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物忘れがひどい時に考えられる病気は?物忘れの原因・予防対策

うっかり物事を忘れてしまうことを「物忘れ」と言います。持ち物をどこにしまったか忘れてしまったり、人の名前が喉まで出ているのに思い出せなかったり…誰にでも多少の物忘れはあるものです。

しかし、物忘れは認知症や脳の病気の兆候で起こる場合があるので、不自然な物忘れが増えてきたら注意が必要。近年は若い世代にも物忘れのひどい人が増えているようです。

このカテゴリでは物忘れについて掘り下げ、記憶のメカニズム、物忘れの原因と対策法について情報を提供しています。年齢に関係なく起こりうる物忘れについて一緒に勉強してみましょう。

うっかり…だけじゃすまされない?物忘れが現れる病気もある

物忘れが起こるのは良くないのでしょうか。いえ、健康な人でも忙しい時や疲れている時は一時的に脳のはたらきが鈍り、普段はしないような物忘れ、ど忘れをすることがあります。物忘れがたまに起こる程度なら気にする必要はありません。

また、脳は20代からゆるやかに老化が始まり記憶力が低下してくるので、個人差もありますが40~50代頃からは物忘れが増えるようになります。加齢による物忘れは自然現象なので、ある程度は仕方ないものだととらえましょう。

物忘れが起こりやすい病気とは

急に物忘れが増えてきたり、物忘れのせいで日常生活にトラブルが生じるようになったなら、これは不自然です。病気が原因で脳機能に障害が起こっている危険性があります。

物忘れが起こりやすい病気
  • 認知症(アルツハイマー型・レビー小体型・血管性など)
  • うつ病
  • パーキンソン病
  • 脳腫瘍
  • 若年性健忘症

特に物忘れの原因で多いのが認知症です。高齢者の人口が増加するに伴い認知症の患者数が年々増加しており、高齢者の認知症は深刻な社会問題になっています。

厚生労働省により、2012年の時点で65歳以上の約15%にあたる約460万人が認知症を発症していることが分かっています。このままだと約10年で認知症患者数が1.5倍に増え、2025年には認知症患者が約700万人に増加するのではないかと推測されています。

また2012年の時点で、認知症の予備軍にあたる軽度認知障害(MCI)の高齢者もおよそ400万人は潜在しているとの報告もあります。

物忘れは海馬の機能低下が原因で起こる

では、なぜ脳機能が低下すると物忘れするのでしょうか。

大脳辺縁系にある「海馬(かいば)」という器官がスムーズにはたらかなくなると記憶障害が起こって、物忘れしやすくなるのです。

海馬は記憶を司る所です。精密機械のように高性能ですがとてもデリケートなため、脳が何かダメージを受けた時には最初に海馬から破壊が始まるので、物忘れが頻繁に起こりやすくなります。

海馬の萎縮して起こりやすいのが、65歳以上の高齢者に多い「アルツハイマー型認知症」です。病的な物忘れのほとんどは、アルツハイマー型認知症によるものです。

物忘れが不安な時は受診を

ただ、単なる物忘れと認知症の症状は似ているので、加齢による物忘れなのに「認知症ではないか」と過剰に心配してしまったり、逆に認知症の症状を加齢による物忘れと勘違いして認知症を放置してしまうことが起こりやすくなっています。

また近年は65歳未満の若年層にも物忘れを伴う病気が増えています。もしも物忘れが急に増えて不安になる場合は、一度病院に相談することをおすすめします。

物忘れを詳しく診察してくれる「物忘れ外来」という専門科も増えてきています。またはかかりつけ医、神経外科、心療内科などに相談するのも良いでしょう。

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どうやって覚えたり忘れたりしている?記憶のメカニズム

私達は「物事を知る」「覚える」「忘れる」といった記憶と忘却を繰り返しながら生きています。

記憶とは、さまざまな感覚を通して受けた情報を脳に記録することです。脳が情報を記憶する過程を簡単に説明すると、次のような順序になります。

  1. さまざまな感覚を通して脳に入ってきた情報が海馬に送られる
  2. 海馬で情報を一時保管し、必要な情報と不要な情報を振り分ける
  3. 必要な情報を大脳皮質に記録する

