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緑内障の予防に硝酸塩?失明を救う食べ物と緑内障の原因とは

leaf vegetables and eyes

緑内障と言う目の病気は、40代になればかなり気になる病気の一つです。40歳以降で緑内障にかかる確率はおよそ5%、20人に1人が緑内障だと言うデータもあります。

緑内障は症状が進み視野が欠けてくると、欠けた視野ははもう回復しません。ですので、予防が最優先で、次は罹患したらそれ以上進行させないように止めることが重要になります。

その予防について、葉野菜に含まれる成分のうち、これまで身体に悪いと考えられていたものが、緑内障のリスクを下げるのに役立つと言う研究成果が発表されました。

緑内障の種類や原因について、そして緑内障に有効な食べ物についてお話します。

緑内障には種類がある!原発性タイプやその他のメカニズム

緑内障には遺伝的なものや他の病気に続いて起こるものもありますが、今回のお話は他に原因が見当たらない「原発性」と呼ばれるものについてです。

また原発性の物には慢性的に症状が進むタイプと、急性で一刻を争うタイプのものがありますが、緑内障の中で最も数が多い「原発性」で「慢性」のタイプについて見て行きましょう。

急性緑内障は一晩で失明してしまうこともある

今回のテーマからは外れますが、急性症状を出す「原発閉塞隅角緑内障」は急性緑内障とも呼ばれる非常に危険なもので、一刻を争います。詳しくは別の記事をご覧ください。
失明もあり得る!突然の強い頭痛と吐き気は急性緑内障を疑え!

これに対して、原発開放隅角緑内障と言うものが慢性的に症状の進むもので、緑内障の中で最も一般的なものになります。

緑内障では「眼圧」と言う物が注目されます。皆さんもお聞きになったことがあると思いますが、これは眼球の中の圧力のことです。圧力と言うと血圧を連想しますが、血圧と眼圧に直接的な関係はありません。

眼圧が上がる原因は房水と言う液体が滞るため

眼球の中は房水と言う液体で満たされています。これは毛様体と言う目のレンズを支え、厚みを変えてピントを合わせる筋肉の表皮細胞から眼球の中に分泌されます。

そして瞳を形作っている虹彩の裏側から角膜の裏側を流れ、隅角の部分から眼球の外へ排出されるのです。この房水は血液から凝固成分を完全に取り除いた「血清」とほぼ同じ成分でできています。

normal eye

この隅角と呼ばれる部分が何らかの原因で閉じてしまったり、房水の排出が悪化するぐらい狭くなったりすると、先に紹介した急を要する症状原発閉塞隅角緑内障、つまり急性緑内障が起こります。

primary angle-closure glaucoma

それに対して、隅角自体に問題はないけれど、房水の出口にあるフィルターが目詰まりすると、徐々に房水が眼球に溜まって行って眼圧が上昇、原発開放隅角緑内障、つまり慢性の緑内障が起こります。

但し、日本人に多いタイプとして、眼圧がそれほど上昇しない正常眼圧緑内障と言う物もありますので、少し注意が必要です。

primary open -angle glaucoma

中年に差し掛かったら誰もが注意しなければならない緑内障、その割にはどんな病気なのかと言うことは良く知られていませんね。

緑内障は放置すると失明につながる!緑内障の原因は

緑内障は日本人の失明原因No.1の病気です。かつて1位だった糖尿病性網膜症を追い越し、失明した人の1/4が緑内障が原因であったと言うレベルにまで達しています。

blindness cause of Japanese

それだけに、緑内障を予防・早期発見することは非常に重要になってきているのです。

緑内障の定義は視神経が特徴的に障害される病気

昔は緑内障と言うと眼圧が上昇する病気と言う解釈でしたが、先に紹介した正常眼圧緑内障がかなり多いことから、最近では定義が変わってきています。

緑内障は、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である。

このように、眼圧は治療方法の部分に特化され、病気の定義としては視神経と視野が障害されると言うことを要件にしています。

緑内障の原因はまだ完全には解明されていない

緑内障の原因は、以前には眼圧が上がることで視神経が押しつぶされて壊れて行くことだと考えられていました。しかし、特に日本人に多い正常眼圧緑内障は、この原因では説明がつきません。

