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胆石の痛みはどのくらい?種類ごとの症状と原因、治療法

“痛みを伴う病気というのは、経験している人はほんとうにつらいもので、経験した人にしかわからない痛さでもあります。しかし逆に、その痛みがあるからこそ、その病気の発見が可能になり、予防の意識も芽生えるものです。

とはいっても、病気や症状の種類によっては、そんな甘っちょろいことは言っていられないというくらいの強い痛みにさいなまれることもあります。それは「激痛」とか「疼痛」といったレベルの痛みです。

たとえば「痛風」という病気は、「風が当たるだけで痛い」と言われるくらい激しい痛みです。それはまさに「発作」と表現されるにふさわしい、突然の、そして激烈な痛みであるといわれることが多いです。

そして、その痛風と親戚関係にあたる病気で、やはり激しい痛みに苦しめられることもある病気があります。おそらくみなさんもご存知の「胆石(たんせき)」です。今回はこちら胆石についていろいろとお話していきます。

痛いだけでなく怖い病気でもある!胆石ってどんな病気?

病気には、脳梗塞などの脳血管疾患や心疾患のようなすぐさま生命の危険に直面しなければならない疾患や、がんのような死亡率が高い疾患があります。どちらかといえば怖い病気というとそういった疾患をイメージすると思います。

胆石の場合、がんや虚血性疾患のような生命の危険をイメージするほどの病気でないといえばいえなくもありませんが、しかし胆石の代表的な症状である「痛み」の強さは半端なものではなく、それだけで十分脅威に値します。

そして、胆石が悪化すると生命にかかわることもありますので、やっぱり軽視することができない病気です。胆石というと、「石ができて、それが痛む」というイメージがあるかと思いますが、まずはしっかりと定義しておきましょう。

胆石
肝臓では、脂肪やたんぱく質などの消化を促す「胆汁(たんじゅう)」という消化液がつくられています。胆汁は肝臓から送り出されて、胆管という管を通り、胆のうにいったん蓄えられて濃縮されます。

食事を摂ると胆のうは収縮して、胆汁を胆管から十二指腸に送り出し、十二指腸~小腸で食事と混ざることで脂質やビタミンの吸収を助けます。この胆汁の成分が、胆汁が通る道(胆のうと胆管)で、何らかの原因で固まってしまったものが胆石です。

厳密にいえば、上記の赤帯の部分が胆石の定義です。要は、消化液の一種である胆汁に含まれる成分のバランスが崩れることによってできる石が胆石です。バランスの崩れ方はいろいろあるようですが、石ができるとそれはどれも胆石であるといえます。

ことばだけでは少々わかりづらいところがあると思います。石が身体の中にできるという現象自体がそもそも不思議と感じられる人も多いでしょう。まずは、実際にどんなものができるのか、画像を1つご紹介しましょう。

胆石の症例写真

白い矢印の先に3つ、「いかにも!」という感じの白い病変が見られますが、これが胆石です。なるほど、「石」という感じがしますよね。こんなものがお腹の中にできれば、それは痛みも強いはずです。

ちなみにこの胆石1つの大きさは約7mmということで、場合によってはもっと大きな胆石ができます。ついでにもう少し説明を加えますと、青矢印の先の黒い影は胆石による影響で、黄色矢印は先でお話する胆のう炎による膿が映し出されたものです。

患者さんご本人からすればとてもつらい症状に悩まされることになると思いますが、やはりこの「石」について知りたいという気持ちも正直なところかと思います。石の成分についても簡単に説明を加えておきましょう。

身体の中にできる石、胆石ができる場所

「胆汁」とひとことで表現することが確かに多いですが、しかしその成分はもっと複雑です。胆汁には胆汁酸、リンパ脂質、コレステロール、ビリルビン(胆汁色素)・・・といった、非常に多様な成分が含まれています。

ですからこれらのバランスが崩れてできる石の種類も豊富で、現在確認されているところでは、5種類にもなるのです。石ができるのは「胆のう」と呼ばれる器官およびその周辺器官・部位です。

まずは上記の「胆のう」の場所をはっきりさせておきましょう。以下の図をご覧ください。上記の腹部超音波検査の画像で確認した胆石ができる胆のうは、図中に青で「胆嚢」と示された小さな器官です。

人体における胆嚢の位置

それでは、今度は胆石の成分を以下にまとめます。石の種類は大きく2種類に分かれます。

身体の中にできる石、胆石の成分「コレステロール系結石」

よく「コレステロール」ということばを耳にしますが、コレステロールは広義の「脂質」で、私たちが生活する上で必要不可欠な物質です。ただ、代謝が悪いとこのコレステロールが主成分となる胆石ができやすいのです。

