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若い人が痛風になる原因は?痛風予防の食事には植物性たんぱく質を

ハンバーガーを食べる若い男性

もともと中高年齢層の病気だとされていた痛風ですが、ここにきて若い世代にその中心が移ってきていることが問題になっています。とは言え、ある日突然若い世代に増えたわけではなくて、徐々に若い世代に増えてきたと言う感じです。

しかも、既に若い世代が痛風の中心になってから30年前後も経過していますので、もはや痛風は若者に多い病気と言うことになっているのかもしれません。

一方、アルコールに対する意識が高まってきて無理な飲酒が減ったり、ノンアルコール飲料の普及が進んだりしていますから、今後は患者数が減る方向で推移する可能性も予想されます。

いずれにせよ、お酒や食べ物との付き合い方を間違えると、素因を持つ人は痛風を発症して、文字通り「痛い目」を見かねませんので注意して下さい。

痛風はなぜ起こる?西洋の食習慣が日本にもたらした病気、痛風とは

日本では1960年までは痛風は非常にまれな病気で、滅多にみられるものではなかったのです。ところが、それ以降急激に患者数は増加し、現在では30万人~60万人の患者数があるものと推定されています。

その原因として挙げられているのが、食生活の欧米化とアルコール摂取量の激増の2つの要素です。痛風と言えば「太った酒飲みの中年おじさん」と言うイメージが強いですね。しかし、それも最近では一概に言えなくなってきているのです。

痛風発症の中心年齢帯は30代男性

痛風患者が増え始めた1960年代半ばでは、発症した患者さんの年齢は50代が中心でした。しかし、1980年代半ば以降は30代での発症が最も多くなっています。

これは食生活の変化によるものが大きく、過食傾向と共に、この年代でのビールの消費量が大きく伸びたことと関連付けられて報告されました。

その後、ビールだけではなくアルコール飲料そのものが痛風の原因となることが判ってきましたが、いまだに痛風=ビールの飲み過ぎと言う図式が信じられているのは、この時の名残なのです。

こう言うと30代は中年ではないように聞こえますが、中年とはどの年代を指すのでしょうか。実ははっきりした定義はありません。20代は29歳であっても青年と呼べなくはありません。

一方、40歳の別名が初老、50歳の別名が中老であることを考えると、30代は立派に中年です。壮年期と言う、青年は過ぎたけれど中年にはまだ早いと言う呼び方もありますが、30代はだいたい中年の入り口に立ったと意識すればいいでしょう。

特に、生活習慣病や比較的若い年代で発症するがんなどを意識すると言う意味でも、身体的には30歳になったら中年なんだと意識する方が良いかもしれませんね。

一方、中年の終りですが、59歳を採る場合と64歳を採る場合があります。それ以降は高年・高齢者と言うことになります。

女性は女性ホルモンによって痛風から守られている

さて、痛風は男性に多い病気ですが、男女比はどのくらいだと思われますか?実は男性が98.5%、女性が1.5%と、実に66倍もの差があるのです。

これは女性ホルモンのエストロゲンが、女性の身体の中で痛風の原因になる尿酸を増やさないような働きを持っているからなんですね。

しかし、エストロゲンが痛風を抑制していると言うことは、エストロゲンの分泌が減る閉経後にはその効果がなくなると言うことでもあります。実際に閉経後の女性では、痛風発症リスクは男性とそれほど差がなくなるようです。

さらに、閉経まではまだまだと言う女性でも、近年痛風が増えてきています。それは肥満が原因だろうと推定されています。ですので、女性だからと安心せずに、肥満と判断される体重にまでは増えないよう注意しておきましょう。

子供はめったに痛風にならない

小児科の範囲で痛風についての研究と言うのはそれほど行われていません。「中年おじさんの病気」について子供を調べると言う方向にはなかなかならなかったようですね。

しかし、病院を対象にしたアンケートでは、少ないながら見つかっています。12歳から18歳までの未成年者で、7.0mg/dL未満が正常値とされる尿酸値が8.5~11.4mg/dLであったそうですので、相当高いですね。

詳細は明らかにされていませんが、ほとんどの子供には基礎疾患があったと言うことです。ですので、思春期にかけてのお子さんで、何らかの基礎疾患がある人は、尿酸値が高いことを指摘されたらお医者さんに食事指導をお願いしましょう。

