健康生活TOP 食中毒 食べ方によっては舞茸や椎茸も毒!?食中毒事例がある毒きのこの種類

食べ方によっては舞茸や椎茸も毒!?食中毒事例がある毒きのこの種類

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香り松茸、味しめじ……私たちの身近にあるきのこは美味しい食材として食べるだけでなく、健康の維持にも役立つと注目されていますね。

でも、日常でよく目にするきのこでも、食べ方によってはきのこ毒による中毒を起こすこともあるのです。食用きのこのNGな食べ方やきのこの正しい調理法、きのこによる食中毒を予防する方法をご紹介します。

最も危険なのは野生きのこの誤食!素人のきのこ狩りは十分気をつけて!

内閣府・食品安全委員会の統計によると、きのこによる食中毒の9割が毎年9~11月の秋のシーズンに集中して起こるとしています。

その理由は2つあり、1つは秋シーズンは野生のきのこの収穫時期にあたり、野生のきのこが市場に多く出回る中で、見分けがつきにくい毒きのこが誤って販売されることがまれにあること。

もう1つは、行楽などできのこ狩りをする人が増え、食用きのこと毒きのこを間違えて獲り食べてしまう”誤食”が多くなることが原因だと考えられます。

同委員会によると、きのこの種類は4,000~5,000種類も存在し、その中で食べられる食用のきのこは約100種類、毒きのこはその倍の200種類以上もあるとしています。残りの数千のきのこは毒性の有無も分かっていないといいます。

きのこの中には食用のきのこと見分けがつかないものが多いことや、きのこ採りに関する間違った迷信などがあるため食中毒が発生すると考えられます。

野生のきのこ狩りには特に注意!誤食しやすい毒きのこ・ワースト3とは?

政府広報によると、きのこによる食中毒は次のように報告されています。

平成18年(2006年)から平成27年(2015年)までの10年間で約2,400人が食中毒を起こし、うち13人が亡くなっています。

これは報告されているだけの数字なので、実際にはこの数字より多い人が食中毒による健康被害を受けていると考えられます。最悪の場合は死に至ることもあるのです。

東京都福祉保険局の調査によれば、食中毒の原因となるきのこは次の3種類で、きのこによる食中毒の約半数を占めるとしています。

  1. ツキヨタケ 29%
  2. クサウラベニタケ 14%
  3. テングタケ 6%

この3種類のきのこは食用のきのこと見分けがつきにくく、きのこによる食中毒の全体の約半数はこの3種類で中毒が起こっています。いわば、きのこ中毒の”ワースト3”といえるものです。それぞれを見ていきましょう。

注意すべききのこワースト3 1.ツキヨタケ

きのこによる食中毒で最も多いのが”ツキヨタケ”によるものです。きのこによる食中毒のおよそ3割を占めます。食用のヒラタケや椎茸の見た目や大きさにそっくりなため、きのこ採りのプロでも間違えてしまうようです。極めて強い毒性があります。

▼特徴
ツキヨタケの特徴写真

▼ツキヨタケに似た食べられるキノコ(簡単に見分けることはできません)
ツキヨタケと食用きのこの比較写真

こうして写真で比べてみても、毒きのこなのか食べられるきのこなのか全く区別がつきません。きのこ採りのプロはきのこを裂いて黒いシミ(斑紋)があるかどうかで見分けるようですが、素人には簡単に判別できないのでお奨めはしません。

ちなみに、ツキヨタケの名前の由来は夜暗くなると黄緑色に発光することから名前がつけられています。もちろん日中は全く光りません……。

注意すべききのこワースト3 2.クサウラベニタケ

次に中毒が多いのが”クサウラベニタケ”です。本シメジやウラベニホテイシメジなど食用のシメジ類と色や形が極めて良く似ています。

きのこ採りの名人でも間違えることがあるため”メイジンナカセ(名人泣かせ)”という異名があります。毒性が強く、もし食べてしまうと15分以内に下痢や嘔吐、腹痛、神経障害などが起こります。

▼特徴
クサウラベニタケの特徴写真

▼ツキヨタケに似た食べられるキノコ(簡単に見分けることはできません)
クサウラベニタケと食用きのこの比較写真

注意すべききのこワースト3 3.テングタケ(属)

テングタケ属のテングタケやベニテングタケも食用のタマゴタケなどに良く似ているため誤食が多い毒きのこです。

テングタケの特徴写真

ベニテングダケの特徴と食用きのこの比較写真

テングタケ属のきのこも食べられるのか、食べられないのか、素人には判断が難しいのでむやみに持ち帰って安易に食べないようにしましょう。

かつては食べられるきのこだった”スギヒラタケ”にも要注意!

