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【女性特有のがん】乳がん・子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん

日本人のがんにかかる人が増加し続け「国民病」と呼ばれるようになりました。ただし、がん全体の死亡数は以前より減少していることがわかっています。

このように全体的にがんの生存率が増加していることは喜ばしいのですが、中には罹患数や死亡数がゆるやかに増加しているものもあります。その代表的ながんが、女性特有のがん「乳がん」「子宮がん」「卵巣がん」です。

女性が大切な体を守りながら美しく生きていくためには、どのようにがんと向き合えばよいのでしょうか。こちらのカテゴリでは、乳がん、子宮がん、卵巣がんの特徴、発症リスク、検査と治療法、予防法について説明していきます。

女性特有のがんとは?その種類と罹患率

癌(がん)は、正常な細胞の一部が変性して増殖し、周辺の細胞に浸潤(拡がっていくこと)したり、他の組織に転移したりする腫瘍のことです。

腫瘍の中でも体に影響を及ぼさない「良性腫瘍」に対して、がんは体をむしばみながら増殖を続け悪質であることから「悪性腫瘍」とも呼ばれます。

女性特有のがんとは、女性だけに備わる乳房、女性器(子宮、卵巣、外性器)に起こるがんで、以下の種類があります。

部位 がんの種類
乳房(乳腺)
  • 乳がん
子宮
  • 子宮頸がん
  • 子宮体がん
  • 子宮肉腫
卵巣
  • 子宮頸がん
  • 卵巣がん
  • 卵巣胚細胞腫瘍
膣・外陰部
  • 膣がん
  • 外陰がん

女性特有のがんの中で特に罹患率が高いのは、乳がん、子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)、卵巣がんです。

「国立がん研究センターがん対策情報センター」が公開している2016年の「がん統計予測」によると、30種類以上あるがんの中でも女性は乳がん、子宮がん、卵巣がんの罹患率が高く、特にの乳がんの罹患率が高いことがわかっています。

▼罹患数が多いがんの部位とがん全体に占める割合(2016年)

順位 罹患率(男女総計) 罹患率(女性)
1 大腸(14.6%) 乳房(20.7%)
2 胃(13.2%) 大腸(14.3%)
3 肺(13.2%) 肺(10.0%)
4 前立腺(9.2%) 胃(9.8%)
5 乳房 (男性除く)
(8.9%)
子宮(7.0%)
6 肝臓(4.5%) 膵臓(4.6%)
7 膵臓(4.5%) 肝臓(3.7%)
8 悪性リンパ腫(3.1%) 悪性リンパ腫(3.1%)
9 子宮(3.0%) 甲状腺(3.1%)
10 腎・尿路(膀胱除く)
(2.9%)
皮膚(3.0%)
11 胆嚢・胆管(2.6%) 胆嚢・胆管(3.0%)
12 皮膚(2.6%) 卵巣(2.4%)

(参考:国立がん研究センターがん情報サービス「2016年のがん統計予測」)

また、子宮頸がん、子宮体がんの罹患数、乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの死亡数は増加傾向にあるようです。
(国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計 年次推移」より)

それぞれのがんにどのような特徴があるのか基礎知識をチェックしておきましょう。

女性がかかるがんの中で最も多い「乳がん」

「乳がん」は、乳腺に発生するがんです。女性がかかるがんの中で最も罹患率が高くなっている割に、死亡率は大腸がん、肺がん、胃がん、すい臓がんよりも低く、早期治療によって良好な予後も見込める病気です。

乳腺は、乳汁を作る「乳葉」と、乳葉から乳頭へ乳汁を運ぶ「乳管」で構成されています。乳がんには、乳葉に発生する「乳葉がん」と乳管に発生する「乳管がん」などがあり、乳がんの約9割が乳管がんです。

乳房と母乳を分泌する機能はとても重要な役割があり、女性の象徴とも言われますが、乳がんが発症するとその細い乳管の中にがん細胞が増殖し、進行すると周辺までがんが広がってしまいます。

