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胆石持ちがオリーブオイルを使うと良くない?正しい食事療法とは

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国立健康・栄養研究所のデータによると、海外での症例として、胆石患者の治療目的にオリーブオイルを使用した場合、痛みが出る可能性があるとされています。

一方、同じデータの中には、オリーブオイルは胆石の予防改善に効果がある可能性も示されているのです。さて、オリーブオイルは胆石と言うものに対して、どういう位置付けのものなのでしょう。

オリーブオイルの健康効果は周知!でも胆石との相性は…?

もう、オリーブオイルがいかに健康的であるかと言うのは、すでに言い尽くされた感がありますね。

オリーブオイルが健康に寄与してくれるのは、そのオリーブ固有の成分による抗酸化効果や抗炎症効果、そして脂肪酸組成によるコレステロール低減効果です。

先に紹介した国立健康・栄養研究所のデータによると、オリーブオイルの効果について、

  • 便秘の改善
  • 高血圧症の改善
  • 高コレステロール血症の改善
  • 心筋梗塞発症のリスク低減
  • 乳がん発症リスクの低減
  • 大腸がん発症リスクの低減

と言う有効性情報の存在を指摘しています。しかし、コレステロールと胆石は深い関係があるだけに、この2つの情報は一見矛盾しているように見えますね。

これはいったいどう理解したらいいのでしょうか。胆石予防や改善に、オリーブオイルは摂った方が良いのか、避けた方が良いのか、どちらなのでしょう。

胆石の原料はコレステロール!胆石の半分くらいは体内から作られている

胆石は主に胆嚢や胆管あたりにできる結石で、

  • 原因疾患が別にあったり細菌感染によってできたりする色素結石
  • 多すぎるコレステロールによってできるコレステロール結石

の2種類があります。

このうち、コレステロール結石が全体の70%以上を占めていますから、胆汁中のコレステロール濃度が上がり過ぎるのが胆石の大きな原因と言っていいでしょう。

また、体内にあるコレステロールですが、食べ物からコレステロールとして入ってきたものは30%程度で、残り70%は体内で生合成されたものなのです。

ですから、胆石のうち半分くらいは、その原料から体内で作り上げられたものと言えるのです。

胆石はなぜできるのか?

まだはっきりわかっていない部分が多く、これが原因として決定的に言えるものはありません。しかし、一番多いコレステロール結石については、胆汁に含まれるコレステロールの量が関係している事が判っています。

胆汁は肝臓でコレステロールが酸化されてできる胆汁酸と、古くなった赤血球から分離されたたんぱく質を、廃棄あるいはリサイクルする過程にあるビリルビンと言う色素でできています。

ビリルビンの方は、胆汁として十二指腸に送り込まれた後、腸内細菌によって還元されて身体に吸収されたりそのまま腸の中に残ったりしますが、いずれも抗酸化物質として働きます。

抗酸化物質として働いた後は、身体に吸収された方は尿の黄色い色として、腸の中に残った方は便の茶色い色として排泄されるのです。

このビリルビンと言う色素が色素結石の元ですが、先にお話しした通り、原因疾患や細菌感染がないとこの結石はできません。

一方、肝臓で作られた胆汁は、一旦胆嚢と言う袋に蓄えられて、そこで濃縮されます。肝臓からは胆汁色素、胆汁酸とレシチンと言うリン脂質の混合物である胆汁が分泌されますが、ここにコレステロール自体も多く入っています。

レシチンは食品添加物としてお菓子などに良く使われる乳化剤です。油と水の混じりをよくしているんですね。同じように、コレステロールを胆汁の中に安定して溶け込ませる働きを持っています。

しかし、コレステロールが多すぎると、胆汁に溶けきれなくなってきて、胆嚢の中で濃縮されるときに、溶けられなくなった分が結晶として出てきてしまうんです。これがコレステロール胆石です。

小さな結晶なら、そのまま流れ出てしまうかもしれませんが、大きくなってくると、流れることもできずに色々と症状を出すわけですね。

80%が無症状!?胆石は糖質やカロリーに注意した食生活から予防しよう

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現在、成人で胆石を持っている人は7%とも8%とも言われていますが、そのうち、実に80%くらいが無症状だとも言われているんです!

