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椅子に座ると足がしびれる…その理由としびれてこないようにする方法

足をさする女性

正座をした時に起こる強烈な足のしびれ。何度経験してもあの感覚には慣れませんよね。これは、正座という特殊な座り方をしたため、足の血管が圧迫されて起こる現象なのです。

普通に座っている時にはしびれが起こらないのが正常です。しかし中には椅子に座っても足がしびれてしまう人がいます。

座った時に足がしびれるのはなぜでしょう。しびれの起こるメカニズムと足がしびれる理由、しびれを防ぐ対処法について説明いたします。

「しびれる」という感覚が起こるメカニズムをご存知ですか?

まずは、しびれのメカニズムから。正座などで足がしびれる理由について「足が圧迫されたから」「足の血行が悪くなるから」ということは、大体の想像がつきますよね。

そこで一歩踏み込んで「なぜ血行が悪くなるとしびれが起こるのか」について説明いたします。

動物実験で足のしびれを検証

京都大学の共同研究グループは動物を使った実験によって、それまでよく知られていなかったしびれの発生メカニズムを解明しました。少し難しくなるのですが、興味深い話なので紹介したいと思います。

しびれの原因は、血行不良による活性酸素の発生とそれに反応する感覚神経の異常な動きによるもの、ということです。

私達はしびれ動物モデルを新しく開発し、しびれの発生メカニズムを調べたところ、感覚神経にある痛みセンサ分子 TRPA1 が低酸素により過敏化し、しびれによる痛みを引き起こすことを明らかにしました。

研究ではマウスを用い、マウスの後ろ足をたこ糸で縛って血流を抑えました。糸をほどくとマウスが足の裏を激しく舐めていたことから、足の強いしびれは血流が滞った後に起こることが裏付けられました。

血液には酸素を運搬する役割があるため血流が滞ると、その部分の酸素が少なくなってしまいます。マウスで実験したところ、低酸素状態の時にTRPA1が過敏になることも分かりました。

TRPA1はしびれや痛みを感知するセンサー「TRP」のひとつで、ワサビやアンモニアなどに反応してビリビリした痛みや鼻にツーンと来る刺激を脳に伝えるのが特徴です。また、TRPA1は活性酸素に反応する性質も持っています。

また活性酸素は、血流が再開して低酸素状態が解除された時に大量発生するため、座って圧迫されている足を動かした時にはその部分に活性酸素が発生します。

正座を一例に、足がしびれるメカニズムをまとめると以下のようになります。

  1. 正座をすると、足が圧迫され血流が滞る
  2. 血流が滞った場所(足)が低酸素状態になり、TRPA1が過敏になる
  3. 正座をやめた時に足の血流が再開し、活性酸素が発生する
  4. TRPA1が活性酸素に過剰反応して、ピリピリした刺激を起こす

つまり!足を圧迫しなければ正座をしても足はしびれない

さらに長時間正座を続けると感覚がなくなって、立ち上がった時に転びそうになりますね。これは神経が圧迫されて麻痺してしまうためです。

ただし、正座に慣れている人は長時間正座をしても足がしびれません。実は、正座には足がしびれない座り方があるのです。

両足の親指を重ねて足首で輪を作るように正座をすると足がしびれなくなります。足の甲が床から少し浮いてお尻や足に体重があまりかからなくなり、足が圧迫されなくなるためです。

足がしびれない正座の仕方

正座が苦手な人は是非試してみてください。

正座ですぐ足がしびれてしまう人は、ふくらはぎや足の甲を床にべったり密着させて座っているはず。その座り方だと、足に体重がかかって血行が滞ってしまうんですね。

ポイントは姿勢?椅子に座っても足がしびれてしまう理由

正座は足に全体重がのしかかる特殊な座り方なので、多少は足がしびれてしまうのは仕方のないことです。

しかし、椅子に座っただけでも足がしびれてしまう人が意外と多くなっています。長く座っていると足がしびれてくる人、少し座っただけで太ももの裏側がジンジンしびれて我慢できない人など、症状もさまざま。

椅子に座った時の足のしびれは、正座で起こる足のしびれと同じメカニズムで起こります。通常は「坐骨」が血管や坐骨神経を保護しているため、正座以外の座り方で足がしびれたり感覚が麻痺したりすることはありません。

