健康生活TOP りんご病 大人のりんご病が貧血で重症化!注意したい人と症状・予防法

大人のりんご病が貧血で重症化!注意したい人と症状・予防法

fifth disease women

りんご病は流行性の子供の病気として非常に有名なウイルス感染症です。この病気にはちょっと変わった流行パターンがあって、5年に1度大きな流行が起こると言うのです。

この記事を書いている段階で、前回の流行は2011年。つまり、2016年に大きな流行が起こる可能性があると言うわけなんですね。すでに2015年冬から徐々に患者数の報告が増えているようですので、ちょっと注意が必要かもしれません。

健康な子供がかかる分には学校を休まなくても良い程度の軽い病気

りんご病は就学期前後に最も多く患者数が見られる病気です。病気としての本名は伝染性紅斑、つまり赤いまだら模様が出る伝染病と言う意味ですね。ラテン語の学名も全く同じ意味を持っています。

原因になる病原体はパルボウイルスB19と言う、人間にだけ感染するウイルスです。インフルエンザウイルスの5分の1くらいの大きさしかない小さなウイルスですが、現段階ではワクチンや有効な抗ウイルス薬は存在していません。

human parvovirus B19
(パルボウイルスB19)

りんご病は風邪などと同じ感染経路と考えて良い

パルボウイルスB19は、おおむね風邪のウイルスと同じような経路で感染します。つまり、咳やくしゃみの飛沫に含まれて飛び散り、それを別の人が吸い込んでしまう事で感染する飛沫感染が主要な経路です。

あるいは、感染している人と共用している道具などに付着したウイルスが、手を通じて口や目から感染する接触感染もあります。ですので、感染経路自体は特に珍しいものではありません。

そうして感染が成立すると、ウイルスは主に骨髄の中にある赤血球のあかちゃん、赤芽球前駆細胞に感染して増殖を始めます。

症状とウイルスの排出にずれがあるのがこの病気の危険性

fifth disease flow of symptoms-2

感染から数日後ウイルスは血液中に移動し、痰の中にもウイルスが見られるようになります。この時、最もたくさんのウイルスが排出されているのです。言い換えればもっとも他人にうつしてしまいやすい時期と言うことになります。

こうして血液中にたくさんのウイルスがいる状態をウイルス血症と言いますが、このりんご病のウイルスによるものではあまり症状が出ないのが特徴なのです。そこから1週間くらいでウイルス血症は特に治療しなくても終息します。

そして、これが問題なのですが、ウイルス血症が終息するころに、りんご病の特徴である「真っ赤なほっぺ」が現れるのです。つまり、ウイルスをまき散らしている時には、頬が赤くなっていないのです。

これはこの病気を特徴付けている「紅斑」ができるメカニズムに、ウイルスに感染したことで体内に造られる抗体が関わっているからだと考えられています。

言い換えれば、ウイルス退治の完了報告が「真っ赤なほっぺ」であると言うわけなのです。ですから、この特徴的な紅斑が現れた時には、既に伝染力は失われていることがほとんどと言っていいでしょう。

頬の紅斑の後から身体にも出てくるが1週間くらいで消える

りんご病の名の通り、頬は真っ赤になりますが、身体に現れる方の発疹はレース状・網目状と表現されることが多いようですね。主に手足やお腹・胸・背中に現れ、手のひらや足の裏には少ないようです。

この発疹も、特に治療しなくても1週間くらいで消えてくれますが、かゆみなどがある場合にはお医者様にかゆみ止めなどを処方してもらって下さい。

いわゆる「子供の病気」としてのりんご病は概ねこんな流れです。特に問題になるような他の病気がなければ、全く学校や幼稚園を休むことなく過ぎ去ってしまう事も珍しくない病気ですね。

大人がかかると少し具合が悪いこともあるがそれでも軽い病気

子供の症状

  • 37℃台の発熱
  • 頬が赤く腫れる
  • 体にレース状の小さな発疹が出る
大人の症状

  • 頬はあまり赤く腫れない
  • 関節が痛んだり曲がりにくくなる
  • 体にレース状の小さな発疹が出る

大人がかかると、顔の特徴的な紅斑が出ないことも結構あるため、風疹と誤診されることも少なくないと言う報告もあります。また、発熱や関節の痛みで1~2日歩けなくなったりすることもありますね。

