健康生活TOP 頭痛 頭痛薬の飲み過ぎで頭痛悪化の危険あり!薬物乱用頭痛のヒミツ

頭痛薬の飲み過ぎで頭痛悪化の危険あり!薬物乱用頭痛のヒミツ

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頭痛持ちの人にとって、その痛みは非常に辛いものです。あまりにひどいために、日常生活に支障が出てしまこともあります。そんなときにはまず、その痛みを何とかするために薬を飲んでしまうでしょう。

しかしひどい頭痛を抑えるために飲んだ薬によって、逆に頭痛が悪化してしまうことがあるのです。これが「薬物乱用頭痛」です。特に片頭痛のある人が陥りやすいとされます。

どのような頭痛が薬物乱用頭痛なのでしょうか。また薬を飲んでしまう前に、片頭痛自体を少しでも予防することはできないのでしょうか。

【症状による頭痛の分類】一次性、二次性のそれぞれの特徴

一言で「頭痛」といっても、その症状によっていくつかの種類に分けることができます。

一次性頭痛

他の病気はないタイプの頭痛で、頭痛患者の9割になります。一次性頭痛には以下のような頭痛があります。

  • 片頭痛
  • 緊張型頭痛
  • 群発頭痛  など

片頭痛は頭の片側で、脈打つようにズキンズキンと痛む頭痛です。月に1−数回起き、吐き気が出たり光や音、臭いに敏感になったりします。頭痛の前兆として、目の前がチカチカして眩しくなることもあります。

ストレスから解放されたときに起きることが多く、休みの日になると片頭痛が出てしまうという人もいます。男性より女性のほうが多く発症します。

ただ「片頭痛」とは言っても、頭の片側でなく両側で起きることもあります。またズキンズキンと脈打たないこともあります。頭痛の前兆は誰でも感じるわけではありません。緊張型頭痛で起きやすいとされる肩こりを合併していることもあります。

緊張型頭痛は頭の両側がギューッと締め付けられるような頭痛で、脈打つような感じはなく、痛みはダラダラと続きます。首や肩の筋肉が緊張した状態が続くことなどで起きやすく、血流の悪化が関係しています。

一次性頭痛の中で最も発症しやすく、男性よりも女性に多くなっています。

群発頭痛は眼の奥やその周辺に、突き刺すような激しい痛みが起きます。数日から数ヶ月の間、毎日頭痛があり、特に夜間起きやすくなります。その痛みはかなり猛烈で、じっとしていることができないくらいです。

20−30代の男性に多く発症しますが、最近は女性患者も増えてきつつあります。

二次性頭痛

他に病気があり、その病気の症状のひとつとして頭痛が現れています。二次性頭痛を起こすのは頭痛患者の1割程度ですが、中には生死に関わるような病気が隠れていることもあるため注意しなくてはいけません。

  • くも膜下出血による頭痛
  • 脳腫瘍による頭痛
  • 高血圧による頭痛
  • 薬物乱用頭痛   など

薬物乱用頭痛は、頭痛治療薬を飲み過ぎてしまったことが原因の二次性頭痛になります。

「薬物乱用頭痛」とは?頭痛薬でまさかの頭痛悪化へ・・・

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「薬物乱用頭痛」という言葉はメディアでも取り上げられるようになったため、自分もそうなのではないかと不安になっている人もいるかもしれません。薬を飲み過ぎるのは良くないとわかっていても、止めることができないから悩んでいるのでしょう。

片頭痛のある人が陥りやすい

薬物乱用頭痛とは、頭痛を抑えようと薬を過剰を飲んでしまい、そのことが原因となって逆に頭痛が悪化してしまう病気です。特に片頭痛のために薬を飲んでいる人が陥ってしまいやすい病気です。

緊張型頭痛のある人でも起きることもありますが、群発頭痛では非常にまれです。もともとは片頭痛のために薬を飲み始めたが、過剰に薬を続けたことで緊張型頭痛のような症状が現れていることもあります。

薬物乱用頭痛と診断されるのは?

ひと月に15日以上の頭痛があって、頭痛治療薬(急性期治療薬)を3ヶ月以上の間、定期的に飲んでしまっている。また薬を飲んでも痛みはひどく、痛み方が前と比べ変わってきた気がする。いつもの薬がだんだんと効かなくなってきている。

このような症状があれば、「薬物乱用頭痛」の可能性があります。乱用する頭痛治療薬によっても、その診断基準は多少違います。

  • エルゴタミンを3ヶ月以上に渡って、ひと月に10日以上飲んでいる
  • トリプタンを3ヶ月以上に渡って、ひと月に10日以上飲んでいる
  • 鎮痛薬を3ヶ月以上に渡って、ひと月に15日以上飲んでいる
  • 頭痛治療薬のどれかを3ヶ月以上に渡って、ひと月に合わせて10日以上飲んでいる

(正確な診断については、きちんと医師の診察を受けるようにしてください。)

