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前立腺肥大の原因と症状は?日常生活での改善法と病院の検査・治療法

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「トイレの回数が増えた」「残尿感がある」「おしっこが出にくい」というような排尿トラブルを抱える中高年男性のほとんどに見られる病気が前立腺肥大です。

前立腺肥大は命に関わるという病気ではありませんが、日常生活を送る上でとても不快な症状が起こる病気です。

恥ずかしい病気だと思い、人に相談することもできず一人で悩んでいる人が多い病気でもあります。

程度の差はあれ、男性なら誰でも起こりうる前立腺肥大症の症状と排尿トラブルを日常生活から改善する方法と、新しい治療薬シアリスをご紹介します。

排尿をコントロールしてくれる重要な前立腺はなぜ肥大化するのか?

前立腺は男性だけにある器官で、膀胱の出口から尿道にかけて尿道を包み込むようにしてあるクルミのような形をしています。前立腺は排尿のコントロールや生殖機能に関わる重要な働きをする器官です。

高齢になるとともに、前立腺が徐々に肥大化していくため、膀胱や尿道を圧迫し、排尿トラブルなどの症状が起こります。

前立腺が肥大化するのはなぜ?

中高年になると前立腺が肥大していく原因は男性ホルモンとの関わりが原因ではないかと考えられています。男性ホルモンの代表格はテストステロンで、テストステロンは20代をピークに少しずつ減少していきます。

40代半ば~50代にかけて、テストステロンの分泌量が少なくなると男性の体や機能を保つために、脳からテストステロンの分泌を促す指令がさかんに出されます。

ところがテストステロンを作る機能が衰えているので、十分な量のテストステロンが分泌されなくなります。このあたりで起こり始めるのが男性更年期障害といわれる不定愁訴です。

テストステロンが十分に分泌されていないと脳が認識すると、テストステロンの働きを補うために、さらに強力なジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンを作る指令が出されます。

この強力な男性ホルモンのDHTが分泌されることで、前立腺が刺激を受け肥大化すると考えられています。前立腺肥大症は、男性が男性であろうとすることで起こる男性の宿命ともいえる病気なのです。

前立腺肥大による排尿トラブルをチェック!あなたのお手洗い事情は?

前立腺肥大症は男性ホルモンの分泌低下が原因なので、男性ホルモンの減少が大きくなる40歳半ば~50代にかけて症状が起こりやすくなります。

前立腺肥大症によって起こる主な症状は以下の3つ。

  • 頻尿
  • 残尿感
  • 排尿困難

1.頻尿

前立腺は膀胱の出口にあるため、前立腺が肥大すると膀胱を圧迫するようになります。膀胱は尿が溜まり、その圧力が膀胱の内側にあるセンサーに伝わると排尿を促す仕組みになっています。

そのため前立腺が肥大し膀胱のセンサーを刺激しすると、尿がそれほど溜まっていなくても膀胱から排尿を促す指令が出されてしまいます。これが頻尿が起こる原因です。

健康な男性の場合、1日に約1.5L~2Lくらいの尿を5回~6回に分けて排泄しています。水分を摂る量が変わず、排尿の回数が目安よりも増えているならば頻尿の症状が起こっていることになります。

次のような症状があれば頻尿の状態と考えられ、前立腺肥大症が疑われます。

  • 排尿後2時間以内にもう一度トイレに行くことがある。
  • 排尿をがまんするのが辛い。
  • 一晩に2回以上トイレに行きたくなる。

2.残尿感

残尿感は排尿後も尿が残っているような不快な症状です。残尿感があるからといって命に関わることはありませんが、常に尿が残っている状態が続くため、症状がある人にとっては、とても不快な気持ちで生活しなければなりません。

本来、排尿後は膀胱の尿がなくなり膀胱にかかる圧力がなくなるので、スッキリとした気持ちになります。

ところが前立腺が肥大していると、排尿後も前立腺が膀胱や膀胱付近の尿道を圧迫してしまうため、尿が残っているような刺激が膀胱に伝わります。これが残尿感が起こる理由です。