一方、全身への発疹は結構出るようですし、中には子供と同じように「真っ赤なほっぺ」の現れる人もいるなど、大人になると多彩な症状が出る傾向があります。

それでも、特に原因になる他の疾患がなく、妊娠していなければ問題が大きくなることはありません。

りんご病はやはり子供の病気ですが、かかったことがなければ大人であっても警戒が必要になります。

家族に患者がいると感染機会は飛躍的に上がる

りんご病自体が比較的軽症の病気であることは幸いなのですが、感染力はかなり強いと言っていいでしょう。残念ながらデータ収集の困難さから、厳密に数値化された感染力のデータは存在しません。

それでも、家族に感染者がいた場合、ほぼ50%の確率で他の家族にうつると言われています。学校や幼稚園では10~60%と言うかなり幅のある数値が出ていますが、これは小学校と幼稚園や保育園では子供同士の距離にずいぶん差があるからだと言っていいでしょう。

小学校では基本的に授業を中心にした距離感ですが、幼稚園や保育園では生活を中心にした距離になるため、どうしても病気が拡がりやすい可能性はありますね。

過去のデータと現在の傾向が一致しなくなってきている

りんご病と言うと初夏の病気のイメージが強かったものですが、現在ではかなり季節性も薄れてきています。9月がもっとも症例が少なく、年始から7月くらいに向けて上昇すると言うのが現在のパターンです。

2011 fifth disease statistics

このように、流行のあった2011年の場合は25週目、つまり6月第3週にピークが来ています。統計を取っている小児科定点はおよそ3000か所ありますので、その1つあたりで1.47と言うことは、全国で1週間に4400人ほどの感染者が出たと言うことになります。

一方、流行のなかった2013年を見てみましょう。

2013 fifth disease statistics

このように、発生数が少ない年を見てみると、ほとんど季節性が見られない場合もありますので、一概にりんご病は春先から初夏の病気とも言いにくくなってきているのです。

あとでお話ししますが、健康な人でも妊婦さんの場合警戒が必要です。ですから、妊娠の可能性のある人は、りんご病には一年を通して警戒が必要であると思っておいてほしいのです。

ウイルスの感染力より患者との距離が問題

パルボウイルスB19はインフルエンザなどに比べると感染力は強くないとも言われていますが、正確なデータはありません。また、はっきりした症状が出るころには感染力を失っていることから、逆に感染の可能性は高くなります。

特に幼稚園児や小学生のいるご家庭では外から子供が持って帰って、家の中でうつしてしまう可能性が高い病気と言えるでしょう。

病気の性格上、それほどひどい症状が出るものでもありませんので、特に免疫抑制状態にある人や、妊娠を予定している人などを除けばそれほど過敏になる必要はありません。

大した事のない病気と言えば言えますが、症状の出るタイミングと伝染のタイミングがずれることには注意しておかなくてはいけませんね。

パルボウイルスB19感染は胎児に大きな悪影響を及ぼす

胎内の赤ちゃんが感染した場合、りんご病や伝染性紅斑と言う病名は適当ではありません。赤ちゃんの顔に赤い発疹があるかどうかも見えない訳ですからね。ですので、これ以降は一部をパルボウイルスB19感染症と表現します。

パルボウイルスB19に感染した妊婦さんは、胎内感染で胎児にうつしてしまう可能性があります。胎内の赤ちゃんがパルボウイルスB19に胎内感染する確率は低くありません。その危険性は風疹ほど危なくはないものの、慎重な経過観察が必要なものだと言われています。

その危険性の最も大きなものは、死産・流産です。一方、無事に生まれてくれば、先天性の異常などは見られない病気でもあります。

妊娠中のパルボウイルスB19感染は胎児に感染しやすい

妊娠中にパルボウイルスB19に感染すると胎盤を通じて胎児に感染する可能性があります。垂直感染とか母子感染とか言われるものですね。母体が感染した場合、胎児に感染する確率は35%未満程度くらいだと言われています。

