健康生活TOP あがり症 手の震えの原因はあがり症だけじゃない!手が震える病気の症状と治療

手の震えの原因はあがり症だけじゃない!手が震える病気の症状と治療

体の震えは、自分の意志に関係なく勝手に起こる現象のひとつです。寒い時の震え、重い物を持った時の筋肉の震えなどは、誰もが経験したことのある震えかと思います。

しかし、いつもと違う手の震えに気付いた時、手の震えが続く時は、なんらかの病気の初期症状だということもあります。

心配いらない手に震え、病気が原因で起こる手の震えにはどのような違いがあるのでしょうか。

震えの原因はさまざま…生理的な震えと病気で起こる震え

震えは体が小刻みにガタガタ、ブルブルと動くこと。医学的に言うと、不随意に(自分の意志に関係なく)筋肉が収縮と弛緩を繰り返す現象のことを表します。

震えの種類とその原因

震えはどれも同じではなく、その原因や種類はさまざまです。医学的には「震戦」「戦慄」という用語が使われます。

震戦(しんせん)
健康な人でも日常的に経験する震えですが、中には何らかの異常によって起こるものもあります。
戦慄(せんりつ)
寒い時に体温を維持するため筋肉が震えて熱を生み出すこと。38℃以上の高熱がある時に寒気を伴ってガタガタと震え「悪寒戦慄」とも呼ばれます。

日常で起こる震えのほとんどは、誰にでもよくある「生理的な震え」であまり心配はいらないものです。ただし、中には病気が原因で起こるものもあります。

▼震えの種類と原因の一例

生理的な震え
  • 寒さ
  • 緊張
  • 筋肉の疲労
病気が原因で起こる震え
  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
  • 本態性振戦
  • パーキンソン病
  • アルコール依存症
  • 脳梗塞
  • 小脳の疾患
その他の震え
  • 低血糖症
  • 薬剤性震戦

生理的な震えの起こりやすさや感じ方には個人差があり、あまり快い感覚とはいえないものですが、一時的な現象なので神経質になる必要はありません。

寒い時に起こる震えは低体温を防ぐために欠かせない現象、筋肉疲労時の震えは筋肉のミネラルバランスが崩れることで起こります。

緊張時の震えは、交感神経が優位にはたらいている時に起こる現象です。手が震えるほか足がガクガクしたり声がうわずってしまうこともあります。

手の震えは、仕事や日常生活を邪魔することも多いのですが、交感神経のはたらきには意味があり生命の維持のためには必要なものなので、震える現象とは上手に付き合っていくしかありません。

一方、なんらかの異常によって起こる震えは、原因をみつけて適切な対処をとる必要があります。

中には、脳や神経といった重要な器官の異常が原因で起こる震えもあるので、おかしいと感じたら放置せずに病院で検査を受けることをおすすめします。

手の震えで気づくことの多い病気について、それぞれの特徴をチェックしてみましょう。

首の腫れを伴う手の震えは「甲状腺機能亢進症」の可能性あり

「甲状腺機能亢進症」を発症すると、手の震えが起こりやすくなり、首の前面が腫れます。甲状腺機能亢進症では「バセドウ病」がよく知られています。

甲状腺機能亢進症は、1000人に1人またはそれ以上の頻度で発症している自己免疫疾患です。男性より女性のほうが10倍発症しやすい病気ですが、原因ははっきり分かっていません。

甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺とは、首ののどぼとけの前に位置する蝶のような形をした器官で、全身の新陳代謝を促進させる「甲状腺ホルモン」を分泌しています。

通常は、甲状腺ホルモンが適度に分泌されているおかげで全身の器官がスムーズにはたらき健康を維持することができています。

ところがなんらかの原因で甲状腺機能が攻撃されると、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて新陳代謝が活発になり、常に大量のエネルギーが消耗されるため、次のような症状が起こるようになります。

  • 手指が震える
  • 頻脈になる
  • 汗をかきやすくなる
  • 食欲は亢進するが体重が減少する
  • 疲れやすくなる
  • 冬でも暑がる
  • イライラして落ち着かなくなる
  • 下痢しやすくなる
  • 一部の人は眼球が突出して見えるようになる

甲状腺機能亢進症の震えは、交感神経が興奮しやすくなるために起こり、特に手指が小刻みに震えやすく、字が書きにくいと感じることが出てきます。また症状が進むと全身の震えも起こりやすくなります。

甲状腺機能亢進症は、ストレスで起こりやすい「自律神経失調症」と症状がよく似ています。そのため自律神経失調症だと思い込んでしまうと、手指が震えても甲状腺機能亢進症を見過ごしてしまいやすくなります。