昔なら症状が出て初めて胆石症だとわかったわけですが、最近では健康診断や人間ドックの腹部超音波検査によって偶然発見されることが多くなりました。

無症状なら経過観察

特に症状が出ていなければ、その後定期的にエコー検査を受けるだけで、多くの場合は食事に気を付ける程度の対応で済んでいるようです。

ただ、中にはエコー検査の結果、のちに胆嚢がんに進む恐れが高いと判断された場合、痛みなどがなくても摘出手術を行われることもあります。

こうした無症状で、しかも胆嚢がんに進む恐れのない無症状胆石の持ち主に、後から痛みが出てくる可能性は年に1~2%だそうですので、無症状のままと言う人も多いようですね。

脂質異常症と胆石

さて、そうなると、胆石も生活習慣病の様相を呈してきましたね。そこで食事療法と言うことになるわけですが、コレステロールが体内で増えすぎるのが原因ですから、脂質異常症に対する方法と同じと考えればいいでしょう。

ただ、この時に注意しなければいけないことがあります。血中コレステロール濃度が低くても、コレステロール胆石になる可能性は常に存在するのです。ですので、そのことを頭において食事に注意しましょうね。

なぜ、血液検査でコレステロール値の異常を指摘されていなくても危険性があるのか、それはコレステロールの排泄のルートに胆嚢があるからなのです。

食べ物から摂ったコレステロールが多すぎたり、身体の中で作られ過ぎたコレステロールは捨てられます。体内で使われず余ったコレステロールは、いわゆる善玉コレステロールが全身から肝臓へと回収してくれます。

肝臓へ持ち帰られたコレステロールは必要な量だけ酸化されて胆汁酸になり、それ以外はコレステロールのまま胆汁酸に混ぜられ、レシチンによって乳化されて胆嚢に送られます。

コレステロールをたっぷり含んだ胆汁酸は、腸に送られて消化液として働いた後、腸の中に食べ物として入ってきた食物繊維に吸着されて、便と一緒に排泄されます。

この時、排泄されなかった胆汁酸は小腸で再吸収されて、コレステロールとしてリサイクルされます。ですから食物繊維がコレステロール値の安定に重要な働きをしているわけなんです。

このようにして、血中コレステロール濃度は一定に保たれています。しかし、胆汁に送り込まれたコレステロールが多すぎると、それが胆嚢で濃縮される際に胆石になってしまうわけですね。

ですから、血液検査でコレステロール値に異常がなくても、コレステロール胆石の可能性はあると言うことになるのです。

もちろん、血液検査で異常が指摘されるぐらいになってくると、肝臓ではすでに限界まで捨てていて、なお捨てきれずに余っていると言うことになりますので、胆石はさらに起こりやすいでしょう。

糖質やカロリーにも注意

コレステロールの30%は食べ物から、70%は体内の生合成からですので、やはり体内で合成され過ぎないような食事を摂ることが重要です。もちろん運動で消費してしまうのも良いですよ。

単純にコレステロールを多く含む食べ物を避けていればいいと言うわけにはいきません。そこで、コレステロールを増やしやすい食べ物を避けることが重要になります。

基本的に高カロリーのものは、コレステロールゼロであってもコレステロールの生合成を促進しますので避けた方が良いでしょう。特に油脂を使った加工食品は酸化した脂肪酸の害も相まってコレステロールを増やします。

一方、コレステロールを多く含むものの、

  • たまご
  • マヨネーズ
  • イカやタコ
  • レバー

などはコレステロール値を上げません。ただし、これは血中コレステロール値が基準ですので、ほどほどの量にしましょうね。

  • 野菜
  • 大豆製品
  • 海草
  • キノコ

などはお勧めですし、カロリーに注意することを前提に適量の植物性油脂やお魚も良いですね。

胆石持ちにとってオリーブオイルは危険なのか…?オリーブオイルと胆石の関係

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最初にご紹介したように、オリーブオイルは高コレステロール血症を改善してくれる食べ物です。