乳がんの症状

初期の乳がんは、しこりや痛みなどの自覚症状がありません。進行するとしこりや外見の変化に気づくようになります。

ただし、しこりがあっても必ずしも乳がんとは限らず良性の乳腺の疾患の可能性もあるので、慌てずに受診して原因を特定させましょう。

乳がんが発生しやすい部位は乳房の外側上部、乳がんの約5割を占めます。次に内側上部、外側の下部、内側の下部、乳輪の順で発生しやすくなっています。

乳がんの主な自覚症状
  • 手で乳房を触ると、境目のないごつごつした硬いしこりに触れる
  • 皮膚のひきつり、くぼみがある
  • 乳頭から血液の交じった赤や褐色の分泌液が出る
  • 熱を持って赤く腫れる
  • ただれ、かぶれが起こる
  • 腕にしびれ、むくみが起こる(脇の下のリンパ節に転移した場合)

乳がんと間違えやすい疾患には、次のようなものがあります。

乳腺炎 乳管が詰まり、炎症を起こす。乳腺の腫れ、痛み、発熱を伴う。
乳腺症 乳腺の一部が線維化する。疼痛やしこりを伴う。
乳腺線維線種 腫瘤ができる。痛みのない弾力性のあるしこりを伴う。
蜂窩織炎 細菌に感染して組織に炎症が起こる。腫れ、痛み、発熱を伴う。

乳腺や乳房に炎症やしこりのある場合は必ず婦人科を受診し、それぞれの病気に合わせた適切な治療を行ないましょう。

男性も乳頭と乳腺が存在するので、女性と同じように乳がんを発症します。乳腺があるのは女性とホルモンのバランスが異なるために乳房や乳腺が発達しないないだけで、存在理由があるのだと考えられています。ただし、男性の乳がんはまれです。

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乳がんの発症リスクが高くなりやすい人

年齢別では、30代以上で発症しやすくなり、40代後半~50代前半で最も多くなっています。

乳がんの発生リスクに最も関係しているのは、体内のエストロゲン濃度の高さだといわれています。体内のエストロゲン濃度の高い状態が続きやすいのは以下に挙げるタイプの人です。

  • 女性ホルモン補充療法を受けている
  • 経口避妊薬を服用している
  • 妊娠・出産・授乳の経験が少ない
  • 肥満
  • 飽和脂肪酸の過剰摂取している

近年は、初潮の低年齢化と閉経の晩年化から、女性全体でエストロゲンの分泌が続く期間が長くなりました。また晩婚化、少子化も乳がんのリスクを高める理由のひとつになっています。

また、エストロゲンは脂肪細胞からも分泌されるため、肥満(特に閉経後の女性)も乳がんのリスクを高めてしまいます。

肉や乳製品に含まれる不飽和脂肪酸は女性ホルモンに良くない作用をもたらします。食の欧米化は、日本人の乳がんの罹患率増加の原因になっています。

そのほか、生活習慣、病歴、家系も関係することがわかっています。

睡眠時間が短く睡眠ホルモン「メラトニン」が不足すると女性ホルモンに影響を及ぼすことが示唆されています。

例えば「大崎国保コホート研究」では、睡眠時間が6時間以下の人はそれ以上睡眠時間をとっている人に比べ乳がんの罹患リスクが高くなっていることもがわかっているのです。

乳がん、良性の乳腺疾患、糖尿病にかかったことのある人も乳がんの発症リスクが高まります。

また、家族に乳がんの人がいる場合は、乳がんの発症リスクが高くなると言われています。乳がんの患者さんの5~10%は「遺伝性乳がん」で、乳がんの発症に関連する遺伝子の変異によって発症しています。

定期検診を受けて乳がんを早期発見できるようにしましょう。普段からセルフチェックを行なう習慣をつけておくこともおすすめします。

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乳がんの検査法

乳がんは、次の検査の結果によってステージと治療法が決定します。

視診・触診
乳房や乳頭の形や皮膚の状態を目で見て確認し、乳房や脇の下に触れてしこりの固さや大きさも確認します。
超音波検査・マンモグラフィ検査
超音波検査や乳腺専用のX腺検査「マンモグラフィ検査」で、がんの有無や性状を確認します。
病理検査
病変の一部や乳頭からの分泌液を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を確認します。
CT検査・MRI検査
CT検査やMRI検査によって病変の広がりを確認します。