古くから食用として食べられてきた”スギヒラタケ”も2004年以降、腎臓機能などに中毒症状が出ることが分かり、現在では食べないように注意喚起されています。

年配の人が”昔はよく食べていた”などといって、食べてしまうことがあるので注意が必要です。

こうして見てきたように、きのこ中毒の原因の多くは、きのこ狩りなどで野生のきのこを食用のきのこを間違ることや、かつては食用だったが今では食べてはいけないきのこを食べてしまう誤食によるものが大半です。

昔は食べられたきのこでも、現在は食べてはいけないきのこになっている場合もあるのですね……。十分注意が必要です。

素人のにわか鑑定は危険!きのこにの間違った見分け方に注意

きのこ狩りをする人が、間違った情報によって毒きのこを食べてしまうことにも注意が必要です。次にあげることは、きのこ狩りに関する非科学的で迷信のような”デマ情報”なので決して鵜呑みにしてはいけません。

間違った情報に惑わされないようにしなければいけませんね!

野生のきのこで食中毒を起こさない4つの鉄則

きのこ狩りを楽しむために山に入る楽しさを覚えると、大人でもなかなかやめられないといいます。

しかし、野生のきのこを採集して食べることは大きなリスクを伴います。慣れた人でも毒きのこを食べてしまい死亡する例もあるのです。素人ならなおさら危険な行為といえます。

きのこ中毒を防ぐためには、政府広報が示している鉄則を守るべきなのです。

安全に食べられると確実に判断できないものは、絶対に、採らない、食べない、売らない、人にあげない

食用きのこでも食べ方を間違えると危険!身近な食用きのこで食中毒が起こる

ここまでは野生のきのこの誤食による食中毒を見てきましたが、身近にある食用のきのこでも食べ方を間違えると中毒症状が起こる場合があるので注意が必要です。

きのこは栄養価が高くわりとどんな料理にも合うので重宝な食材です。思い起こすだけでも、しめじ、舞茸、椎茸、ヒラタケ、エリンギ、エノキ茸、なめこ、マッシュルーム……と、あげたら限がないくらいきのこにはさまざまな種類があります。

スーパーや八百屋さんで売られているきのこで、毒きのこを誤食することはまずありませんが、食べる時にいくつか気をつけなければいけないことがあります。

1.食用のきのこは必ず十分に加熱してたべること!

食用として売られているきのこのほとんどは”加熱食材”となっています。つまり十分に熱を加えてから食べなければいけません。

良くあるのがきのこを焼いて食べる”焼ききのこ”での食中毒です。

買ってきたきのこを七輪などで炙り、”焼ききのこ”をビールで一杯!というのは、なんとも乙な食べ方ですね。でもきのこを焼いて食べる場合は、しっかりと火を通してから食べるようにしましょう。

焼きムラができ、半生の状態のまま食べてしまうと思いもかけない食中毒を起こすこともあります。

長野女子短期大学の山浦由郎教授によると、舞茸やエリンギなど身近なきのこでも、微量のシアン(毒物)を含んでいる場合があり、加熱調理が不十分な場合やたくさん食べた場合に、ごくまれにシアン中毒の症状を起こすことがあるとしています。

2.きのこの刺身は誤解すると危険!

料亭などで出されるきのこ料理の1つに”きのこの刺身”と呼ばれるものがあります。きのこの刺身というのだからきのこをスライスしてわさび醤油でもかけて、魚のお刺身のようにして食べるのだろう、と考えるのは大きな間違いです。

料亭やきのこ専門店などで出されるきのこの刺身とは、一度きのこを茹でこぼして熱を加えた上、スライスして甘みや歯ごたえを楽しむ料理方法なので、魚の刺身のように生食で食べるという意味ではないのです。

先述のように、一部のきのこには微量のシアン成分が含まれている場合があることや、きのこには食物繊維が多く消化されにくいことから、生で食べると腹痛や下痢などの胃腸症状が起こる場合もあります。

きのこの刺身というから”粋”な食べ方だと誤解してはいけないのですね!

3.椎茸によるアレルギー症状”椎茸皮膚炎”にも注意!