エルゴタミン、トリプタンは血管を収縮させて片頭痛を抑える薬です。片頭痛は血管が拡張するために起きてしまう病気で、その血管を収縮させることで片頭痛に効果があります。

エルゴタミンは昔から使われている薬で、頭痛が起きそうだと感じたときに飲むと効果があります。クリアミン配合錠などがあり、その効果は24時間も続きます。

トリプタンは比較的新しい薬で、頭痛の出始めに飲むと効果があります。イミグランやマクサルトなどがあり、すっきりとよく効く薬です。しかし効果が切れてしまうのも早いため、痛みが再発してまた薬を飲んでしまい服用量が多くなりがちです。

鎮痛薬は一般的によく使われる痛み止めです。ブルフェン、バファリン、カロナール、ボルタレン、ロキソニンなどいろいろあります。市販薬になっているものもあるため、痛みが辛いために自分で買って、つい過剰に飲んでしまうということも起きやすいでしょう。

どうして薬物乱用頭痛になってしまうのか?

薬物乱用頭痛の患者は男性よりも女性のほうが多くなります。10代で発症してしまうこともありますが、特に多いのは中年女性になります。

片頭痛の発作が出ると日常のちょっとした動作をするだけでも痛みが増してしまい、寝込んでしまうこともあります。仕事や家事といった普段の生活ができなくなってしまうため、発作が出たらどうしようという不安が常にあります。

そのような不安からつい早めに薬を飲んでしまうようになり、薬の量が増えて気付いたら薬物乱用頭痛になってしまっているのです。ドラッグストアなどで簡単に鎮痛薬が買えることも原因のひとつと考えられます。

また片頭痛に効果が高いとして処方されることが増えたトリプタンですが、他の頭痛治療薬に比べて薬物乱用頭痛を起こしやすいとされています。よく効く薬だからとして頼っているうちに使用量が増え、気付いたら薬物乱用頭痛になってしまっているのです。

そして頭痛のためにエルゴタミンやトリプタン、鎮痛薬などを飲み続けていると、次第に少しの痛みでも「痛い」と感じやすくなってしまうと考えられています。

痛みに敏感になっていくことでちょっとした痛みでも薬が必要になり、つい過剰に飲むようになっていってしまうのです。そして同じ薬を飲んでいても以前のように効かないと感じるようになっていきます。

不思議なことに慢性関節リウマチや腰痛などで長期間鎮痛薬を飲んでいても、このような薬物乱用頭痛になってしまうことはほぼないようです。そのため片頭痛などの病状自体が薬物乱用頭痛の発症に関わっているとも考えられています。

薬物乱用頭痛かも・・・と不安になったら!自分でもできることがあります

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自分の頭痛の症状が薬物乱用頭痛かもしれないと不安になったときには、すぐ医師の診察を受けてみて下さい。できれば頭痛の専門医を受診するとよいでしょう。

薬物乱用頭痛の治療法

薬物乱用頭痛の治療の原則は、以下の3点になります。

  • 原因となった薬物を中止する
  • 原因の薬物を中止した後に起こる頭痛を治療する
  • 頭痛の予防薬を使う

原因となった薬物を中止する際には、徐々に減らしていく方法とすぐに全て中止する方法とがあります。すぐに中止する方法は大変なことも多いですが、この方が良い結果が得られるようです。

予防薬には抗うつ薬や抗てんかん薬、カルシウム拮抗薬、β遮断薬など、いろいろな種類のものがあります。保険適用にはなっていないものの、効果があるとされているものもあります。

ただ予防薬を飲んでも、全く頭痛がなくなるというわけではありません。多少頭痛が起きることはありますが、今までよりは楽になるでしょう。

ひとつの予防薬を使ってみて効かなかった場合、別の予防薬に替えることで効果が出ることもあります。2ヶ月以上使っても効かないと思ったときには、医師に相談するようにしてみてください。

再発にも注意

薬物乱用頭痛は原因となった薬物を中止することで、70%くらいの人が改善するとされます。だた一度良くなっても、40%くらいの人で再発してしまうことがあります。

再発は、特に治療後の1年以内で多くなっています。片頭痛を長い間患っていた人や治療後に片頭痛発作が何度もあって薬を多く飲んでしまった場合などに再発しやすいようです。飲酒や喫煙も再発しやすくさせます。

頭痛ダイアリーをつけよう

いつ、どのような頭痛が起きたか、そしてどのくらい薬を飲んだかなどを医師に伝える場合、自分の記憶だけでは難しいこともあります。頭痛が起きているその時にははっきり覚えていても、次の診察までにはあいまいになってしまうでしょう。

自分の症状について正確に伝えるためにも、ぜひ「頭痛ダイアリー」を使ってみて下さい。いつ、どの程度の頭痛があって、何の薬を飲んだかなどと記入できる冊子になっています。薬局などに置いてありますし、インターネットから表を入手することもできます。

