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不意の交通事故!後遺症を残さないムチ打ち症の応急処置と治療法

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キキッー!ガシャン!・・あまり考えたくはありませんが、交通事故は何の前触れもなく起こります。特に追突事故の場合、前の車に乗っている運転者や同乗者が、首に大きな衝撃を受け、「ムチ打ち症」を起こす場合も少なくありません。

むち打ち症は、適切に処置をしないと後遺症が残る場合もあります。万が一の時に備え、むち打ち症の適切な応急処置の方法についてご紹介します。

ムチ打ち症とは首の筋肉や神経の損傷

自動車に乗っている時などに、後ろから追突されて起こる「ムチ打ち症」は正確には「頚椎捻挫」といいます。

後ろからぶつけられた衝撃で、首が急激に後ろ側に強い力で曲げられるため、首の骨に捻挫の症状が起こるのです。

捻挫とは、関節部の軟骨がずれ、神経や毛細血管が損傷したり、首の筋肉に内出血が起こったりすることで痛みが生じる状態のことです。ムチ打ち症は、首の骨や筋肉、神経などが追突の衝撃によって、損傷した状態ということになります。

急性のケガでは2段階で痛みが起こるので要注意

ムチ打ち症の対処法を考える前に、まず急性のケガで起こる痛みのプロセスを理解しておきましょう。

急性のケガで痛みが起こるプロセスは2段階に分かれます。まず事故などのケガによって、組織や細胞が壊れたり筋肉が炎症を起こしたりすると、血液からブラジキニンという痛みの元になる物質が産生されます。

ブラジキニンが産生されしばらくすると、ホスホリパーゼという酵素が生じ、プロスタグランジンという痛みを増強させたり血管を拡張させたりする物質が作られます。

プロスタグランジンは、市販の鎮痛剤のコマーシャルなどでも謳われているので、ご存知のかたも多いと思います。

痛みが起こる第一段階として、細胞の損傷後すぐに、痛みの元となるブラジキニンと、痛みを増強させるプロスタグランジンが作られることによる、言ってみれば、細胞や組織が損傷したことによる痛みです。

細胞や組織が損傷した場合、その部分を修復する必要が生じます。ブラジキニンやプロスタグランジンは細胞が壊れたという信号でもあるため、その信号を受け取った周りの細胞や血液から、細胞を修復するマクロファージという物質が分泌されます。

マクロファージは細胞を修復しますが、この時、同時に作られるキニノーゲンという物質が、発痛物質のブラジキニンをさら増やす働きをします。ここが、痛みの第二段階ということになります。

つまり、痛みの発生は、衝撃を受け細胞が損傷した時点で第一段階の痛みと、その後、細胞や組織の損傷を修復している過程で起こる、第二段階の痛みの二段階で起こるしくみになっているのです。

そのため、ムチ打ち症のような急激な損傷を受けた場合、事故後すぐに起こる細胞損傷時の痛みと、その後、ケガから回復する過程で起こる細胞修復時の痛みの二段階の痛みが襲ってくるということになります。

この二段階で起こる痛みのメカニズムを理解することは、ムチ打ち症の治療の上でとても重要なポイントになります。

ムチ打ち症の痛みは翌日以降でも起こる

ムチ打ち症は事故の直後から、翌日にかけて起こることが多く、最も多い症状は「首や背中の痛み」ですが、次のような症状が起こることもあります。

  • 首や背中の痛み
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 後頭部や腕の痛み
  • 耳鳴り
  • 倦怠感

先ほど説明したように、ムチ打ち症の痛みは事故直後と回復時の二段階で起こります。

よく、事故直後は気が張っているから痛みや異常を感じにくい、と言われるのは、確かに気持ちの問題もありますが、実際に、事故からしばらく経った回復期に痛みや異常を訴えることは多く、理屈にかなっている現象なのです。

もし事故直後に痛みや異常を感じなくても、第一段階の痛みが弱く、第二段階の痛みが強い場合もあるので、必ず医師の診察を受けることが大切です。

後遺症を残さないためには冷却と安静が大事

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追突事故など衝撃を受けた直後の対応は後遺症を残さないという点においても非常に重要です。

まず痛みの有無に関わらず、できるだけ早く首を冷やすようにして下さい。近くに水道があれば、タオルやハンカチを濡らし首を押さえるようにして冷やして下さい。

缶やペットボトルの飲料があれば、直接首の根元にあてて冷やすようにしても構いません。とにかく、できるだけ患部を冷やすことを応急処置として行いましょう。

次に、首をできるだけ動かさないよう安静にします。動かすと損傷した部分が刺激を受け痛みが増幅したり、患部の損傷が大きくなったりします。

発生直後に痛みがある場合は、車の後部座席などを使い横になり、仰向けではなく横向きで寝るようにして、じっとしていましょう。首は前後への衝撃を受けているので、仰向けにすると損傷が大きくなり痛みが増す恐れがあります。

そして、痛みがあってもなくても必ず整形外科を受診し検査をして下さい。治療は医師の指示に従いますが、できるだけ首を固定するために「頚椎カラー」を使うことを医師に相談しましょう。

頚椎カラーの使用は首の骨を固定するだけでなく、首の周りの筋肉の緊張を軽減するので、首の痛みや炎症が早く治り、後遺症の発生も防ぐことにつながります。

少なくとも発症から1週間は安静を維持するようにしましょう。

気圧による痛みのぶり返しにも注意

ムチ打ち症は、完全に治ったと思っても、気圧の変化によって症状がぶり返すことがあるので注意が必要です。

気圧によって痛みがぶり返す理由とはどのようなことでしょう?

耳の内耳には「蝸牛」「前庭」「三半規管」の3つのセンサーがあり、平衡感覚や加速度などを感じる働きをしています。

気圧が下がることで、この3つのセンサーが気圧の変化によって刺激され、脳の視床下部から交感神経の働きを高めるように指令が出されます。

すると、末端の神経細胞からノルアドレナリンという物質が放出され、その作用によって、痛みを感じる神経が敏感になるため、痛みが生じることになります。

また同時に、交感神経は副腎でアドレナリンの分泌を促進させるため、神経の活動が活発になり、普段は感じない痛みを感じるようになります。

要するに、気圧が低くなると神経が過敏になるため、痛みを感じやすくなるということです。

そのため、ムチ打ち症によって傷つけられた頚椎の組織や神経は、長い年月が経ち完全に修復されたようにみえても、気圧の変化によって痛みがぶり返すことがあるのです。こうした後遺症を防ぐためにも発生時の応急処置は重要なのです。

ムチ打ち症の回復を早めるにはグルコサミンが効果的

ムチ打ち症の回復を早めるためには、グルコサミンの服用も効果的です。グルコサミンをご存知のかたは多いと思いますが、アミノ酸と糖が結びついたもので、骨と骨の間にある軟骨の合成を促進します。

ムチ打ち症は、首の軟骨の部分が損傷を受けている場合が多いので、グルコサミンを服用すると治りが早くなるのです。

事故は思いもかけない時に突然襲ってくるものです。いざという時のために、覚えておくことも大事なことですね。

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