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男性に朗報!植物ステロールは動脈硬化に加えて前立腺肥大も改善

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最近ではコレステロールに対抗するための栄養成分として取りざたされることの多い植物ステロールですが、残念ながら医薬品やサプリとして摂らないと、抗コレステロール効果が期待できる程には摂れないそうです。

では、植物ステロールを利用した血中脂質の改善と言うのは、食べ物からだけでは無理なのでしょうか。まずはそのあたりから考えてみましょう。

ステロイドの一種であるステロールはホルモンやビタミンの原料になる重要な脂質の一つ

ステロールと言うのは、ステロイドの一種です。ステロイドと言うのはホルモン剤などで有名ですね。女性ホルモンのエストロゲンも、男性ホルモンのアンドロゲンも、そして有名な副腎皮質ホルモンもステロイドです。

そして、ステロイドに共通するステロイド核と言う分子構造の特定の位置に、-OHで表されるヒドロキシ基(水酸基)がくっつくことでアルコールの形になったものがステロールです。

アルコールと言っても飲むと酔っぱらうアルコールではなく、飽くまで化学の分類上アルコールのグループに入れるべき姿になっていると言う意味の表現です。

ステロールは細菌以外のすべての生物の細胞膜を構成する成分で、動物においてはコレステロールとしてホルモンやビタミンの原料になるなど、非常に重要な脂質の一つです。

余談ですが、細胞を持たないウイルスは生物には含めず、「生物的機能を持つ何か」と言う、非常に微妙な位置に置かれているようです。

動物性ステロールの功罪

動物の身体で大きな役割を持っているステロールは、言うまでもなくコレステロールですね。細胞膜の原料になり、脂肪の消化吸収に関わる胆汁酸の原料になり、皮膚では紫外線を利用してビタミンDの原料にもなっています。

一方で、高すぎるLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)の値は動脈硬化の原因となり、様々な病気の誘因となりますから、一定以下に抑える努力は必要です。

2015年5月に日本動脈硬化学会が発表した声明がありますので見てみましょう。まず、食事からのコレステロール摂取量を抑えるだけでは、血中LDLコレステロールの抑制効果はほとんどないと言うことがあります。

ですので、健康な人についてはコレステロールの摂取基準値は設けないとなっていますね。一方、脂質異常症の一つである高LDLコレステロール血症の患者に対しては、もっと広範な対応を要求しています。

大きなポイントはコレステロールは200mg/日以下、飽和脂肪酸は4.5%以上7.0%以下、トランス型脂肪酸は基準値を設けない物の摂取量を減らすと言うことでした。

それに加えて、当然のことながら禁煙や運動も必須であると述べています。

植物性ステロールとは

そこで登場するのが植物ステロールです。植物ステロールと言う風に総称していますが、大半はβシトステロールと言う物質です。

その他、食品中に含まれることがある植物ステロールには次のようなものがあります。

  • スティグマステロール
  • ブラシカステロール
  • キャンペステロール
  • Δ7-スティグマステロール

また、アメリカのサプリでは植物ステロール全部をひっくるめてβシトステロールと表示している場合もあります。

あるいは、ヨーロッパの基準で上の植物ステロールをきちんと表示していても、以下のものはβストステロール類と言う扱いで、βシトステロールの量に合算されることが多いですね。

  • アベナステロール
  • Δ5-23-スティグマステロール
  • Δ5-24-スティグマステロール
  • クレロステロール
  • シトスタノール
コレステロールも植物ステロールも、基本は第5位の炭素の結合が不飽和結合になっています。中には異なる位置の結合が二重になる場合もありますね。その場合はΔでその位置を示しています。

さらに、スティグマステロールやブラシカステロールはもう一つ余分に二重結合を持つジエン構造体です。上でも基本の5位に加えて、23位または24位に二重結合があるスティグマステロールがリストされていますね。

それに対して、不飽和結合を持たない完全飽和ステロールをスタノールと言います。このシトスタノールは、ヨーロッパ式ではβシトステロール類と言う扱いになることもありますが、独立した有効成分とみられる場合もあります。

植物ステロールの働き

少し難しい話になってしまいましたが、その植物ステロールとは人間が食べた場合、どういう働きを持つのでしょう。

ミセルと言う状態があります。ミセルとはマヨネーズのような状態のことです。油と酢と言う、本来混じらない物を良くかき混ぜて、卵と言う界面活性剤を介してあの状態になっているわけですね。

