健康生活TOP 脂肪肝 【脂肪肝】肩こり・とれない疲れ・頭がぼーっとするのは病気かも

【脂肪肝】肩こり・とれない疲れ・頭がぼーっとするのは病気かも

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ここのところ肩はこるし、疲れも取れない。睡眠は足りていると思うのに、頭がぼーっとしたりして気分がすぐれない。そんな症状を感じていませんか。

それは肝臓の病気かもしれません。健康診断の血液検査では指摘を受けていなくても、体内では徐々に肝臓が痛めつけられていることってあるんですよ。

非アルコール性脂肪性肝疾患「NAFLD」と言う名前の病気

それってNASHのことじゃないの?と思ったあなたは、なかなかトレンドに明るい方だと思います。あるいはこの健康生活サイトの愛読者かもしれませんね、ありがとうございます。

NAFLDは、単純性脂肪肝と非アルコール性脂肪性肝炎を合わせた呼び方です。Non-Alcoholic Fatty Liver Disease:非アルコール性脂肪性肝疾患、と言う単語の頭文字をつないだものです。

言い換えれば軽症のNAFLDが単純性脂肪肝、重症で肝硬変・肝がんの入り口に立っているのが非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と言っても良いでしょう。

健康診断の血液検査で異常なしでも危険はある

肝臓に関する数値のうちALTとASTは、人間ドック学会の基準によると30(U/L)以下が正常、31~50が要注意、51以上が異常となっています。ですので、25くらいだと正常と言うことになりますね。

(なお、病院での検査などの場合基準値が異なる場合もありますので、詳しくはお医者様に相談して下さい。)

しかし、一方で20(U/L)以上であれば脂肪肝予備軍である可能性を指摘する声も聞かれます。特にALTの数値がASTを上回っている場合、単純性脂肪肝の可能性が高まってきます。

一方、お酒を飲む方で、逆にASTの方がALTを上回っていて、ともに高めの数値である場合は、お酒が原因で肝臓が傷んできている可能性がありますから注意して下さい。

ただの脂肪肝に始まるNAFLDは肝がんに行きつく危険な状態

その昔、脂肪肝は肝炎などと違って重病にはならないと信じられていたことがありました。その記憶が残っているせいか、どうしても脂肪肝と言うのは軽く考えられがちなんですよね。

しかし、現在ではNASHで有名になったように、脂肪肝は最悪肝がんで命を落とすルートの入り口であることが判ってきたのです。

単純性の脂肪肝に始まった肝臓のトラブルは、それをもたらした生活習慣を改善しないと、そのうちにNASHへと重症化します。

NASHはやがて肝硬変へと進み、そして肝がんと言う最も望まれない結末へと続くのです。

この一連の流れの中で、最も大事なステージは、初期のNAFLDである単純性脂肪肝から、いかにしてNASHへと重症化させないかと言うことに尽きるのです。

NAFLDの大きな要因はサルコペニアを含む肥満

インスリン抵抗性と言う言葉をお聞きになったことがあると思います。糖尿病の初期の状態で、血糖値を下げるインスリンはちゃんと分泌されているのに、それを受け取る方の態勢が崩れて血糖値が上昇することです。

実はこのインスリン抵抗性と脂肪肝には密接な関係があるのです。脂肪肝になるとインスリン抵抗性が増しますし、肥満によってインスリン抵抗性が高まると肝臓に脂肪が蓄積しやすくなるのです。

ですから、肥満と言うのは脂肪肝やNASHを引き起こし、悪化させる重要なファクターであると言うことですね。と言うことは、まずは肥満の解消と言うことが重要な取り組みになってくるでしょう。

サルコペニアが一番インスリン抵抗性の原因になり得る

ここで注意が必要なのはサルコペニアの存在です。いわゆる筋肉が不足してくる病態ですが、体重は決して重くないのに筋肉量が不足しているため、相対的に体脂肪率が高くなってしまっている状態です。

「サルコペニア肥満」と俗称される場合はBMI25以上ですので太目の体形だと判りますが、二次性サルコペニアで、その原因として栄養や活動に問題がある場合は、見た目や体重だけでは判断できないので怖いですね。

食べ物を食べると、血液中のブドウ糖(グルコース)が増え、それを処理するために膵臓のランゲルハンス島β細胞からインスリンが分泌されます。

インスリンが分泌されると肝臓はグルコースを作るのをやめて、逆にグルコースをグリコーゲンと言う多糖類に変えて保存蓄積するようになります。グリコーゲンは糖質ですから、血糖値が下がった時にはすぐにグルコースに分解できます。

一方、インスリンが分泌されると、身体の細胞の奥に沈んでいるグルコース輸送体4(GLUT4)と言う物質が細胞表面に浮かんできて、グルコースを捕まえては細胞の中に取り込みます。

これが筋肉の細胞で起こると、グルコースはATPと言うエネルギー物質に作り替えられて運動するためのエネルギーとして消費されるのです。一方、同じことは脂肪細胞でも起こります。

脂肪細胞に取り込まれたグルコースは、中性脂肪に作り替えられて、脂肪として身体の内側に溜まって行くのです。これは栄養が不足した際、先にお話ししたグリコーゲンも消費しきってしまった時のためのエネルギー源となります。

しかし、常に栄養が補給されて、消費する必要がないと体脂肪として蓄積され、そのうちの一部は、肝臓にもたっぷりとふくまれて脂肪肝を発症させます。

筋肉の量が多いと、エネルギーに変わる量が多いため脂肪肝の原因にはなりにくいのです。一方で筋肉量が少ないと、見た目は太っていなくても、余ったグルコースは脂肪肝を促進する悪い材料になるのです。

脂肪に比べると筋肉は重いです。ですので筋肉が足りずに体重が少ない人は『スリムな肥満体』とも言えるのです。したがって、筋肉量が少ないと言う病態であるサルコペニアは脂肪肝の原因になりやすいと言うわけですね。

NAFLDを予防するには何よりも適切な生活習慣を身につけること!

