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カフェインはプリン体!?でもコーヒーは痛風予防に効果あり!

コーヒーを飲む男性

痛風、圧倒的に男性に多い病気ですね。風が当たっても痛いと言われるくらい強烈な症状です。

これは尿酸と言う水に溶けにくい物質が、体温の低い足の指の関節などで結晶として析出することで関節炎を引き起こすというものです。

その痛風予防に、なんとコーヒーが効果アリ!と判明してきたのです。

尿酸の原因物質はプリン体なので摂取量は少なめにした方が良い

プリン体と言う物質が尿酸の元になるので、プリン体の多い食べ物は避けた方が良いとか、プリン体の2/3は体内で生合成される物だから食べ物は気にしなくてもよいとか、世間ではいろいろ言われていますね。

さてどっちなんでしょう。実際の所この事柄は、コレステロールについて食べ物を制限した方が良いとかしなくても良いとかの議論と混同されてちょっと話がややこしくなっています。

少なくとも血中濃度の高い人はプリン体をある程度抑えた方が良い

同じように食事制限の合理性について議論のあるコレステロールは、体内で必要な量を身体が生合成します。ですから食事を抑えてもその分合成量が増えると言う現象があるので、食事制限には今ひとつ意味がありませんでした。

これはコレステロールが細胞膜の原料であったり、脂肪の消化を助ける胆汁酸の原料であったりと、身体にとって材料となる物だから起こる現象なのです。

一方プリン体について見てみると、エネルギー産生の副産物であったり、新陳代謝された細胞であったり、せっかく食べ物から摂ったけど余ったりと言う廃棄物的な位置づけになることが多いのです。

もちろんリサイクルされれば問題はなく、問題になるのは尿酸に代謝されてしまう分です。そして食べ物から新しく入ってきたプリン体も、余剰分は尿酸に代謝されるんです。

つまり高尿酸血症や痛風の対策としてプリン体の摂取量を減らすことには意味がありますから、食事療法には積極的に取り組んでくださいね。

プリン体は最終的に尿酸になる

ここからは詳細な説明になりますので、面倒だと思われる方は次の「プリン体って何?~」の見出しまで飛ばしてくださいね。

プリン体が多く含まれているのは細胞の中の遺伝子です。遺伝子の話になると良く出てくるDNAと言う物がありますね。DNAには4種類の核酸と呼ばれるものが並んでいて、その並び方で遺伝情報をコード化して保存しているのです。

DNAの情報をコピーして、自らが鋳型となってDNAの複製を作る役目などを担っているRNAも4種類の核酸を持っていて、DNAの核酸の並びをコピーする働きをしています。

この核酸のうちアデニンとグアニンと言う2つがプリン体です。核酸はDNAとRNAでは1組が異なっているため全部で5種類です。ですから核酸の40%はプリン体であると言って良いのかも知れません。

またエネルギーを作り出す物質であるアデノシン三リン酸や、エネルギー取出し後のアデノシン二リン酸も、ヌクレオチドと呼ばれる、プリン体と糖とリン酸の化合物です。

食べ物に含まれるプリン体はヌクレオチドとして遊離した後、酵素の働きで核酸などの材料として取り込まれます。

しかし過剰なプリン体はヌクレオチドとなったのち、数段階の酵素による分解を受けて尿酸になります。また新陳代謝で分解された細胞に含まれていた核酸も、同じように尿酸へと分解されるのです。

ま、つまりあーだこーだなってプリン体は尿酸になってしまうのです。

食べ物から摂ったプリン体の過剰になってしまった分は尿酸一直線ですから、やっぱり控えるにこしたことはないですよ。

プリン体って何?どんな物質がプリン体なのか

プリン体と言うのは一つの物質ではなく、プリン骨格(プリン環)と言う構造を持った物質の総称です。これは炭素と窒素で構成された六角形と五角形がくっついた形のものです。

もともと「純粋な尿」と言う意味のラテン語から作られた言葉で、食べ物のプリン(もとは腸詰と言う意味)とは全く関係がありません。

そして痛風の原因物質である尿酸もプリン体に分類される物なのです。

プリン体

プリン体は植物特有の物質としても存在しています。有名なのはカフェインですね。また、お茶の苦味成分であるテオフィリンや、ココアのテオブロミンもプリン体です。

詳細は後の方でカフェインを代表としてお話ししますが、こうした物質はなぜかプリン体でありながら血中尿酸値に影響を出さないのです。

プリン体であるテオブロミンには気を付けて!