コレステロールは脂質ですので水にはほとんど溶けません。それが胆汁酸ミセルに取り込まれることによって水に溶けるようになり体に吸収されやすくなるのです。

ところが、植物ステロールはコレステロールとよく似た化学構造を持っていますので、胆汁酸ミセルによく取り込まれます。

そうなってくるとコレステロールの一部は、本来座るべき位置を植物ステロールに占領されてしまっているため、胆汁酸ミセルに取り込まれることができません。

つまり身体に吸収されなくなると言うわけですね。身体に吸収されなかったコレステロールは、そのまま排泄されてしまうんです。

この働きによってコレステロールの吸収量を減らし、血中脂質の値の改善に繋がると言うわけです。

どの程度摂るのが良いのか?身近なゴマで考えても摂取は現実的ではない量・・・

さて、コレステロールの吸収を抑えてくれる働きを持つ植物ステロールですが、どの程度食べれば効果があるのでしょうか。さまざまな実験報告があります。

その中で最も少ない量で効果があったとするものは一日当たり290mgでしたが、これは例外的で、800mg/日でも効果がなかったと言う報告もあります。

食べ物から摂るには難しい量

多くの場合一日当たり1000mg~3000mgの摂取量が必要だと言う結果が導き出されていますが、一方で3000mg/日以上の摂取では効果が頭打ちになったとあります。

また、一部の実験ではコレステロールを同時に摂取したほうが、よりコレステロール低減効果が表れると言うものもありました。

そこで、植物ステロールをたくさん含んでいる食べ物と言うのを探ってみましょう。身近なところではゴマが一番多く含んでいそうですね。100gあたり714mgです。

しかし、最低ラインの1000mgを摂ろうと思ったら140gのゴマを食べなくてはいけません。ボリューム的にもどうかと思いますが、カロリーも800kcalを超えてきます。

油にしたものならどうでしょう。ごま油や米油、コーン油などは非常に高濃度の植物ステロールを含んでいます。

しかし、1000mgの植物ステロールを摂るには、私たちが入手しやすい油の中で最も高濃度に含んでいる植物油、高植物ステロールタイプの米胚芽油で大さじ5杯以上、約72g、およそ650kcalが必要です。

ちょっとこれも現実的じゃないですね。毎日この油でかき揚げでも作って食べれば可能かもしれませんが、何か他の弊害が出てきそうです。

男性への福音になるか?前立腺肥大症に効く油

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ここでちょっと話が変わります。前立腺と言う名前は皆さんご存知ですよね、男性にだけ存在する器官です。まだ何のためにあるのかと言う働きはすべて解明されたわけではない、ちょっと謎な器官です。

それでも、前立腺の分泌する前立腺液は精液の1/3程度を占めていますので、そのことは重要な役目なのでしょう。

前立腺肥大と言う症状

男性は30歳を超えるころから前立腺が萎縮してゆくか肥大してゆくかと言う変化が始まります。昔はそうでもなかったそうですが、現代ではかなり多くの人が肥大の方向を取るようです。

30代のころから始まるとは言え、実際に症状として目立ち始めるのは40代後半から50代にかけてでしょう。女性の更年期と同じくらいの時期かもしれません。

50歳ではおよそ30%、70歳で80%の人がこの病気に罹ると言われています。この病気は個人差が大きく、症状はあっても治療を必要としないレベルから、腎機能に悪影響を与えるレベルまで、ひと様々です。

基本的には排尿トラブルとして症状が出る病気だとひとまとめにしても良いかもしれませんね。

膀胱の出口を囲む前立腺

前立腺は膀胱の真下にあって、尿道を取り囲んでいます。ですので、これが肥大すると尿道が圧迫されて尿が出にくくなるのです。物理的に停めてるわけですから、実にシンプルですね。

排尿トラブルとは言っても、

  • なかなか出ない
  • 少しずつしか出ない
  • 出きらない
  • 残った感じがする
  • 全く出ない

など、基本的には尿の出が悪くなると言うものです。そしてその延長上に、

  • 何度もトイレに行く
  • 夜中に何度も起きる
  • 不意に強烈な尿意に襲われる
  • 漏れる

などの症状がついて来ることもあります。

いずれにせよ、生活の質を落とす症状であることは間違いないですね。

ノコギリヤシの秘密

前立腺肥大による男性の排尿障害の緩和と言うことになると、まず思い浮かぶのがノコギリヤシエキスですね。薬店などの店頭でも大きく宣伝しているのをよく見かけます。

実はノコギリヤシには植物ステロールが非常に豊富に含まれているのです。そして、その有効成分の一番のものは植物ステロールであるともされています。

アメリカでも用いられていますが、ヨーロッパではハーブ療法として確立されているだけではなく、有効成分の植物ステロール投与が前立腺肥大による症状の抑制に用いられています。