甲状腺機能に異常があると、のどぼとけの周りが大きく腫れるので、手指の震えがある人は首を触ってチェックしてみることもおすすめします。

甲状腺機能亢進症の治療法

手指の震えに伴い、首の腫れ、体重減少、汗をかきやすくなるなどの症状がみられる場合は、内分泌科や甲状腺科を受診しましょう。

甲状腺機能亢進症は血液検査によって判別でき、治療では甲状腺ホルモンの血中濃度を正常値に戻すための抗ホルモン剤が投与されます。薬の服用を続けて甲状腺ホルモンの血中濃度が正常になれば症状はおさまります。また甲状腺を切除する手術を行う場合もあります。

甲状腺機機能亢進症は20~40代の女性に多い病気なのですが、月経不順や不妊症の原因になりやすいので、きちんと診察を受ける必要があります。

発症しても治療で甲状腺ホルモンの分泌がコントロールできれば、妊娠・出産も可能になります。

精神的な緊張で悪化しやすい「本態性振戦」

40代以降で起こりやすくなる手の震えには「本態性振戦」があります。高齢者に起こると「老人性振戦」とも呼ばれます。

本態性振戦は、手の震えが起こる原因の多くを占めます。40歳以上で4%、65歳以上で5~14%の割合でみられる病気だといわれています。(日本神経治療学会「標準的神経治療:本態性振戦」より)

「本態性」とは原因不明という意味です。つまり、本態性振戦は神経障害などのはっきりした異常がないのに起こる震えです。

精神的なストレスを受けた時に震えが強くなるという特徴もあり、病気というより交感神経が興奮しやすい体質が関係しているのではないかと考えられています。また同じ家系で起こりやすい場合もあります。

本態性振戦の症状

本態性振戦の症状は震えだけで、震えの症状が進行していったりほかの症状を併発したりすることはありません。

安静時に震えることはなく、ある姿勢をとった時に震えが起こるので「姿勢時振戦」とも呼ばれます。

特に、腕を挙げて前に差し出した姿勢をとった時に手が震えやすくなります。また、頭や声も震えやすく、緊張すると声が震えてしまうことがあります。

例えば、次のような症状があれば本態性振戦の可能性も考えられます。

  • 文字を書こうとすると線が流れて思い通りに書けない
  • 人前で字を書こうとすると、手が強く震えて字が書けなくなってしまう
  • コップに飲み物を注いだり注いでもらったりする時に手が震えてしまう
  • 食事の時に、はしで食べ物がうまくつかめない
  • 人に会う時に頭が横に揺れてしまう
  • 人前で話そうとすると声が震えてしまう
  • 飲酒中は一時的に症状が軽くなる

手の震えはセルフチェックすることもできます。

文字やうずまきを紙にプリントし、サインペンで空白に同じ図柄をまねて書き写してみます。うまく書けないようならば、振戦が起こっている可能性があります。

本態性振戦の治療法

本態性振戦は加齢と共に起こりやすくなり、特に重篤な病気というわけではないので、急いで治療を受ける必要はありません。

ただし日常生活に差し支えやることが多くなってきた場合は「体質だから」「年だから」と我慢せず、神経内科に相談してみることもおすすめします。

また、手の震えがたびたび起こる場合は、ほかの病気が原因になっている可能性も考えられます。

本態性振戦と似た病気には進行性の「パーキンソン病」などがあるので、震えが気になる場合は放置せずに原因を特定しておきましょう。

本態性振戦を根治させる治療法はありませんが、交感神経の興奮を抑える「β遮断薬」や緊張をやわらげる「抗不安薬」を用いた治療法が有効です。

β遮断薬は手指の震えをしずめる効果が高い薬です。ただし心臓病や喘息のある人は服用できない場合があります。

本態性振戦を緩和するために日常生活で心がけること

本態性振戦は緊張、怒り、イライラといった精神的なストレスを受けた時に症状が強くなるので、日常生活ではなるべくリラックスすることを心がけます。

震えを隠そうとしない
本態性振戦の症状に悩んでいる人は、震えを人に気付かれまいとして人前で余計に緊張してしまい、かえって震えが強くなってしまうことがあります。

ほかの人にしてみれば相手の手や声の震えはそれほど気になるものではありません。

逆に、震えを隠そうとして動作や表情がぎこちなくなることが不審に見えるので、相手には自分から「体質的に震える癖があるんです。」と伝えておくと、お互いが楽にコミュニケーションをとれるようになります。

