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疲労回復にトンカツ定食!栄養とビタミンのバランスが完璧な食事とは

トンカツ定食

疲労回復には様々な意味がありますが、判りやすいのは「不足したエネルギーを補充する」と言うことでしょう。このエネルギーとは、運動するためのものだけでなく、生理機能を動かしたり、身体の器官を補修したりするための物も含んでいます。

そして、私たちの身体は飲食物から得た栄養素を、呼吸によって得た酸素を使ってエネルギーに換える働きを、エネルギー取り出しの中心的な道具として利用しています。そこで、今回はその飲食物と疲労回復について見てみることにします。

トンカツ定食の栄養素と疲労回復がすごい

タイトルにあるトンカツ定食は、身近な食べ物で、外食でも簡単に摂れるところから選んだものです。別にトンカツ定食じゃないと疲労が回復しない訳じゃありません。

このトンカツ定食ですが、比較的手軽なお店の場合、トンカツとキャベツ、味噌汁とご飯、お漬物ぐらいの組み合わせですが、このトンカツにご飯などの炭水化物をエネルギーに変える強い働きがあるのです。

トンカツ定食の栄養バランス

トンカツ定食と言ってもいろんなスタイルがありますが、ヒレカツを中心にカロリー低めのもので見てみましょう。数値は目安です。30代・40代の女性の平均的な摂取推奨量を基準に計算しています。

品目 カロリー たんぱく質 脂質 炭水化物
ヒレカツ 120g 466kcal 30.1g 30.4g 17.9g
キャベツ 150g 35kcal 2.0g 0.3g 7.8g
ご飯 150g 252kcal 3.8g 0.5g 55.7g
ネギの味噌汁 1杯 38kcal 2.6g 1.1g 4.6g
ごま入りトンカツソース
大さじ2
63kcal 1.2g 2.7g 8.6g
たくあん漬け 10g 3kcal 0.2g 0.0g 0.6g
合計 857kcal 39.9g 35.0g 95.2g
一日分に占める割合 38.95% 36.27% 71.59% 28.80%
品目 ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン パントテン酸
ヒレカツ 120g 1.31mg 0.38mg 8.50mg 1.39mg
キャベツ 150g 0.06mg 0.05mg 0.30mg 0.33mg
ご飯 150g 0.03mg 0.02mg 0.30mg 0.38mg
ネギの味噌汁 1杯 0.01mg 0.03mg 0.30mg 0.01mg
ごま入りトンカツソース
大さじ2
0.03mg 0.02mg 0.50mg 0.08mg
たくあん漬け 10g 0.02mg 0.00mg 0.20mg 0.07mg
合計 1.46mg 0.50mg 10.10mg 2.26mg
一日分に占める割合 132.73% 41.67% 84.17% 56.50%

このように、カロリー低めとは言っても衣の付いた揚げ物ですから、普通の食事よりはカロリーが高くなるのはやむを得ないでしょう。それでもトンカツ定食で1000kcalを下回っているのは、ヒレカツと言うあっさりしたお肉だからです。

全体を見るとやや糖質控えめになっていますし、やはり脂質が多いですね。トンカツを食べた日の、あと2食は野菜を中心にカロリーに注意して食べましょう。

さて、注目して頂きたいのは、4種類のビタミンB群です。カロリーが1日分の4割弱に抑えられているのに対して、最も少ないビタミンB2で4割強、最も多いビタミンB1で1日の摂取推奨量の1.3倍を超えています。

後ほど詳しく説明しますが、この4種類のビタミンB群は、脂質と炭水化物をエネルギーに変えるのに欠かせない成分で、疲労回復の要になると言っても過言ではないビタミンなのです。

スタミナ料理と言えばニラレバ炒め

ニラレバ炒め

ニラレバ炒めと言えば、「最近ちょっと疲れ気味だなぁ」と感じた時に食べる料理の代表格かも知れませんね。中華料理店やラーメン屋さんなどでも食べられますが、レシピもお店によって様々なので、まずは家庭で作ることを前提に栄養素を見てみましょう。

レバー200gとニラ一把、もやし1袋を2人前分として、その半分に含まれるビタミンB群を見てみます。にんじんやキャベツ、たまねぎなどは好みで入れて下さい。ここではそれらの副材料や調味料の栄養素はカウントしません。

また、お店で食べる場合は、概ねこの6~8割程度になるでしょう。そして、皆さんにとって気になるかも知れないのは「何のレバーが良いのか」と言うことですね。

中華料理では牛レバーか豚レバーを使っていますが、これも地方によって傾向が異なるようです。

それに家庭では鶏レバーと言う選択肢もありますね。そこで、この3つについて見てみましょう。なお、もやしとニラ1人前分の栄養素は合計25kcalですので、炒め油の方が高カロリーになります。