痛風は完全に男性の病気と言っていいようですが、女性でもリスクがゼロと言うわけではありませんので注意しましょうね。

痛風のメカニズム!プリン体が尿酸に代謝され身体に溜まることで発生する

痛風の話題になると、尿酸が溜まるとかプリン体が悪いとかいうことが必ず語られます。この尿酸ですが、実は尿酸自体もプリン体です。さまざまなプリン体が体内で代謝された最終産物が、尿酸と言う物質なのです。

この尿酸が、身体のなかで結晶化して関節炎を引き起こしたものが痛風発作と呼ばれるものです。

プリン体の2割くらいはは食べ物から身体に入ってくる

プリン体の多くは体内で作られています。エネルギー物質のATPや、DNAをコードしている核酸などが古くなって廃棄される場合、これらもプリン体ですので尿酸に変化します。そして、食べ物からもプリン体はやってきます。

プリン体を多く含む食べ物は、遺伝子を持った食べ物です。ですので、大抵の食べ物に含まれています。それでも多い少ないはありますので、痛風が気になる人は食べ物に注意を払って下さい。

詳しいことが別の記事に食品リストなどと合わせて掲載されていますので、そちらをご覧ください。
プリン体の多い食品一覧!痛風になったらこの食事法で改善

プリン体が尿酸に代謝されても排泄されれば問題は少ない

プリン体が代謝された最終産物が尿酸と言うわけですが、このほとんどは尿から排泄されます。一方で尿の液性が酸性に傾くと尿酸の排泄量が減ってしまいますので、尿は中性を保つようにしたいものです。

アルカリ性じゃダメなのかと言うと、尿がアルカリ性に傾くのは、それはそれで別の病気ですのであまり良くありません。とは言え実際の所、弱酸性でも弱アルカリ性でもそれほど影響はないようです。

しかし、pH5.0より低い値になると、尿酸の排泄量が少なくなりすぎて痛風のリスクが上がってきます。また、pH8.0より高い値になると腎盂腎炎などの病気が心配になってきます。ですので、できるだけpH7.0に近いところをキープしましょう。

尿を酸性に傾けてしまうのは、まず肉食です。もちろんお肉は食べなくてはいけません。しかし、必ず一緒に野菜をたくさん摂って下さい。野菜をたくさん摂ることでお肉によって酸性に傾いた尿が中性に戻ります。

具体的な実験データが見当たらなあったので、数値的なものは示せませんが、よく言われるお肉の3倍量の野菜を摂っておけば間違いないのではないでしょうか。160グラムのステーキを食べる時には、温野菜やサラダを最低500グラムと言うことです。

痛風おじさんのイメージと言えば焼鳥にビールで、野菜なんかほとんど食べないと言う感じですね。まさにそうした食生活が痛風を呼ぶと言っても良いでしょう。

痛風をもたらす遺伝子の異常が見つかっている!でも大切なのはやっぱり生活習慣

痛風が遺伝子の異常で発生すると言うと、「食生活は関係なかったんだ」と思う人もおられるでしょう。特に問題のある食生活を送っている人ですね。

実は、食生活が影響しないほど遺伝子異常が強く影響する場合もありますが、それは「遺伝病」とはっきり定義されるほどのレアケースなのです。

大半の遺伝子異常は、痛風のリスクを上昇させるけれど、食生活の見直しや場合によっては薬物療法で対応可能なレベルなのです。

尿酸を捨てる機能が落ちる遺伝子変異

生物の細胞膜などにはトランスポーターと呼ばれるたんぱく質が色々存在しています。有名なのは、インスリンが出た時に血糖を細胞に取り込むGLUT4(グルコーストランスポーター4)でしょうか。

膜があって、そのままでは物質がその膜を通過できない場合、トランスポーターが手を引いてやって膜を通過させる働きを持っています。

その内の1つにATP結合カセット輸送体サブファミリーGメンバー2(ABCG2)と言う物があります。これは腎臓や消化管に存在していて、尿酸を尿や便に排泄する働きを持っています。

このABCG2の遺伝子に変異が起こっている人では、充分に尿酸を排泄することができず、血中尿酸値が上昇して痛風を引き起こすリスクが高くなることが判っています。もちろん、遺伝子の変異パターンによって、そのリスクの上がり方も変わってきます。

日本人の痛風患者の10%程度に見られた変異パターンでは、痛風リスクが26倍にもアップするものがありました。一方で3倍にアップする変異パターンは45%もの患者に見られました。

様々なパターンを合わせた場合、痛風患者の80%に何らかの変異があったことが報告されています。こうした変異パターンが遺伝するかどうかはまだ判っていませんが、血縁者に痛風を患った方がおられる場合、警戒しておくに越したことはありません。

