健康生活TOP 発熱 大人の知恵熱は何が原因?知っておきたい知恵熱の意味とは

大人の知恵熱は何が原因?知っておきたい知恵熱の意味とは

人間は哺乳類の一種で恒温動物です。恒温動物とは外気温に影響されずに体温を維持している生物で、人間は常に一定の体温で活動を行っています。

しかし何かの原因によりこの一定であるはずの体温に変化が起き、それが原因で体調不良に進展することがあります。いわゆる「発熱」ですが、「寒気」「震え」「だるさ」などの症状の原因となります。

発熱の原因は大抵がウイルスや細菌などの感染症によるものですが、中には原因不明の発熱もあるようです。その一つが「知恵熱」と呼ばれる症状です。

大人に増加している知恵熱の原因とは?スポット当てて紹介します。

人間は体温を維持しなくては生きていけない

紹介した通り人間は恒温動物であり体温を一定に保つことで、外気温の変化に対応する能力を持っています。体温とはどのようなものなのか…皆さんは知っていますか?

体温は食べ物によって作られている

人間は食べ物を摂取することでエネルギーを得て各細胞が活動できるようになっています。発熱は実際の栄養である「ブドウ糖」が化学反応で、「ATP(実際に細胞で使用されるエネルギー)に分解される時に多く作られます。

この作業を行っているのが細胞内の「ミトコンドリア」で、その意味では細胞ごとに発熱していることになります。また肝臓などの臓器は様々な化学反応を行っていることから、これらの臓器や筋肉からも熱は作られていたのです。

人間の体温の作られる仕組みについて、ATP生産を例にして簡単に説明します。

  1. 食べ物を食べる
  2. 消化されてブドウ糖として血液内に入る
  3. 各細胞でミトコンドリアがATP生産を行う
  4. ATP生産時に化学反応で熱が出る
  5. 温まった血液が身体を循環して体温を作る

37度が病気のサインになっている理由とは

発熱は病気のサインとしては当たり前のもので、一定の体温を超えることで病院に行く人は珍しくないと思います。しかし体温のボーダーラインは人によって違いがあるようです。皆さんは体温が何℃になったら病院へ行きますか?

日本人の多くが「37.0℃」を体温のボーダーラインと考えており、この温度を過ぎると風邪などの病気が発症したと考えているようです。

確かに私も体温が37℃になると実際の体調よりも悪くなったように感じてしまい、「あ~風邪引いたっ」と家族にアピールし始めるようになります。そして病院へ行かないまでも市販薬を服用するなどして、積極的な対処を行うようになります。

なぜ日本人は37℃を体温のボーダーラインにしているのでしょうか?その答えが体温計に隠されています。

最近では水銀の体温計を使用している家庭は少ないのですが、昭和の時代では病院でも当たり前にガラス&水銀の体温計が使用されていました。

体温計を見てみると37℃のところが赤く表示されています。他の温度表示は黒なのになぜか37℃の所だけ赤くなっているのです。「赤…あか…赤……あっ病気だっ」と思っても仕方がありませんよね。

このように体温計の37℃が赤く表示されていることが、37℃になると病気だとの認識の原因の一つだったのです。

人間の平均体温は思ったよりも高かった

「体温計で37度が赤くなっているのだから、そこからがレッドゾーンで病気だろ!」って言われるかもしれませんが、この37℃表示はここからが病気の始まりではありません。

体温には個人差がありますから、一概にどこからが病気とは言い切れなく、この表示は人間の平均体温を示しているに過ぎないのです。

この平均はあくまで日本人だけの平均ではなく、様々な人種を含めた平均であって、世界中の平均体温がだいたい37℃と言うことです。

その意味では日本人は体温が低い人が多く、平均では36.5℃程度と世界の平均を下げている人種かもしれませんね。

よく雪山で欧米人が半袖のTシャツを着ているのを見かけますが、白人は日本人よりも体温が高く平熱が37℃以上ある人が多いそうです。また黒人にも高体温の人が多いために世界中の人口分布からみても37℃は平均体温として妥当だったです。

近年日本人には低体温症の人が増加しており、実は私も平均体温が35.6℃しかありません。体温が低いことは免疫を下げる要因にもなることから、健康に与える影響は大きいものです。

体温が37℃の人は、体温が低い人よりも免疫力が強く健康であることが多かったのです。

体温はどのように調整されているのか?