乳がんの治療

乳がんのステージに合わせて、複数の治療法を組み合わせながら治療を進めます。

乳がんのステージを簡単に説明したものです。

ステージ 病理所見
0期 乳管または乳頭の中に湿潤してないがんがある
Ⅰ期 2㎝以内のしこりがあるが転移はしていない
Ⅱ期 5cm以内のしこりがあり、脇の下のリンパ節に転移している
または、5cm以上のしこりがあるが転移はしていない
Ⅲ期 しこりがリンパ節に転移している
3B期以上で皮膚の炎症やむくみを伴う
Ⅳ期 乳腺以外の臓器に遠隔転移している

0~Ⅲ期の乳がんは、がんの広がり方に合わせて乳房の切除する手術を行ないます。また、がんの転移を防ぐためがんに近いリンパ節(センチネルリンパ節)を廓清することもあります。

薬物療法は、治療の目的やがん細胞の特性に合わせた治療法を選択して組み合せます。

治療名 方法
外科手術 乳房温存術または乳房切除術を行う
センチネルリンパ節生研 リンパ節を摘出し転移の有無を調べる
腋窩リンパ節郭清 腋の下のリンパ節を摘出する
薬物療法 ホルモン剤、抗がん剤、免疫賦活剤などを投与する
放射線治療 患部に放射線を照射する
緩和ケア 苦痛をやわらげる

乳房を切除した場合には「乳房再建術」を受けて新しい乳房を再建するかどうかの選択も問われます。技術の進歩につれ、乳房を再建することで温泉やおしゃれを楽しむ女性も増えてきました。

ただしデメリットがないわけではないので、形成外科医とよく相談をして決める必要があります。

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性交渉が原因に?若い女性に多い「子宮頸がん」

子宮頸がんは「子宮頸部」に発生するがんです。

2016年の罹患者数は約1万2千人と女性がかかるがん全体の約3%にとどまっていますが、発症率は年々増加しています。

子宮頸部は子宮口(子宮の入り口)にあたる部分で「扁平上皮がん」「腺扁平上皮がん」「腺がん」があり、子宮頸がんの約8割が扁平上皮がんです。

扁平上皮がんは子宮頸部の表面の細胞にできる浅いがんなので治療しやすく、予後は比較的良好です。初期のうちに婦人科の診察で偶然発見されることも多いがんです。

扁平上皮がんより深い部位にできる腺扁平上皮がんと腺がんは、発見しにくく転移しやすいことから治療が難しく、予後の経過があまり良くありません。

若年層の死亡率は増加している傾向があります。 早期に治療した場合の予後は良好ですが、進行すると治療が困難になるため、子宮体がんよりも死亡率がやや高くなっています。

子宮頸がんの症状

初期の子宮頸がんは自覚症状がほとんどありませんが、次のような症状があれば注意が必要です。

子宮頸がんの主な自覚症状
  • 不正出血
  • おりものの異常
  • 性交時の出血
  • 下腹部痛

子宮や膣に炎症があるとおりものが変化するので、おりものを毎日チェックすることは、さまざまな病気の予防・早期発見につながります。

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子宮頸がんの発症リスクが高くなりやすい人

子宮頸がんの発症には、性交渉によってヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することが大きく関係しています。

性交渉の経験がある女性の約8割がHPVに感染しているといわれますが、感染しても9割以上は2年以内に排出され、性交渉や感染がすぐ子宮頸がんの発症につながるわけでもありません。

子宮頸がんは20~40代の若い女性に多くみられるので、若い女性も積極的に子宮頸がんの定期検査を受けることをおすすめします。

ワクチン接種を検討している方は、医師の説明をよく聞いてリスクや予防接種の有用性を確認した上で受けるようにしましょう。

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子宮頸がんの検査

子宮頸がんが疑われる場合は、主に次の検査を行ないます。

細胞診
子宮頸部の粘膜を採取して、顕微鏡でがん細胞の有無を確認します。ベセスダ・システム(子宮頸がんの細胞検査の判定基準)に基づき、細胞診で「陰性(正常)」と判定できなければ次の検査に進みます。
生研
組織を採取して顕微鏡でがん細胞の状態を確認します。
コルポスコープ診
コルポスコープ(拡大鏡)で子宮頸部の粘膜を観察します。
超音波検査・CT・MRI検査
腫瘍や周辺臓器の状態を確認します。

