健康生活TOP 胆石 結石、胆石の症状や原因は?治療法と再発防止の予防法7つ

結石、胆石の症状や原因は?治療法と再発防止の予防法7つ

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「いっ痛テテテテ…」と突然の痛みで動けなくなることがあります。それまで普通に歩いていたのに、急に強い痛みを感じてうずくまってしまい、身体を起こすこともできなくなるのです。

痛みは腹部を中心に胸や背中にも及び、冷や汗や発熱を伴うこともあります。そして痛みの中で意識ももうろうとなり、そのまま座り込んでしまうのです。

病気には痛みを感じるものと感じないものがありますが、ここで説明する病気の発症には強い痛みが生じます。痛みは強烈で時に意識さえ薄れるくらいの痛みを感じさせるのです。

そしてこの痛みの原因が、身体で作られる石である「結石」です。この結石がもたらす病気の症状と結石の種類を探ってみましょう。

身体に石ができて激痛が!結石には2つの種類がある

人間の身体は不思議なもので思っていないものが、身体の中で作られることがあります。通常ではありえないもの…それが石であり急激な痛みをもたらす原因になるのです。

激痛をもたらす原因である身体の中に作られる石を「結石」と呼びますが、その種類には大きく分けて2つの種類があります。

  1. 腎臓で作られる結石
  2. 胆のうや胆管で作られる結石

結石には腎臓で作られるものと、肝臓から伸びる胆のうや胆管で作られるものがあります。それぞれ影響を及ぼすに場所に違いはあるのですが、その症状は全て強い痛みが特徴です。

各々の結石の正体とはどのようなものなのでしょうか?まずは腎臓で作られる結石から紹介します。

※取り出された結石の例
取り出された結石の症例写真

腎臓で作られる結石は尿に溶けきらなかった成分の集まり

腎臓はこぶし大の大きさの臓器で、腰の上近辺に左右対称に2つあります。腎臓の働きと言えば「血液中の老廃物を除去して尿を作る」ですが、それ以外にも様々な働きをしています。

人体における腎臓の位置

  • 血液中の老廃物を除去する
  • 血液中の水分量を調整する
  • ナトリウム(塩分)やカリウムなの電解質の濃度を調整する
  • ホルモンを分泌して血液量を調整する
  • ビタミンDを作りカルシウムの吸収を促進させる
  • その他

腎臓は血液中に含まれる老廃物の除去以外にも、このように様々な機能を有している臓器です。特に水分を調節したりミネラル成分を調節したりすることで、血圧を調節する機能は健康を保つ上で重要な働きと言えます。

それでは腎臓に結石が作られる仕組みを紹介しましょう。

腎臓で尿が作られる過程で結石は誕生していた

腎臓の形は「そら豆」に形容されることが多いのですが、腎臓の組織を形成する「腎実質」と、腎実質に囲まれている「腎杯」「腎盂」に分けられています。

腎実質は毛細血管で作られている「糸球体」「尿細管」などで作られており、血液から尿をろ過する働きを持っています。

尿を作り出す基本単位を「ネフロン」と呼びますが、これは糸球体1つと尿細管1つを含んだ単位です。腎臓にはこのネフロンが約100万個あり、血液をろ過しているのです。

「腎臓結石(腎結石)」はこの尿を作り出す部分で作られます。つまり、尿に溶けきれなかった成分が結晶化して結石となるのです。

腎臓結石の正体はカルシウムとシュウ酸

腎臓は血液中に含まれる老廃物をろ過して尿を作りますが、同時に余分な水分の排出も行っています。

私たちは毎日大量の水分を摂取していますが、その多くが尿の成分として排出されており、そこに老廃物が溶け込んでいたのです。

この作用はとても効率的で水に老廃物を溶け込ませることは、スムーズに老廃物を排出させることが可能になります。いわゆる「おしっこ」ですね。

しかし、問題がない訳ではなく、全ての成分が水に溶けることはなかったのです。例えば塩を水に溶かすとある一定量までは問題なく溶けますが、それを超えると塩は溶けずにコップに溜まってしまいますよね。