残尿感の症状には次のようなものがあります。

  • 下腹部に不快感がある。
  • 排尿後もまだ尿が残っている感じがする。
  • 排尿後に尿が漏れてしまう。

3.排尿困難

前立腺は正常なときには、膀胱に溜まった尿が簡単に漏れないように尿道を圧迫したり、排尿時に尿道を拡げて尿をスムーズに出したりする働きをしています。

ところが前立腺が肥大していると、常に尿道を圧迫してしまうため、スムーズな排尿ができなくなる場合があります。尿の勢いが弱かったり、尿が出始めるまでに時間がかかったり、排尿時間が長くなったりする症状が現れます。

こうした排尿障害の症状を感じる場合は、すでに前立腺肥大症が起こっている場合が多いと考えられます。また、これらの症状は単独で起こる場合もありますが、重なって起こる場合もあり、重症になるほど症状が重なることが多くなります。

次のような症状があれば排尿困難の状態と考えられます。

  • 排尿時に尿の勢いが弱い。
  • 尿が出るまでに時間がかかる。
  • いきまないと排尿できない。
  • 排尿の途中で尿が途切れる。

頻尿・残尿感・排尿困難のどの症状をとってみても、気分がすっきりせず不快な気持ちで生活しなければいけなくなります。QOLが低下し自信を失ったり、人によっては考えすぎてうつ病に陥ったりする場合もあるので軽視してはいけません。

排尿トラブルかな?と感じたら!前立腺肥大症の自己チェック

前立腺肥大症は、前立腺が肥厚することで尿道や膀胱を圧迫することによって起こります。排尿に関する何らかのトラブルを感じる場合には、次の国際前立腺症状スコア(IPSS)を使い前立腺肥大症かどうか、まずは自己チェックしてみましょう。

※クリックで大きな画像が見られます

国際前立腺症状スコア

IPSSスコアの点数が高いほど前立腺肥大症の疑いが大きいと考えられます。ただしスコアが高い場合、前立腺がんなど他の病気が原因の場合もあるため、泌尿器科など専門医を受診し慎重に判断する必要があります。

前立腺肥大と前立腺がんの違いや前立腺がんの詳細については、次の記事をご参照下さい。
肉食系の元気なおじいちゃんほど危険!前立腺がんの予防は食事で!

隠さず、諦めず!前立腺肥大症を克服する日常生活の送り方

前立腺肥大症が疑われる場合、次のようなことに注意して日常生活を送るようにしましょう。普段の食事や日常生活の改善を試みることで、症状の改善につながるケースがよくあります。

先に述べたように、前立腺肥大自体は病気ではないので、気になる症状が無くなりさえすれば良いと考えることもできます。

前立腺肥大による排尿障害の改善に良いといわれる健康食品なども多数販売されていますが、現在でもその効果の検証に対する評価は賛否両論です。

それは、排尿障害と感じる原因がどこにあるかということが、実はいまだに解明されていないという理由もあります。極端にいえば「気のせい」ということもあり得えるのです。

健康食品などを試す場合には個人差が大きいので、一度試してみて効果が実感できれば続けるというスタンスが良いと考えます。むやみに服用量を増やしたり、一定期間試して効果がないと感じる場合には、別の方法を試みることをお奨めします。

尿意は我慢しない

前立腺が肥大し膀胱や尿道が圧迫されると、その刺激で頻繁に尿意を感じます。尿意はできるだけ我慢せず、面倒でもできるだけすぐにトイレに行くようにしましょう。

頻繁に感じる尿意によって、すでに膀胱が過敏になっているので、さらに尿意を我慢すると膀胱の感覚が麻痺を起こし排尿自体ができなくなる恐れがあります。最悪の場合、併尿という状態になり前立腺肥大症の中で最も重篤な症状が起こります。

頻尿の原因は水分の取りすぎ?1日で摂る水分量を見直してみる

排尿障害の症状も様々ですが、その中でも頻尿に悩む人が多いように思います。外出するにも、旅行やレジャーに行くにも、トイレが気になるようでは楽しみも半減しますね。

そもそも、排尿が起こるには膀胱の内側にある平滑筋のセンサーからの情報が脳に伝わらなければなりません。本来は、膀胱が空っぽならば、尿意を感じることはありません。

頻繁に尿意を感じるのは、水分を摂る量そのものが多すぎることも考えられます。とくに最近、目立つのは、高齢の人が脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす血栓ができないよう予防するために必要以上に水分を摂っていることです。