こうした遺伝子変異はリスク上昇が発生しますが、遺伝病ではないので遺伝子変異があったからと言って必ず痛風を発症するものではありません。言い換えれば、ハイリスク群であっても生活習慣を良好に保つことで発症を予防できる可能性は充分にあるのです。

単純な数値計算ですが、例えば日本人男性で30歳以上の人の痛風罹患率は1%程度です。つまり100人に1人が痛風になると言うことですね。そして、一番リスクが高まる遺伝子変異を持っている人であってもおよそ4人に1人が痛風になると言うことです。

逆に言えば、痛風リスクが最も跳ね上がる遺伝子変異がある人でも、4人に3人は痛風を発症しないと言うことでもあります。ですので、血液検査などで尿酸値の異常を指摘された場合は、すぐに野菜をたくさん食べる生活に切り替えて、お酒はやめましょう。

もちろん、尿酸値に異常がなくても、予防的に食生活を見直すだけで、リスクがうんと低くなるでしょう。

尿酸の再吸収にかかわるトランスポーターがある

ABCG2は体内から尿酸を捨てるために働くトランスポーターでしたが、これとは逆に、一旦ろ過して外に出した尿酸を再吸収するメカニズムもあります。

尿酸はビタミンCよりも強力な抗酸化物質で、体内で活性酸素を取り除く働きを持っています。ですので、捨てるばかりでは具合が悪いので、再吸収メカニズムも存在しているのです。

これには2つのトランスポーターが知られています。1つはURAT1、もう1つはグルコーストランスポーターグループに属しているGLUT9です。

このうち、URAT1は、女性ホルモンのエストロゲンによってその働きを抑制されるのです。つまり、エストロゲンがたくさん分泌されている初潮から閉経までの間の女性は、身体から尿酸を排出してしまう働きが非常に強力であると言うことなのです。

これが痛風が圧倒的に男性に多い病気であると言う理由なのです。

実は先の2つの尿酸トランスポーターはどちらも日本の研究者の先生が発見しているんですよ。そして、ABCG2の遺伝子変異も2009年11月に防衛医大など11研究施設の34人の先生方によって発表されたのです。

痛風をもたらす大きな要因は内臓肥満!中年も女性も子供も気をつけて

女性であっても子供であっても痛風がゼロであるわけではありません。

しかし、その多くに肥満が関与していることが判っています。もちろん男性でも肥満が大きな痛風リスクをもたらすことは明らかです。

ですので適切な食習慣と運動で適切な体重を維持しましょう。但し、尿酸はエネルギー物質ATPからも作られるため、激しい運動は尿酸を量産してしまいます。ですので、適度な強度の運動を行うようにして下さい。

若年性痛風患者では体脂肪とBMIが大きな病因だった

若くして痛風になった人の中でも、特に10代で発症した人の場合、平均BMIが27.2kg/m2と、肥満の基準である25.0kg/m2を大きく上回っていました。

この年代での肥満は内臓脂肪よりも皮下脂肪型が多く、尿酸については排泄が上手く行っていないケースが多かったと言う報告があります。肥満すると糖尿病のメカニズムである「インスリン抵抗性」が現れます。

食後にインスリンが分泌されても、脂肪細胞のせいで充分インスリンが働かないと言う現象ですね。この現象が起こると尿酸が身体から排泄されにくくなります。糖尿病を患っている人に痛風が多いのもこれによるものだと考えられています。

中年の痛風は隠れ肥満が危険要素

一方、中年になってくるとメタボリックシンドロームの基礎的要因である内臓脂肪が溜まり始めます。内臓脂肪が溜まった肥満の場合、BMIはぎりぎり正常値範囲であることも珍しくありません。いわゆる「隠れ肥満」ですね。

こうした場合、尿酸については産生量が増えると言う傾向にあります。その他の要因としては、野菜不足と肉類の過食によるプリン体の過剰摂取、プリン体の体内での合成促進などが考えられますね。

さらに、まだ物質は特定されていませんが、脂肪細胞が作り出す何らかの生理活性物質(アディポサイトカイン)が介在している可能性も示唆されています。

生理的な働きとして、男性に比べると女性の方が体脂肪が多くなる傾向にあります。一般的には女性の場合皮下脂肪型になるようですが、いずれにせよ脂肪が過剰になると尿酸の産生や排泄に問題が起こります。

いくら女性ホルモンに守られているからと言って、油断しているとうら若き女性が「中年おじさん病」にかかっちゃうかもしれませんよ。特に見た目は太くないのに、内臓脂肪が増える「隠れ肥満」注意して下さい。