子宮頸がんの治療

子宮頸がんのステージに合わせて、複数の治療法を組み合わせながら治療を進めます。

子宮頸がんのステージを簡単に説明したものです。

ステージ 病理所見
I期 子宮頸部のみにがんがあり、周囲に広がっていない
Ⅱ期 がんが子宮頸部を越え、
骨盤壁または腟壁の下1/3 以下に広がっている
Ⅲ期 がんが骨盤壁まで広がっている、
または腟壁の下1/3に広がっている
Ⅳ期 がんが小骨盤腔を越えて広がる、
または膀胱や直腸の粘膜に広がっている

Ⅱ期までの子宮頸がんは、がんの広がり方に合わせた方法で外科手術を行ないます。

転移したがんの治療する場合、転移と再発を予防する場合に、放射線療法、化学療法が用いられます。

治療名 方法
外科手術 円錐切除術
準広汎子宮全摘出術
広汎子宮全摘出術
子宮全摘出術
の中から、がんの広がり方に合わせて選択する
化学療法 抗がん剤を投与する
放射線治療 患部に放射線を照射する
緩和ケア 苦痛をやわらげる

不正出血が起こりやすい「子宮体がん」

「子宮体がん」は、子宮体部に発生するがんです。子宮頸がんより罹患率は少し高くなっています。2016年の罹患数は約1万8千人で女性がかかるがん全体の約4%とそれほど多いがんではありませんが、子宮頸癌より多くなっています。

子宮体部は子宮の袋状になっている部分にあたり、子宮体がんは子宮の内側にある子宮内膜にがんが発生します。

子宮体がんの症状

子宮体がんのほとんどの人に不正出血がみられ、比較的異常に気づきやすい病気です。

子宮体がんの主な自覚症状
  • 不正出血
  • おりものの異常
  • 性交痛
  • 下腹部痛

更年期の女性はホルモンのバランスが不安定になって、不正出血が起こりやすくなります。不正出血は更年期のせいだと決めつけず、受診して原因は確認しておきましょう。

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子宮体がんのリスクが高くなりやすい人

排卵や月経によりエストロゲンの分泌が長期間続いたことで刺激を受け、子宮体がんの発症リスクが高まるとされています。子宮体がんは40代以上から増加し、特に50~60代に多く見られます。

ホルモン補充療法などエストロゲンを体外から補充している人、妊娠・出産・授乳の経験が少なかった人は、エストロゲンの作用で子宮体がんのリスクが高くなる可能性があります。

子宮体がんの検査

子宮体がんが疑われる場合は、主に次の検査を行ないます。

細胞診
子宮粘膜の一部を採取し、顕微鏡でがん細胞の状態を確認し、結果が正常と判断できなければ次の検査に進みます。
内診・直腸診
膣や直腸に指を入れて、子宮や周辺の臓器に異常がないか確認します。
子宮鏡検査
内視鏡で子宮体部の状態を観察します。
超音波検査・CT・MRI検査
腫瘍や周辺臓器の状態を確認します。

子宮体がんの治療

子宮体がんのステージに合わせて、複数の治療法を組み合わせながら治療を進めます。

子宮体がんのステージを簡単に説明したものです。

ステージ 病理所見
I期 子宮体部のみにがんがあり、周囲に広がっていない
Ⅱ期 がんが子宮のみに広がっている
Ⅲ期 がんが子宮を超えて骨盤内に広がっている
Ⅳ期 がんが骨盤内を超え、他の臓器に転移している

子宮体がんの基本的な治療法は子宮の摘出で、外科手術に放射線療法や薬物療法を併用します。ただし初期ならば、がんの性質によっては子宮を温存して妊娠・出産できる場合もあります。

治療名 方法
外科手術 子宮と卵巣・卵管の切除
(リンパ節、膣も切除することもある)
薬物療法 抗がん剤や黄体ホルモン剤を投与する
放射線治療 患部に放射線を照射する
緩和ケア 苦痛をやわらげる

進行するまで気づきにくい「卵巣がん」

「卵巣がん」は、卵巣に発生するがんです。 進行するまで気づきにくいために早期治療が遅れやすく、ほかのがんに比べ予後はあまり良好ではありません。

子宮の左右に付属している卵巣は小さな臓器で、女性ホルモンの分泌や排卵といった重要な生殖機能を担っています。

卵巣に腫瘍が見つかった場合、約85%は良性の卵巣嚢腫で、残りの5%は悪性腫瘍です。

卵巣がんの症状

卵巣は「沈黙の臓器」と呼ばれ、病気になっても痛みが起こりにくい場所ですが、腫瘍が周辺の臓器を圧迫してさまざまな症状を起こします。

卵巣がんの主な自覚症状
  • 下腹部を触るとしこりに触れる
  • ウエストのサイズが大きくなる、下腹がふっくらする
  • 頻尿、排尿困難
  • 下腹部痛
  • 不正出血

