健康生活TOP 食中毒 銀杏を食べ過ぎると中毒に!安全な個数と予防を知っておこう

銀杏を食べ過ぎると中毒に!安全な個数と予防を知っておこう

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銀杏、秋の味覚として欠かせないものの一つですね。茶碗蒸しに入れて良し、焼いて食べても良し、実に美味しい一品です。

しかし、独特の風味があることから、お子さんたちにはあまり受けが良くないと聞きます。でも、それで良いのです。銀杏は大人の味、子供さんには食べさせない方が良い食品の一つでもあるのです。

銀杏中毒は怖い!死亡例もある銀杏中毒の症状と食べてもOKな年齢別個数

皆さんご存知の通り、銀杏はイチョウの実の中にある種子の仁を食べる食品です。そして銀杏もイチョウも漢字で書くと銀杏の文字が当てられることがあるので、混乱を避けるため、イチョウのほうはカナ書きにしますね。

一説によると、イチョウの漢字は、人名でたまに見られる「鴨脚」が正しいのではないかと言うことです。確かにこれを中国語読みすると「ヤーチャオ」と、イチョウに近い発音ですしね。

さて、その銀杏ですが、食べ過ぎると食中毒を起こし、特に子供の場合、最悪死に至るケースがあると言うのは良く知られていました。

最近ではあまりそうしたことを言わなくなったようですが、銀杏の消費量って減っているんでしょうか。

イチョウは特殊な植物

ちょっと難しい話から入ってみましょう。すべての生物は様々な方法で分類されていますが、イチョウは次のように分類される場合があります。

植物界・イチョウ門・イチョウ綱・イチョウ目・イチョウ科・イチョウ属・イチョウ

そして、イチョウ門に属するすべての植物のうち、現存しているのはイチョウだけで、あとは全部化石でしか見つかっていません。ですので、様々な部分でちょっと特殊な生物だともいえるのです。

実は、20種類弱あったイチョウの仲間は、恐竜の時代には世界中に分布していたのですが、氷河期で全部死に絶え、中国のイチョウだけが現代に生き残ったと言われています。

そういう意味では、私たちは生きている化石を美味しく食べているわけですね。

イチョウには毒がある

イチョウにはメジャーなものとして二つの有害物質が含まれています。一つが銀杏中毒の元になるギンコトキシンです。銀杏毒とでも言うような意味合いの言葉ですね。

ギンコトキシンによる銀杏中毒は、嘔吐と痙攣を主症状として、食べてから1~12時間ぐらいで発症します。多くは24時間以内に回復しますが、90時間かかった例や死亡例もありますので要注意ですね。

その他、次のような症状があります。

  • 不整脈
  • 顔面蒼白
  • 呼吸困難
  • 呼吸促迫(こきゅうそくはく:呼吸が早くなること)
  • めまい
  • 意識混濁
  • 下肢の麻痺
  • 便秘
  • 発熱

かなり危険なイメージですよね。家庭では対応できません。痙攣を誘発する恐れがあるので吐かせることもしてはいけません。

救急車を呼んで、銀杏をいくつ食べたかを報告しましょう。滅多に生で食べる人はいないでしょうが、生食すると上の症状の他、除脈やショックで死んでしまう危険性もあります。

さて、これほどまでに危険で美味しい銀杏ですが、どれくらい食べると危険なのでしょう。

実は中毒物質のギンコトキシンが働くメカニズムのせいで、割合幅があります。日本中毒情報センターによると、小児で7個~150個、成人で40個~300個となっています。

医薬品の年齢区分に従うと、7歳未満の子供には与えない方が良いようです。そして、7歳~14歳までは6個以下、安全を見て3個程度でしょう。大人は20個くらいにしておけば危険はないと思われます。

さて、このギンコトキシンはどういった毒なのでしょうか。それは名前にヒントがありました。

ギンコトキシンの正式な名称は4′-O-メチル ピリドキシンと言います。なんだか聞いたことがあるような無いような…

腸内細菌が作ってくれるビタミンの一つで、神経伝達に重要な役割を持っているのがビタミンB6です。不足すると痙攣やてんかん発作を起こしますね。

このビタミンB6の主成分がピリドキシンと言うものなのです。ギンコトキシンの本名とよく似ていますね。似ているのは名前だけではなく構造もよく似ているため、身体の中でビタミンB6を受け取る受容体にフタをしてしまいます。