寝る前や起床時にはできるだけ水を多く飲んだほうが良い、○○水を飲むと血液がサラサラになる、お茶をたくさん飲べばカテキンが△△病を予防する・・というように、確かにそうなのかもしれませんが、あまりに意識し過ぎると水分が過剰になるのです。

1日に必要な水分量は1~1.5L程度で、真夏でもなければ、食事をきちんと摂ることで十分に補われる量ですから、それほど無理に水分を摂る必要はありません。

これは、予防のために病気を引き起こしているようなものなので、十分に注意しましょう。

また、お茶はタンニンが利尿作用を促進するので、さらに尿の量がふえることになりますのでできるだけ控えましょう。

お茶やコーヒーに含まれるカフェインは脳や神経を興奮させるため頻尿の症状が悪化する場合があります。カフェインの入った飲み物も控えるようにして下さい。

腰周りの筋肉をよく動かすことで症状が改善する

膀胱や前立腺など排尿障害を起こす泌尿器の部分は、骨盤の内側にありますので、腰周りや下腹部に血液や水分が溜まると排尿障害が起こります。

中高年以降の世代になると、だんだんと運動量が減り、骨盤の内側の血流が悪くなるため、排尿障害を引き起こす原因になるのです。

座りっぱなしの姿勢を長時間続けることがないように、1時間に1回は立ち上がり腰を回したり、前後や左右に動かす運動をしましょう。

できれば、1日に最低でも1回は外に出て軽い散歩やウォーキングをするようにして、骨盤内の血液循環を良くすることで症状の改善につながります。

また、男性に多い傾向として、長時間座りっぱなしでお酒を飲むような習慣は、骨盤内の血液循環が悪くなり水分が溜まるので、前立腺肥大を悪化させてしまいます。

アルコールは御法度

アルコールは前立腺肥大症にとって最も悪影響を与えます。アルコールは利尿作用が働くだけでなく膀胱の血管を拡張させるため、膀胱が強い刺激を受け前立腺肥大の症状を悪化させることになります。アルコールは厳禁です。

ノコギリヤシで改善する

前立腺肥大症を改善するためには、ドラッグストアなどで売っているノコギリヤシのサプリメントを試すことが最も手軽な方法です。

ノコギリヤシは前立腺肥大の原因となるDHTの生成を阻害する働きがあり、欧米では前立腺肥大症の治療薬として保険適用されています。試してみる価値はあります。

アフリカンプラムを利用する

前立腺肥大を改善するためにアフリカンプラム(ビジウム)を利用する方法もあります。アフリカンプラムは、あまり聞きなれないかもしれませんが、ヨーロッパでは前立腺肥大の治療薬として認証されています。

日本では臨床試験中ですが、いずれ市販されるものとみられます。ネット通販などで販売されていますから、自己責任において試してみるという方法もあります。

漢方薬を試してみる

前立腺肥大の症状を漢方で克服する方法もあります。一般的には「八味地黄丸」という漢方薬を使います。薬局やドラッグストアなどで市販されていますので、試してみると良いでしょう。

漢方は体質にうまく合致すれば、驚くほど効果が発揮されることが良くあります。腎臓や泌尿器のトラブルに根本から働きかけるのが漢方薬の優れたところです。

エストロゲンを利用する

エストロゲンは女性ホルモンですが男性にもあり、男性ホルモンを補助する役割をしています。詳しいメカニズムはまだ分かっていませんが、エストロゲンもテストステロンも前駆体は同じなので、相互に補完し合って合成されていると考えられます。

実際にエストロゲンに似た作用をするイソフラボンを摂ることで前立腺肥大が改善した例もあげられています。イソフラボンはサプリメントで摂ることもできますし、豆腐や納豆など大豆に多く含まれています。

前立腺肥大症は命に関わるようなことはありませんが、中高年以降も続く長い人生を快適に送るためには、早期の治療や症状の改善にも努めなければいけません。私も同世代なので、注意しようと心掛けています。

前立腺肥大症の疑いがある場合の検査方法

前立腺肥大症の疑いがある場合、医療機関ではPSA測定という血液検査が行われます。これは、血液中にあるPSAという物質の量を調べることで前立腺の異常を調べる方法です。PSA値が高い場合は、前立腺肥大症や前立腺がんが疑われます。