一方、テオブロミンは動物、特に犬と馬に強い悪影響があります。その他ハムスターやうさぎ、牛、豚、鶏にも毒ですし、比較的ましとは言え猫にも悪影響があるようです。

インターネット上には致死量を基準に犬にチョコレートを食べさせても大丈夫と言った情報が流れていますが、死ななければ良いと言う論理はおかしいですよね。可愛いペットに苦痛を与えるべきではありません。

それに個体差と言う物があって、特にテオブロミンの代謝が遅い犬の場合、チョコレートを食べさせると中毒して死ぬこともありますので、ペットにチョコレートを食べさせることはやめておいて下さいね。

ペットの場合、人間が食べているものは何でも欲しがると言う傾向がありますから、勝手に食べちゃう可能性はあります。小型犬が板チョコ1枚と言うのは致命的になり得ますが、チロルチョコ1個程度なら様子を見ておけば良いでしょう。

興奮状態になったり、逆に寝てばかりになったりすれば獣医さんに行った方が良いかもしれません。特に異常がなければ獣医さんに駆け込むほどではないと思います。

カフェインについてはもう少し後でコホート研究の結果の説明の中で紹介することにしましょう。

カフェイン、チョコレートやココアの苦味成分テオブロミンもプリン体ですが、尿酸値には影響がでないのです。

しかしテオブロミンは動物に対しては少し危険なので、ペットのわんちゃんにはチョコなどをあげないようにしましょう。

プリンが酸化されると尿酸になる

プリン体の代表はプリンと言う物質です。化学式はC5H4N4、比較的シンプルですね。そして痛風の元凶である尿酸は化学式C5H4N4O3、つまりプリンに酸素が3つくっついている、そう酸化されたプリンなのです。

プリン体はこのプリンを骨格とした物質なんです。そして代謝されて最終的に尿酸になると言うことが共通しています。

この尿酸は他の哺乳動物ではさらに分解されて無害なものに変えられます。人間と一部の霊長類だけが尿酸を分解できず、痛風のリスクを持っているんです。

これには大きな理由があります。尿酸はビタミンCより強力な抗酸化物質なのです。人間はビタミンCを体内で合成することができませんので、その代わりに尿酸を抗酸化物質として使っているとも言われています。

ですから、他の尿酸を分解できる哺乳動物ではビタミンCを体内で作り出すこともできるんです。このため人間においては血液中の尿酸値が低すぎるのも具合が悪いんですよ。

尿酸を分解できない人類は痛風のリスクを負ってしまいますが、一方で尿酸を抗酸化物質として体内で使っているとも言われていますので、血中尿酸値が低すぎるのも良くないのです。

プリン体であるカフェインがあってもコーヒーは痛風を予防する

カフェインがプリン体だと言うことになると、コーヒーや紅茶は痛風の原因になるのだろうかと心配になりますよね。痛風患者さんの日常生活指導においては一日のプリン体摂取量の目安は400mgとなっています。

コーヒーのカフェイン含有量は焙煎度合や淹れ方、レギュラーかインスタントか、カップのサイズなどによっても変わりますが概ね60~150mg/1杯です。

と言うことになると、カフェインの多いタイプのコーヒーだと3杯で1日の目安量を突破してしまいますね。ちょっと心配です。

大規模要因対照研究によるとコーヒーは飲むほど痛風を予防する

カナダのブリティッシュコロンビア大学などの研究グループは、およそ12年間にわたってコーヒーを飲む量と痛風発症リスクについて研究を行いました。

対象はおよそ4.5万人の痛風歴のない男性です。その人たちを4年ごとに調査、12年間のデータが集められました。

痛風に関係する可能性のある飲み物として、

  • コーヒー
  • カフェインレスコーヒー
  • 紅茶
  • その他の飲食物

からのカフェインの摂取量をベースに調べられたものです。

12年間に750人余りが痛風を発症していました。それを見ると、紅茶やその他の飲食物からのカフェインは痛風とは関係が見られませんでした。

一方、コーヒーとカフェインレスコーヒーでは、飲んだ方が痛風に罹りにくくなっていたと言うデータが得られています。

まず、カフェインの入った普通のコーヒーの摂取量との関係です。

コーヒー摂取量 痛風発症リスク
飲まない(比較基準) 1.00
1日1杯未満

0.97
1日1~3杯 0.92
1日4~5杯 0.60 *
1日6杯以上 0.41 *

(*は信頼区間95%で有意)

次にカフェインレスコーヒー、いわゆるデカフェの摂取量との関係です。

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カフェインレスコーヒー摂取量 痛風発症リスク
飲まない(比較基準) 1.00
1日1杯未満