そうなると、ビタミンB6が働くことができなくなり、神経伝達に関する重要な役割を果たせなくなって、欠乏症の症状が出てくるわけです。これが銀杏中毒です。

神経伝達にかかわる働きを邪魔されてしまうわけですから、最悪死に至ることも有り得るわけですね。

また、ビタミンB6に関して充分供給されている人なら多少食べ過ぎても大丈夫でしょうが、ぎりぎりでやっている人の場合、少量でも危険になってきます。

例えば、他の病気で抗生物質や抗結核薬を使用していたりすると、もともとのビタミンB6の活性が下がっていますから危険になりやすいとも言えるでしょう。

イチョウにはアレルギー物質がある

銀杏の外側と言うと、あの強烈な臭いを発する部分ですが、その原因は主に酪酸とエナント酸です。酪酸は足の臭いとも共通する原因物質ですね。いずれも短鎖脂肪酸です。

そして、それとは別に、イチョウにしか見られない物質にギンコール酸やビロボールと言う、フェノールと脂肪族の化合物からできた化学物質があります。これらはイチョウの葉にも含まれています。

これらは漆に含まれるウルシオールと言うアレルギー物質とよく似た構造をしているため、いわゆる交差反応が起こることがあります。

漆がかぶれやすい事は良く知られていますが、漆に触れることがなくても、イチョウのギンコール酸でアレルギーを起こすと、ウルシ科のマンゴーやカシューナッツでもアレルギー反応が起こってしまう事があるんです。

ギンコール酸はアレルギー物質であると同時に、変異原性(正常細胞をがん化する性質)、細胞毒性や神経毒性を持つ毒性物質です。従って、銀杏の外側(柔らかくて臭い部分)やイチョウの葉を食べてはいけません。

ギンコール酸は、銀杏の食べられる部分にはほとんど含まれていません。

日本では注意されていないイチョウ葉エキスに注意!量を守って健康に

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さて、このようにイチョウの葉には、大変毒性の強いギンコール酸が含まれている事が判りましたが、その割合はと言うと、サプリなどに使われるイチョウ葉エキスの元になる粗エキスで約2.2%です。

一方、医薬品としてきちんと作られたイチョウ葉エキスには含有量はとても低くなっていますので心配はありません。

医薬品とサプリと健康食品

イチョウ葉エキスには脳疾患系治療薬としての働きがあり、ヨーロッパでは古くから医薬品としての基準が定められています。

ドイツの基準によると、有効成分の含有量はもちろん必要量を満たしていなければなりませんが、毒性物質であるギンコール酸の含有量は最大で5ppm(0.005%)以下と規定されています。

ですので、ヨーロッパで医薬品として使われているイチョウ葉エキスは全く毒性の心配がないと言っても良いでしょう。

一方、アメリカではサプリとして売られています。アメリカでサプリと言うと日本とは異なり、医薬品と食品の中間に位置付けられていますのである程度の規制はありますが、ドイツのように厳格ではありません。

そしてわが国では、イチョウ葉エキスやイチョウ葉のお茶などは、健康食品の扱いですので、ほぼ野放し状態です。

そのため、国民生活センターの調査によると、酷いものではドイツの基準の8万倍もの毒性物質・ギンコール酸が検出された物もあったそうです。

特にイチョウの葉の粉砕物を使った物では、かなり大量のギンコール酸が検出されているようですね。そういう意味ではイチョウ葉エキスを原料にしたものはまだましです。

それでも、そのイチョウ葉エキスが、基準を満たしたものかどうかは保証の限りではありませんので、やはりイチョウの葉サプリは要注意ですね。

もし、製品にギンコール酸含有量5ppm未満と言う表示があれば、それはかなり安全だと言えるかもしれません。

実も葉も注意して摂ろう

銀杏は美味しいです。イチョウの葉エキスは身体に良いかもしれません。しかし、いずれにせよリスクをも伴うものですので、注意して摂りましょうね。

繰り返しますが、銀杏は大人で20個くらい、15歳まで3個くらいが上限、7歳未満には食べさせてはいけません。

イチョウ葉エキスは、ギンコール酸の含有量5ppm未満の製品を選んで使いましょう。

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