周囲の人は震えを指摘しない
周囲の人が本態性振戦の人の震えを指摘するのも良くありません。

人から指摘されると緊張しやすくなって、余計に震えが起こりやすくなってしまうためです。

飲酒はほどほどに
飲酒すると一時的に震えが起こりにくくなります。

しかし酔いが醒めた後は症状が強く出やすくなるので、薬代わりにアルコールを常用することは絶対に避けてください。

コンプレックスになっている場合は受診を
字がうまく書けなかったり声が震えたりしたために人前で失敗してしまうと、その時のショックがトラウマになって「書痙」や「あがり症」に発展してしまうこともあります。

書痙は字を書く時に緊張して字が震えてしまう障害、あがり症は人に会う時の緊張が強過ぎて動悸、声の震え、赤面が起こる対人恐怖症の一種です。

放置しておくと社会生活に支障をきたす悪循環につながるので、手の震えや声の震えがコンプレックスになっている人は早めに医師に相談することをおすすめします。

本態性振戦は中年以上に多い震えですが、若い人に起こる場合もあります。書痙やあがり症の原因になりやすいので適切なケアを行いましょう。

安静時に手が震えやすい進行性の「パーキンソン病」

安静時の手の震えで気づきやすいのが「パーキンソン病」という神経性の病気です。

50代以上を中心に発症し、患者数は1万人に10~15人の割合でみられます。加齢と共に発症しやすくなり、60歳以上では患者数が100人に1人の割合とそれほど珍しい病気ではなくなります。

パーキンソン病は、中脳の黒質というところで「ドーパミン神経細胞」が減少するために起こる病気です。

このドーパミン神経細胞には神経の情報をやり取りする役割があるため、減少すると体の動きをコントロールすることができなくなって、体が震えやすくなってしまいます。

ドーパミン神経細胞が減少する原因ははっきり分かっておらず、パーキンソン病は難病の一つに指定されています。若い人のパーキンソン病は、遺伝も関係しているようです。

パーキンソン病の症状

パーキンソン病は突然に震えが起こるのではなく、発症してからゆっくりと進行していく病気です。

最初は体の片側から症状が始まり、手や足の小刻みな震えで気づくことが多いです。震えのほかに筋肉のこわばりも起こり、全体的に動作が鈍くなっていきます。そして次のような特徴的な症状がみられます。

  • 安静時に手や足が震える
  • 小さな字しか書けなくなる
  • 細かい動作がしにくくなる
  • 声が小さくなる
  • 歩く時に足がすくんでしまう
  • 動作がゆっくりになる
  • 無表情になる

パーキンソン病の場合、本態性振戦ほど字を書いたり食事をしたりする時に困るような震えは起こりません。

しかし、進行すると震えや筋肉のこわばり以外に、便秘、頻尿、立ちくらみ、抑うつ、睡眠障害など心身にさまざまな症状がみられるようになります。

パーキンソン病の治療法

手足の震えに気付いたら神経内科を受診します。パーキンソン病に症状の似ているものには脳梗塞や脳炎の後遺症といった重篤な病気があるので、CTスキャン、MRI検査など専門検査を受け、病名を特定させる必要があります。

パーキンソン病の主な治療法は、不足しているドーパミンを補う薬物療法です。併せてリハビリテーションや適度な運動を行い、心身の健康を保つように心がけます。

また、薬物療法とリハビリテーションの効果を補充する目的で、脳の視床下核を刺激する手術を行う場合もあります。

難病ということで怖いイメージもありますが、きちんと治療を続けていれば、日常生活を快適に過ごすことができるようになります。現在では、パーキンソン病の平均寿命は一般的な平均寿命ともほとんど変わりません。