坐骨とは、仙骨、腸骨、恥骨と共に骨盤を構成し、左右対象に位置している骨のことです。「坐」という漢字が意味する通り、座る時に上半身を支える台座の役割を持っています。「体育座り」をした時に床に当たるのが分かるお尻の骨が坐骨です。

椅子に座った時、この坐骨がお尻を支えてくれているにもかかわらず足がしびれてしまうならば、主に次のような原因で血管や坐骨神経が圧迫されていることが考えられます。

  • 座る時の姿勢が悪いため、足に体重がかかっている
  • 坐骨神経を圧迫するような病気がある

癖が原因!姿勢が悪いために足がしびれるケースとは

無意識にとっている姿勢、椅子に座る時の癖がお尻や脚に偏った体重をかけ、血管や坐骨神経を圧迫していることがあります。次に挙げる椅子の座り方は、足のしびれを引き起こしやすい姿勢です。思い当たる人は意識して座り方を治していきましょう。

姿勢が悪いために足がしびれるケース:椅子の背もたれに寄りかかって座る

椅子の背もたれに寄りかかる座り方は、お尻の筋肉を疲れさせます。長く椅子に座っているとお尻の深層にある筋肉「梨状筋」が張ってそのすぐ下を通る坐骨神経を圧迫するようになり、足のしびれや痛みが起こりやすくます。

椅子に座る時の注意点
椅子に座る時は、背筋を伸ばして背もたれには体重をかけないように注意します。またデスク、椅子の高さが合っていないと背もたれに寄りかかりたくなることがあるので、椅子に座った時に太ももと椅子が平行になるよう、デスクと椅子の高さを調整することも必要です。

姿勢が悪いために足がしびれるケース:足を組んで座っている

足を組んで椅子に座ると、当然ながら足を乗せたほうの太ももに上半身の体重が重くのしかかります。右足を組めば左足の太ももが、左足を組めば右足の太ももが圧迫を受けてしびれを起こしてしまいます。

椅子に座る時の注意点
椅子に座る時は、上半身の体重が左右のお尻に均等に分散されるよう、足は組まないで足の裏を床にしっかりつけて座りましょう。足を組むのは、骨盤のゆがみにもつながり良いことではありません。

また足を組む癖のある人は、右または左の梨状筋が硬直している可能性もあります。梨状筋が硬直すると、梨状筋とつながっている股関節や筋肉にねじれが生じ、足を組んだほうが楽だと感じるようになってしまうのです。

梨状筋の硬直を放置していると足のしびれや痛みが悪化する恐れがあるので、日頃から適度な運動やストレッチを継続して行ない、左右のお尻の筋肉のバランスが悪くならないように気を付けましょう。

姿勢が悪いために足がしびれるケース:猫背

デスクワークに長く携わっている人に意外と多いのが猫背。背中を丸めているために圧迫された血管の血流が滞り、筋肉のこりが生じやすくなります。筋肉のこりが坐骨神経を圧迫すると足のしびれも起こりやすくなってしまいます。

また猫背だと太ももに体重がかかりやすいので、太ももの血行が悪くなって太ももの裏側がしびれやすくなってしまいます。

椅子に座る時の注意点
椅子に座る時、背もたれと腰の間にクッションや座布団を置くと猫背を防ぐ効果が期待できます。また、普段から猫背にならないよう意識して背筋を伸ばしたり、上半身をまっすぐ支えるために背筋を鍛えることも必要です。

整形外科の受診を!病気が原因で足がしびれるケースとは

少し座っただけで足がしびれたり、座るたびにしびれや痛みが起こって辛いようなら、次に挙げるような病気が坐骨神経を圧迫している可能性も考えられます。

病気が原因で足がしびれるケース:梨状筋症候群

椅子に長時間座っていると太ももの裏側にしびれや強い痛みが出てくる場合は「梨状筋症候群」を引き起こしている可能性も考えられます。梨状筋症候群は、硬直した梨状筋が坐骨神経を圧迫して起こる炎症です。

梨状筋の位置と形状

梨状筋症候群を引き起こしやすいのは、次に挙げる項目に当てはまる人です。

  • 長時間のデスクワークまたは立ち仕事に従事していて、お尻の筋肉の血行が滞っている
  • スポーツや肉体労働をしていて、お尻の筋肉を酷使している
  • お尻や腰の打撲をした経験があり、梨状筋を損傷している可能性がある