恒温動物は外部環境に左右されずに体温を一定に保つ必要がありますが、この一定に保つ作用はどのように行われているのでしょうか?

体温の調節は主に「自律神経」が担当しており、無意識下の状態で様々な制御により体温調節を行っています。自律神経は「呼吸器」「循環器」「消化器」などの活動を制御する神経で、常にこれらの制御を行っています。

呼吸は無意識下で行われる動作ですが、これは自律神経が脳で意識しなくても自然に制御しています。そして自律神経の働きの中でも重要なのが「体温調整」で、体温を一定に保つように調整を行っています。

例えば夏には外気温で体温が上昇してしまうことがあります。体温の上昇を察知した自律神経は、「発汗作用」により汗を流し身体を冷やすようにします。また血管を広げて血液中の熱を発散させることで、体温の低下を図るのです。

反対に体温の低下を察知した場合では、脂肪を燃焼させたり、筋肉を小刻に震えさせたりして熱を作り出します。また血管を収縮させて血液中の熱を逃がさないようにする作用もあります。

自律神経が乱れることで発症する「自律神経失調症」では、暑くもないのに汗をかくことがありますが、体温が上昇していると自律神経が勘違いすることで起こる症状と考えられます。

体温は自律神経が正常に機能することで、一定に保つことができていたのです。

日本人は平均体温の低い人が増加しています。特に子供で低体温症が増加しており、免疫力の低下も心配されています。

知恵熱と呼ばれる病気の正体を探る!知恵熱の意味とは

日本には昔から様々な病気の名称がありますが、中でも「知恵熱」は幼児に多い病気として有名です。

知恵熱と言う病気は存在しない

子供がいる家庭では経験があると思いますが、赤ちゃんが急に発熱することがあります。特に風邪を引いたようにも見えないのに、なぜか熱だけが37℃以上もあるのです。

「それは知恵熱だよ。明日には治るから」電話でおばあちゃんに聞いたらこのように言われました。

「そーかー知恵熱か、よかった」なんて安心する人もいるでしょうが、本当に知恵熱ってあるのでしょうか?

実は知恵熱と言う病気は正式にはありません。調べて見ると知恵熱と呼ばれる病気の概念は結構シュールであることが解ります。知恵熱の正体を探ってみましょう。

知恵熱の概念はとても漢方的な考え方だった

知恵熱の概念は具体的なものではなく、ある意味では想像で作られています。つまりは医学的なエビデンス(証拠)はそこには含まれていません。

知恵熱の意味とは

知恵熱は子供が知能を持つ時期に起こる発熱で、脳が活発化することがその原因と考えられます。発熱は1日程度で治まることが多く、発熱の直接原因は不明なことが大半です。

これって意味不明ですよね。つまり子供はある年齢(1歳程度)に達するまで脳を使っておらず、そこから急に脳を使うものだから脳がびっくりして熱を出すと言われていたのですから。

この考え方ってとても漢方チックと思いませんか?漢方でもこのような考え方は多く、「気」の考え方などは似たようなところがあります。

知恵熱の正体は免疫獲得時の発熱

熱を出した赤ちゃんのイラスト

現在では知恵熱の正体の解明が進んでおり、1歳前後で発症する発熱については「免疫獲得時に起こる発熱」と考えることが一般的です。

生まれた赤ちゃんは外界と接しても感染症を起こすことは滅多にありません。これは母親から免疫を受け継いでいることが原因であり、この免疫作用によってウイルスや細菌から身体を守っているのです。

しかしこの免疫は一生保持できるのではなく、長くても1年後にはその効果がなくなってしまうのです。

つまり生後1年…1歳になると大部分の赤ちゃんは免疫が無くなることになるのです。そうなると今度は自分自身で免疫を作る必要があり、そのためにはウイスルや細菌に感染しなくてはいけません。