はっきりした症状が出ている時は、すでに卵巣がんが進行している可能性があります。初期のうちに疑わしい症状を見逃さないようにしたいですね。

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卵巣がんの初期症状を知ろう!セルフチェック方法と検査内容、治療法

卵巣がんのリスクが高くなりやすい人

卵巣がんは加齢とともに増加し、50~60代で罹患率や死亡率がピークに達しています。

生涯の排卵回数が多いほど卵巣に負担をかけ、卵巣がんのリスクが高くなると考えられています。例えば、妊娠・出産の経験が少ない人、初潮が早い人、閉経が遅い人が該当します。

また、女性ホルモン補充療法や子宮内膜症も卵巣がんのリスクに影響するといわれています。

卵巣がんの検査

卵巣がんが疑われる場合は、主に次の検査を行ないます。

内診・直腸診
膣や直腸に指を入れて、子宮や周辺の臓器に異常がないか確認します。
超音波検査・CT・MRI検査
腫瘍や周辺臓器の状態を確認します。
腫瘍マーカー
体にがん細胞が存在しているかどうか確認する血液検査です。卵巣がんだと、CA125というマーカーで陽性反応が出ます。

卵巣がんの治療

卵巣がんのステージを簡単に説明しています。

ステージ 病理所見
Ⅰ期 片側または両側の卵巣にがんがある
Ⅱ期 がんが骨盤内の卵巣以外の場所からも見つかる
Ⅲ期 がんが骨盤外まで転移している
Ⅳ期 がんが遠隔に転移している

卵巣がんは遠隔に転移しやすいがんですが、抗がん剤がよく効く場合があり、外科手術に化学療法を併用する方法が多く用いられます。

治療名 方法
外科手術 卵巣の切除
周辺臓器の切除
化学療法 抗がん剤を投与する
放射線治療 患部に放射線を照射する
緩和ケア 苦痛をやわらげる

女性特有のがんを予防して大切な体を守るには

女性特有のがんを予防するには、免疫力を高めてがん細胞の増殖を抑制することが大切です。

がんの発症には生まれ持った遺伝子も関係していますが、がんは複数の要因が組み合わさって発症する病気なので、ほとんどは遺伝性のものではなく、どちらかというと生活習慣や食生活の影響を受けて発症する後天的な病気です。

私達の体は、がん細胞が生じても常に免疫細胞によってアポトーシス(異常な細胞の死)が起こり、がん細胞の増殖を抑えるようにプログラムされています。長期間かけてがん細胞をアポトーシスしきれなくなった時、初めてがんが発症します。

ですから若くて健康な時から、がんの予防を意識した健康的な生活を心がけて免疫力を高めていけば、将来のがんを予防することができます。

まずは、がん研究振興財団が推奨している「がんを防ぐための新12か条」を参考に健康管理を行ないましょう。

【がんを防ぐための新12か条】

  1. 喫煙をしない
  2. ほかの人が吸っているタバコの煙をできるだけ避ける
  3. お酒は適量で
  4. バランスのとれた食生活を心がける
  5. 塩辛い食品をとり過ぎない
  6. 野菜や果物が不足しないようにする
  7. 適度な運動を心がける
  8. 適切な体重を維持する
  9. 細菌・ウイルスの感染予防と治療を心がける
  10. がん検診を定期的に受ける
  11. 異常に気付いたらすぐ受診する
  12. 正しいがん情報でがんを知る

(参考:がん研究振興財団)

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また、女性特有のがんは、エストロゲンの分泌が良くないはたらきをして発症リスクを高めていることが多いので、ホルモンバランスの安定を心がけることも大切です。

そこで規則正しい食生活を心がけ、ホルモンの分泌を正常に導くためにビタミンやミネラルをしっかり摂取していきましょう。

がんの細胞化をまねく細胞のさびつきは、抗酸化作用を持つビタミンや植物性食品に含まれるポリフェノールで予防することができます。積極的に摂取したいのは海藻、きのこ類、豆類、緑黄色野菜などですね。