やっぱり「太った中年おじさん」と言うイメージはある程度正解だったと言うことですね。心当たりのある人はダイエットに励みましょう。

痛風予防に食事で気をつけたいことは?植物性たんぱく質を摂ろう

現在たんぱく質と言えばお肉や卵、牛乳と言うことになります。しかし、まだ痛風がそれほど見られなかった前の東京オリンピックの頃と言えば、日本人の食卓に並ぶたんぱく質の中心は大豆でした。

そして、動物性たんぱく質は魚が中心で、お肉と言えば鯨肉が多かった時代です。お魚は今でも取りたい食品の一つですよね。お魚についてはたんぱく質組成よりも、皆さんがよく話題にされるように脂肪酸組成に注目が集まっています。

痛風予防に大豆など植物性たんぱく質に重きを置く

痛風については先にお話しした通り、特に肥満が悪影響を及ぼします。そこで飽和脂肪酸が少なく、メタボリックシンドロームに繋がりにくい食事構成を考えることが必要です。

そうした場合、大豆を中心とした植物性たんぱく源や、魚介類からたんぱく質を摂ることを検討したいですね。ご飯やパンなどをたくさん食べてお腹を膨らせる、糖質に偏った食事はやはりメタボに繋がりますので注意が必要です。

昔はコクを出すために野菜料理にちりめんじゃこや油揚げを加えることが多かったと思います。もちろん現在でもそれは美味しい献立ですが、昔ほど多くないのではないでしょうか。

最高のたんぱく源である鯨肉に関する基礎的情報

現在では高価で手が出しにくくなっていますが、鯨肉は最高のたんぱく源なんです。低脂肪で高たんぱくであることはもちろん、鉄分も多いしビタミンB群も多く含まれています。

そして何より、哺乳動物でありながら脂肪酸組成はむしろ魚に近いのですが、DHAやEPAは含まれてはいるものの魚より少なく、その分一価不飽和脂肪酸が多くなっているため、魚油より酸化耐性が高いのです。

ですのでチャンスがあったら食卓に乗せるのはお勧めですし、味を知っておかれることも貴重な経験になると思います。

現在では国際的な取り決めで捕鯨は縮小してしまっていますが、脂肪酸組成において鯨肉は動物の肉と魚の肉の良いとこ取りのような成分であることが世界的に知れ渡ってしまうと、再び乱獲で鯨の数が減るかもしれませんね。

そしてこの栄養成分、イルカも同じようなものなのです。実はイルカと鯨は同じ動物なのです。だいたい4~4.5mと言うサイズを区切りに大小で呼び分けているだけで、それもアバウトなんですよ。

実際、サイズ的にゴンドウクジラはイルカですし、シロイルカは鯨です。実際には差のない動物なんですが、イルカを食べると言うと習慣のないところでは残酷に聞こえるかもしれませんね。

脂肪過多の肉類に慣れてしまった若い世代の人たちには、鯨肉はカスカスしているように感じられるかもしれませんし、ヘム鉄が多いことは独特の臭みと感じられるかもしれませんが、栄養価的に鯨は最高なんですよ。

今後、捕鯨が再開されるかどうかは国際情勢にかかっていますし、あまり希望は持てませんが、こうした事実を知っておくことは悪くないと思うので紹介しました。

豆類とナッツを上手く取り入れて植物性たんぱくを摂る

大豆は優れたたんぱく源ですから、その未熟豆である枝豆もまた優れたたんぱく源です。しかもいくらでも食べられてしまいそうなほど、美味しくて食べやすいので利用しない手はないですね。

しかも冷凍食材にもなっていて、一年中入手しやすいと言うのも高ポイントです。もちろん小豆やソラマメもたんぱく質豊富ですよ。

また、ナッツ類はそのまま気軽におやつとして食べられるから良いですよね。ピーナッツやアーモンドはもちろん、すいかやかぼちゃの種を炒ったものも美味しくて高たんぱくです。

さらにゴマやヒマワリの種、カシューナッツなんかも良いですね。一方、低糖質で有名なペカンナッツ(ピーカンナッツ)やチョコレートと親和性の高いマカダミアナッツ、秋の味覚である栗やぎんなんはたんぱく質は少なめです。

こうしたことを頭に置いて、動物性食品を控えながらもたんぱく質を不足させない食生活を送ることで、痛風になりやすい体質の人でも、それを回避することが可能になるでしょう。

枝豆は優秀な食品ですが、ビールを呼んでしまうと言う欠点があります。痛風予防にはノンアルコールのビールテイスト飲料にしておきましょう。
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