このことから1歳児になると突然の発熱が起こる理由は、この免疫が切れたことによる軽い感染症の発症と免疫を作るためのものだったのです。

そして2歳、3歳と年齢が上がるにつれて知恵熱も少なくなる理由は、身体の中に免疫が構築されていることを意味しており、少しずつ強い身体を作り上げていたのです。

知恵熱は脱水症状が原因の可能性も

また知恵熱は脱水症状が関係しているとの指摘もあります。つまり言葉が話せない赤ちゃんは、夏の水分不足を訴えることができません。また急激な水分不足ではミルクだけではそれを補えないことも考えられます。

また夏なのにおむつをしている赤ちゃんは、体温が上がりやすく脱水症状を比較的起こしやすい状況にあると言ってよいでしょう。

脱水症状は悪化すると命の危険性もある症状ですが、軽い場合は発熱を引き起こすことが珍しくありません。

夏の夜に突然の発熱を起こした場合は、知恵熱ではなく脱水症状を起こしている可能性があります。大人と同じく赤ちゃんも、夏は水分量に注意することが大切です。

赤ちゃんの脳は生まれた直後から活発に機能しています。1歳前後で知恵がつくなんて迷信ですね。

大人に知恵熱が発生?幼児とは違うその原因とは

知恵熱は主に幼児に多い症状ですが、同じようなことが大人に見られることがあります。大人の知恵熱とも呼ばれる原因について紹介します。

大人に急増している知恵熱に似た症状

「珍しく頭使ったんじゃないの!」とか「これで少しは賢くなるんじゃない!」などとからかわれた経験はありませんか?これは突然の発熱が起きた時に周りの人に言われた言葉で、あたかも大人の知恵熱が出たように言われています。

確かにこの時の症状は発熱があっても、翌日には治まり特に感染症の症状も見られません。まるで幼児の知恵熱と同じであり、ディスられるにはかっこうのネタですよね。

前述した通り、現在では知恵熱の原因は「免疫消失時の反応」「脱水症状」などと、医学的な説明もされていますが、大人の知恵熱では原因が解っていないことが大半です。そしてこのような大人の知恵熱が増加傾向にあるとの指摘もあります。

この増加している大人の知恵熱の正体は何なのでしょうか?

大人の知恵熱は不明熱の症状だった

知恵熱は俗名であり病名でないことは説明しましたが、大人の知恵熱は俗称でもなくあくまで都市伝説のようなものです。原因不明の発熱は「不明熱」と呼ばれる症状であり、発熱の中には少なからず見られる症状です。

熱が出て病院へ行って診察を受けても「異常なし」と言われた経験がありますよね。熱があるのは事実なのに「異常なし」とは、全くもって納得出来ない診断ですが、医師に逆らうこともできずに自宅へ帰るしかありません。

しかし、体温計で体温を計ってみると確かに37.5℃程度あります。「もう、やぶ医者!」仕方がないのでドラッグストアで市販の解熱剤を購入して飲むしか方法はありません。だけど熱は思ったように下がらないのです。

このように不明熱は言葉の通り原因は「不明」です。そのことから病院で検査を受けても「異常なし」と判断されることも多く、薬を処方してもらえないことがあります。

また自分で風邪薬や解熱剤を服用しても、症状に変化が見られないことも多く、対応に苦慮してしまいます。しかし数日(早ければ翌日)には回復することから、幼児の知恵熱と似た症状と言えます。

この不明熱の正体は何なのでしょうか?

ストレス社会の大人に不明熱が増加中

「毎日頑張っていますか!」「元気に張り切って行きましょう!」言葉だけ見てみると、とても良いスローガンではありますが、ちょっとプレッシャーに感じますよね。

これらは全てストレスの原因であり、現代日本には至る所にストレス要因が隠れています。そして頑張り過ぎたり、張り切り過ぎたりすることが不明熱を発症させているのかもしれません。

不明熱の症状とはどのようなものか?