また、パルボウイルスB19に感染した胎児は、胎内で発病します。発病後にはいくつかの危険な状態が知られていますので、慎重な経過観察が必要にもなります。

この母子感染は、妊娠中のどの期間にでも発生することが知られていますが、特に危険なのは、胎児死亡の危険性が高まる6~8週頃とされています。一方、28週を超えると死産の危険性は低くなると言うデータもありますので、中期までが特に厳重な注意が必要ですね。

また、死産にはつながらなくても、胎児水腫(赤ちゃんがむくんでしまう)や、胎児貧血をもたらすこともあり、必要に応じて胎児治療や、出生後の治療が行われます。

胎児がパルボウイルスB19に感染しても先天性異常は起らない

死産・流産はもちろん、こうした胎内感染で皆さんが心配されるのは、生まれてきても先天性の病気や機能異常が起こるのではないかと言うことですね。

もちろん、この病気自体が治っていない状態で生まれてきた場合はその治療が必要になりますが、それは治療が無事に終わればそれ以降に問題を引きずることはありません。

また、機能の異常もないので、医療機関や関連する公的機関は「妊娠中に伝染性紅斑(りんご病)にかかっても妊娠中絶は選択肢に入らない」と明言しています。

「胎内で何かの病気を起こす=妊娠中絶」と言う考えが頭に浮かぶ人も多いと思いますが、これに関してはその必要性は全くありません。

赤ちゃんを大事に守ってあげましょう。

報道に見られた死産・流産確率の高さは数字のマジック

さて、2013年に一部の報道で「妊娠中にりんご病にかかったら70%以上の胎児が死亡する」と言うセンセーショナルな見出しで、大規模研究の結果を引用した例が散見されました。

実際に2011年の伝染性紅斑の流行年に取られた全国を対象にした統計では、パルボウイルスB19に感染した妊婦さんは69人、そのうち49人が死産・流産となったのは49人でした。

警戒は必要だが数字に踊らされてパニックになってはいけない

一部の報道では、この部分の数値だけを取り上げて「妊娠中にりんご病にかかると71%が流産する」とセンセーショナルに報道しました。69人中の49人ですから71%と言う数字に間違いがないのは、誰でも電卓をたたけば確認できます。

また、今でもその記事をもとにしたインターネット上の煽り記事があちらこちらに見受けられます。妊娠すると、いろんな情報が欲しくてネット検索する人も多い時代ですから、こんな記事を見れば不安になりますよね。

もちろん、パルボウイルスB19感染症は警戒するに越したことはありません。しかし、こうしたことで精神的に不安定になってしまうと、妊娠に対してもっと悪影響が出かねません。ですので正確な情報を知っておきましょう。

妊婦さん全体を見ればこの病気で死産・流産した人は少ない

この報道記事の性質の悪いところは、全部でどれだけの妊婦さんを調査したのかと言う数値が報道されていないことなのです。ですので、母数が「妊娠中にパルボウイルスB19に感染した人」と言う少ない数値になるので恐ろしい数字が出るんですね。

この研究は2011年に神戸大学が行ったもので、回答が得られた全国1,990施設の、788,673件に上る分娩を対象にしたものだったのです。788,673件中の49件の死産・流産ですから、割合にすれば0.0062%、約16,000人に1人の割合にすぎません。

また、もともと78万人もの妊婦さんのうち、パルボウイルスB19に感染した人が70人ほどと言うのは少なすぎるんじゃないかと言う疑問も出てきますよね。

これは統計の数値の読み取り方から発生した誤解なのです。妊娠を経験された方なら「パルボウイルスB19の検査なんて妊婦健診にあったっけ?」と思われた人も少なからずおられるでしょう。

妊婦健診の任意検査項目だから受けていない人も多い

実はこの検査、「ハイリスク群の人」「希望者」だけに行われる任意検査なのです。妊婦健診は保険適用外ですから、任意検査は受けておられない人も少なくないんじゃないでしょうか。