不要な情報はすぐ忘れるようにできている

見たり聞いたり感じたり…脳には常に新しい情報が入ってきます。目で見た情報は「視覚野」に、耳から聞いた情報は「聴覚野」という所を経由して海馬に送られます。

その情報量は膨大なため、もしもこれらの情報を全て脳に記録すると相当なエネルギーが必要になって脳が疲弊してしまいます。

そこで脳は情報を海馬に送り、段階に分けて重要な情報とそうでない情報を振り分けて情報量を減らし、最終的に残った必要な情報だけ半永久的な記憶として保持します。つまり、重要ではない情報は忘れるようにできているのです。

記憶のメカニズム

心理学の領域では、情報が記憶として定着するまでに「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の順に3段階の課程を移行すると定義しています。

1.感覚記憶
絶えず受けている視覚、聴覚、味覚などの刺激をいちいち記憶していると脳に大きな負担がかかってしまうので、これらの情報はすぐ忘れるようにできています。これを「感覚記憶」といいます。

例えば、歩いている時に自然に目に入って来た景色、自分にとって特に意味のない雑音などが感覚記憶として処理されています。

目で見た情報は1秒弱だけ、耳で聞いた情報は2~5秒くらい覚えていますが、これらは記憶というより一瞬の感覚といった感じで、忘れても物忘れとは言いません。

2.短期記憶
注意して受け止めた刺激は、必要性のある情報として海馬にいったん保管されます。これを「短期記憶」といい、20秒くらい覚えておくことができます。

例えばテレビで初めて見た芸能人の名前、テスト勉強で目にした単語などが短期記憶として残ります。しかし1回見聞きしただけの情報、それほど関心のない情報は消えてしまいます。

覚えたはずの人の名前が思い出せない、用事をすっぽ抜かしてしまった…そういった物忘れは、短期記憶として海馬が消してしまった単なる物忘れの可能性が高いです。つまり、その人にとって大して重要性がない情報だったのかもしれません。

3.長期記憶
短期記憶のうち、その人にとって重要性の高い情報は長く残る思い出や知識に変わります。これを「長期記憶」といいます。専門用語では長期記憶を残すことを「記銘」または記憶の「符号化」と呼んでいます。

それほど重要性の高くない短期記憶は約20秒で消えてしまうのに対し、印象の強い出来事や意味の理解しやすい情報は長期記憶として残りやすい傾向があります。

また繰り返し暗記した情報も長期記憶として保持されます。

電話番号や外国語といった意味の理解しにくい数字や文字の羅列は、ほとんどの人が一度見聞きしただけでは覚えられません。復唱したり何度も思い出そうとすることで記銘され、忘れなくなります。

何でも物覚えの良い人は、記銘をしっかり行う習慣ができているのでしょう。

長期記憶は、数分間から永久的に保持されます。過去に覚えた記憶は普段は意識上にありません。過去の記憶を常に思い出しながら過ごすと混乱を招くので、普段の生活に必要ない長期記憶はいったん引き出しに収納されます。

アルツハイマー型認知症の人は海馬が萎縮しているので長期記憶が苦手になります。そのため新しい記憶はすぐ消え、今さっきあった出来事をもう覚えていないことが増えてきます。

起憶(検索)
いったん保持した長期記憶は、必要な時に引き出しから出して自在に思い出すことができます。専門用語では、これを「起憶」または「検索」といいます。

例えば、英単語を一度見ただけで英語のテストを受けた人は、憶えたつもりでも短期記憶として消えてしまっている可能性が高いので、テストでは英単語がなかなか思い出せなくなります。

一方、英単語を繰り返し暗記した人は長期記憶として保持されやすいので、テストの時に英単語が浮かんでスラスラと解答できるようになります。

アルツハイマー型認知症の人は、さっきあった出来事はすぐ忘れてしまいますが、認知症になる前に保持していた長期記憶は残っているので、若い時の想い出なら鮮明に思い出せることも多くなります。