不明熱は前述した通り、原因が解らない発熱を言います。普通発熱には何らかの原因があり、多くはウイルスや細菌による感染症で、免疫が外敵を攻撃する際に熱が出るのです。

発熱の状態で病院を訪れるとまず感染症を疑われます。そして「喉の腫れ」「咳」「鼻水」などの状態を確認して風邪(上気道炎)なのかを診断するのです。また血液検査で「炎症反応」を調べることもあるでしょう。

しかし不明熱ではこのような症状は見られることはなく、感染症が原因の炎症とは診断されません。

しかし中には発熱だけを見て、風邪の初期段階と診断する医師もいるでしょう。そのような医師は一般的な炎症性の解熱剤を処方しますが、不明熱では炎症は関係がないので薬を服用しても効果はありません。

「熱が出る」「薬が効かない」「何となく治る」「熱が出る」……こうしてこのサイクルが繰り返されるのが不明熱なのです。

不明熱の代表的な症状をまとめてみましょう。

  • 発熱は38℃程度以上が複数回出る
  • 数日で治まることもあるが長くて3週間程度続く
  • 検査しても感染症の兆候は見られない
  • 解熱剤を服用しても効果がない
  • 環境変化で改善する
  • 身体の疲労、倦怠感を感じる
  • 集中力がなくイラつくことがある
  • その他

増加している不明熱の原因は心因性発熱

原因が解らない不明熱には「膠原病」「リウマチ」などのアレルギー疾患や、「ガン」「リンパ腫」などの腫瘍性のものなどが含まれていますが、これらは精密検査を行うことで原因が解明できます。

現在増加傾向にある不明熱の大部分は「心因性発熱」と考えられており、その原因こそが「ストレス」にあるのです。

心因性発熱は原因が精神的な負荷であり、それを解消しないと改善は見られません。つまりストレスを解消しないと発熱を解消することは困難で、解熱剤は全く効果がありません。

心因性発熱には以下のタイプがあります。

  1. 強いストレスを受けた時に高熱が出る症状
  2. 常に一定のストレスを受けており、慢性的な微熱が続く症状
  3. 上記2つのタイプを混合している症状

強いストレスを受けた時に高熱が出る症状

皆さんも人前に出る時には緊張して身体が「カァー」と熱くなった経験がありますよね。人間は緊張すると自律神経の作用で、血管が収縮して体温を逃がさないようになります。

そうなると体温は上昇して、発熱してしまうのですが、通常では一過性の症状と言えます。

しかし中にはこの状態が長く続き、体温も38℃を超える人もおり、それが心因性発熱(ストレス性高体温症)となります。体温の上昇は「疲労感」「倦怠感」として表れ、日常生活においても支障が出てしまうでしょう。

このタイプの心因性発熱では、原因となったストレスが解消されることで、発熱が治まることが多いのも特徴です。

「朝起きた時点では体温は正常、会社に着くと体温が上昇して、帰宅すると平熱に戻る…」このような症状は会社がストレスになっており、仕事を変えることで症状も治まることがあります。

またこのような症状は本人にも自覚しやすく、ストレスが発熱の原因と理解するので早めの対応も可能になります。

一定のストレスを受けており慢性的な微熱が続く症状

大人に多く見られるのがこのタイプであり、普段から慢性的にストレスを受けることで、長期間の発熱が見られます。発熱は比較的低く、37℃~38℃のいわゆる「微熱」の状態です。

しかし原因が解らないまま1週間以上も発熱が続くことから、病院で検査を受けたり市販薬を服用したりするなどの対応を取ることが多いようです。

精神的には苛立ってしまい、人間関係に問題を生じることもあり、かえってそれがストレスを増加させる要因にもなります。

このタイプではストレス要因を取り除いても急激には改善しないことも多く、治療には時間がかかるのも特徴です。

2つのタイプを混合している症状

心因性発熱では幼児は1つ目のタイプ、大人には2つ目のタイプが多いのですが、現在増加傾向にあるのはその2つを併合したタイプだと指摘されています。

このタイプでは慢性的にストレスを感じていることから、微熱状態であり強いストレスを受けると高熱を発症します。高熱が収まっても微熱は続くことから、終わりない発熱状態に陥ってしまうのです。