0.83
1日1~3杯 0.67 *
1日4杯以上 0.73 *

(*は信頼区間95%で有意)

このデータから見ると、普通のコーヒーはたくさん飲むほどリスクが下がっていますね。一番多く飲んだグループではリスクが半分以下になっています。一方で、カフェイン抜きの場合は1~3杯の成績が良いようです。

コーヒーの有効成分が何なのかはわからない

推測ですが、カフェイン抜きのコーヒーは、インスタントであったり、液化二酸化炭素で処理したレギュラーコーヒーだったりと、何らかの処理が加わっているため有効成分のロスがあるのかもしれませんね。

たくさんコーヒーを飲むと言うことは、尿酸を排泄するための水分量が増えたからと言うことも考えられますが、他の飲み物では有効性が示されていないところから、コーヒーの成分に秘密があるのでしょう。

やはり痛風で警戒すべきは核酸系プリン体なのかも

カフェインも核酸も同じプリン体ですので、代謝されると最終的には尿酸になります。にもかかわらずカフェインを大量に摂っているはずのコーヒー大好きな人では痛風リスクが大きく下がっています。

コーヒーの有効成分がカフェインのリスクを下げているのかと言うと、紅茶などでは影響がなかったと言うデータもありますので、そもそもカフェインは痛風の原因にならないプリン体なのかもしれませんね。

カフェインはテオブロミンやテオフィリンと並んで、キサンチンと言うプリン体からできています。キサンチン自体は尿酸一歩手前のプリン体で、あと1個酸素原子がくっつくと尿酸になると言う直前物質なのです。

それにメチル基と言う物が2個付くと、付く場所によってテオフィリンになったりテオブロミンになったりします。一方、3つ付くとカフェインになりますが、核酸であるアデニンやグアニンにはメチル基ではなくアミノ基が付いています。

案外この辺りに何かがあるのかもしれませんが、それは研究者の皆さんがデータを発表して下さるのを待つことにしましょう。現段階では、私たちは安心してコーヒーが飲めると言うことだけで充分です。

コーヒーが尿酸値に影響しない理由やどの成分に有効性があるのかはわかりませんが、データではしっかり”コーヒーは大丈夫”とでています。

痛風を予防したいならコーヒーを飲むな!なんてことにならなさそうなので、コーヒー好きさんはご安心を。

痛風予防には核酸系のプリン体とアルコールを摂らないこと

一般的な痛風予防についてはこの健康生活の中でも様々取り扱っていますので、下部に紹介しておきます。

アルコールはやめて、動物性の食べ物はそこそこにしましょう。乳製品は適量を摂ると痛風予防に効果的だとも言われていますね。

一番に言われているのはおつまみの問題です。動物性のうま味は核酸系なのです。鰹節のうま味はイノシン酸で、これは肉類のうま味成分でもあります。

酸に出会うと分解されてプリン誘導体のヒポキサンチンが発生します。つまり、美味しい動物性の食べ物にはプリン体があるから美味しいと言っても良いでしょう。

では植物性は大丈夫なのかと言うと、グアニル酸と言うものがあります。これはシイタケのうまみ成分であり、やはり核酸系の物質でもあるのです。

ただ、メタボリックシンドロームなど肥満にかかわる部分での痛風リスクを考えると、動物性より植物性の比重を高くする方が安全だと言えるでしょう。

味の素などのうま味調味料にグルタミン酸ナトリウムの補助として入っている5′-リボヌクレオタイドナトリウムは、イノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムの混合物です。昆布と鰹節と椎茸…おいしいはずですよね。

なぜお酒が痛風に好ましくないのか

一方、プリン体ゼロの物であってもお酒はプリン体を生みます。

  1. アルコールはアセトアルデヒドに分解される
  2. アセトアルデヒドは酢酸に分解される
  3. 酢酸は補酵素AとATPからアセチルCoAを生み出す
  4. アセチルCoAの副産物としてアデニル酸(プリン体)が生成される
  5. アデニル酸は酵素の力で尿酸に分解される

このようにしてアルコールは分解されていき、エネルギーを生み出すクエン酸回路の中で重要な役割を果たすアセチルCoAを生み出すと同時に、尿酸も生み出してしまうんですね。

ワインは尿酸を減らすと言う効果が謳われる場合もありますが、概してお酒は痛風に良い影響を与えませんので、敬遠しておいた方が無難ですよ。

動物性の食べ物はそこそこにし、お酒は避けるが吉です。

どうしても飲みたいなら、プリン体の比較的少ない蒸留酒を選びましょう。でもやっぱり休肝が大事!

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