しかし脳の萎縮が進むと起憶も困難になり、物を覚えることも思い出すこともできなくなって認知機能が著しく低下してしまいます。

年々増えているアルツハイマー型認知症の特徴は物忘れ

認知症にはいくつかの種類があり、その中で最も多いのがアルツハイマー型認知症となっています。

アルツハイマー型認知症は、加齢によって「アミロイドβ」などのたんぱく質が脳に蓄積するため、脳細胞が死滅して脳機能が低下してしまう進行性の病気です。

60代以上の女性に起こりやすい病気ですが、50代以下でアルツハイマー型の若年性認知症を発症する可能性もあります。

アルツハイマー型認知症の症状

代表的な症状は記憶障害です。脳の萎縮が進むにつれ記憶障害も重症化していきます。

進行は緩やかで、記憶障害に判断能力の低下、感情障害、運動機能の低下などを伴い、最終的には脳機能障害によって死に至ります。

初期(2~6年間)
短期記憶を残すのが苦手になり、新しい事が覚えられなくなったり、さっきあった出来事を忘れてしまうようになったりします。

そのため、さっき質問したことを聞き返す、探し物が増える、といった生活上の物忘れが目立つようになります。

また、老人性のうつと間違われやすいですが不安やうつといった精神症状も見られるようになります。

認知症のせいで何か失敗があった時、言い訳をして上手に取り繕う傾向も見られます。

中期(2~3年間)
知識や思い出といった長期記憶も次第に思い出せなくなっていき、今まで理解していた事柄が判別できなくなってしまいます。この症状を「見当識障害」といいます。

例えば知っている場所で迷子になったり、知人の顔や名前を忘れたりすることが増えてきます。

また、自分が体験したかどうかすら分からなくなるので、食事をしたことを忘れることも出てきます。

進行すると人格が変わったり、せん妄、徘徊、失禁など、重い認知症の症状がみられるようになります。

後期
記憶障害が進行し、物の名前や物の使い方が分からなくなります。進行すると脳の萎縮により、知的活動や運動はほとんど機能しなくなり、寝たきりで介護が必要な状態になります。

加齢による物忘れとアルツハイマー型認知症の違い

高齢者の物忘れは、加齢によるものなのか認知症の症状なのか見分けにくく、自身でもなかなか認めることができません。

アルツハイマー型認知症は薬で進行を抑えることができるので、なるべく早く発見して治療を始めることが大切です。

高齢者のいる家庭では、認知症の特徴的な症状にはどのようなものがあるかチェックしておき、家族の異変にすぐ気付けるようにしたいです。

▼加齢による物忘れと認知症の症状の違い

加齢による物忘れ 認知症の症状
進行度 極めてゆるやかに進行 ゆるやかに進行
原因 脳機能の老化 脳の萎縮
物忘れの特徴 体験の内容を忘れる
ヒントがあれば思い出せる
体験そのものを忘れる
判断力・実行力 低下しない 低下する
物忘れの自覚 自覚している 自覚がない
持ち物が見当たらない時 努力して探す 盗まれたと思うことも
見当識障害 ない ある
取り繕い ない しばしばみられる
日常生活の支障 ない 支障をきたす

(参照…老健局高齢者支援課「認知症施策の現状」)

次に紹介するのは、公益社団法人「認知症の人と家族の会」が作成した「家族がつくった認知症早期発見の目安」です。 認知症特有の「気になる症状」がリストアップされ、加齢による物忘れと認知症の症状の見分けに役立ちます。

▼家族がつくった認知症早期発見の目安

もの忘れ
  • 同じことを何度もする、言う、質問する
  • 電話の相手の名前をすぐ忘れる
  • 探し物が増える
  • 財布や通帳が盗まれたと思い込む
判断力・理解力の低下
  • 家事、計算、運転等のミスが増える
  • 新しいことを覚えるのが苦手
  • 話のつじつまが合わなくなる
  • テレビ番組の内容が分からなくなる
見当識障害
  • 慣れた道で迷う
  • 約束した日時・場所を忘れてしまう
人格の変化
  • 怒りっぽくなる
  • 失敗を人のせいにする
  • 頑固になる
  • 人に気遣いができなくなる
不安感
  • 「頭が変になった」などと訴える
  • 外出時に何度も持ち物を確認する
  • 一人でいる時に怖がる、寂しがる
意欲の低下
  • 身だしなみに気をつかわなくなる
  • 趣味やテレビに興味を示さなくなる
  • ふさぎこんで行動するのを億劫がる

(参照…公益社団法人 認知症の人と家族の会「家族がつくった認知症早期発見の目安」)

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家族が普段からよく観察していれば、おじいちゃん、おばあちゃんに異変がある時、認知症に早く気づけるかもしれませんね。