死産・流産が発生すると、その原因を突き止めるために血液検査を行うこともあります。その結果、パルボウイルスB19の抗体が検出されたりするわけですね。

言い換えれば、不幸にして死産・流産したので検査してみたら、ウイルス感染が判ったと言う例が多かったんじゃないかと言うことです。

ですので、実際には本人が気づかないうちにパルボウイルスB19に感染し、赤ちゃんにもうつしてしまっていたけれど、気づかれずに無事出産された人と言うのが相当数あるのだと思われます。

正確な統計はありませんが、一般的に妊婦さんがパルボウイルスB19に感染して、それが体内の赤ちゃんに伝染する確率は35%未満、20%程度ではないかと言う情報が多いようです。

さらに、その胎内感染が胎児水腫や胎児貧血に繋がる確率は20%程度、死産・流産に繋がる確率は10%未満だとも言われています。

つまり、お母さんがパルボウイルスB19に感染してりんご病になった場合、赤ちゃんが病気になるのは4%~7%、死産・流産に繋がるのは2%未満だと言うことになりますね。

数字のマジックですね。赤ちゃんのためにも感染予防は重要ですが、無駄な心配で精神を病んだのでは赤ちゃんにもっと悪影響を与えます。

穏やかな心で新しい生命を育みましょう。

本当に重要な統計は感染したお母さんの家族環境にあった

この統計の中では、胎内感染が起こったお母さんの生活環境についても調べられていました。むしろこちらの方が予防に関して重要な意味を持っています。

もともと子供と接する機会の多い保育士さんや幼稚園・小学校の先生、小児科の医療関係の人がハイリスク群だと言われていました。子供に多い病気ですから仕方ないですよね。

第2子以降であることがリスクになることが判った

この統計の中で妊娠中にパルボウイルスB19に感染した69人のうち、37人の家族にりんご病の感染者がいました。そしてそのうち34人が子供だったと言うことです。半数以上ですね。

第2子以降の妊娠である場合、一般的に先の子供の年齢がりんご病の好発年齢になることが多いでしょう。ですので、お母さんがりんご病の免疫を持っていなかった場合、子供が持って帰ってきたウイルスに感染する確率は高くなります。

その点第1子だと、ハイリスク群の職業の人でもない限り、パルボウイルスB19に接触する機会自体がかなり少ないのではないかと考えられます。

一度かかった人は二度と感染しないので安心

パルボウイルスB19については、りんご病を発病しなくても、一度感染すると抗体が作られて終生免疫を獲得できますので、そうした人は安心です。

ごくまれにですが感染時に充分な抗体が作られずに、二度目の感染を起こす人もおられない訳ではありません。でも、それはレアケースですので、基本的には自分がりんご病と診断された経験がある人は安心だと考えて良いでしょう。

この病気は生後6か月くらいから感染・発病が見られ、ピークが5歳くらいで、感染者は学齢期前半までに集中しています。そのため、自分がかかったことがあるかどうかをご存知ない人も多いと思います。

ですので、これから妊娠の可能性がある女性は、親御さんなどに確認しておくと心強いですね。逆にかかったことがなければ、それに応じた警戒態勢も取れるでしょう。

予防の方法については他のケースと合わせて、少しあとでご紹介します。

インフルエンザなど他の伝染性の病気も、子供が学校や幼稚園からもらって帰って家族中に拡がったと言うケースはよく聞きます。

この病気も同じですので注意して下さい。

貧血を持っている人は重症化の恐れがあるので注意が必要

従来から溶血性貧血を持っている人がパルボウイルスB19に感染すると重症化する恐れが高いことが知られていたため、お医者さまからの警告などによって、溶血性貧血の人は警戒されていたことと思います。

しかし、もっと一般的に女性に良く見られる鉄欠乏性貧血でも、パルボウイルスB19感染によって症状が悪化する場合もあるのです。

溶血性貧血には先天性と後天性がある

溶血性貧血とは、酸素を運ぶ役割を担っている赤血球が破壊されることで起こる貧血のことです。骨髄は状態に応じて赤血球の生産を増やしますので、およそ120日の寿命を持っている赤血球の寿命が、15~20日ぐらいにまで短くなってもフォロー可能なのです。