その効き目は、かなり強力なホルモン関連薬の複合投与に匹敵するものであったとローマ大学の臨床医学研究所が報告しています。

そして非常に重要なのは、この時に用いられた投与量が125mg~250mgと、抗コレステロールを求める時の数分の一と言う少ない量であったことです。

例えば、先にご紹介した米胚芽油だと大さじ1杯前後で充分摂取できる量なんですね。

ですので、前立腺肥大に伴う排尿障害をお持ちの男性は、こめ油を積極的に摂ってみるのがおすすめだと言えるでしょう。

他にもコーン油などが植物ステロールを多く含みますが、脂肪酸組成の関係でリノール酸過剰が心配されます。その点、こめ油はリノール酸よりオレイン酸の方が少し多めになっていますから、バランスとしては良いですね。

コレステロール低減はどうする?具体的な料理を例にしてみてみよう

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植物ステロールの魅力的な効果はよく判ったものの、肝心の植物ステロールの効果によるコレステロール低減には多くの量が必要なことは変わりありませんね。

では、食物からの効果でコレステロールの低減はあきらめて、医薬品やサプリメントになった植物ステロールを飲むしかないのでしょうか。

組み合わせの妙

ここからは学術研究に基づくものではなく、生活者としての常識の組み合わせになります。ですからそれを念頭に置いて読んで下さい。こうした学術論文などが発表されると、それに基づいた広告宣伝が巷にあふれかえります。

いわく「植物ステロールはすごく健康的。でも食べ物から必要量を摂るのは不可能。だから○○サプリメントを飲みましょう。いまならもう一本付いてお値段は同じ。」みたいな感じですね。

でも、ちょっと考えてみましょう。LDLコレステロールを減らしてくれるのは、そもそも植物ステロールだけなのでしょうか。

LDLコレステロールを減らしてくれるのは、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置き換えた食事をすると言うのが一番大きな要因であったはずです。

学問としての研究であれば植物ステロールに絞って効果を見るので、一定量以上なければ役に立たないでしょう。

しかし、飽和脂肪酸を抑えて不飽和脂肪酸と食物繊維を摂り、適度な運動を行った上で、同時に植物ステロールを摂ればそれほど多い量が必要だとは考えにくいです。

具体的な料理

一例を上げましょう。

これまで豚バラ肉を100g焼いて食べていたとします。これを豚肩ロース肉100gに変えて、米油大さじ1杯で少しの時間マリネしてから焼いて食べてみましょう。

肩ロース肉の場合マリネ用の油も含めて400kcal。バラ肉の場合は386kcalですが、焼き油がないのも具合が悪いので、サラダオイルを少々(1.5g)足して同じ400kcalになるようにしてみます。

つまり、バラ肉に比べて脂身の少ない肩ロースには、米油で補ったと言う考え方です。ですから、合計の脂質の量はあまり変わらなくなっています。

そこで、油の質を見てみます。まず、能和脂肪酸ですがバラ肉の場合13.11gであった物が肩ロースの場合9.89gと25%程度減っていますね。その分が不飽和脂肪酸で置き換わっていると考えて差し支えありません。

この脂肪酸組成の差だけでも、それだけLDLコレステロールの低減効果が期待できるはずですね。

そして、豚の脂には植物ステロールは含まれません。サラダオイルは植物性で植物ステロールも含まれていますが、使用量が少ないので、だいたい6mg程度しかないと思われます。

一方、米油の中でも多く含むものであれば大さじ1杯で196mg含んでいるものもあります。

このように、この調理法で豚バラを肩ロースに変え、サラダオイルをやめて米油をたっぷり使う事で、前立腺肥大には充分効果が期待できます。

コレステロールに対抗する力としては、植物ステロールだけでは効果がないでしょうけれど、不飽和脂肪酸の力を増強する形で働いてくれるであろうことは充分期待できるでしょう。

米油は強力な要因

私は、食用油脂には良質なオリーブオイルが最適だと考える立場をとっています。コレステロールの問題であれば、オリーブオイルには植物ステロールは少ないですが、その強力な脂肪酸組成だけでもかなりの効果が期待できます。

しかし、こと前立腺肥大の問題については米油以外の選択肢はないと思っています。前立腺肥大に効果が期待できる量をオリーブオイルで摂ろうと思うと、最低でも大さじ4杯は必要になるからなんですね。

さて、いろいろ見てきましたが、植物ステロールをサプリや医薬品として摂るのも、副作用が少ないそうですから悪くはないと思います。しかし、飽くまでサプリなどは次善の策だと考えます。

基本は何であっても食べることを上手く調整するのが基本ですよね。

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