アルツハイマー型認知症の治療法

家族がアルツハイマー型認知症かもしれないと思ったら、すぐ病院を受診させます。

本人がアルツハイマー病の診察を嫌がる場合、どの医療機関を利用すればわからない場合は、地域包括支援センターや保健所の相談窓口を利用しましょう。認知症疾患医療センターに指定されている最寄りの病院も紹介してもらえます。

アルツハイマー型認知症の基本的な治療は薬物療法です。脳の活性化を促進するアセチルコリンエステラーゼ阻害薬、グルタミン酸の放出を抑制するNMDA受容体拮抗薬が用いられます。

併せてリハビリ療法を行い、認知機能の維持に努めます。レクリレーションや適度な運動は、リラックス効果と脳の活性化が期待されます。

アルツハイマー型以外の主な認知症について

認知症の約50%がアルツハイマー型認知症、次に多いのがレビー小体型認知症、血管性認知症です。それぞれ発症のメカニズムと症状の特徴が異なっています。

認知症の割合

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、大脳皮質や脳幹に「レビー小体」というたんぱく質が蓄積し脳細胞が死滅して行くために起こる認知症です。

アルツハイマー型と次の点が大きく異なります。

  • 女性より男性の発症率が高い
  • 物忘れよりも幻覚、幻視の症状が目立つ
  • 特有の身体症状(パーキンソン症状)を伴う
  • 比較的進行が速い

レビー小体型は海馬の萎縮が少ないため、物忘れはアルツハイマー型よりも軽く、筋肉のこわばり、動作の緩慢、手足の震えといった「パーキンソン症状」を伴うのが特徴です。

レビー小体型認知症の症状
初期にはレム睡眠障害(睡眠中に暴れたり叫んだりする)、うつ症状、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状がみられます。

次第に軽い物忘れ、幻覚や幻視、パーキンソン症状を伴うようになりますが、認知機能は良い時と悪い時の差がはっきりしています。

進行するとパーキンソン症状と幻覚、妄想が強くなり、見当識障害や記憶力障害が起こりやすくなります。そのため日常生活や周りの人とのコミュニケーションに支障がみられるようになってきます。

後期まで進行すると身体症状、精神症状の悪い状態が長くなり、車椅子の使用や介護が必要な状態です。進行すると寝たきりになります。

レビー小体型認知症の治療法
レビー小体型認知症もアルツハイマー型認知症と同様に治療法は見つかっていませんが、薬で進行を抑えることができます。

パーキンソン症状の緩和にはパーキンソン病に処方される薬、認知機能障害や幻視を軽減するコリンエステラーゼ阻害薬などが用いられます。

血管性認知症

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血によって脳細胞の一部が損傷し脳機能障害が起こる認知症です。

かつては認知症の中で最も多かったのですが、現在は3番目に多い認知症となっています。

血管性認知症には次のような特徴があります。

  • 女性より男性の発症率が高い
  • 高齢者だけでなく64歳以下の若年層にも起こりやすい
  • 判断力、理解力は正常な場合が多い(脳の損傷を受けた場所によって異なる)
  • 感情の起伏が激しくなりやすい
  • 調子の良い時と悪い時の差がはっきりしている

血管性認知症は、若年性認知症の原因になることがあります。また高齢者はアルツハイマー型認知症と血管性認知症を併発する場合もあります。

血管性認知症の症状
脳梗塞や脳出血の発作後に後遺症として脳機能障害が残ります。症状は脳の損傷を受けた場所によって人それぞれ異なりますが、麻痺、言語障害などの起こることが多くなります。

脳の血流が一時的に滞った時に調子が悪くなりがちです。また脳梗塞や脳出血は再発しやすいため、発作のたびに脳の損傷部分が増えることで段階的に進行する可能性があります。

血管性認知症の治療法
脳梗塞や脳出血によって死滅した細胞は元に戻りませんが、アルツハイマー型認知症と同じ薬で認知症の症状を軽減することができます。

また脳梗塞や脳出血の再発を防止するため、規則正しい生活、栄養バランスの良い食事を心がけて血圧、血糖値、コレステロール値をコントロールしておく必要があります。

物忘れを伴う認知症以外の病気について

認知症以外にも、記憶力が低下して物忘れが起こりやすくなる病気があります。これらの病気は若い人にも起こり得るので注意が必要です。

うつ病

年齢に関係なく物忘れが増えてボンヤリすることが多くなった場合は、うつ病が原因ということも考えられます。

うつ病の主な症状には、気分の落ち込みや意欲低下といった精神症状がよく知られますが、神経伝達物質がスムーズにはたらかなくなる病気なので脳の機能が全体的に鈍くなり、記憶力も低下しやすくなります。