またこのタイプでは病院で診察を受けても感染症と判断されることが多く、心因性とはなかなか気が付かないことも特徴と言えます。

ストレスと発熱には大きな関係性が見られます。また「ショックで熱が出た!」などの話を聞きますが、これは考えられる話ですね。

心因性発熱の原因は自律神経の乱れ

心因性発熱は専門の医師以外では診断することも難しい病気です。その意味では自分で理解して正しい病院へ行くことも大切です。心因性発熱の正体について紹介します。

ストレスで体温が上昇する理由は危険反応

最初に説明したとおり人間の体温は自律神経がコントロールすることで維持されています。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」をスイッチすることで、身体の機能を制御しており、それが乱れることで様々な異常を起こしてしまいます。

交感神経は人間の活動期に作用する神経で、緊張したり活発に活動したりする時に優位になります。反対に副交感神経は夜間などリラックスした時に優位になる神経です。

つまり自律神経は体温を維持していますが、交感神経と副交感神経のスイッチ制御が乱れることで、必要のない体温上昇や反対に体温低下をもたらす原因になってしまいます。

例えばスポーツの試合が開始される前には、心臓は「ドクンドクン」して脈も早くなります。これは緊張によって交感神経が優位になった証拠で、体温も上昇しています。

今から身体を動かすにあたって、心拍を上げて血流を増やし、体温を上げて筋肉を動かしやすくしていたのです。また危険を感じた時に同じような症状が出るのも、危険から素早く退避できるように、身体を準備させているのです。

このように人間の自律神経は精神的な緊張を感じた時には、血流を増やし体温を上昇させて筋肉を温めます。これは車のアイドリングと同じで、危険に対して素早く対処させるためで、自己防衛反応の一つと考えて下さい。

精神的ストレスは危険と判断されることから、交感神経が優位に立って体温も上昇するのです。

自律神経の乱れが心因性発熱の正体

自律神経が正常であれば交感神経による体温上昇も一過性であり、緊張状態が解消されることで体温も下がります。また緊張状態が続いていても、そこに慣れることで体温も低下するのです。

しかし自律神経に異常があるとそうはなりません。いつまでも交感神経が優位に立ち体温を上昇させてしまい、場合によっては高温状態をも作り出してしまうのです。

正常であれば自宅はリラックスできる場所ですが、自律神経が乱れていると副交感神経にスイッチすることもなく、常に体温が上昇している交感神経の支配下に身体がある状態になってしまいます。

自律神経が乱れる原因は交感神経にあると言われており、ストレスが増加することで交感神経の制御ができなくなるのが原因です。

ストレスは交感神経を刺激するだけでなく、交感神経を暴走させてしまい、それが心因性発熱を発症させていたのです。

心因性発熱で解熱剤が効かない理由

解熱剤は発熱を下げる薬です。炎症(感染症)による発熱も心因性によるものでも、同じ発熱なのですから解熱剤は効くと思いますよね。しかし、両者の発熱プロセスには大きな違いがあります。

まず炎症原因の発熱は細胞で起こる炎症が合図となって体温が上昇します。体内に入り込んだウイルスなどの外敵は熱に弱い性質を持っており、体温を上昇させることで死滅させやすい環境を作ります。

更に体温上昇は免疫細胞を活発にする効果もあることから、外敵を攻撃するにはもってこいの状態なのです。発熱のサインは炎症性サイトカインとPGE2と呼ばれる物質で、炎症によって脳に届けられます。

サインを受け取った脳は自律神経や筋肉に体温の上昇を指示するのです。一般的な解熱剤はこのサイン物質である炎症性サイトカインとPGE2を抑制することで、脳からの発熱指示を出させないようにする薬です。

サインを出させないようにすることで、自律神経の動きを封じ込めていたのです。

しかし心因性発熱では脳からの指示は関係ありません。ストレスを感じることで自律神経が自ら判断して、体温の上昇を行っており、炎症性サイトカインとPGE2を封じ込めても効果は見られないのです。

つまり市販の解熱剤(バファリンなど)を飲んでも一向に熱が下がらないのは、脳からの指示ではなく自律神経が判断した発熱が理由なのです。

自律神経が乱れると「疲労」「睡眠障害」「冷や汗」など身体のあちこちで異常が見られます。常に筋肉が緊張しており警戒態勢を無意識下で取ることが原因です。

心因性発熱の対処と治療法は?