梨状筋症候群のしびれや痛みは、椎間板ヘルニアなどほかの疾患と間違えられがちですが、次のような特徴があれば梨状筋症候群と診断されることが多くります。

  • 座った時、ランニングしている時にしびれや痛みが起こる
  • 立っている時は、しびれや痛みが起こらない
  • 座ると、腰ではなくお尻の下部に痛みが起こる
  • 座ると、太ももの裏側から足にかけてしびれや強い痛みが起こる
  • 足をまっすぐにした状態で内側または外側にひねると症状が強くなる
  • 検査をしても骨や神経に異常は見つからない
梨状筋症候群の対処法

梨状筋症候群は神経や骨の病気ではないため、特定の治療法はありません。硬直した梨状筋が坐骨神経を圧迫しないよう、しびれや痛みの起こる姿勢を避けて患部を安静にすることが一番です。

とはいえ椅子に座らないわけにはいかないので、しびれや痛みが辛い場合は整形外科を受診して鎮痛剤や抗炎症剤で症状をやわらげることをおすすめします。

また梨状筋症候群は筋肉の硬直が原因で起こるので、日頃からストレッチをしてお尻の筋肉をほぐしておくと、しびれや痛みの予防や緩和につながります。

梨状筋をほぐすストレッチ

梨状筋をほぐすストレッチ法

  1. あお向けになる
  2. 痛む側の足を立て膝を曲げる
  3. 曲げた膝を手で押し、もう片方の足のほうへゆっくり倒す
  4. 倒したらそのまま、梨状筋が伸びるのを意識しながら膝を静かに数秒間押す
  5. 倒したほうの足を静かに元の位置に戻す
運動不足で座りっぱなしの人は梨状筋症候群になりやすいのでご注意ください。時々ストレッチや柔軟体操をして体をほぐしておきましょう。

病気が原因で足がしびれるケース:腰椎間板ヘルニア

椅子に座った時、前かがみになるとしびれや痛みの増す場合は「腰椎間板ヘルニア」による症状が起こっているのかもしれません。

「椎間板」は腰の背骨をつなぎクッションの役割をしている軟骨。椎間板が変形して中に入っている「髄核」が飛び出し、髄核が坐骨神経を刺激すると腰痛や足のしびれが起こります。これが椎間板ヘルニアです。

腰椎間板ヘルニアは次に挙げる原因で起こりやすい病気です。

  • 加齢
  • 姿勢の悪さ
  • 腰の負担のかかる作業(重い物を持つ、腰をひねる、など)
  • 喫煙

椎間板ヘルニアの主な症状は、腰や足に起こる強い神経痛です。またしびれや痛みには次のような特徴があります。

  • 片側の足にしびれや痛みが起こる
  • 座ってしばらくすると腰や足に痛みが起こる
  • しばらく立っていると腰が痛くなる
  • 腰から足に放散するようなしびれや痛みが起こる
  • 歩くと足のしびれや痛みが強くなる
  • 前かがみになると痛みが強くなる
  • 朝起きれないくらい腰のしびれや足の痛みがある
  • くしゃみや咳が痛みに響く

腰痛が起こるとまず疑われるのが腰椎間板ヘルニアですが、実際には検査をしても原因の見つからない腰痛がほとんどで、腰椎間板ヘルニアと診断されるのは腰痛全体の約5%といわれます。

腰椎間板ヘルニアの対処法
整形外科を受診して検査を受けます。足を伸縮させて痛みの出かたを確認したりレントゲンやMRIで画像検査を行ったりして腰椎間板ヘルニアかどうか判断します。

腰椎間板ヘルニアの治療は、まず安静にすることです。次に消炎鎮痛剤を用いて痛みをしずめたり温熱療法を行って患部の血行を促進させたりする保存治療がとられます。

腰椎間板ヘルニアの治療には手術が必要というイメージも持たれがちですが、保存療法だけで回復させることが十分に可能です。ただし、坐骨神経の麻痺が起こり排尿や歩行に障害の起こる場合は手術も必要になります。

病気が原因で足がしびれるケース:エコノミークラス症候群

飛行機に長時間乗った時に起こりやすいことからその名前がついた「エコノミークラスクラス症候群」は、初期症状にみられる足のしびれや痛みに注意が必要です。

エコノミークラス症候群とは、長時間体を動かさないために足の血行が滞り、足の静脈に血栓が生じる「深部静脈血栓症」と、血栓が肺の動脈に詰まる「肺塞栓症」を引き起こす、危険な病気です。