ただし認知症と異なり脳細胞に損傷がないので、神経伝達物質のはたらきが回復すれば脳の機能は正常に戻ります。

認知症の物忘れは海馬が萎縮するために新しい事が覚えられなくなりますが、うつ病は脳全体の機能が低下しているので、記憶に関する機能そのもの、意欲、集中力、判断力などの機能が全体的に鈍くなるのが特徴です。

うつ病は放置していると悪化しやすい病気です。休養しても抑うつや物忘れが軽減しない場合は、精神科の受診を考えてみましょう。

パーキンソン病

パーキンソン病は、千人に1人の割合で発症する神経性の病気です。脳内でドーパミンが不足して神経伝達物質がスムーズにはたらかなくなるために起こります。

パーキンソン病の原因ははっきり分かっていませんが複数の要因が関連して発症する病気と考えられ、50~70代の男性で発症しやすくなっています。

主な症状は、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状、体のこわばり、手足の震え、動作の緩慢などの運動症状、記憶力や意欲の低下などです。

パーキンソン病は、薬物療法で不足しているドーパミンを補い運動機能のリハビリ療法を行うことで、症状を軽減させることができます。必要に応じて「脳深部刺激治療」という手術を行う場合もあります。

難病に指定されている病気ですが、治療の普及によりパーキンソン患者の寿命は通常の人と変わらなくなってきました。

脳腫瘍

脳腫瘍は、名前の通り脳に腫瘍ができる病気です。頭蓋内に良性または悪性の腫瘍ができる「原発性脳腫瘍」と、他の臓器にできたがんが転移して発症する「転移性脳腫瘍」あります。

脳腫瘍の発症率は10万人に1人、そのうちの約半数は良性といわれます。稀な病気ですが子供や若い人も発症する可能性があります。

脳に腫瘍ができると頭蓋内の圧力が高まるため、頭痛、吐き気、意識障害、物忘れが起こりやすくなります。また、言語障害、麻痺など腫瘍のできた場所によって異なる脳機能障害が起こるようになります。

良性の腫瘍は手術で摘出することが根本的な治療で予後も良好です。しかし悪性腫瘍は大きくなることがあり、腫瘍の大きさやできた場所によって予後の経過も異なります。

若年性健忘症

近年は20~30代にも物忘れしやすい人が増えているようです。若い人の物忘れが激しくなる症状を「若年性健忘症」といいます。

若年性健忘症は、約束をすっぽ抜かしたり会話の内容が理解できなくなったりするなどの記憶障害を伴う症状が特徴的です。しかし多くは検査をしても脳に異常はなく、一時的な脳機能の低下が原因で起こることがほとんどです。

ただし、稀に脳梗塞や脳腫瘍など危険な病気が原因になっている場合があるので注意が必要です。

一般には睡眠不足、ストレス、脳の疲労、栄養不足などによって一時的に脳の機能が鈍くなるために起こると考えられています。

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認知症予防・記憶力アップのために!物忘れを防ぐ方法

単なる物忘れ、加齢によって増える物忘れは、脳を刺激して脳の機能をどんどん活性化することで防ぐことができます。

また脳を刺激すると血流が促進して脳細胞をわかわかしく保つことができるので、認知症を予防する効果も期待できるようになります。

脳は何もしないと衰えていきやすいので、少し早めに脳の老化が始まる20代から意識して脳に良い生活をしていきましょう。頭の回転も速くなります。

なるべく頭を使う

なるべく頭を使って前頭前野にある「ワーキングメモリ」を鍛えます。ワーキングメモリとは、物事を同時に処理するため必要な情報を一時的に記憶する能力のことです。

前頭前野は、脳の中でも老化によって機能が低下しやすい所で、老化に任せていると前頭前野はどんどん機能が低下してしまいます。しかし意識して頭を使えば、前頭前野も鍛えることができます。