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このようにNAFLDはインスリン抵抗性と密接な関係があるわけですから、インスリン抵抗性が引き起こす糖尿病とも密接な関係があると言えます。ですので糖尿病にならない・糖尿病を改善する生活習慣こそが重要になります。

糖尿病を予防改善する生活と言えば、まず運動と栄養の管理が大切ですよね。

適切な体重へのコントロールが必須条件

インスリン抵抗性の低減と言うのは、まず体重を標準体重に近づけることです。標準体重はBMI=22kg/m2で、肥満にも羸痩(るいそう:痩せのこと)にも当たらない普通体重は、18.5≦BMI<25の範囲です。

ただ、できれば標準体重±2くらい、つまり20~24くらいの範囲におさめておくのがよさそうですね。

これは意外と多めの体重になります。特に美容を意識している人だと「少し太すぎる」と感じるかもしれませんね。

  • 身長150cmで45.0kg~54.0kg
  • 身長160cmで51.2kg~61.4kg
  • 身長170cmで57.8kg~69.4kg

個人差はありますが、日本人女性で160cm・61kg、男性で170cm・69kgだと楽勝の数値じゃないでしょうか。

筋肉がついていなければ体重コントロールに意味がなくなる

それよりもむしろ難しいのは筋肉量かも知れません。いくらBMIが低くても、筋肉量が足りないとサルコペニア、またはそれに類する状態になってインスリン抵抗性が現れてきます。

ただ、筋肉量はなかなか正確に測定するのが難しく、私たちには、一つの目安として家庭用体組成計で測定できる数値を用いるのが精いっぱいです。

ですので、筋肉量・骨格筋量を測定できる体組成計をお持ちの方は、その説明書で標準とされている数値以上の筋肉量をキープするようにしましょう。

そうした機器はないけれど、体脂肪率なら測れると言う方は、概ね女性で30%未満、男性で20%未満の体脂肪率をキープするようにしましょうね。

体重計以外持ってないと言う人は、両手の親指と人差し指でわっかを作り、ふくらはぎの太さを測って下さい。一番太いところでも指が離れなければ筋肉が不足しています。運動して筋肉を増やしましょう。

NAFLDの予防改善には生活習慣病対策の食事がとっても有効です

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食事療法についてはそれほど難しいことは必要ありません。いわゆる生活習慣病対策として進められている食生活をそのまま当てはめてOKです。

カロリーについてはPFCバランス(たんぱく質・脂質・炭水化物のバランス)を意識して適切な範囲に抑えること。特にアルコールや糖質の過剰な摂取を控えることだけで良いでしょう。

治療薬にもなった栄養成分βクリプトキサンチン

以前骨粗鬆症の予防に抜群の効果があるとしてご紹介した温州みかんのカロテノイド、βクリプトキサンチンに、NAFLDに対する治療薬としての効果があると判りました。

NASHにまで重症化した状態であっても、炎症や線維化を改善する働きが動物実験で確かめられています。ですので、手に入る季節には、「テーブルの上のみかん」はお勧めのアイテムと言えそうですね。

βクリプトキサンチンに限らず、カロテノイドの血中濃度が低いと肝臓の悪化を示すALTが高くなる傾向もみられる傾向があります。ですので、普段からカロテンやキサントフィルは意識して摂るようにしましょうね。

カロテン

  • ニンジンなどのβカロテン
  • トマトなどのリコペン

キサントフィル

  • 卵黄などのルテイン
  • 鮭などのアスタキサンチン
  • 甲殻類などのカンタキサンチン

この辺りの食べ物がお勧めですよ。もちろん運動も忘れないで下さいね。

肝臓を大事にしたい時にアルコールは論外

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ここまでNAFLDについて見てきましたが、このNAと言うのは”Non Alcoholic”、つまり「非アルコール性」の略です。わざわざ非アルコール性と銘打っているのは、アルコールによって肝臓が壊されるのは当然の帰結だからです。

もちろんNASHのNAも同じ意味で、アルコールによる脂肪性肝炎はASHと言われています。Nonが取れてるだけですね。

アルコールの過剰摂取は、ほぼ100%脂肪肝を招きます。そしてその10~30%が肝硬変に進み、肝硬変に進んだ患者さんからは年に数%の割合で肝がんが発症すると言うデータがあります。

ですので、大酒飲みの人はほぼ確実に肝臓を壊す…そんなのはもう常識ですから言うまでもないですよね。NASHが話題になったのは、お酒を飲まなくても似た症状を起こすことがあると言うことで驚かれたからなんです。

アルコールを避け、体重や食事の管理をきちんと行い、肝臓を労わってあげましょう。

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