのほうが成長のために代謝が活発になっているためで、残念ながら基礎代謝量は加齢とともに減少します。

性別によっても基礎代謝量は違います。これは性ホルモンや筋肉量の違いのためで、男性のほうが約10%ほど大きくなります。脂肪組織よりも筋肉組織のほうが、エネルギー消費量が大きくなるためです。

体格的には、筋肉質の人のほうが脂肪の多い人よりも基礎代謝が大きくなります。年齢、性別、体重が同じ場合には、身長が高くてやせている人のほうが基礎代謝が大きくなります。

体温を上げるためにもエネルギーが消費されるため、体温の高い人ほど基礎代謝が大きくなります。体温が1度上がると代謝量は約13%増加するとされ、逆に低体温の人は基礎代謝が小さくなります。

女性は性周期によっても基礎代謝が変化します。これは基礎体温の変化が影響していて、月経開始2~3日前ころに基礎代謝量が一番大きくなり、月経が始まると下がってきます。

季節的には、暑い夏よりも寒い冬のほうが基礎代謝が大きくなります。冬には体温を維持させるためにエネルギーが必要になるためです。脂肪の摂取量が少ない人のほうが、季節による影響を受けやすいとされます。

消費されるエネルギー量の割合は、筋肉や肝臓、脳といった臓器ごとに違ってきます。

安静時の組織・臓器ごとのエネルギー消費量の割合

筋肉 22%
肝臓 21%
20%
心臓 9%
腎臓 8%
その他 20%

『栄養科学シリーズNEXT基礎栄養学 第3版』より

ダイエットに関する話題の中で、「筋肉が増えれば基礎代謝も上がる」といった話を聞いたことがあるでしょう。年齢とともに基礎代謝は下がってきますが、これは歳をとるにつれて筋肉量が低下してしまうためです。

肝機能が低下したり、脳をあまり使わなくなることでも基礎代謝は下がってきます。ただこれらによる基礎代謝の下がり方に比べると、筋肉量の低下による影響のほうが大きいのです。

そして重要なのは、筋肉は鍛えることで増やすことができるということです。体を動かすことを心がければ筋肉が増え、基礎代謝を上げられます。肝臓や脳の基礎代謝を上げようとするよりわかりやすいでしょう。

座って安静にしている状態でのエネルギー代謝量は、基礎代謝量の約20%増しとされます。

睡眠中は筋肉が弛緩状態で心拍数や呼吸数も下がっているため、エネルギー代謝量は基礎代謝量より約10%ほど下がっているとされます。(ただし最近は、睡眠中も基礎代謝量は変わらないと言われます。)

基礎代謝量とは十分睡眠をとった後の早朝、空腹時、目が覚めて安静にして仰向けに寝ている状態、気温も湿度も快適な環境といった条件でのエネルギー代謝量を測定したものになります。

活動代謝

仕事、家事、運動といった日常の様々な活動によって消費されるエネルギー量です。

基礎代謝量、行った活動の強度(激しい活動なのか、穏やかな活動なのかなど)、活動の行った時間などから計算することができます。

食事誘発性熱産生(DIT)

食事をすると、その2~3時間後にエネルギー代謝が最も上がります。これを食事誘発性熱産生(DIT)と言います。以前は特異動的作用(SDA)と呼ばれていたこともありました。

DITは食事の内容によって違います。炭水化物や脂肪の多い食事に比べてタンパク質の多い食事ではDITがだいぶ大きくなります。

「新陳代謝」は古くなった細胞が新しい細胞に入れ替わること

新陳代謝とは古くなった細胞が排出され、新しく生まれた細胞に入れ替わっていくことです。細胞には細胞ごとの寿命があり、毎日少しずつ新しい細胞と入れ替わっています。

美容の話題では「ターンオーバー」という言葉をよく聞くのではないでしょうか。皮膚のターンオーバーとは、皮膚の一番外側にある表皮の新陳代謝のことです。

皮膚の内側で新しい細胞が生まれると、その細胞は少しずつ表面へと押し上げられていきます。形を変えながら最終的に皮膚表面で角質細胞となり、そしてその後は垢として剥がれ落ちていきます。

これが皮膚の新陳代謝、ターンオーバーです。こうして古い細胞は、常に新しい細胞と入れ替わっていくのです。この新陳代謝がうまくいかないと、「お肌の調子が悪い」ということになってしまいます。

新陳代謝の周期は、細胞によって違います。

  • 皮膚:約28日
  • 赤血球:約4ヶ月
  • 肝細胞:約5ヶ月
  • 骨:約3年 など

骨の新陳代謝と言うと妙な感じがするかもしれませんが、硬い骨も長い目でみればどんどん新しく生まれ変わっています。そして骨の新陳代謝のバランスが乱れてしまったのが、骨粗鬆症です。

新陳代謝という言葉は、体に関すること以外でも使われます。「古いものが新しいものに入れ替わっていく」という意味で、「会社が生き残るために、組織の新陳代謝をする」などと使うこともありますね。

「代謝」「基礎代謝」「新陳代謝」、どれも似たような言葉のようですが、意味は少しずつ違います。健康のためにはどれも大切なものですから、たまに意識してみてください。

ところで人は生きるために食べ物からエネルギーを摂取していますが、その起源は太陽エネルギーになります。植物が光合成によって合成したものを人などの動物が摂取しているのです。

そして動物の体内で様々な代謝をされると、最終的に二酸化炭素、水、尿素となって大地にかえっていきます。なんだかとても壮大ですね。

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