年齢に関係なく物忘れがちらほら出るようになったら、日常生活の中に頭を使う作業をどんどん取り入れていきましょう。

前頭前野のトレーニングに効果的な作業
  • 読書をする(音読)
  • 計算機を使わず暗算をする
  • 漢字や計算のドリルをする
  • 手紙や日記を書く
  • 料理をする
  • 同時進行で複数の家事を行う
  • パズルやクイズをする

前頭前野を鍛えるとワーキングメモリの能力が向上し、もの忘れを防止するだけでなく、勉強の成績や仕事の要領が良くなるメリットも得られます。

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質の良い睡眠をしっかりとる

質の良い睡眠をしっかりとると、脳のはたらきが活発になります。

睡眠中は脳下垂体から分泌される成長ホルモンの量が最も多くなる時間帯です。成長ホルモンには新陳代謝を促進する作用があり、睡眠をとることで前日に溜まった体や脳の疲れをリセットすることができます。

成長ホルモンは海馬を活性化する作用があるので、睡眠をしっかりとると記憶力がアップします。また睡眠にはアミロイドβの排出を促進する作用があるので、質の良い睡眠をとることはアルツハイマー型認知症の予防にもつながります。

理想は、朝までぐっすり眠って6~7時間の睡眠を確保することです。質の良い睡眠をとると脳をしっかり休めることができ、記憶力や学習能力が向上します。

適度な運動をする

適度な運動は、脳のはたらきを活発にします。

体を動かすと全身の血流が促進し、脳に流れる血液の量が増えて脳細胞が活性化します。また筋肉を刺激することで成長ホルモンの分泌量も増えるので、運動をすると脳の新陳代謝が高まってわかわかしい脳を保つことができます。

おすすめの運動は、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動です。健康のためには、適度な運動を1日30分程度、1週間に2~3回行うのが理想といわれます。

ただし、運動を義務づけると苦痛になって長続きしにくくなることがあります。楽しみながら自分のペースで続けていくのが一番です。

ウォーキングやジョギングをしながら景色を楽しんだり仲間と会話を楽しんだりすると脳に良い刺激が与えられ、より効果的です。

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物事に好奇心を持つ

常に物事への関心や好奇心を持ってさまざまな経験に挑戦することは、脳の活性化につながります。

子供や若い人は、好奇心が旺盛で色々なことに興味を持つので行動範囲が広くなりますが、加齢によって気力や体力が衰えていくと共に自然と好奇心が湧きにくくなり、行動範囲が狭くなったり新しい物事に挑戦することが少なくなったりしてしまいます。

行動範囲が狭くなると脳を使う機会も減るため、好奇心の少ない人は脳の機能が衰えて記憶力や学習能力が低下しやすくなります。

高齢者はこのように行動範囲が狭くなりやすいため、認知症やもの忘れを防ぐため何事にも好奇心を持って社会に出たり何か勉強を始めたりすることが勧められています。

特に勉強をする時は、「面白い」「興味がある」と感じながら取り組むほうが、海馬の記憶力が高まります。

記憶力には気持ちの持ちようも関係しているのですね。ただ知識を脳にインプットしようとするのではなく、何か目標やご褒美があると勉強の成績も上がりやすくなるかもしれません。

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食生活で脳の機能を高める

偏った食生活は脳の機能にも影響を及ぼす場合があります。毎日決まった時間に食事をとって、脳に必要なエネルギーを補給しましょう。

脳のエネルギーになる栄養素は糖質です。適度に糖質を摂取しましょう。

近年は糖質制限ダイエットが流行していますが、医師の指導なく極端な糖質制限を行なうのは避けましょう。脳のエネルギー不足で頭がボーッとしたり物覚えが悪くなったりする例があります。

また脳神経のはたらきを保つには、たんぱく質、脂質、カルシウムや亜鉛などのミネラルも必要です。ビタミンE、ポリフェノールなど抗酸化作用を持つ栄養成分はアルツハイマーの原因となるβアミロイドの蓄積を防ぎます。

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物忘れが増え始めたら脳に良い生活を心がけましょう

物忘れが増えて認知症ではないかと不安になっている皆さん、あまり心配しなくて大丈夫ですよ。なぜなら「物忘れをしている」という自覚があるのは、脳の認知機能がきちんとはたらいている証拠だからです。

物忘れが増えてきたと感じる時点で対策を始めれば、まだ十分に間に合います。脳に良い生活を心がけたり医療機関で検査を受けたりして何歳までも元気な脳をキープしましょう。

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