この原理と同じである成分の量が多いと、尿に溶けきれずに溜まってしまうことがあります。

その成分こそが「カルシウム」であり、尿に溶けきれなかったカルシウムが尿の成分である「シュウ酸」と結合することで結石が作られていたのです。

腎臓結石の大部分はこのようにカルシウムとシュウ酸が結晶化することで作られており、「腎乳頭」と呼ばれる尿が滲み出る部分で作られます。そこから腎杯、腎盂へ移動して腎臓結石としての症状が発症するのです。

腎臓は尿を作る以外にも石まで作っていました。腎臓結石は大きいもので直径が3センチ以上ものもあります。

肝臓で作られる結石は胆汁のコレステロールが多いとできる

肝臓は身体の中も最も大きな臓器で、身体の中心部分に位置しています。アルコールの分解や解毒作用で有名な臓器ですが、この肝臓でも結石が作られることがあります。

人体における肝臓の位置

肝臓には大切な3つの働きがあった

「肝(きも)」「肝心要(かんじんかなめ)」など肝と言う言葉は、中心的な重要ポイントとしての意味で使用されています。肝臓はそれくらい人間の身体で重要な働きをしているのです。

肝臓には大きく分けて3つの働きがあります。

  1. 代謝作用
  2. 解毒作用
  3. 胆汁分泌作用

代謝作用とは血液中にある余分な栄養分を蓄える作用で、エネルギーが足りない時には分解して血液中に供給します。解毒作用はアルコールや化学成分などを分解して、身体に影響を与えないようにする作用です。

特にアルコールは肝臓の働きによって無毒化され、尿、呼気として体外へと排出されるのです。この2つの作用は結石が作られる原因ではありません。最後の「胆汁分泌」に結石との関係があるみたいですね。

胆汁は脂肪の消化を助ける消化液

肝臓の働きの最後が「胆汁分泌作用」です。肝臓の下部には「胆のう」と呼ばれる袋状の臓器がついており、肝臓から「総肝管」と呼ばれる管でつながっています。

肝臓は「胆汁」と呼ばれる液体を分泌しますが、胆汁は総肝管へ流れて胆のうに蓄積されるのです。

胆のうに溜まった胆汁は濃縮された後にもう一度総胆管を通り、十二指腸へ流れ込むことで主に脂肪の消化を促進させる消化液として使用されます。

食べ物を食べた時の消化は胃で行うものと思っている人が多いのですが、実は胃で行う消化はあくまで一次消化であって、二次消化として十二指腸や小腸でも消化は行われているのです。

一次消化は胃が分泌する「胃液(胃酸)」で行いますが、二次消化では胆汁や膵臓で分泌される膵液が消化液として働いていたのです。

胆汁に含まれるコレステロールが石になる?

肝臓で作られる胆汁は一日に600cc~1000ccも分泌されます。胆汁の成分は主に水分ですが、その他に「胆汁酸」「コレステロール」が含まれており黄褐色の消化液です。

肝臓で作られた胆汁は水分が多く、サラッとした液体ですが、胆のうに蓄積さることで5倍~10倍に濃縮されます。

胆汁の成分が正常あれば濃縮されても特に問題はありませんが、胆汁の中に含まれるコレステロールが多いと固まって結晶化してしまうことがあるのです。つまり結石(胆結石)が作られるのですね。

日本人にコレステロール結石が増加している

過去、日本人における胆石の発症数は少ないと言われてきましたが、その理由は食生活にあります。胆汁で作られる結石の大部分が「コレステロール結石」と呼ばれるもので、その原因が脂肪の多い食生活にあるからです。

高脂肪の食生活は血液中のコレステロールを増加させて、肝臓で作られる胆汁にもコレステロールの割合が増加してしまうそうです。

コレステロール結石が作られるはっきりとした原因は解明されていませんが、胆汁成分のバランスが崩れることが結石を生む原因だと考えられています。

日本の食生活も欧米化が進み「高脂肪・高タンパク食」が増加していることから、この食文化の変化が胆石症状を増加させている原因ではないでしょうか?