ですから、症状としての貧血が発生すると言うことは赤血球の破壊スピードが6~8倍以上になってしまっていると言うことになります。

この病気は先天性と後天性のものがあります。先天性のものは全体の17%くらいで、あとは後天性になります。この後天性の中でも「温式抗体による自己免疫性溶血性貧血」と言う病気が溶血性貧血全体の47%を占めています。

特に生命予後の悪い病気ではありませんが、原因が特定できていないため2015年1月には医療費の補助が出る指定難病に指定されました。

また、同じく後天性の「発作性夜間ヘモグロビン尿症」と言う難病が全体の25%に及びます。これに先天性の溶血性貧血を加えると全体の9割近くにもなります。

難病情報センターによる数字では、自己免疫性溶血性貧血で1300~1700人程度の患者さんがおられると言うことです。そこから推計すると、溶血性貧血の患者さんは多くても4000人くらいまでではないかと思われます。

先天性・後天性に関わらずパルボウイルスB19は重症化の原因

溶血性貧血の詳しいことは別の記事に譲りますが、この溶血性貧血を持っている患者さんがパルボウイルスB19に感染すると重症化するので、医療機関などが患者さんに対して注意を呼びかけています。

最初にお話しした通り、パルボウイルスB19は骨髄で赤血球の元になる赤芽球前駆細胞に感染してこれを破壊します。溶血性貧血は赤血球そのものをたくさん破壊する病気ですから、これは大変危険だと言えるでしょう。

溶血性貧血では赤血球の破壊に伴って赤色色素が尿に出たり肝臓は悪くないのに黄疸が出たりします。その他には、動悸・息切れ・倦怠感・顔面蒼白など他の貧血と共通の症状が現れます。

こうした症状がパルボウイルスB19感染によって重症化すると言うことですね。

貧血の中で最も多い鉄欠乏性貧血も悪化させる

溶血性貧血の患者さんが4000人程度だとして、鉄欠乏性貧血の患者さんは400万人だと推定されています。ざっと1000倍ですね。閉経前成人女性の2割がこの症状をお持ちだとも言われています。

この貧血をお持ちの方がパルボウイルスB19に感染、伝染性紅斑の症状がはっきり表れる前に、貧血の悪化が見られたと言う症例が報告されています。

もちろん、伝染性紅斑は症状が出る前が最もウイルスの活動が盛んですので、こうしたこともあるでしょう。もともと鉄欠乏性貧血は鉄分の不足によって赤血球の産生が間に合わなくなっている状態です。

そこに追い打ちをかけるように赤血球になる前の細胞を破壊されてたのではたまったもんじゃありません。

りんご病予防の前に貧血を改善しておく

りんご病を予防するのはもちろんですが、それ以前に鉄欠乏性貧血を解消しておきましょう。もちろん、出血性の病気や月経過多の場合、そちらを先に治療する必要があります。

一方、鉄分不足が原因の人も多いようですので、食事から鉄分をしっかり摂るように工夫しましょう。最近ではヘム鉄と非ヘム鉄と言う名前で、吸収効率の良し悪しを比較することも多いようです。

一般に動物性のもの、レバーなどはヘム鉄ですので効率よく吸収されますし、植物性のものは非ヘム鉄ですから吸収効率が悪いとされています。

しかし、還元剤になるビタミンCを一緒に採っておけば非ヘム鉄も吸収効率が高くなりますから、それを意識しておけばよいでしょう。

別の記事で紹介しましたが、鉄サプリは過剰摂取の危険が否定できませんので、できれば食べ物から摂るのが良いですね。

素人判断の鉄サプリは危険!副作用の中にはがんを導くものもある

最新情報!ひじきは鉄分補給に向かない

詳細はいずれ別の記事に掲載するつもりですが、この記事を書いている最中に2015年度版日本食品標準成分表が公開されました。そこには驚くべき事実が記載されていましたので、速報的にお知らせします。

これまで鉄分をたっぷり含んでいる食品として有名だったひじきについてです。2010年版では乾燥ひじき100gあたりに含まれる鉄分は55mgとされていました。かなり多い量ですね。ところが2015年版ではこうなっていたのです。

