健康生活TOP 健康管理 温湿布と冷湿布の使い分けは必要?効率的な温熱刺激と冷却の方法

温湿布と冷湿布の使い分けは必要?効率的な温熱刺激と冷却の方法

湿布・貼り薬には、白色の水分を多く含んだハップタイプと、茶色いテーピングのようなプラスタータイプがあります。

ハップタイプには冷湿布と温湿布があります。

冷湿布は急性で腫れのある場合に冷やす目的で、温湿布は血行不良による肩こり、腰痛などに、温める目的で使われています。

しかし、これには大きな誤解があります。湿布の落とし穴と、効果的な冷罨(あん)法、温罨法のやり方を、柔道整復師が解説します。

湿布を使う機会は急に来ますので、事前に知っておくと、いざという時に便利ですよ。

薬局で売られている、病院で処方される湿布薬の種類

湿布薬には、大きく分けて次の3タイプがあります。

  • 温湿布 
  • 冷湿布 
  • 経皮消炎鎮痛薬

冷湿布と温湿布は、ふつう症状に応じて湿布薬を選んでいますね。冷湿布は、患部を冷やす作用があるため、捻挫や打撲など炎症のある患部に適しているといわれます。

片や温湿布はトウガラシエキス等を配合しており、患部を温める作用があります。冷えによる血行不良によるコリや痛みに適しているといわれます。

別の分類法では、次の二つに分けられます。

パップ剤 薬剤部分に水分を多く含み、肌への刺激がやさしい本当の意味での湿布
プラスター剤 水分をほとんど含まない、茶色くて薄い伸縮テープのようなもの

パップ剤とプラスター剤の写真

ハップ剤に温湿布と冷湿布があるのに対し、プラスター剤は温めたり冷やしたりする成分が入っていないので、温冷の区別はありません。

  • インドメタシン
  • ロキソニン
  • ボルタレン

などの経皮鎮痛消炎剤が配合され、痛みや炎症の強い患部に使用します。

ロキソプロフェンNaテープ写真

最新式の湿布として、慢性の腰痛や膝の痛みに多く使われます。

プラスター剤は痛みそのものをブロックする成分が比較的強く、薬剤の皮膚吸収が良いため効果は高いです。

しかし、ハップ剤に比べると効果が高い反面、皮膚や全身に及ぼす副作用があるので注意が必要です。

下呂温泉にある「ほねつぎ」が考案した下呂膏

東海地方には、昔から同じプラスター剤でも、生薬製剤を使用した下呂膏、愛知県尾張地方ではこのほかに浅井萬金膏(現在は作られていません)が知られています。

そのうち、現在も下呂温泉土産としても評判の下呂膏は飛騨地方の植物からできている伝統的な湿布です。

下呂膏の写真

江戸時代から下呂の接骨医、奥田家に伝わる膏薬で、 和紙に塗らた黄蘗(オウバク)、 楊梅皮(ヨウバイヒ)などの漢方生薬成分が痛みによく効きます。

昭和の時代には、付近の民宿に宿泊して骨折や捻挫を治療する人が多くいたという有名なほねつぎで、治療の一環として下呂膏薬が用いられたそうです。

江戸時代からほねつぎの施術に用いられていた膏薬が代々奥田又右衛門に受けづがれてくる中、昭和初期の5代目奥田又右衛門の時、患者さんの要望に応えて膏薬の製造販売が行われるようになりました。

当時は膏薬を買い求める人の列ができたとか。現在も奥田家のお店で買えるほか、下呂温泉の土産屋の多くで手に入ります。私の住む岐阜市の薬局・薬店でも売られています。

白光製品写真

伝統的な黒膏のほか、白膏(白光)と緑膏があります。骨折、打撲などに使われた黒膏に比べ白膏は慢性痛に適しており、緑は熊笹エキス入りで鎮痛効果が高く、スポーツ障害にも適しているそうです。

エースプラスター製粉画像

特に黒い膏薬は、祖母が愛用していて、私が打ち身や捻挫をした時に貼ってもらった思い出があります。よく効いた半面、貼った跡が黒く残るのと独特のにおいがするので、貼るのを嫌がった記憶があります。

温湿布と冷湿布の効果はどのくらい?