生成される胆石の種類 できた胆石の説明
純コレステロール石 胆石内にコレステロールの結晶が見られ、胆のう中に1つだけできるケースが多い
混成石 コレステロールの結晶の種類が複数見られる胆石で、胆のう中に複数個できるケースが多い
混合石 主成分のコレステロールに加え、ビリルビンや石灰の成分が混合した胆石

身体の中にできる石、胆石の成分「ビリルビン系結石」

胆汁の成分のひとつであるビリルビンが結石となるタイプの胆石です。

生成される胆石の種類 できた胆石の説明
ビリルビン石灰石 胆汁の流れが悪くなるとビリルビンと石灰(カルシウム)が沈殿するため、結石になりやすい
黒色石 ビリルビンとたんぱく質が主成分で色が真っ黒なのが特徴的で、微小な結石が多数つくられることが多い

上記のような5種類の胆石がある中でも、純コレステロール石と混合石が全体の8割ほどを占めるということで、しかもその傾向が顕著化していることもあって、食事との関係も模索されるようになってきています。

非常に不思議な胆石ですが、その原因や発症リスク、そして症状についてももちろん考える必要があります。次のところでお話します。

強い痛みを伴う胆石、そのリスクや原因は?

痛い病気の怖さは、健康であるか否かにかかわらず、すべての人に共通する脅威となります。胆石の場合、痛みを伴う典型的な疾患であるといえます。まずは痛みをはじめとする胆石の症状から見ていきます。

胆石にはどんな症状が現れる?

胆石というと、とにかく「痛い病気」というイメージがありますが、しかし実際には、痛みだけでなく、さまざまな不快感が現れます。痛みはもちろんですが、痛み以外の症状も簡単に挙げますと、以下のようになります。

胆石による症状
上腹部痛(右季肋部痛、心窩部痛)、吐き気・嘔吐、発熱

痛みだけでなく、意外にも風邪のような症状が現れるのですね。とすると、強い痛みを伴わないこともある胆石(詳細は後述)を風邪などの体調不良と間違えて発見を遅らせてしまうリスクにもつながります。

また、胆石特有の「痛み」についての情報も共有しておいたほうがよいでしょう。上記に示した右季肋部痛は「みぎきろくぶつう」と読みます。これは胆石特有の痛みで、みぞおちのあたりの痛みです。

そして心窩部痛(しんかぶつう)ですが、こちらもみぞおち部の痛みです。ただ、こちらのほうが焼けるような熱感のある痛みです。右季肋部通とともに、胆石に特有の痛みであるといえます。

そして、上でも少し触れましたが、胆石の中には、そんなに激しい痛みを訴えないこともあります。痛みを感じたとしても鈍痛や、みぞおちあたりのちょっとした違和感程度にとどまることもあるのです。

もちろん、七転八倒の痛みに苦しまなければならない症状も、胆石には多いです。これらの差は、もちろん石の大きさやできる位置によって生じますが、差が生じる明確なメカニズムはわかっていません。

ですから友人知人の体験談として、「死ぬほど痛かった」という話もあれば、「あまり痛くなかった」という話もありますので、どちらも鵜呑みにはしないでください。

なぜ石ができた?胆石の原因とリスク

身体の中に石ができる簡単なメカニズムに関しては、上の「石の成分」のところでお話しました。ここでは石ができる原因とリスクについても考えます。潜在的な胆石を持っている人が、日本人には意外と多いです。

はっきりした症状として胆石が現れるだけでなく、まったくの無症状の胆石(ただ石をお腹の中に置いてあるだけ)ということもあるのです。まずはとても意外な事実をひとつお話しておきましょう。

実は、そうしたすべての胆石を含めると、日本人全体の8%ほどの人が胆石を持っていると考えられているのです。もしかしたら、暴れだしていないだけで、胆石が不発弾のように潜んでいる危険性も捨てきれません。

ですから、腹部に断続的な違和感を覚えた人は、心配を続けるよりは早めに病院へ検査に行ったほうが無難であることは間違いないでしょう。胆石でなくても、胆のうがんなどさらに怖い病気の可能性もありますので、根拠なく大丈夫と思わないようにしましょう。

それでは、胆石の原因からお話しますが、実を言うと、残念ながら胆石ができるはっきりとした原因はわかっていません。すでにお話したとおり、胆汁の成分のバランスが崩れると、胆石ができやすいというところまでわかっています。

つまり、胆汁の成分のバランスが崩れる原因は何か?というところがイマイチはっきりしないのです。ただ、もちろん現在原因の究明が急がれていますし、その過程で、原因となりうる有力なファクターはあります。