お酒をよく飲む人の手の震えは「アルコール依存症」の可能性も

よくお酒を飲む人で、お酒を飲んでいない時の手の震えに気付くようになったら、それは「アルコール依存症」の初期に起こる症状かもしれません。

アルコール依存症は、お酒を飲まないと離脱症状と呼ばれる症状が起こるため、飲酒したくなくてもアルコールを摂取せずにはいられなくなる病気です。

アルコールは生活習慣病やがんなど血管や内臓の病気のリスクを高めることで知られますが、お酒を飲む人なら誰でも容易に「アルコール依存症」に陥る可能性があります。

実は、アルコール依存症にかかっている人は全国におよそ80万人もいるといわれているほど多いのです。

進行すると激しい「離脱症状」や肝臓障害を起こすようになり、日常生活に支障をきたすようになってしまいます。

アルコール依存症の症状

飲酒を適量に留めておけばアルコール依存症になる心配はありません。

しかし長期にわたって飲酒をつづけていると体がアルコールに依存し始め、だんだんと飲酒の量を増やさないと我慢できなくなってしまいます。

飲酒してから数時間経って体からアルコールが抜けてくると、次のような離脱症状(小離脱)が起こるようになります。

  • 手が震える
  • イライラする
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 不眠

アルコール依存症の人は離脱症状から逃れるためにお酒が飲みたくてたまらなくなり、普段でもお酒のことを考えるようになって、飲酒の量とペースが次第に増えてしまいます。

進行すると断酒しても2~3日経つと「大離脱」と呼ばれる症状が起こるようになります。大離脱はせん妄や幻覚をといった精神症状、けいれん、意識障害などの激しい症状を伴います。

アルコール依存症の治療法

アルコールの依存は自分の意志で止めることが難しく、医療機関での専門治療(解毒治療やカウンセリング)が必要な病気です。しかし自分では気づきにくく依存症が進行して治療が困難になってしまうことがあります。

手の震えに伴い次のようなサインがあれば、専門医療機関または精神保健福祉センターに相談しましょう。家族や周囲の人の協力も必要です。

アルコール依存症が疑われるサイン
  • 飲酒量が増えた
  • 飲むスピードが早い
  • 飲む時間が長く、回復にも時間がかかる
  • 酒を飲まないと離脱症状が起きる

アルコール依存症になると、肉体の病気だけでなくうつ病や睡眠障害などの精神症状を伴ったり家族や職場の人も巻き込んで迷惑をかけてしまいやすくなります。

最終的には肝臓がんや大脳萎縮など重篤な病状を引き起こし死に至る障害なので、少しでも早く専門治療を始め依存から脱出する必要があります。

最初はストレス発散に1杯だけ、のつもりでも毎日のようにお酒を飲んでいると体がアルコールに依存してしまう可能性があります。1週間に1~2日はお酒を飲まない日をもうけましょう。

片側の手足のしびれと震えが起きたら「脳梗塞」に注意

脳梗塞または脳梗塞の前兆として、急に片側の手足にしびれや震えが起こる場合があります。

脳梗塞とは、脳の動脈が詰まってその先に血液が流れなくなり脳細胞が壊死してしまう病気です。脳細胞ダメージを受けることで運動機能や言語機能に障害が起こります。

必ずというわけではありませんが、脳梗塞の前兆として脳の動脈が一時的に軽い詰まりを起こして元に戻る現象の起こることがあります。この時に起こる手足のしびれや震えなどの症状を「一過性脳虚血発作」といいます。

国立循環器病研究センターによると、一過性脳虚血発作が起こった場合、その3か月以内に15~20%の人が脳梗塞を発症しているとのことで、脳梗塞の前兆と思われる手足のしびれや震えを軽く見過ごすことはできません。

脳梗塞・一過性脳虚血発作の症状

脳梗塞は、ダメージを受けた脳細胞の場所によって症状が異なりますが、次のような症状が典型的です。

  • 片側の手足に、しびれ、震えが起こる
  • 体や顔の片側が麻痺する
  • ろれつがまわらなくなる
  • 急に言葉が出なくなったり言葉の意味が分からなくなる
  • 視野が半分欠ける・ものが二重に見える

一過性脳虚血発作は脳梗塞と同じ症状が起こりますが、30分以内に自然におさまり、脳細胞の壊死はまだ起こっていないので、発作が終わると体調は元に戻ります。そのため、疲れや気のせいだと思って見過ごしてしまうこともあります。

脳梗塞・一過性脳虚血発作の治療法

脳梗塞を発症したらすぐ病院へ搬送しなければなりません。脳の動脈が詰まると時間の経過と共に脳の壊死が進んでいくので、一刻も早く緊急治療を始める必要があります。

一過性脳虚血発作が起きた時に受診して治療を受ければ、脳梗塞を防ぎ大事に至るのを阻止することができます。

脳梗塞の治療には、薬物療法または外科手術が用いられます。

病状によっても異なりますが、一過性脳虚血発作や初期の脳梗塞ならば、動脈の詰まりを溶かす「抗血栓薬」や血栓ができるのを防ぐ「抗凝固薬」を用いて治療が行われます。

外科手術では、動脈の詰まりを起こしている粥腫を取り除く治療法、動脈の狭くなっている所にステントという金属を入れて詰まりを防ぐ治療法が行なわれます。

ダメージを受けた脳細胞は元に戻らないため、脳梗塞を発症すると後遺症の残る可能性が高くなってしまいます。手足の震えにしびれを伴う場合は、念のため脳神経外科・脳神経内科またはかかりつけの内科を受診しましょう。