前立腺肥大の状態を示すPSAという数値があるので、その検査を申し込めば良いのです。あるいは、泌尿器科へ相談に行けば医師がそのように対応してくれるはずです。

また、血液検査の他にも超音波エコーで腹部や直腸から前立腺の状態を目で見て調べることやMRIを使いさらに詳細な画像によって診断する検査などが行われる場合もあります。前立腺肥大症の検査ではとくに苦痛を伴うことはありません。

前立腺肥大は一人で悩んでいてもどうすることもできない病気です。放っておけば治るわけでもなく、悪化すれば手術が必要になります。

自分でできる養生法や民間の治療法を試してみて、効果がなければ治療をお奨めします。前立腺肥大は男性にとっては健康的に生きる大きな障害となります。

前立腺肥大は歳を重ねれば男性の誰にでも起こりうる病気です。隠さず、諦めず、前向きに考え、乗り越えていきましょうね。

前立腺肥大症の救世主が登場!最新の治療薬で症状を改善できる

前立腺肥大症は、主に前立腺の肥厚によって起こりますが、前立腺以外の泌尿器の異常が複雑に絡み合っていることも多いため、これまでの投薬による治療だけでは改善が難しいとされていました。

しかし、最近になり「シアリス」という新しいタイプの治療薬が開発され画期的な効果をあげている、として注目を浴びています。

前立腺肥大症は、病理学的には、加齢によって男性ホルモンの分泌が低下することで生じる5α-ジヒドロテストステロン(DHT)という特殊なホルモンの作用によって起こると考えられています。

これまでの治療では、この5α-DHTの生成を阻害することで前立腺の肥大を抑制しようとすることが中心でした。

この治療法では、前立腺肥大症の進行を抑える効果は高いのですが、肥大した前立腺そのものを小さくする作用は少ないため、症状を顕著に改善するという点では効果に限界がありました。

一方、シアリスは、血管平滑筋という血管の収縮を司る筋肉に作用し、泌尿器全体の血管を拡張させる働きによって、前立腺肥大症を改善させようとする新しい方法による治療薬として開発されました。

前立腺肥大症の症状は、前立腺そのものだけでなく、肥大した前立腺に圧迫された尿路、膀胱、その周辺の組織のどこかに原因があって生じます。

シアリスは薬効を前立腺だけでなく泌尿器全体へ広汎に作用させることができるので、原因が泌尿器のどこにあっても、いくつあっても、その原因部分を一度に改善させることができるのです。

さらに、薬効の持続性が長いため、症状を緩和する効果が長時間得られるという点も従来の治療薬にはなかった大きな特徴です。

こうした薬理作用を持つ新薬の開発は、前立腺肥大症を改善させる上で、とても画期的なことといえ、これまでの治療薬では効果が乏しかった患者でも、症状の改善につながる期待が大きいと考えられるのです。

なお、シアリスは日本イーライリリーと日本新薬が販売する薬の販売名で、成分名(一般名)は「タダラフィル」といいます。

これらの治療薬は処方薬ですから購入には医師の処方箋が必要です。

前立腺肥大の治療法も変わってきた!PSA監視療法によるメリット

医療業界では、新しい治療薬の開発などによって、従来では常識とされていた治療法が見直されるケースがよくあります。

シアリス(一般名タダラフィル)の開発によって、従来では薬による治療だけでは症状が改善されない場合、手術によって前立腺の肥厚部分を切除する方法が一般的でした。

しかし、前立腺を切除することで、膀胱の出口をふさぐ機能が低下し尿失禁を起こしたり、尿管狭窄やED障害など別の後遺症が起こったりする場合も多かったのです。また、当然のことながら、手術をすれば入院することも余儀なくされます。

そこで現在では、治療薬の投与と同時にPSAの値を定期的に計測することによって、症状を監視しながら治療法を選択するPSA監視療法という方法が治療の主流になりつつあります。

また、現在アメリカではさらに次世代の治療法といわれる、前立腺ワクチンの開発が進められています。いずれ実用化できれば、前立腺肥大症の根絶も可能になるかもしれません。

このように新しい治療薬の開発は、治療効果を高めるだけでなく患者の負担や後遺症をできるだけ少なくするという点においても、医療に大きく貢献しています。是非とも、最新の治療法に対しても関心を持ち、治療の選択に役立ててほしいと思います。

キャラクター紹介
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