また、ビタミンB群についても補助的な量ですが、トンカツ定食の付け合せよりは多く含まれています。

品目 ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン パントテン酸
もやし100g
ニラ50g
0.07mg 0.12mg 0.60mg 0.48mg

さて、これを共通要素として、3種類のレバーに含まれるミタミンBを見てみましょう。

トンカツ定食とはどのような違いが現れるのか、気になるところです。

品目 ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン パントテン酸
牛レバー100g 0.22mg 3.00mg 13.50mg 6.40mg
豚レバー100g 0.34mg 3.60mg 14.00mg 7.19mg
鶏レバー100g 0.38mg 1.80mg 4.50mg 10.10mg
1日の摂取推奨量 1.10mg 1.20mg 12.00mg 4.00mg
このように、ビタミンB1については1日の摂取推奨量の20%~35%程度しか含まれていません。でも、これを一食と考えるなら、他の食事で充分補えるので充分含まれていると言えます。

例えばスーパーで売っている鰻のかば焼き(大サイズ)半分で、0.6~0.7mgくらいのビタミンB1が摂れますし、普通のみかん(Mサイズ)1個で0.1mgくらいのビタミンB1が摂れます。

ですので、ニラレバは他の食品の応援が必要な部分は否定できません。でも、牛と豚の場合、他の3つのビタミンBは1日の摂取推奨量をこの1食だけで満たしています。

さらにカロリーはおよそ120kcal~130kcalと低めですので、ニラレバは低脂肪・低糖質・低カロリーでビタミンB群をたくさん摂れる、非常に優れた疲労回復食品と言えるでしょう。

鶏レバーについてはナイアシンも少なめですので、たらこなどで補いましょう。一方、エネルギー代謝の主役であるアセチルCoAの原料になるパントテン酸は、鶏レバーに最も多く含まれています。

ではどのレバーによるレバニラ炒めが最もお勧めかと言うと、価格的なことを除けば牛レバーです。実はレバー類にはビタミンAが多すぎて、毎日たくさん食べると過剰症を引き起こしかねません。

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調理によってある程度は減りますから危険性はましになりますが、生の鶏レバー100gに含まれるビタミンAの量は、過剰症を引き起こすのに充分な量なのです。

しかし、牛レバーだけが他の2つに比べて1/10以下のビタミンAしか持っていないので、過剰症の危険がうんと少ないのです。

逆に言えば、一番ビタミンA含有量が少ない牛レバーであっても、ニラレバを食べればビタミンAも充分摂れるということなんですね。

TCAサイクルと言うエネルギー取り出し回路の活用

さて、それではビタミンB群がどのように疲労回復に役立っているのかのメカニズムについて見てみましょう。

昔はクエン酸回路と言う言葉がよく使われ、TCAサイクルと言う言葉は大学レベルのものでした。しかし、現在では高校生が学ぶ、生物の教科書にもTCAサイクルと書かれているようですので、そちらを使うことにします。

これはクエン酸と言う有機酸を反応の開始位置とし、一連の化学反応で次々と違う物質に変化しながらエネルギーを取りだしたあと、最終的にオキサロ酢酸と言う物質になり、そして再びクエン酸に戻るというものです。

三大栄養素はTCAサイクルでエネルギーに換えられる

私たちがエネルギーとして使いやすいのは糖質です。ブドウ糖などの単糖類に分解された糖質は吸収された後、酸素を使わずに代謝される「解糖系」と言う化学反応の流れで酸化されて、ピルビン酸と言う物質になります。

このピルビン酸はパントテン酸などを原料として作り出される補酵素A(CoA)と言う物質と結びついて、二酸化炭素を放出し、アセチルCoAと言うものに変わります。

このアセチルCoAこそが、様々なエネルギー代謝でキーになる物質と言って良いでしょう。今ではあまり使われないかもしれませんが、活性酢酸と言う別名も持っています。

(アセチルCoA:酢酸と結合した補酵素(コエンザイム)Aの略語)

そして、このアセチルCoAはクエン酸シンターゼと言う酵素の働きでクエン酸に代謝され、ここからTCAサイクルの流れに入ります。

細かい流れは省略しますが、TCAサイクルの中では、いくつかの化学反応を経てコハク酸と言う物質からコハク酸デヒドロゲナーゼ(コハク酸脱水素酵素)によってフマル酸と言う物質に変化します。