飛行機のエコノミークラスで起こるほか、バスやトラックの長距離運転、長時間のデスクワークなどでも起こります。また入院中に安静にしていて発症することも多くなっています。

長時間座っている時に次のような症状がみられたら深部静脈血栓症に注意してください。

  • 足にしびれ・痛みが起こる
  • 足が腫れる
  • 足が変色する

その後に次のような症状が見られたら肺塞栓症を起こしている可能性があります。

  • 呼吸困難
  • 胸の痛み
  • 冷や汗
  • 咳・血痰
  • 失神 など
エコノミークラス症候群の対処法
深部静脈血栓と思われる症状に気付いたら循環器科を受診しましょう。血栓を溶かす薬やカテーテル治療で肺血栓症が起こるのを防ぐ必要があります。

すでに肺血栓症の症状が起こっている場合は、すぐに酸素吸入、強心薬、心肺補助装置などを用いた治療が必要になります。

エコノミークラス症候群を防ぐには、座りっぱなしにならないよう30分~1時間に1回は立ち上がって歩いたり足踏みをし、足の血行が滞らないようにすることが大切です。

毎日実践しよう!しびれを防ぐために普段から心がけたいこと

椅子に座った時に足がしびれやすい人は、普段から対策を行って不快な足のしびれを防ぎましょう。

しびれを防ぐために普段から心がけたいこと:時々姿勢を変える

長時間座りっぱなしになると、誰でも足の血行が悪くなりしびれやすくなってしまいます。

デスクワークで歩けない人は、座っている間にお尻や太ももの血行が悪くならないよう、こまめにお尻の位置をずらしたり浮かせたりしましょう。動ける人は、30分に1回は立ち上がって少し歩き回ることをおすすめします。

しびれを防ぐために普段から心がけたいこと:ゆったりした服・履き物を身に着ける

体を締め付ける服、小物、履き物は血行不良のもとです。椅子に座る時間が多い人は意識して、なるべくゆったりしたデザインの物を身に着けるようにしましょう。

しびれを防ぐために普段から心がけたいこと:意識してビタミンB12を摂取する

ビタミンB12を意識して摂取すると、しびれの予防に効果が期待できます。

ビタミンB12には抹消神経の傷を修復する作用があり、坐骨神経痛の人も摂りたい成分。病院でも神経痛や手足のしびれの治療薬としてビタミンB12を処方しています。

食事から自然に取り込む形で、ビタミンB12を毎日摂取し続けると良いでしょう。ちなみにビタミンB12は動物性食品に幅広く含まれているので、通常の食生活を送っていればまず不足することはありません。

ベジタリアンやダイエットで食事制限をしている人は、ビタミンB12が十分に摂取できないので注意が必要です。

足のしびれを予防したい場合は、ビタミンB12の多い食品を献立にしっかりと取り込みましょう。

ビタミンB12の含有量が多い食品

  • 貝類(しじみ、あさり、ほっき貝)
  • 肉(レバー、牛小腸、牛ハツ、牛肉)
  • 魚(さんま、あゆ、いわし)
  • 卵黄
  • チーズ
  • 海苔
食事に含まれるビタミンB12は、摂り過ぎてしまっても副作用が起こらないので安心してください。

しびれを防ぐために普段から心がけたいこと:ストレスを溜めない

意外かもしれませんが、ストレスも足のしびれの原因となってしまう場合があるので注意してください。ストレスが強いと自律神経のバランスが乱れ、血行が悪くなって足がしびれやすくなるのです。

しびれを防ぐために普段から心がけたいこと:マッサージに頼り過ぎない

マッサージを受けた後には楽になることが多いのですが、根本的な原因を解消しない限りは足のしびれは治りません。かえって筋肉や神経を傷めて症状が悪化する可能性があるので、マッサージに頼り過ぎないように注意してください。

自己判断は禁物!しびれが消えない場合は受診して治療を

椅子に座った時に起こる足のしびれのほとんどは、一時的な血行不良が原因のしびれと考えられます。血行促進を心がけましょう。

ただし自己判断は禁物です。しびれが消えない場合、椅子に座っていない時もしびれる場合は心配ですね。少しでも「しびれ方がおかしい」と思ったら、念のために整形外科の受診をおすすめします。

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