もともと日本人は胆石が少ないと言われていました。しかし、現在では年々増加傾向にあります。

結石がもたらす様々な病気「腎臓結石」

腎臓で作られる「腎臓結石」や胆汁が原因の「胆石」は、単に石が作られるだけでなく様々な病気を発症させます。病気の中には症状の軽いものから命の危険性さえあるものまであります。

まずは腎臓で作られる腎臓結石がもたらす病気を紹介します。

腎臓結石の状態では無症状のことが多い

腎臓にカルシウムの結石ができる腎臓結石ですが、この状態では特に症状が出ることはありません。中には「軽い腹痛」や「重だるさ」を感じることがありますが、一般的には無症状とされ治療の対象にはなりません。

健康診断での「超音波診断」や「CT撮影」で見つかることが多く、経過観察となります。しかし、中には数センチもある巨大な腎臓結石が見つかることもあり、このケースでは積極的な治療の対象となります。

腎臓に結石があると診断された場合には最低でも年に1回は検査を受けて、結石の大きさの変化などの状況を把握することが必要です。

腎臓で作られた結石が尿管に詰まると激痛が

結石ができる位置とその名称

腎臓で作られた尿は体外へと排出されますが、作られてからどのような経路を通って排出されるのかを以下に説明します。

  1. 腎臓で尿が作られる
  2. 腎臓から「尿管(尿路)」に流れ込む
  3. 尿管から「膀胱」入る
  4. 膀胱から尿道に流れる
  5. 体外へと排出される

尿はこのように腎臓で作られて尿管、膀胱、尿道を通って体外へと排出されます。つまり、腎臓で作られた結石が尿に入り込むことで、同じルートを結石も移動することになるのです。

腎臓から流れた結石は尿管(尿路)に入り込みます。ここで重要なポイントは結石の大きさであり、尿管よりも小さい結石であれば、尿と一緒に膀胱へと流れこむことが可能です。

しかし、尿管と同じか大きかった結石は尿管で詰まってしまい、尿の流れを阻害してしまう原因となってしまうのです。

この結石が尿管に詰まってしまう病気が「尿管結石(尿路結石)」です。尿管結石の症状は非常に強い痛みであり、その痛みは陣痛とも比較されるレベルだと言います。

尿管結石の辛い症状を紹介します。

  • 脇腹から背中にかけての猛烈な痛み
  • 吐き気や嘔吐
  • 冷や汗
  • 血尿
  • 尿の濁り
  • 発熱
  • その他

このように尿管結石が発症すると動けなくなるくらいの痛みや冷や汗が出ることが多く、結石により傷つけられた尿管により尿に血が混ざることもあります。

尿管が結石で塞がれていることで、腎臓で尿を作っても膀胱へ流れることができなくなり、尿管で詰まった尿は逆流して腎臓さえも圧力を加えてしまうことになります。

膀胱に結石が溜まる膀胱結石

尿管を通過できた結石が次に入り込むのが尿を蓄積する「膀胱」です。膀胱は尿を蓄積して尿意によって排出されますが、尿管を通過した結石であれば通常は尿と一緒に排出することは可能です。

しかし、膀胱の筋肉が弱いと尿圧も弱く、結石を排出することが困難なケースがあります。また、膀胱内で結石が大きくなり排出ができないことも考えられるのです。

膀胱結石の多くは腎臓結石が尿管を通って流れこんだ結石だと考えられますが、尿酸などの成分が高いと膀胱内で結石が作られることも稀にあるようです。

膀胱結石の症状は痛みよりも排尿に影響が出ることが多く見られます。

  • 尿の回数が多くなる(切迫性頻尿)
  • 尿が途中で中断する
  • 尿を出し切ることができない
  • 血尿
  • 尿の濁り
  • 腹痛
  • 下腹部の圧迫感
  • その他