また、大豆や大豆製品(みそ、豆腐、納豆など)に含まれるイソフラボンには、エストロゲンの作用をコントロールする良い作用があります。

国立がん研究センターの「多目的コホート研究」によって、みそ汁を毎日飲んでいる人は飲んでいない人に比べ、乳がんの発症リスクが低くなっていることも発表されています。

そのほか、アブラナ科の野菜に含まれる辛み成分「グルコブラシシン」には、閉経後の乳がんの発症を抑制する効果が期待されています。

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そして、やはり一番大切なことは定期検診を受け、万が一のがんを初期に発見・完治することです。どのがんも初期に適切な治療を行なえば予後は良好です。

がんは治る病気になってきていますから、大切な人生のために予防とがん検診をしっかり行いましょう。

がん治療に専念する女性を応援してくれる保険

がんにかかった時は、精神的なショックや肉体的な負担だけでなく、がんの治療費を用意しなければならないという現実的な問題にも直面します。がんの治療内容が高度になるほど、治療費の負担も大きくなってしまいます。

がんの治療は保険の適応内で受けられ、高額な治療を受けることになっても「高額療養費制度」の申請によって自己負担額をある程度返還してもらえるので、一般には経済的な事情で治療が受けられない心配はありません。

とはいえ、治療期間が長くなるとトータル的には治療費も多く必要になりますから、保険を上手に利用して治療費や生活費の心配をせずに治療に専念したいですね。

病気になった時に保障してくれる保険には「医療保険」や「がん保険」があります。

一般的な医療保険は、生命保険のように死亡した時に保険金が出るものではなく、さまざまな病気やけがをして治療が必要になる時に広く浅く保障してくれる保険です。

がん保険はがんの保障に特化しているので、がんは手厚く保障してくれますが、他の病気やけがをした時には保障してもらえません。

さまざまな病気やけがに広く対応し、万が一がんにかかった時にも保障をしっかり受けたい場合はがんの保証が手厚くなっている医療保険を選ぶと安心です。

がん保険には

  • がん診断給付金
  • 入院給付金
  • 通院給付金

などの保証がつけられています。女性は、女性特有の保証が充実している商品を選ぶのもおすすめです。

がんと診断された時に給付金がもらえる がん診断給付金は、医療保険にはない保障で人気があります。また近年は通院しながら治療を受ける患者さんが増え、通院給費金の保障が充実している商品も重要視されています。

近年は「先進医療特約」がついているがん保険が薦められることが増えています。先進医療特約というのは、厚生労働省が認定している高度な技術の医療のことで、重粒子線治療や陽子線治療など治療効果の非常に高い方法があります。

先進医療は全額自己負担で受けることになるのですが、その費用は数百万円と高額なため、治療を受けたくても受けられない人も出てきてしまいます。

もし先進医療特約のついた商品に加入していれば、がん治療で先進医療を受ける選択肢が出てきた時に安心して治療が受けられるというものです。

ただ、おそらく進行したがんでなければ先進医療を受ける機会はないこと、先進医療を実施している医療機関がまだ多くないことから、すぐに特約のついている保険に切り替えるかどうかは、よく検討したほうが良いかもしれません。

保険の加入や切り替えを検討している時にどの商品が良いのか迷う場合は、FP(ファイナルプランシャー)に相談するのがおすすめです。

できればがんにかからないのが一番ですし、健康な時は保険のことを考えることも少ないかも知れませんが、基礎知識を勉強しておいたり加入している保険を見直しておくことは、自分や家族が病気になった時に大きく役立つはずです。

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周囲の人に理解してもらいながらがんを治していきましょう

子宮、卵巣、乳房など女性特有の器官の病気にかかると、妊娠や出産の機能、性的な機能を失ってしまうことがあるため、治療中も治療後も不安が強くなったり辛い思いをしたりすることが少なくありません。

病気になってしまったら家族やパートナー、病院のスタッフなどに気持ちを伝えて理解してもらい、ゆっくりと前に進んでいきましょう。 同じ病気を経験した人と気持ちを共有するのも心強いですね。

また、病気になるまでに女性特有の病気にはどのようなものがあるか理解しておき、正しい方法で病気を予防していただきたいと思います。

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