主に3つのファクターが有力であると考えられています。以下にまとめます。

原因となりうるファクター 原因となりうるプロセス
脂質の摂取が多い食生活 胆汁中で溶けきらないコレステロールが結石化する
溶血性貧血、肝硬変、胆道感染など特殊な疾患 ビリルビン値が上昇しやすい疾患
胆のう自体の構造的欠陥 胆のうの動きが停滞し、胆石ができやすくなる

上記の「原因となりうるファクター」に関しては、疾患と胆のう自体の構造は正直仕方がない部分があります。ただ、脂質の摂取はコントロールできるファクターですから、食生活の乱れは胆石のリスクを高めることになります。

ただ、いくら注意しているとはいえ、食のシステム自体が欧米化している現在では、自然と胆石のリスクが高まってしまうともいえるのです。また、年齢や性別に関してもひとつの傾向があります。

年齢的に言えば、若い世代の人よりも中年の世代の人に多く、性別に関しては、女性の発症率は男性の2倍にものぼるのが、胆石という疾患のリスクに関する傾向です。食生活とのかかわりから想像できるとおり、肥満の人に多く見られます。

あとは、あらゆる病気にあてはまる気もしますが、胆石に関しても、やはりストレスが大きなリスクとなることが知られています。できるだけ規則正しい生活を送り、ストレスをためない生活習慣を身につけることが、胆石の予防として効果的なのです。

もうひとつ、胆石は遺伝とのかかわりが大きい疾患として知られます。胆石自体が遺伝するわけでは無論ありませんが、胆石ができやすい体質、つまり、上記のリスクは遺伝、もしくは似た生活習慣を送ることから、遺伝的なリスクは考えられます。

ですから、親族に胆石があって、生活習慣が乱れがちな人(特に中年女性)は、胆石のリスクが高いということになってしまいます。

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胆石にはいろいろな種類がある!それぞれの特徴

「胆石」というと、「胆のうに石ができるんでしょ?」というイメージがあると思います。もちろんそれ自体は正しいのですが、上で定義したとおり、厳密には胆のうや胆管などの「胆道(たんどう)」にできた石を胆石と呼び、胆石によるさまざまな症状を胆石症と呼びます。

つまり、石ができる部位によって胆石の種類が異なることになるのです。そんな細かいことはどうでもよいではないか・・・と思うかもしれませんが、治療するお医者さんの側からすると、部位こそ重要なので、種類に分けるほうが好都合なのです。

ここでは胆石の種類についてまとめることにします。大きく分けると3種類あります。以下の表をご覧ください。表の下の図と合わせてご覧ください。

胆石の種類(名称) 石ができる部位 各胆石症の説明
胆のう結石 胆のう 最も多い胆石で、その成分は主にコレステロール。このタイプの胆石は激痛を伴うことが多く、特に、胆のうの出口に石が挟まるとみぞおちあたりの痛みが激しくなる(胆石発作)。脂っこい食べ物の摂取で発作のリスクが上昇する
総胆管結石 総胆管 十二指腸の出口に挟まることで上腹部の激痛を伴う胆石で、いわゆる黄疸(おうだん)が現れるのが特徴、発熱も伴う。これらの症状を「胆管炎」と呼ぶ。胆管炎は急性膵炎の原因になる。総胆管結石の診断は即刻治療が必要。
肝内結石 肝臓内の胆管 日本人には割と多い結石で、自覚症がない場合もある胆石。ただし、胆道がんのリスクが高まるとされるため、肝内結石の診断が下ったら何らかの対処をするほうが無難

部位および部位ごとの胆石に関する図を以下にご紹介します(上表と合わせて参照されたい)。

肝内結石の種類ごとの発生位置

上図の赤矢印の先が胆のう結石、黄色矢印の先が総胆管結石、青矢印の先が肝内結石です。

胆石の治療をどうとらえるべき?そして治療の方法は?

猛烈な痛みに転げまわりながら治療のことを考える余裕はないかもしれませんが、ただ、上記でお話したとおり、「ただ石ができ、そこにあるだけの胆石」も起こりえますので、治療をどうすべきかの判断が難しくなるケースもあります。

石がそこにある以上は、いつ暴れだすかわからないわけですから、そうなると不安が募り、逆にストレスがたまってしまうかもしれません。しかし治療をするとなると、痛くもないのに時間と手間をかけて神経をすり減らすのかというジレンマが生じます。

このあたりのことも含め、胆石の治療に関してここからはお話していきます。

胆石の治療の必要性をどう判断すべきか

自覚症状がない胆石を治療するとなると、痛みの原因となっていない石をなくしたり小さくしたりする必要があります。石は勝手にできますが、そうかといって自然に消滅することはまずあり得ません。

とすると、風邪のように薬を飲んだからといってどうにかなるものではないため、何らかの外科的手法に訴えた治療が必要になります。ということは、痛くもないものを取り除くために痛みを強いられる可能性が高まるのです。