現在では視神経の伝達において、何らかのトラブルが起こっているのではないかと言う考え方になってきています。

そのリスクファクターの大きなものが眼圧であり加齢であると言う解釈になっているようですね。いずれにせよ眼圧を下げると神経伝達が改善される部分もあるので、積極的に眼圧を下げる治療が行われています。

緑内障は一刻も早く治療を開始するのが大事

緑内障によって失われた視野は二度と回復しません。ですので、どんなタイミングであっても緑内障と判ったら1分1秒でも早く治療を開始しましょう。そうすることでそれ以上の進行を止められる可能性が出てきます。

緑内障には内服薬や点眼薬による治療の他、レーザー治療や手術による治療があります。いずれも房水の排出をスムーズにすることで眼圧を下げるのが目的です。

正常眼圧緑内障であっても、そこから眼圧を下げると改善することが判っていますので、どのような治療が適しているのかをお医者様とよく話し合って治療方針を決めましょう。

自分の希望はどんどん言っていいんですよ。手術が嫌ならそれをはっきり伝えて下さい。お医者様は、例えば副作用がきついけれど内服薬にするかどうかを尋ねて下さるかもしれません。

症状が進み過ぎていて、手術以外の方法では失明が避けられないなら、そのことを患者さんに伝えて下さるはずです。

お医者様が「脅すようなことを言う」と不満を持つ方もおいでですね。そう感じられたら、別の病院でセカンドオピニオンを貰うと言う方法もあります。

お医者様は事実を事実として患者さんに告げるのが仕事です。ですから、時としてそれが脅迫じみて聞こえることもあるのでしょう。

それはお医者様のコミュニケーション能力の問題かもしれませんし、患者さん側の恐怖心のなせる業かもしれません。しかし科学的な事実はどう言葉を繕っても変わりませんから、適切な治療を受けるようにした方が良いですね。

最終的に治療方針を決めるのは患者さんです。ですから、お医者様ととことん話し合って、手術を回避するにせよ受けるにせよ、自分で決めた治療方針はしっかり守りましょう。

お薬の飲み忘れなんてもってのほかですよ。

医療者から情報を貰って自分で治療方針を決め、それに従うことをアドヒアランスと言います。

どんな病気でもこのアドヒアランスに沿ってしっかり治療した人の改善率は、黙って病院から出た薬などを受け入れている人よりずっといいと言うデータもあるんですよ。

救世主はほうれん草?一酸化窒素が緑内障を予防することが判ってきた

一酸化窒素と言うと、一般には血管の拡張に役立つと言うイメージが強い物質です。有名なところでは狭心症の治療薬「ニトログリセリン」は、体内で一酸化窒素を生み出し、血管を拡張することで症状を抑えます。

また、EDの改善効果があると期待されているアミノ酸のアルギニンも、体内で一酸化窒素を生み出して血管を拡張させることで、症状の改善に繋がると考えられています。

一酸化窒素の効果は血管拡張ばかりではない

一酸化窒素は神経伝達物質としても働くものです。そして、先に紹介した緑内障の原因と考えられているものの一つに、一酸化窒素によるシグナル伝達異常があるとされています。

この伝達異常が房水の流出率に関与していることがいくつかの研究から示されています。そうしたことから、一酸化窒素を与えることが原発開放隅角緑内障予防改善のターゲットになるのではないかと考えられました。

アメリカの複数の病院や大学の研究者による研究グループは、世界五大医学雑誌の一つ、アメリカ医師会雑誌JAMAのオンライン版2016年1月14日号に「食事から摂る硝酸塩と原発開放隅角緑内障の関係」と言う論文を発表しました。

その論文には、食事から一酸化窒素の原料となる硝酸塩を多く摂っていた人は少なく摂っていた人に比べて明らかに緑内障リスクが低いと言う関係が示されています。

risk of nitrate intake and glaucoma

このように、食事由来の硝酸塩は緑内障リスクを下げてくれることが見て取れますが、特に初期の緑内障リスクを下げる、つまり緑内障にかかりにくくする効果が期待できそうですね。