そしてさらにリンゴ酸を経由してオキサロ酢酸から、クエン酸に戻って一回りするのがTCAサイクルです。この間に、水の出入りや二酸化炭素の放出と同時にエネルギーの取り出しが行われるのです。

脂肪もたんぱく質TCAサイクルでエネルギーになる

一方、同じように効率よくエネルギーの元になる脂肪も、脂肪酸とグリセリンに分解された後、脂肪酸はβ酸化と呼ばれる4段階の化学反応でアセチルCoAが取り出されます。

そして、このアセチルCoAは糖質から得られたものと同じようにクエン酸に代謝されてTCAサイクルの流れに入り、エネルギーを取り出されます。

さらに、たんぱく質もアミノ酸に分解されて吸収されますが、このアミノ酸にはたくさんの種類があります。それぞれのアミノ酸は様々な代謝の過程を経て、TCAサイクルの中にあるいずれかの物質になり、いわば横入りの形でTCAサイクルに参加します。

このようにして三大栄養素はすべてTCAサイクルでエネルギーを取り出されますので、TCAサイクルが上手く回るように栄養を補給してやることが疲労回復に繋がるのです。

TCAサイクルに大きな影響を持つビタミンB群

ビタミンB群は全部で8種類の水溶性ビタミンです。それぞれが体内で重要な働きを持っていますが、このビタミンB群は補酵素型と呼ばれる、活性化された状態を取ることが知られています。

ビタミン名 主な物質名 主な補酵素名
B1 チアミン チアミンピロリン酸(TPP)
B2 リボフラビン フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)
フラビンモノヌクレオチド(FMN)
B3 ナイアシン ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)
B5 パントテン酸 補酵素A(CoA)
B6 ピリドキシン ピリドキサールリン酸(PLP)
B7 ビオチン 補酵素R(CoR)
B9 葉酸 補酵素F(CoF)
B12 シアノコバラミン 補酵素B12(CoB12)

補酵素とは、酵素が体内で代謝を行う際に原子団と呼ばれる「分子の一部」を授受する働きを行ったり、電子の伝達を行ったりして酵素の働きを助ける物質です。つまり、エネルギー取り出しにおいて、なくてはならない存在と言って良いでしょう。。

酵素には単独で化学反応を行えるものと、補酵素がないと酵素自身には化学反応を完成させられないものがあり、TCAサイクルの中にも補酵素を必要とするものが多いのです。

有名なコエンザイムQ10も補酵素の1つで、補酵素Q(CoQ)とも呼ばれます。ビタミン型の補酵素ではなく、キノン型と呼ばれるグループのユビキノンと言う物質がこれにあたります。

ビタミンB群の多くが疲労回復に役立つ

疲労回復のビタミン剤と言えばまず思い浮かぶのがアリナミンですね。アリナミンはもともと脚気対策のためのビタミンB1を、油に溶けやすくしたフルスルチアミンと言う物質を主成分としています。

このフルスルチアミンとパントテン酸は、ドリンク剤の成分としても、タウリンがメジャーになるずっと前から、良く宣伝に使われていたので広く知られていると思います。

パントテン酸とビタミンB1はTCAサイクルの入り口で働く

ビタミンB5と呼ばれることもあるパントテン酸は、上の表の通り補酵素型ではCoAと言う形になります。TCAサイクルの重要なキーであるアセチルCoAを構成する物質ですね。つまり、疲労回復には欠かせない物質なのです。

また、ビタミンB1であるチアミンの補酵素型はチアミンピロリン酸(TPP)です。この補酵素TPPは糖質からアセチルCoAを作り出す最終段階で働く酵素、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の補酵素としての役目を持っています。

このように、パントテン酸とビタミンB1はTCAサイクルの入り口で働く補酵素なので、疲労回復のドリンク剤などに積極的に使われているという訳なのです。

ビタミンB2とナイアシンは電子伝達体として働く補酵素

電子伝達体と言うのはTCAサイクルの中で酸化と還元を担う補酵素です。全部で5つありますがそのうち3つがビタミンBの補酵素型です。それぞれが電子供与体である還元型と、電子受容体である酸化型の2つのスタイルを取ります。

酸化と言うと酸素と結びつく反応だとか、水素を失う反応だとか言うイメージですが、きちんとした定義では「電子を他の原子団や分子に与える反応」です。

そして、還元と言うのは酸素を離す反応であり、水素を得る反応ですが、酸化と同じように「電子を他の原子団や分子から受け取る反応」と定義されています。ですから、電子伝達とは酸化と還元の反応のベースになるもののことなのです。