時間とお金をつかい、精神的な恐怖と実質的な痛みや多少の苦しみを強いられることを前提として、痛みのない石にまつわる治療を行う選択をする患者さんは、実際のところかなり少ないといえます。

一般的に推奨されるのは、痛みのない石は経過観察をし、大きくなったり新たに異常が見られたりしない限り、あまりいじらないようにするという考え方です。つまり、触らぬ神に・・・という発想ですね。

もちろん、大きさや部位によって治療が必要な場合はありますし、あるいは胆のうがんや胆のうポリープとの区別がつかないといったケースでは、確認の意味も込めて治療が必要になる場合が多いです。

治療が必要な胆石とは?

逆に、治療が必要と判断される胆石をしっかり押さえておけばよい、ということにもなりますよね。以下の診断が下された場合、できる限り治療をしていただきたいと思います。

  • 急性胆のう炎や胆石発作を起こしたことがある人
  • 慢性胆のう炎、特に「陶磁器様胆のう」といわれるように悪性腫瘍との鑑別が難しい場合
  • 総胆管結石といわれたことがある人、特に、総胆管結石が原因で膵炎・胆管炎を起こしたことがある人(胆石性膵炎など)
  • 肝内結石症
  • 胆石が原因と考えられる症状を認める人

胆石による明らかな症状がある患者さんや、胆石以外の脅威が隠されている可能性があるケースは、やはり治療が必要ということになるのです。では、どういった治療が採用されるのか、これも気になるところですよね。

胆石はどう治療するの?結石症のタイプごとの治療法

胆石の治療方法は多様です。ということは、胆石の治療方法はすでに確立されていて、ある程度安心感ある治療であるともいえます。かなり専門的なお話になりますので、簡単にまとめるにとどめます。

胆石治療に採用される方法は、以下のとおりです。

胆石症 治療方法
胆のう結石症
  1. 抗菌薬投与
  2. 外科治療・・・胆のう摘出手術
  3. 内科的治療法・・・胆のうドレナージ術(※)
総胆管結石症
  1. 内科治療後に胆のう摘出術(手術や内視鏡的総胆管結石砕石術)
  2. 外科手術(総胆管結石砕石術)
肝内結石症
  1. 外科手術(胆石摘出術、胆管摘出術)
  2. 胆のうドレナージ術など内科的治療
※胆のうドレナージ術
胆のうに管を入れて持続的に胆のうに溜まった膿を体外に出し続ける治療法(下の画像)で、全身状態の改善を待って、外科手術で胆のうを摘出する

胆のうドレナージ術

図の矢印の部分が、胆のうに入れたチューブです。

(上表の引用・参考:胆のう結石症、総胆管結石症の治療-広島大学大学院医歯薬保健学研究院第一外科肝内結石症の治療-東北大学病院肝胆膵外科・胃腸外科より)

胆石と食事の関係は?食生活について考えてみよう

胆石の明確な原因がわかっていない以上、胆石を的確に予防することは困難であるといわなければなりません。しかし、胆石のリスクを軽減することは十分可能です。そのためには、食事に気をつける必要があります。

上記でも再三お話してきたとおり、脂質を過剰に摂取することが、胆石をつくるリスクを高めます。もう少し細かく食事との関係を分析していきます。

胆石のリスクを高める食生活とは?

すでにお話してきたとおり、高コレステロールが胆石のリスクを高めます。つまり、コレステロールの数値が高くなるような食生活が、胆石のリスクを高めることになるのです。

当然脂っこい食べ物をたくさん食べることは、胆石のリスクを高めます。他にも、アルコールの過剰摂取はコレステロール値の上昇を招きますので、こちらも胆石のリスクが高まります。あとは水分摂取が少ない生活も危険です。

特に、これまでに胆石の既往症がある人は、再発のリスクが高いと考えられるため、脂質過剰摂取、アルコール過剰摂取には十分気をつけた食生活を送っていただきたいと思います。

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怖い病気と間違いやすのが胆石症!

ここまでお話してきたとおり、胆石は強い痛みや不快感を伴う病気です。それゆえ、何か重大な疾患を発症したのではないかと間違いやすい病気でもあります。怖い病気に間違えるならよいですが、逆はまずいことになります。

発作を伴う胆石の場合は、治療せざるを得ないレベルの痛みですからそういう危険はおよばないはずです。ただ、「なんとなく違和感があるな・・・」という程度の症状を、勝手に胆石だと思い込むことは起こり得ます。

これは非常に危険です。みぞおちあたりの違和感を自覚したら、できるだけ早い段階で検査してもらうことをおすすめします。自己診断だけはしないほうがいいですよ。

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