膀胱結石では膀胱内に結石ができることから、膀胱を刺激して尿が溜まっていないにも関わらず尿意を感じることがあります。トイレに行っても尿は少ししか出ずに頻尿の症状が出てしまうのです。

また、膀胱内を傷つけて細菌が繁殖し、膀胱炎などの病気を発症させる原因にもなります。

出そうで出ない尿道結石は男性に多い

膀胱に溜まった尿は尿道を通って排尿されますが、この時に尿道に結石が詰まると尿道結石になります。尿道に結石がつまると排尿が困難になる「排尿障害」となり、強い痛みを感じることが多いようです。

尿道が結石でつまると完全に尿が出なくなる場合もありますが、強く力を入れることで僅かに排尿ができることもあります。かろうじて排尿できる場合でも勢いはなく、赤い血尿となることが多く痛みを感じることも多いのです。

腎臓で作られた結石を自然に排出するためには、最終的に尿道を通るしか方法はありません。その意味では排出までの最終ポイントであり、最後の難関に失敗することで尿道結石が発症するとも言えるでしょう。

尿道結石の症状の多くは男性に見られますが、この理由は尿道の長さによるものです。尿道の短い女性は男性と比較して、結石が詰まる確率が低かったのですね。

腎臓結石の痛みは水腎症が原因

腎臓結石が原因の各症状は「尿管」「膀胱」「尿道」と結石が詰まる場所によって違いがありますが、最終的に腎臓に大きなダメージを与えることになります。

「水腎症」は尿の流れがどこかで滞ることで発症する病気で、強い痛みをもたらすことになる原因です。

例えば尿管に結石が詰まった場合、尿管は閉塞してしまい尿が膀胱に流れなくなります。もちろん腎臓は尿が流れなくなっても尿を作ることはやめません。

そうなると腎臓で作られた尿は尿管に流れますが、膀胱には流れないため尿管の圧力は増して尿管がパンパンに膨らんでしまうのです。この状態では腎臓にまで尿が逆流し圧力を加えることになり、腎臓の組織に損傷を与えてしまいます。

つまり、尿管の閉塞は尿を逆流させて腎臓の細胞を破壊してしまうのです。

水腎症を発症すると腎臓の機能は著しく低下してしまい、最終的に「腎不全」になり腎臓の機能が停止してしまいます。

一度停止した腎機能は尿管を修復しても回復されないため、水腎症の初期で治療を行うことが重要です。

しかし、水腎症の中にはゆっくりと進行するものもあり、その場合では痛みが少なく気が付かないこともあります。また、2つある腎臓の1つで水腎症が発症しているケースでは、尿量が変わらないために発見されにくいこともあります。

水腎症は結石以外にも以下のような状態で発症することがあります。

  • 尿管内の腫瘍
  • 尿管内の血栓
  • 病気や治療による尿管の狭窄
  • 膀胱の筋肉障害
  • 放射線治療などによる繊維質化
  • 前立腺肥大など尿経路の阻害
  • 神経損傷による膀胱の異常収縮
  • その他

排尿が阻害される原因は尿管だけではなく、膀胱や尿道でも起こる可能性があります。水腎症の原因は尿管結石だけではなく、膀胱結石や尿道結石でも起こりうると理解しましょう。

腎臓から出た結石が詰まる場所で病気を引き起こします。しかし最終的には、腎臓に壊滅的な影響を与える危険性があったのです。

結石がもたらす様々な病気「胆石」

肝臓から分泌される胆汁により作られる胆石は、胆のうに出来やすい結石です。この胆石が原因で発症する病気を紹介します。

あるだけでは問題のない胆のう結石

胆のう結石が発生する位置

健康診断において胆石を指摘された経験がある人は多いと思います。その多くが「胆のう結石」であり、胆のうの中に大小混ざった結石が見られます。

胆のうに結石ができても特に症状はなく、痛みを感じることはありません。稀に重だるさを感じる人もいるようですが、一般的には無症状と考えても良いでしょう。

しかし、胆のうに蓄積された結石は、何らかの拍子に総胆管へ入り込んでしまうことがあります。これが胆管結石となるのです。

総胆管が閉塞すると身をよじる痛みが襲う

胆のうで作られた結石が総胆管に入り込んでも、小さい結石であれば十二指腸に流れ込み問題は出ません。しかし、大きな結石が流れこむと総胆管の中で詰まってしまうことがあるのです。