心因性発熱は自覚することが難しい病気の一つです。治療を行うにはまず症状を正確に押さえて、確定診断を行うことが重要です。

まずはしっかり内科で診断を受ける

不明熱の中には心因性発熱以外にもアレルギー疾患などの病気が隠れている場合があります。まずこれらを切り分けることが大切な作業です。

そのためにはまず内科での診察を受けるようにしましょう。内科での診察においてのポイントは「炎症反応」です。

炎症反応は身体の何処かで炎症が起きている時に出る反応で、炎症反応が見られる場合は炎症による発熱が疑われます。

また、炎症反応が出なくても慢性的なアレルギーなどの可能性もありますので、アレルギー疾患についての検査を受けることも重要です。発熱にはまず内科を受診することを心掛けるようにしましょう。

心因性発熱が疑われたら専門医と相談を

内科で「異常なし」と診断されたら心因性発熱の疑いが濃厚になります。心因性発熱は専門医以外では対応できないことが多く、「精神科」「心療内科」「メンタルクリニック」で診察を受ける必要があります。

自分の症状を明確に把握して「どのような状態で発熱するか?」「普段の生活は?」などをまとめておくことも重要です。

心因性発熱と診断された場合の治療には、以下のような方法が一般的です。

生活指導

ストレス要因となっている生活習慣を見直すことで、ストレスを軽減して発熱を抑えるようにします。場合によっては仕事を変えたり引っ越ししたりする必要もあります。

また生活の中で運動を組み入れたり、睡眠習慣を改善したりすることも重要な作業になります。

自律神経を整える

乱れた自律神経を整えるようにします。暗示をかけて自律神経を整える「自立訓練法」や「心理療法」を取り入れている病院が多いようです。

医師やカウンセラーと直接話すカウンセリングは特に重要で、心の緊張をほぐすことで不安を取り除き自律神経を整えることを目指します。

薬物療法よる治療

薬物を使用する治療では不安を取り除くことが大切で、「抗不安剤」「抗うつ剤」を使用します。また睡眠不足が見られる場合には、「睡眠導入薬」を使用して睡眠を確保します。

他の病気に起因していないかが重要なポイント

心因性発熱では精神的な別の病気が起因して発症していることがあります。特に「うつ病」「自律神経失調症」などの精神疾患では、それが原因となって発熱を起こしていることが考えられます。

そうなると大元の病気を治療しなくては、発熱を改善することも難しく、まずはそれらの治療を優先させる必要があります。

精神疾患でも同様で骨折で腕や足が動かず、それをストレスに思っている場合などでは、骨折を直さないかぎりストレスは解消されません。手足が動かなくてもストレスを感じないように工夫する必要があります。

他の病気が起因するストレスは解消するのが難しいことも多いのですが、工夫によっては改善する場合も少なくありません。まずはストレス要因を見極めることが大切です。

医師やカウンセラーに話を聞いてもらって生活面での改善点を把握します。ストレスから逃げ出す勇気も必要だと思います。

大人の知恵熱には原因がある!3つの原因をしっかり見極めて

原因が解らない発熱は「不明熱」と考えてしまうことは簡単です。しかしそのまま原因不明にしていると、症状が悪化する可能性を否定することはできません。

人間にはストレスに対する耐性があり、簡単なことでは精神疾患にはなりません。しかしこの耐性には許容限界があり、それをオーバーするくらいのストレス下では精神疾患を引き起こしてしまいます。

心因性発熱はその許容限界を超えたことで発症する症状であり、ストレスの耐性の限界を超えたことを意味しているのです。

「大人の知恵熱」と言ってしまえば笑って済ませられる問題かもしれませんが、そこには「ストレスによる限界」と「自律神経の乱れ」、「精神疾患」が複雑に絡み合っている可能性があります。

俗称である知恵熱ですが、症状によっては大きな違いがあることを理解して下さいね。

昔の人が言った言葉には「なるほど!」と思わず唸るものが沢山ありますが、幼児も大人も発熱で知恵がつくことはなかったようです。「うーん、残念!」

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