これを使うことで、自分の頭痛のことについて自分自身でもきちんと知ることができます。得られる情報は以下のようなことです。

  • 頭痛の頻度
  • どのような頭痛か
  • 痛みの強さ
  • 頭痛の持続時間
  • 前触れの有無や吐き気などを伴ったか
  • どの薬を使って効果はどうだったか
  • 生活にどのくらい支障があったか
  • その日にどのような出来事があり、頭痛の引き金になるようなことはあったか

ぜひ頭痛ダイアリーをつけて、診察の際に正しい情報を的確に医師に伝えるようにしてください。

まずは片頭痛を予防しよう!普段からできる頭痛対策

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片頭痛が起きたときに過剰に薬を飲んでしまわないためにも、片頭痛を予防するということも大切です。

人によって何が片頭痛の引き金になりやすいかは多少違います。頭痛ダイアリーをつけたりすることで、自分の頭痛がどんな時に起きやすいか気をつけて観察してみてください。

片頭痛は以下のような事柄によって引き起こされやすくなります。

  • ストレス、緊張
  • 寝不足や寝過ぎ
  • 天候の変化や温度差
  • 不規則な食事
  • 飲酒
  • いろいろな食品

片頭痛はストレスや緊張から解放されたときに起きやすくなります。片頭痛は血管が拡張することで起きやすくなるのですが、ストレスや緊張した状態では交感神経が優位に働き血管は収縮しています。

これから解放されることで交感神経の働きが弱まり、血管が拡張することで片頭痛が起きてしまうのです。休日になると片頭痛が出てしまうということもよくあります。

規則正しい生活をして、適度な睡眠やきちんと食事をとることも片頭痛を予防するためには大切です。飲酒は片頭痛を引き起こしやすくなるので気をつけましょう。

天候や温度差、他に騒音や臭いなどが引き金になってしまうこともあります。太陽が眩しいようならカーテンを閉めるようにしたり、サングラスを使うようにするとよいでしょう。暑い日には帽子をかぶることで効果があることもあります。

食品については、何が引き金になるかは人それぞれ違うようです。例えば

  • 赤ワイン
  • チョコレート
  • チーズ
  • 揚げ物
  • 豆類
  • 発酵食品

などに気をつけてみて下さい。

ボツリヌス治療が効く可能性あり

美容外科でシワ取りにのために行われる「ボトックス注射」については、ご存知の方も多いでしょう。ボツリヌス菌から作られたボツリヌス毒素を利用した施術になります。

実はこのボツリヌス毒素の注射が、片頭痛にも効果があるかもしれないことがわかってきています。海外では既に広まってきているようですが、日本ではまだ保険適用にはなっていません。自由診療のみで、行える医療機関も限られています。

効果があるかどうかについては、いろいろな意見があるようです。この治療を行って完全に片頭痛がなくなるというわけではありませんが、症状を軽くしてくれる可能性はあるかと思われます。

興味があるようでしたら、一度主治医に相談してみてもよいかもしれません。ただし自由診療のみのため、治療には少しお金がかかってしまいます。今のところ、保険適用になる見込みはありません。

頭痛体操で頭痛を和らげよう!

日本頭痛学会では、片頭痛や緊張型頭痛を和らげるための体操を紹介しています。首の後ろの筋肉をほぐすことで、脳の痛みの調節をする回路に良い刺激を与えてくれます。

■腕を振る体操
頭は動かさず、体の軸を意識してください。正面を向いて両肩を右側、左側へとひねります。これを2分間行って下さい。

首の周りの筋肉は、長年に渡って頭を支えてきたため疲労がたまって硬くなってしまっています。この筋肉のこりや疲れをとってあげるための体操です。

■肩を回す体操
足を肩幅くらいに開き、肩の力を抜いて肘を軽く曲げます。両腕を「リックサックを背負うように」内側へ回します。次に「洋服を脱ぐように」外側へ回して下さい。

これを6回繰り返してみてください。

■オフィスでもOK!椅子に座ってできる体操
椅子に座って両足をそろえ、顔は正面を向きます。左右の肩を、交互に前に突き出すようにして体を回してください。

(日本頭痛学会 頭痛体操より)

片頭痛の発作中などで痛みがある時には行わないでください。また体操中に痛みが出た場合には中止するようにしてください。

薬物乱用頭痛を予防するには、(当り前ですが)なるべく薬を飲まないようにすることが一番です。そのためにはまず、片頭痛を予防することが大切でしょう。

自分がどんなことをきっかけに片頭痛を引き起こしてしまいやすいかを知ってそれを避ける工夫をしたり、軽く体を動かし筋肉をほぐして、片頭痛を予防するようにしてみてください。

薬物乱用頭痛が進行してしまってからでは、その治療も大変になります。薬の乱用がまだ軽いうちにそのことに気付き、改善させていくようにしてくださいね。

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