「総胆管結石」は総胆管に詰まった結石により、胆汁の流れが阻害される病気で、完全に閉塞してしまうと胆汁の逆流をもたらす原因にもなります。

胆汁の流れが阻害されると「胆石仙痛」と呼ばれる強い痛みを発症し、完全に閉塞してしまうと胆石仙痛以外に「胆管の拡張」や「胆管炎」を発症させます。

総胆管結石が発症すると表れる症状を紹介します。

  • 身をよじるほどの痛み
  • お腹のみぞおちや背中にかけての強い痛み
  • 吐き気、嘔吐
  • 黄疸
  • 発熱
  • その他

急性胆管炎は肝臓にまで影響を与える

総胆管が閉塞することで胆汁が停滞してしまいますが、その際に細菌感染が起こることがあります。この細菌感染による炎症を「急性胆管炎」と呼び、痛みだけでなく発熱や寒気などの症状を出します。

総胆管は胆のうや肝臓につながっており、感染が拡大することも珍しくはなく、最悪のケースでは細菌が肝臓に入り込み血液を汚染する「敗血症」の原因になることもあります。

敗血症は発症すると死に至る可能性の高い病気で、結石が原因による合併症の中でももっとも重い病気と言われています。

結石がもたらす様々な病気「膵管」

皆さんは「膵臓(すいぞう)」と呼ばれる臓器をご存知でしょうか?腎臓や肝臓と違い地味な印象のある臓器ですが、実はなかなか重要な働きをしています。

人体における膵臓の位置

この膵臓から出ている膵管が胆石で詰まることがあるのです。

地味なイメージの膵臓はあのインスリンを分泌していた

胃の裏側に位置する膵臓は臓器としてはマイナーな存在かもしれませんが、実は2つの大切な働きを行っています。一つ目が「ホルモンの分泌」であり、代表的な分泌物質は「インスリン」です。

インスリンは血液中の糖質を細胞が吸収するために必要なホルモンであり、インスリンの分泌異常は「糖尿病」の原因になります。

二つ目が「膵液の分泌」です。膵液は主にタンパク質を消化、分解するための消化液で、膵臓から膵管によって十二指腸へ運ばれるのです。膵臓は実はマイナーな臓器ではなく、重要な働きを持っていたのです。

膵液は胆汁と混ざって一人前になる

膵臓から分泌される膵液は単体でも消化液としての働きを行うことが可能ですが、そのままではタンパク質中心の消化液にしかなりません。しかし、十二指腸ではタンパク質以外に脂質も消化する必要があり、そのままでは十分な活躍を行うことができません。

そこで同じく十二指腸へ流れてくる胆汁と混ざることで、タンパク質、脂質など全てに対応できる消化液となるのです。

この話で注目したいのが「胆管(総胆管)」と「膵管」の位置です。胆汁と膵液が上手く混ざるためには、どこかで合流させる必要があります。実は胆管と膵管は十二指腸へつながる前に、菅が合流していたのです。

つまり、2つの菅をつなげることで胆汁と膵液の混合消化液を作り、それから十二指腸へ流し込んでいたのです。人間の身体は本当に賢く作られていたのですね。

膵臓が溶ける膵炎は胆石が原因で発症することがある

一時期芸能人が相次いで発症した「膵炎」を覚えている人もいると思いますが、膵炎は膵臓で分泌される膵液によって膵臓自身が炎症を起こす怖い病気です。

膵炎を簡単に表現すると「膵液で膵臓が消化される」であり、自分で作った膵液で自ら消化されてしまう病気です。膵炎の発症にはいくつかの原因がありますが、その中には胆石が引き金になっているものがあります。

前述したとおり、胆管と膵管は十二指腸の前でつながっており、胆汁と膵液の混合消化液を作っています。しかし、このつながっている部分まで胆石が入り込んだらどうなるでしょうか?