食物由来の硝酸塩と言えば、何と言っても色の濃い葉野菜です。ほうれん草などは特にいいですね。

硝酸塩は身体に悪い物質だったはずなのに…

皮肉な話ですが、硝酸塩と言うとハムやソーセージの発色剤や食中毒菌の繁殖防止に使われていて、アミノ酸と反応して発がん物質を作ると言われています。

ほうれん草などの硝酸態窒素も硝酸塩そのものですね。これについては別の記事で解説しています。
有機栽培のほうれん草に発癌性のある硝酸塩が!安全な食のために

上の記事の中でも示していますが、硝酸塩の発がん性は、アミノ酸の一部分と硝酸塩から発生する亜硝酸が結びついたニトロソアミンと言う物質が原因です。

一方、野菜に含まれる抗酸化物質がニトロソアミンの生成を抑えてくれると言う効果もあります。

体内で硝酸塩から生み出される一酸化窒素は、それ自体が抗酸化物質です。しかし、抗酸化物質と言うのは自分自身が酸化されることで他の物質の酸化を妨げています。

この一酸化窒素も酸素と出会うとすぐに酸化されて二酸化窒素になります。そして二酸化窒素は水と反応して硝酸や亜硝酸になります。これは酸性雨の原因の一つですね。そして亜硝酸は発がん性物質のニトロソアミンの原料です。

体内では、いわゆる活性酸素と出会うと一酸化窒素は酸化されて二酸化窒素になってしまいます。ですので、他の抗酸化物質によって一酸化窒素が酸化されるのを防ぐことが望まれるのです。

野菜とフルーツを組み合わせて硝酸塩のいいとこ取りをしよう

簡単にまとめると、食べ物に含まれる硝酸塩は、血管を拡張させ神経伝達をスムーズにする一酸化窒素を生み出しますが、一方で他の物質と結びついて発がん性物質を生み出す可能性があると言うことです。

そこで、一酸化窒素は生み出させるけれど、発がん性物質は生み出させないように、硝酸塩を含む野菜はビタミンC・Eやポリフェノール・カロテンなどの抗酸化物質を多く含む食べ物と一緒に摂ることが望まれます。

余談になりますが、この一酸化窒素を一酸化炭素と勘違いしている人って思ったより多いようです。実際、猛毒のガスである一酸化炭素も、ごく微量では血管拡張作用を持つこともないわけじゃないんですが、くれぐれも吸わないよう気を付けて下さい。

昔の都市ガスは一酸化炭素を含んでいましたから、ガス自殺が可能だったと言うレベルなんですよ。また、一酸化窒素もガスとして吸い込むと毒性があるので要注意です。硝酸塩の形で抗酸化物質と一緒に食べましょう。

緑黄色野菜とフルーツのサラダや、ほうれん草とにんじんの胡麻和えなんてかなり良さそうですね。にんじん葉の胡麻和えは私の大好物なんですよ。

やっぱり色の濃い葉野菜は効果的

上で紹介した研究によると、硝酸塩の6割弱は葉野菜から摂取されていたそうです。硝酸塩は色の濃い野菜に多いので、そうしたものから摂取されていたのでしょう。

こうした「良い食べ物」と言うのは量も大切ですが、摂取頻度も非常に重要です、体内での濃度が常に保たれる方が良いと言うことですね。

risk of leaf vegetable intake and glaucoma

このように、3日に1回しか食べない人に比べて、1日に1.5回食べる人では、初期緑内障のリスクが半分近くにまで下がっています。

昔は夜盲症の関係もあって目に良い野菜と言うとにんじんに代表されるβカロテンを多く含む野菜でした。今は硝酸塩を多く含むほうれん草と言う時代になったのかもしれませんね。

でも、にんじんは硝酸塩からニトロソアミンの生成を防ぐβカロテンが豊富ですから、やっぱり食べた方が良い野菜です。

にんじん葉の胡麻和え大好き人間の私は無敵ですね。みんなにも薦めてみましょう。
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