厚生労働省の発表によると、平成26年度の脳血管疾患の総患者数は約118万人でした。脳血管疾患で最も多いのが脳梗塞です。高血圧・糖尿病の人は脳血管疾患のリスクが高いので注意してください。

バランスが取りにくくなる「小脳の疾患」でも手の震えが

何かをしようとすると手が震えてうまくできない場合は、小脳になんらかの異常が起きてバランスが取りにくくなっている可能性が考えられます。

このように小脳の疾患などが原因で起こる振戦を「企画振戦」といいます。安静時やストレスを感じている時に起こるのではなく、物をつかむなど何か目的を持った動作をする時に強くなるのが特徴です。

原因となり得る疾患には小脳腫瘍、小脳梗塞などがあります。

小脳の疾患に伴う症状

小脳は体のバランス感覚を司っているため、小脳に異常が起こると次のような症状が起こりやすくなります。

  • 物を触ろうとする時、物に指が近づくほど震えが強くなる
  • めまいやふらつきが起こりやすくなる
  • 眼振(眼球が勝手に動く)が起こる
  • ろれつがまわりにくくなることがある

小脳の疾患の治療法

小脳腫瘍や小脳梗塞は若い人にもみられ、幅広い世代の人が注意したい疾患です。企画振戦やふらつきが起こったら、すぐに脳神経内科・脳神経外科を受診して検査を受けることをおすすめします。

小脳腫瘍は良性と悪性がありますが、ほとんどは摘出手術で対応でき、予後の良好なものが多くなっています。小脳梗塞は、脳梗塞と同じ治療法がとられます。

糖尿病の治療中に起こりやすい「低血糖症」の震え

糖尿病治療のために血糖値を下げる薬やインスリンを摂取している人は、薬が効き過ぎたりエネルギーを消耗した時に血糖値が下がり過ぎ、低血糖症を引き起こして手が震えることがあります。

患者さんだけでなく糖尿病ではない人も低血糖症という現象の存在を知り、低血糖症を起こした人がいたら速やかに対処できるようにしておきましょう。

正常な血糖値は70~120mg/dlですが、血糖値が70mg/dl以下になると、体に必要な栄養である糖が不足するため、自律神経や中枢神経のはたらきが低下し、血糖値が下がり過ぎると死に至ることもあります。

低血糖症の症状

血糖値が70mg/dl以下になると、エネルギー不足から空腹感を覚え、交感神経のはたらきによって、震え、動悸、冷や汗が起こるようになります。

血糖値が50mg/dl以下になると脳のエネルギー不足から集中力低下、倦怠感が起こるようになり、30mg/dl以下ではけいれんや意識障害、昏睡を伴う非常に危険な状態に陥ります。

低血糖症の治療

低血糖症の応急処置は糖分の補給です。糖尿病の患者さんは常に糖分を携帯しておくことが勧められています。

強い空腹感、手の震えなど低血糖症の症状が現れた時には砂糖を20gくらい摂取します。キャンディやジュースも有効です。血糖値が正常値に戻れば症状は消えます。

低血糖症を起こした人が意識障害を起こしている場合は、すぐ病院に搬送しなければなりません。

薬剤性の振戦は重い副作用に注意

薬の中には副作用として手の震えが起こりやすいものがあります。

薬剤性の振戦を起こす可能性がある薬には、気管支拡張薬、抗精神剤、胃腸の動きを促進する薬などがあります。

ごく軽い副作用は服用をやめるとおさまりますが、まれにパーキンソン病に似た重篤な副作用を起こす場合もあります。

もしもパーキンソン病に似た次のような症状が起きた場合は注意してください。

何らかのお薬を服用していて、次のような症状がみられた場合には、自己判断で服薬を中止したり放置したりせずに、医師・薬剤師に連絡してください。

「動作が遅くなった」「声が小さくなった」「表情が少なくなった」「歩き方がふらふらする」「歩幅がせまくなった(小刻み歩行)」「一歩目が出ない」「手が震える」「止まれず走り出すことがある」「手足が固い」

ほとんどは心配いらないけれど気になる場合はすぐ受診を

紹介した手の震えの原因の中には、怖いイメージのある病気もいくつかありましたが、手の震えのほとんどは、あまり心配いらないもの、気にし過ぎないほうがよいものです。

ただし、生活に差し支えるような手の震え、ほかの症状を伴う手の震えを放置するのは良くありません。病気の初期症状、手の震えが原因で起こる書痙やあがり症は、受診して適切な治療で早く解消することをおすすめします。

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