火の通りが悪いことが原因で起こる椎茸皮膚炎という症状もあります。食中毒というよりもアレルギーに近い症状ですが、今まで椎茸を触ったり食べたりしても何ともなかった人が、突然、発疹や発赤、かゆみなどの症状を起こします。

椎茸皮膚炎の多くは、バーベキューなどでよく焼けていない生の椎茸を食べることが原因です。そのためシーズンとしては比較的夏場に多い症状ですが、椎茸を使って調理する時は、しっかりと火を通してから食べるようにしましょう。

椎茸にホルムアルデヒドが!?きのこ類はしっかり洗って食べるべし!

きのこに含まれる栄養成分は水溶性のため、調理の時に水洗いすると栄養が失われるといわれます。

それも一理あるのですが、厚生労働省の調査によると、一部の椎茸には微量のホルムアルデヒドが含まれている場合があると報告しています。

ホルムアルデヒドは発がん性が指摘されることや、さまざまなアレルギー症状の原因となる場合もまれにあります。

一部の椎茸にホルムアルデヒドが含まれる原因の一つには、栽培に使用される菌床にホルムアルデヒドが含まれている場合があることや、残留農薬の影響があるのではないかと考えられています。

ですから、椎茸だけではありませんが、きのこは信頼できる産地や生産者、販売店のものを購入することが大切です。

また、調理する時にはしっかり水洗いしたほうが良いようです。もちろん、火をよく通してから食べることも忘れずに。

高級食材”マツタケ”でアレルギー症状が起こる!?

マツタケといえば、誰もが高級食材だと想像するでしょう。マツタケには旨み成分のアミノ酸が多く含まれていますが、少し古くなったマツタケは、アミノ酸が分解されヒスタミンが生成されるため、アレルギー症状が起こる場合があります。

この現象は他の多くのきのこにも言えるはずなので、きのこを食べる時は新鮮なものを選んで食べましょう。鮮度が落ちるときのこの外側にヌメリが出ますので、一つの目安になります。

マツタケのような高級食材だと捨てるに捨てれなくなるのかもしれませんが、新鮮なうちに食べるようにしたいですね。

きのこを安全に美味しく食べる3つのコツ

きのこは栄養価も高く、病気の予防や健康維持には欠かせない食材です。きのこを安全に美味しく食べるコツを紹介します。

1.きのこには賞味期限・消費期限がない!新鮮なうちに早めに調理する

基本的に、市販されているきのこには賞味期限や消費期限がありません。野菜やきのこは他の加工食品とは異なり、採集した後でも生きているとみなされるからです。

確かに、同じ生鮮食品でも肉や魚の場合は、すでに死んでいるので賞味期限や消費期限を付ける必要がありますが、野菜は採集された後でも呼吸をしているので、生きている生鮮品としてみなされ、賞味期限や消費期限の表示義務はないのです。

ですから、きのこを調理する時はできるだけ新鮮なものを選び、新鮮なうちに調理するのがきのこを安全に美味しく食べるコツです。

2.栄養を逃さず調理するなら鍋ものや汁物が良い

きのこに含まれる栄養は水溶性のため、水に入れると栄養まで流されてしまいます。そのため、きのこを調理する時は、煮汁ごと楽しめる鍋物や汁物がおススメです。

焼いて食べると焼きムラができやすく、火が通りにくい場合がありますが、鍋物や汁物なら完全に加熱でき安心して食べられます。

3.きのこを炒め物や蒸し物にする場合は下茹でしましょう

きのこを使って炒め物や茶碗蒸しなどを作る場合は、きのこの下処理として鍋に塩を3杯ほど入れ、一度茹でこぼしてから調理すると、しっかり火が通り安全に食べられる上、アクも取れるので食材の美味しさが引き立ちます。

その他・天然のきのこの面白い利用法 ~きのこ染め~

きのこ狩りなど天然のきのこを採集して食べることは食中毒の原因になる恐れがあるため、筆者はおススメしませんが、その代わりにきのこを染料として”きのこ染め”として楽しむのはどうでしょう。

採集したきのこ(毒きのこは除くこと!)を煮出し色を出して、羊毛に染めるだけの単純なものですが、きのこ独特の茶褐色が自然な色合いに染まり、帽子やマフラー、セーターなどにすると独特の風合いの結構いいものに仕上がります。

天然のきのこを使う場合は間違って食べないようにして下さいね!

きのこは私たちにも身近な食材ですが、間違った方法で採集や調理をすると思わぬ中毒を招くこともあります。きのこの豊富な栄養を逃さず、美味しくいただくためには、正しい情報が欠かせませんね。

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