胆管が詰まることもありますが、膵管に胆石が入り込んでしまい膵管を詰まらせてしまうこともあるのです。

膵管の閉塞は膵液の流れを阻害させてしまい、膵液は膵臓内に蓄積されてしまいます。これが一定量を超えてしまうと膵臓の組織を消化してしまい、炎症を引き起こしてしまいます。

これが「急性膵炎」の発症であり、お腹の上部から背中にかけての強烈な痛みをもたらし、場合によっては意識が無くなるくらいの激痛となります。

また、一時的に症状が収まっても数日後に感染症を発症させることも多く、早急に処置を行わないと命の危険も出てきます。膵炎の死亡率は軽度で5%程度、重症化すると50%に達すると言われており、痛みが収まったからと安心することは危険です。

胆石は胆管だけを詰まらせるのではなく、膵管をも詰まらせる要因になることを理解しましょう。

胆石が膵炎の原因になるとは驚きです。
膵炎は治療が遅れることで死亡率が上がる恐ろしい病気なので、胆石を指摘されている人は特に注意しましょう。

結石に対する治療法は薬と手術がある

身体に作られた結石の治療は、その石を取り除くしか方法はありません。結石の全てが悪さをする訳ではないのですが、治療を行わないといつかは重い症状を引き起こす可能性もあるのです。

結石に対する治療法にはどのようなものがあるのでしょうか?

薬によって結石は解消するのか?

結石の問題は石の大きさであり小さくすることが出きれば、尿管も胆管も問題なく通過することができます。そこで使用されているのが結石を溶解する薬です。

腎臓結石が原因による尿管結石では「ウロカルン錠」と呼ばれる、カルシウムを溶解する薬が処方されることが多いようです。この薬はあくまで結石を小さくして自然排出を促すのが目的で、完全に溶解させることはできません。

胆石では胆汁の流れをよくして、コレステロールの吸収を阻害する「ウルソ錠」などが処方されています。しかしウルソ錠も結石の完全溶解よりも、それ以上大きくならないことが目的とされることが多いようです。

薬で結石を完全に溶解させた例もあるのですが、効果には当たりはずれがあり、すべての人に効果が見られることはないようです。

外側からの衝撃波で結石を撃破せよ!

結石による発作(痛み)が出た場合の治療は手術が一般的でしたが、現在では身体の外から特殊な衝撃波を当てて結石を砕くESWL(体外衝撃波結石破砕療法)が、腎臓結石、胆石において適用となっています。

これは結石を衝撃波で小さく砕いて自然に排出させる治療法で、身体の負担も少ないのが特徴です。

ESWL検査の様子

基本的に麻酔も必要なく衝撃による痛みも少ないのですが、結石の大きさや成分によっては痛み止めを使用する場合もあり、内出血などの後遺症が出ることもあります。

手術によって結石を取り出す

急性で症状が重いケースでは、内視鏡手術や開腹手術が必要なケースも珍しくはありません。尿管結石ではESWLで効果が見られない場合に、内視鏡による手術が行われます。

これはTUL(経尿道的尿管砕石術)と呼ばれるもので、尿道から内視鏡を挿入して直接結石にレーザーを当てて粉砕する手術です。

胆石においても同様に内視鏡手術は行われており、口から内視鏡を十二指腸まで挿入して胆管から胆石を掻き出すのです。この場合胆管を広げるためにバルーンを使用したり、ステントを装着したりすることもあります。

結石の治療は腎臓結石であっても胆石であっても症状の重さによって「薬<衝撃波<手術」が医師により選択されているのです。

薬の治療は経過観察と保存療法の一環です。治療には外科的な処置が必要ではないでしょうか?