冷湿布はハップ剤のため水分を多く含んでいるうえに、冷たさを出すためにメントールやカンフル、ハッカ油などが使われていて、貼ったときに冷感・清涼感を感じます。

しかし、冷湿布に冷却効果はほとんどありません。貼ったときに冷たく感じますが、すぐに体温で温まってしまいます。したがって、本当は「冷感湿布」なのです。

同様に、温湿布は、トウガラシの辛み成分であるカプサイシンが含まれていて、じわじわと温感を感じその成分により血管が拡張します。

しかし、温湿布には体を温める効果はなく、これも温感湿布なのです。

ほとんどの人は、湿布は炎症を抑えるために患部を冷やす目的で使っています。ところが、ハップ剤ではその効果はあまり期待できません。消炎鎮痛成分が入っているものは、多少の痛みの緩和が期待できるかな?という程度です。

温湿布と冷湿布の使い分け方法!どのように温め、冷やすのが効果的なのか

温湿布や冷湿布は、実際に体を温めたり冷やしたりする効果はなく、温感や冷感を感じるだけですので、その感覚を気持ちよいと感じる方を使えばよいです。

ある意味、気休め的といえば語弊がありますが、張っている安心感、満足感が一番の効果といえます。つまり、プラシーボ効果の要素が強いと思われます。

その効果というと、率直に言って湿布だけで腰痛、膝の痛み、五十肩などは治らないのです。

捻挫や打撲、骨折などで炎症や腫れのある時に冷却する場合
ビニール袋に氷を入れて患部に15分以上当てるのが王道です。
部分的に血液の巡りが悪くなっているのを改善する場合

蒸しタオルを当てるのがべストです。湿熱と言って、水分を多く含んで熱されたタオルで行うのがポイントです。

冷やす場合は氷が溶けるときに効果が現われ、温めるときは、熱いタオルが冷めるときにその効果が現れます。この効果は、薬剤では出しにくいと言われます。

もう一つ、カイロや冷却材を用いる場合、長時間貼り付けるのは効果的ではありません。30分から1時間貼ったら、数時間ほど間隔を置いて貼るのが温熱刺激を与える原則となります。

こんな場合は冷やさないほうが良い!

スポーツの後や急に症状が現れた時、とりあえず冷やすという方が多いようです。炎症や赤く腫れるときは冷やす必要がありますが、筋疲労や筋肉の痙攣が主体となる場合は、冷やさないほうが賢明です。

  • 筋肉痛、スポーツ後の関節
  • ふくらはぎの痙攣、筋肉の痙攣による寝違い、ぎっくり腰、関節症
  • 腱鞘炎、テニス肘、四十肩・五十肩

こういった場合は冷やさないほうが良いでしょう。

冷やすと筋肉、関節は硬くなる

炎症がない場合、冷やす事で筋肉は縮み、関節の動きは硬くなります。スポーツやウオーキングの後に、習慣的に冷やすのはやめましょう。

痛み止めも一緒です。鎮痛剤は、痛みを止めるだけでなく、解熱剤を兼ねることが多いため、冷やす作用が強いのです。

したがって、冷えや血流不足による循環障害などによる痛みや引きつりの場合、冷やすより温めるほうが効果を発揮することが多いです。

冷やすか温めるかわからない場合、お風呂で温めて楽になるか、痛みが増すかで使い分けるのがべストとなります。

湿布薬の違いについてよく覚えておいて、いざというときにその知識を活用しましょう。知らず知らずのうちに間違った、あるいはまったく意味のない使い方をしていないようにしましょうね。
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