しかし、タイトルにもあるとおり、胆石(おそらく無症状)の人に、治療としてオリーブオイルを使ったら痛みが出てしまった、と言うことが海外で複数報告されているようです。

胆嚢はポンプの役目もしている

胆嚢は、肝臓で作られた胆汁を濃縮保存する場所であると同時に、食べ物が十二指腸に送られてきた時に収縮することで、その胆汁をタイミングよく腸に送り込む働きを持っています。

しかし、何らかの原因で胆嚢の収縮機能が落ちてしまう事が知られています。要因は様々ですが、ストレスや自律神経失調症なども原因になるようですね。

胆汁がしっかり送り出せないと、消化の方でトラブルが出るだけでなく、胆嚢や胆管の中で結石ができやすくなるだろうと予測されています。

胆嚢について、腹部超音波エコーで検査をする前に、何を飲んだり食べたりしても大丈夫かと言う研究が、日本国内で行われたことがあります。

そのデータを見ると水やお茶を飲んだり、ご飯やパンを食べただけでは胆嚢はほとんど収縮していません。一方、牛乳を飲んだ時は、最も反応の悪かった人ですら1割程度、一番反応の良かった人では6割も収縮しています。

オレンジジュースの場合は、人によって反応したりしなかったりでした。と言うことは、脂肪分を摂ると胆嚢は必ず収縮すると言う事なんですね。それ以外の場合は、個人差があるものの反応する食べ物もあると言うことです。

胆汁は脂肪の消化吸収に関わる消化液ですから、このことは自然な反応だと言えるでしょう。

オリーブオイルの危険性は未確定

これは確定した情報ではありませんが、オリーブオイルは脂肪ですし、治療として用いたのなら割合多くの量を食べたのではないでしょうか。

そのため、急激に胆嚢が収縮して、胆石ごと胆汁を押し出そうとしたとか、おとなしくしていた胆石が移動してしまったなどの現象が起こったとも考えられます。

いずれにせよ、日本国内ではそうした弊害についての報告はないようですので、食事にオリーブイルを使う程度の量なら大丈夫じゃないでしょうか。

そして、高コレステロール状態を改善してくれると言う要素は良い方に働きますから、カロリーに注意して、食事として適切な量を積極的に摂ることはお勧めできると思います。

そしてもう一つ。この現象はオリーブオイルでしか起こらないかどうかが検証されていません。つまり、食用油の中で医薬品的な使われ方をする一般的な油が他にないからオリーブオイルが原因とされた可能性もあります。

あるいはキャノーラ油やひまわり油などでも、同じ量の油を飲ませたら同じ現象が起こった可能性も十分にあると言えるでしょう。

2つ以上当てはまったら危険!食生活の改善をしよう

胆石症のハイリスク群は次のような条件に当てはまる人です。

  • 女性
  • 肥満
  • 中高年
  • 血中中性脂肪が多い人
  • 経口避妊薬を使っている人
  • 急激なダイエットをした人

そう言えば、時代劇で、道端にうずくまって「持病の癪(しゃく)が…」って言っている人は、年齢や体形は別にして、たいてい女性ですよね。江戸時代には胆石症も癪の一つとされていたそうです。

それはさておき、これに当てはまらなくても胆石持ちの人はおられますので油断はしないようにしましょう。そして、2つ以上当てはまる人は、特にまじめに食生活の改善を心がけて下さい。

中には適度の飲酒は胆石に良いとかいう話を見聞きしますが、アルコールは中性脂肪値を上昇させますので、避けた方が良い飲食物の一つです。糖質ともども控えましょうね。

生活習慣病を防ぐ食生活は、民間療法などより確実にさまざまな病気を予防改善してくれますので、食べることには関心を持っていただきたいと思います。

最後に、胆汁にコレステロールを溶け込ませるのに、レシチンと言うリン脂質が乳化剤として働いているとお話ししましたが、レシチンを食品として摂っても胆石の予防改善には役に立たないと言う実験結果が得られています。

レシチンのサプリは胆石については効果がないと覚えておいて下さいね。

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