結石を作らせないための予防法!覚えておくべき7つの事

様々な病気の原因となる結石ですが、これを予防する方法はあるのでしょうか?日常生活において結石を作らせない予防法を考えてみましょう。

1.腎臓で結石を作らせないためには食生活に注意する

腎臓結石の正体はシュウ酸とカルシウムが結合した物質です。その意味ではこの2つの成分を多く含む食生活を控えることで、腎臓結石の予防に効果を上げることができそうです。

まず一般的に有名なシュウ酸を多く含む食品を以下に紹介します。

  • ほうれんそう
  • なす
  • タケノコ
  • さつまいも
  • セロリ
  • チンゲン菜
  • 枝豆
  • 緑茶
  • コーヒー
  • その他

身近な食品が多いのですが、特に青菜系の野菜にはシュウ酸が多いと思われます。特にほうれんそうなどの食材は必ず下茹を行って、シュウ酸を減少させてから調理することを心がけて下さい。

次にシュウ酸と結合して結石を作るカルシウムですが、これは摂取不足に気をつけなくてはいけません。シュウ酸とカルシウムの結合が結石の原因なのですから、カルシウムも摂取を控えた方がよいと考えがちですが、実はそうではありません。

実はカルシウムはシュウ酸と結合して尿として排出する作用も持っています。つまり、カルシウム不足はシュウ酸の排出を阻害して、シュウ酸の量を増加させてしまう原因です。

最近の研究ではカルシウムが不足すると、骨から過剰のカルシウムを抽出してしまうことが解っており、カルシウム不足がカルシウム過多を生む原因にもなると言うことです。

またカルシウムは不足することで様々な影響を身体に与えますので、不足しないように注意して下さい。

2.水分を取っていますか?水分不足は腎臓結石のもと

スポーツで大量の汗をかいたり、暑い日に外出したりした時は、尿が濃くなることがあります。これは身体の中に含まれる水分量が少ないことで、尿に含まれる水分と老廃汚物のバランスが悪いことを意味しています。

このように血液中に含まれる水分が少なくなると、老廃物が濃くなり腎臓で結石が作られる危険性が高まります。最低でも一日に2リットル以上は水分を摂取し、汗をかいた場合にはそれ以上の水分を摂取するようにしましょう。

「今日のおしっこは濃いな!」と感じたら結石が作られる可能性がありますので、水分を十分に取るようにしましょう。

3.アルコールは尿酸性の腎臓結石をつくる可能性がある

腎臓結石はカルシウムとシュウ酸が結合した「カルシウム結石」が大部分を占めますが、それ以外にも結石の種類があります。それが「尿酸結石」で、これは血液中の尿酸が増加することで作られる結石です。

尿酸は「痛風」の原因物質で、結晶化しやすく足先などに溜まって強い痛みをもたらします。ビールには「プリン体」を多く含んでいるものがあり、尿を酸性に変え結石を作り出す原因になるのです。

ビール以外のアルコールも血液中の水分を排出させたり、プリン体の分離を早めたりする作用がありますので、過度な飲酒は腎臓結石を作りだす原因と考えて下さい。

結石予防には飲酒はほどほどにした方がよさそうです。

4.胆石は5つの「F」にできやすい

胆石ができやすい人には一定の条件があることが昔から知られています。これが「5つのF」と呼ばれる人達であり、胆石ができるリスクが高くなると言われています。

  1. Female:女性
  2. Forty:40歳以上の人
  3. Fatty:肥満、ふっくらとしている人
  4. Fecund:2人以上の出産経験のある人
  5. Fair:白人人種

この中で5番目のFairは「白人女性」を主にリスク要因としていましたが、これは人種よりも食生活による違いと考えられます。現在では食生活の欧米化も進んでいることから、白人以外にも発症は増加しています。

このことから5番目は除外して「4つのF」として使用されることが多くなっています。自分がこのリスク要因に含まれる場合には、定期的な検査によって胆石の有無を調べるようにしましょう。