※クリックで大きい画像が見られます
iron content of seaweed
文部科学省「2015年度版日本食品標準成分表」(PDF)より

このように、鉄釜で茹でて乾燥したひじきには鉄分がたっぷりですが、ステンレス釜で茹でたものにはほとんど鉄分がありません。私たちには乾燥ひじきを買う際に、どんな製法が取られたかを正確に知るすべがありません。

釜の維持メンテナンスを考えればステンレス釜が多いのではないかと想像されます。もしそうならば、貧血対策にビタミンCとひじきを食べることには、ほとんど意味がなかったと言うことになります。

もちろん、そのことでひじきの美味しさや他の栄養成分が損なわれるわけではありません。ですが、貧血対策にひじきは不向きだと覚えておいていただくのが良いでしょう。

溶血性貧血は難しい病気ですが、鉄欠乏性貧血は自分の行動で改善できる部分の大きい病気です。

食生活の見直しで普段から貧血知らずになっておきましょう。

子供のりんご病は心配する必要のない病気

りんご病は顔が真っ赤になる派手さがあるため、親御さんたちは慌ててしまうこともあるでしょう。しかし、その派手さに反して子供自身はケロっとしていることが多いですね。これは発熱などの症状は頬が赤くなる前に終わっていることが多いからなのです。

特に他の病気を持っていたり、免疫に異常があったりしない限り、子供のりんご病は心配のない病気です。顔が赤くなった翌日か翌々日くらいには身体にも発疹が出ることが多いです。

こうした際に熱感やかゆみを訴えたら、それに対してお薬を出してもらうなどの対症療法でしのぐことになります。

りんご病はワクチンも治療薬も存在しない病気

最初に紹介した通り、パルボウイルスB19には予防することのできるワクチンも、治療薬も存在していません。ですので、学校などの小規模な集団の中で感染が広がりやすいと言う特徴があるのです。

[治療・予防]

特異的な治療法はなく、対症療法のみである。免疫不全者における持続感染、溶血性貧血患者などではγ-グロブリン製剤の投与が有効なことがある。前述したとおり、紅斑の時期にはほとんど感染力がないので、二次感染予防策の必要はな い。

また、ウイルス排泄期には特徴的な症状を示さないので、実際的な二次感染予防策はない。現在のところワクチンはない。

妊婦などは、流行時期に感冒様症状の者に近づくことを避け、万一感染した場合には、胎児の状態を注意深く観察する。

それでも可能な限り予防は必要です。そこで、次は具体的な予防方法について見てみましょう。

りんご病の予防方法は一般の感染症予防に注意力を加えたもの

先の引用の通り、個人レベルで見た場合、りんご病の症状が出た時には感染力は消滅しているので二次感染予防の必要はありません。

逆に症状が出る前に強力な感染力を持っているので、しっかりした二次感染予防の方法と言う物もないのです。

それでももう少し掘り下げてみてみましょう。

家庭でも学校でも感染する可能性のある人は一人だけとは限らない

学校や幼稚園で見てみると判りやすいのですが、最初の発病者が出た段階では、すでに他の人にうつっている可能性は低くないですね。

しかも、その人たちにまだ症状が出ていないと言うことは、最初の発病者から感染した人たちがウイルスをまき散らしている可能性はあります。

妊婦さんのいるご家庭で、上のお子さんが幼稚園や保育所に通っておられる場合は、最初のりんご病発病者を見落とさないことが重要です。その段階で上のお子さんを休ませることで、感染のリスクはかなり減らせますね。

妊娠が判ったら、あらかじめ幼稚園や保育園にお願いして「りんご病や風邪の子供が出たら連絡を貰える体制」を整えておきましょう。また、不備が出る可能性もありますので、積極的に問い合わせる姿勢が役立つかもしれません。

また、その段階でお子さんがだるそうにしていたり、微熱があったりしたら、症状が軽くてもお医者さんへ行きましょう。そして、お母さんもお子さんもマスクを付けることが大事です。