そして、電子伝達体として働くこの補酵素によって複数の化学反応の中で電子が次々と受け渡されてゆき、化学反応が進むようになっています。

上の表にもある通り、ビタミンB2はFADとFMNと言う二つの補酵素型がありますが、このどちらもが電子伝達体です。またナイアシンも2つありますが、このうちNADが電子伝達体なのです。

そして、他のビタミンB群の補酵素型も、間接的にエネルギー産生に関わることがあります。特にビタミンB6はTCAサイクルの外側からTCAサイクルに参加する物質と強く関係しています。

補酵素として有名なコエンザイムQ10も電子伝達体として酸化還元反応に参加する補酵素の一つなんですよ。

疲労回復にクエン酸が効くのもTCAサイクルの影響

TCAサイクルはクエン酸回路の別名で知られる通り、クエン酸がキーになっている酸素を使った生化学反応の経路のことです。ですので、クエン酸を食べ物から摂ることでスムーズに回るようになると言うこともあります。

また、クエン酸は筋肉を使った運動で消費されたグリコーゲンをブドウ糖から組み立てて補充することを促進する働きもあります。ですのでクエン酸が疲労に効くと言うわけなのです。

フルーツの有機酸は疲労回復に役立つ

クエン酸は多くのフルーツの酸味として存在していますので、酸味のある果物なら大抵は摂れるでしょう。その中でも圧倒的なのがレモンですね。例えば同じ柑橘系であってもみかんやグレープフルーツの3~4倍含んでいます。

これはある意味当然のことなのです。クエン酸と私たちはカタカナで呼んでいますが、これは本来「枸櫞酸」と言う漢字を当てていたのです。そして、この枸櫞とはフランス語の「シトロン」の和訳なのです。

現在のフランス語ではシトロンと言えば英語のレモンのことを指しますが、もともとはレモンの近縁種である枸櫞のことを指していたのです。なので、いわばクエン酸とは「レモン酸」に近い意味なので、レモンにたくさん含まれているのは当然なのです。

その他、クエン酸は梅干しにも大量に含まれていますから、塩分に注意しながら梅干しも利用して下さいね。

TCAサイクルの中には「フマル酸」「コハク酸」「リンゴ酸」なども関与しています。これらはいずれもキノコや果物に含まれていますので上手く摂り込みましょう。

例えばフマル酸はポーランドのキノコで、イタリア料理でも有名なフンギ・ポルチーニに含まれていますし、干しシイタケにも少しは含まれています。

リンゴ酸は名前の通りりんごに多く含まれますし、その他バナナやキュウリにも含まれます。コハク酸は貝類のうま味成分ですが、それほど多く含まれているわけではありません。でも、貝類も疲労回復にはいいですよね。

でも、やはり果物がたくさん摂りやすい食べ物だと言えますので、TCAサイクルに関わる有機酸はクエン酸と、補助的にリンゴ酸を摂るようにするのがお勧めです。

さすがにレモンの丸かじりばかりでは辛いかも

例えばレモン1個を食べてクエン酸を補給しようと考えても、思い浮かべるだけで酸っぱいですよね。そこで代わりになるのがみかんとグレープフルーツです。

もちろんレモンが大好きで、いくつでも食べられると言う人はそれで問題ありません。酸っぱいのがつらいと言う人は置き換えましょう。

だいたいMサイズのみかん3個で、中くらいのレモンを皮ごと1個全部食べた時と同じ程度のクエン酸が摂れます。もちろんみかんは皮をむいてOKですよ。このほうが楽に食べられそうな気がしませんか?

また、夏場などみかんが入手しにくい季節にはグレープフルーツでOKです。大きめのグレープフルーツ1個弱で同じくらいのクエン酸が摂れます。

このようなフルーツを毎日摂ることで、疲労回復に寄与してくれるのです。

最新の日本食品標準成分表である2015年版(7訂)からは、有機酸の内訳が掲載されるようになりました。ただ、まだ分析されていない食品が多いので、今後に期待したいところです。

疲労回復には栄養バランスとビタミンB・クエン酸

このように、疲労回復にはまず三大栄養素をバランスよくしっかり摂ることです。三大栄養素は身体を修復する材料であり、そのためのエネルギーになる物質です。ですので、三大栄養素のバランスを欠くと疲れは取れません。

もちろん脂質と炭水化物はどちらも主としてエネルギーになるための物質ですから、ある程度は置き換えが効きます。それに対してたんぱく質は身体を構成する材料ですから、しっかり食べる必要があります。

そしてビタミンB群とクエン酸は、食べたものからエネルギーを作り出して疲労を回復させてくれるものですから、お肉や果物をしっかり食べるようにして下さいね。

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