5.メタボは胆石が作られる最大要因

胆石の大部分は「コレステロール結石」であり、「高脂血症」が原因となります。肥満(メタボ)の人の多くは高脂血症を発症しており、血液には多くのコレステロールが含まれています。

まずはこれを解消することが胆石予防にとって重要です。脂肪の多い食生活を改善して高脂血症を改善することは、肥満の解消にもつながるので該当する人は是非実行して下さい。

肉類などの脂肪性食品は食べ過ぎないようにすることが大切です。

6.胆石は魚を食べることで予防できる

この忙しい世の中には仕事の都合もあって、食事は外食が中心と言う人もいるでしょう。このような人達は食事の改善も難しく、コレステロール対策も難しいことがあります。

そこでそのような人は青魚を食べることで胆石予防をしてみるものよいのではないでしょうか?青魚には「EPA」と呼ばれる成分が含まれており、コレステロールを減少させて、胆のうで胆石が作られるのを阻害します。

しかし、いくら外食がメインと言っても、毎日青魚を食べることは大変かもしれません。そこでEPAのサプリメントを利用することをオススメします。

EPAのサプリメントはドラッグストアや通販で簡単に入手することができますので、胆石が気になる人は早速始めてみましょう。

7.腎臓結石も胆石も運動は大切だ

あらゆる健康法で出てくる運動ですが、腎臓結石や胆石の予防にとっても運動は重要です。腎臓結石では運動することで水分を補給して排出させることを促進します。つまり身体の中の水を回すことにつながるのです。

家に閉じこもっていると水分も取らないし、気がついたらおしっこにも行っていないことがありますよね。これは体内の水が回っていないことで、水分の停滞は腎臓結石の原因になります。

運動は身体を動かすことで、体内の水分を消費して水を回してくれます。これにより水の停滞が解消されるのです。

また、腎臓に結石ができた状態でも、大きくなる前に尿管に落ちると症状は悪化しません。定期的な運動は結石が大きくなる前に、衝撃で尿管に落とす作用が期待できます。

腎臓結石において運動は「生成の予防」と、「悪化の防止」と2つの効果が見込まれるのです。

胆石にとっても運動は重要で、運動することで最大リスクである肥満の解消が期待できます。そして運動を行うことで高脂血症を解消し、血液中のコレステロールの削減にも効果が出るでしょう。

また、肝臓の周りに蓄積された脂肪(脂肪肝)を減少させて、肝機能を活性化させることにもつながるのです。

運動は有酸素運動が理想で「ウォーキング」「水泳」などが多くの医師から推奨されています。無理をしないで少しずつ長く行うことが理想で、普段の生活で運動習慣をつけるようにしましょう。

食生活は結石を作り出す最大要因と思われます。偏らずにバランスのよい食生活を心がけて下さい。そして7つの事を常に意識して実践したいですね。

  1. シュウ酸を減らす、カルシウムは不足させない
  2. 水分補給、濃い色のおしっこには注意
  3. アルコールはほどほどに
  4. 5つのF
  5. 肥満はやっぱりリスクになる
  6. 青魚を食べる!無理ならサプリもあり
  7. 運動を習慣付けよう

結石は再発しやすい病気…だから予防が大切です

結石は治療を行って解消したとしても再発のしやすい病気と考えられています。これは生活習慣を改めないことで、同じことが繰り返されるのが原因ですが、稀に遺伝的な要素も否定できません。

また結石を慢性化させることは、尿管や胆管に慢性的な炎症をもたらす原因になることから、「尿管ガン」や「胆管ガン」の発症を招く可能性もあります。このことから結石は治療に頼るよりも予防に注力するべき病気だと私は思います。

真珠はアコヤ貝が作り出す綺麗な宝石ですが、考えてみれば人間の結石と似たようなものです。真珠のように結石が綺麗で価値があるのならよいのですが、人間が作り出す結石は黄色く薄汚い岩石のような石ころです。

綺麗な結石を生み出す自信がある人はよいのですが、私は自信がないので結石予防に励みたいですね。

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