さらに、うがい手洗いと言ったインフルエンザ予防の対策を取ることも有効ですね。「りんご病は発疹が出る前、風邪のような症状がある時が一番うつりやすい」と覚えておきましょう。

不顕性感染と言う危険性

不顕性感染と言うのは、感染しているけれど症状が出ないと言うことです。この場合でも本人は免疫を得られますし、外に対してのウイルスの排出もあります。

こうした状態になる人は、全感染者の2割くらいではないかと推定されています。このような人が身近にいた場合、感染を避ける方法はありません。しかし、例えば上のお子さんが幼稚園などで集団感染が発生した時にもらってくる確率は高くても60%です。

そのうち20%が不顕性感染になると言うわけですね。さらにそのお子さんからご家族にうつる確率は最大でも50%。さらに、成人でパルボウイルスB19の免疫を持っていない人の割合は45%程度と言われていますから、お母さんにうつる確率は最大で2.7%です。

そのお母さんから体内の赤ちゃんに感染する確率は35%未満ですので、避けようのない不顕性感染の形で、上のお子さんから胎内の赤ちゃんへの感染確率は最大でも1%に届きません。

危険性が最大になるのは妊娠40週のうち、6~8週目ですので、赤ちゃんの生命に危険が及ぶのは1000分の1以下の確率だと言えるでしょう。

ですので、不顕性感染については必要以上に神経質になる必要はありません。

お子さんがりんご病にかかったら

周囲に妊娠や免疫の異常を抱えた人がいない限り、お子さんのりんご病に対して特別な対処は必要ありません。

特にりんご病特有の「真っ赤なほっぺ」状態になってしまった段階では、他人にうつす心配もありませんから、幼稚園や学校に行っても大丈夫です。

前駆症状への注意と周囲への配慮は忘れずに

りんご病は先のもお話しした通り、特有の症状が出る前にウイルスをまき散らすことになります。ですので、幼稚園や学校でりんご病が流行っていると聞いたときに、お子さんがだるそうにしていたり微熱があったりした段階で休ませるようにしましょう。

その際はインフルエンザと同じように、お子さんからご家族への二次感染に注意して下さい。ご家族が全員りんご病経験者なら、安静に寝かせておけばOKです。

一方、特有の症状が出た後は、お子さんの体力に問題がなければ幼稚園などに行かせればいいのですが、出来れば事前に先生に連絡して、状態を説明し、出席の可否を相談しておきましょう。

実際に感染の危険性がなくなっていても、見た目の状態から他のお子さんの保護者の方が不安になられることもあります。むしろそうした社会的配慮の方が重要かもしれませんね。

皆さんが同じ知識を持っておられるとは限りません。

ひとさまに不安を抱かせないと言うのも伝染病対策の重要なファクターなのです。

病院では対症療法だけになるが一応受診しておいた方が良い

この病気には治療薬がありませんから、特に病院に行かなくてもいいようなものですが、皮膚症状が不快であれば、そのお薬を貰いに行くと言うことが必要になります。

また、人によっては高熱が出ることもありますので、その場合は解熱剤などを処方して下さるでしょう。

基本が対症療法なので、りんご病の人にはこの治療と言う決まったスタイルはありません。お友達と違う治療を受けたからと言って心配する必要は全くありません。

妊婦さんが感染してしまった場合は慎重な経過観察が行われる

予防に留意していても、妊婦さんが感染することはあり得ます。ですので、お子さんが通っている学校や幼稚園でりんご病の流行があった場合で、妊婦さん自身が風邪のような症状を感じたら、すぐに受診して下さい。

その際に、そうした事情を説明すれば抗体検査を受けることになるでしょう。ただし、感染から一定期間たたないと抗体反応が出ませんので、そのタイミングはお医者様が教えて下さると思います。

そして、万が一感染していた場合、超音波エコーや羊水検査などで胎児の状態を慎重にチェックすることが行われます。そして、チェックだけで分娩まで進む場合もあれば、必要に応じて胎児治療が行われることもあります。

胎児感染があった場合、出来るだけ早く見つけることが重要になりますので、お医者さまとの連絡を密にするようにして下さい。

普段からお医者様と良いコミュニケーションを取っておきましょう。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る