健康生活TOP 運動 ラジオ体操で腰痛悪化も!?人それぞれの身体の特徴に合った方法とは

ラジオ体操で腰痛悪化も!?人それぞれの身体の特徴に合った方法とは

体操をする高齢の夫婦

ラジオ体操は日本人なら誰でも知っている体操で、やったことがない人は少ないのではないでしょうか。

職場やサークルでも朝礼の一環として、準備運動として取り入れているところも多いようですね。

そんなラジオ体操は、体力増強はもちろん、健康によいという神話が浸透しております。たしかに車社会、パソコン社会になり、体を動かすことの少ない現代人は、一日に一回くらいは全身の運動を行うのは良いことです。

しかし

  • ラジオ体操をしたら腰が痛くて動きにくくなった
  • ラジオ体操で肩を回したら、肩が動かしにくくなった
  • ラジオ体操のジャンプや屈伸で膝が痛くなった

と言われる方も多いのは事実です。本来健康に良いはずのラジオ体操には、大きな落とし穴があり、やり方によっては体を壊すリスクがあるのです。

そこで、ラジオ体操の問題点、実際に行う上での注意点、あなたに合ったラジオ体操のやり方を伝授します。

ラジオ体操の問題点その1.みんな同じ動きをする

ラジオ体操はおなじみの音楽に合わせてみんな同じ体操を行います。動かし方、動かす順番も同じです。確かに運動会の準備運動などで行うには、そろっているほうが見栄えもよいと思います。

しかし、右利きと左利きがあるように、筋肉の緊張バランスや骨格構造は人により異なります。そのため、人により動かしやすい方向と動かしにくい方向があり、動かし仕方の癖があります。

人は無意識のうちに一番楽な動き、体に負担の掛からない動きを行っているのです。逆に、動かしにくい方向に大きく動かすと体に負担がかかり、歪みが発生します。

ラジオ体操が出来たのはなんと戦前の昭和3年です。当時の逓信省(現在の日本郵政公社)簡易保険局が、国民の体力向上と健康の保持・増進に寄与するために制作しました。

そして、翌年の2月より全国放送が開始され、全国民に広がっていきました。軍国主義の当時、一人一人の個性を重んじる風潮ではありませんので、全員同じ動きを行うようになったのは致し方ありませんですね。

人それぞれの重心の掛かり方により、動きやすい方向が決まる

まず、つま先に重心が掛かるタイプと踵に重心が掛かるタイプで、「体を前後に曲げる運動」にて、前と後ろで動きやすい方向が決まります。それは、骨盤の一番大きな骨、腸骨の前後の傾きが違うためです。

つま先に重心が掛かる前重心タイプは、腸骨が前傾します。踵に重心が掛かる後ろ重心タイプは、腸骨が後傾します。

腸骨の前傾後傾をあらわすイラスト

  • 腸骨が後傾すると後屈やしゃがみ動作はやりやすく、前屈や立ち上がり動作はしづらくなる
  • 腸骨が前傾すると前屈や立ち上がり動作はやりやすく、腰を反らす、しゃがみ動作はしにくくなる

腸骨の前傾タイプと後傾タイプの特徴をあらわすイラスト

また、手足の外側に重心が掛かる外重心の人はラジオ体操の「腕を回す運動」にて、腕の外回しがやり易く内回しがし難くなり、一方、手足の内側に重心が掛かる内重心タイプでは、内回しがし易く、外回しがし難くなります。

外重心と内重心のタイプ写真

「腕を振って膝を曲げ伸ばしする運動」で、膝を曲げて股を広げやすいのは外重心、閉じやすいのは内重心の人です。

人の重心の掛かり方は生まれ持っ決まっているので、動き易い側、動かしにくい側も決まってしまいます。したがって、筋力がなくて動かしにくい訳ではないため、筋トレなどで努力しても限界があるのです。

ラジオ体操の問題点その2.前後左右均等に動かす、頑張って動かす

人の体は基本的に左右非対称にできています。それは見た目だけでなく、関節の動く範囲や動かしやすい方向が違ってくるのです。

世間には

  • 体が左右で違うのは骨や筋肉が歪んでいる
  • 体は左右対称にそろえないといけない
  • 運動やストレッチは左右対称にしなければいけない

という間違った考えが浸透しています。

人は左右で関節や体幹の動かしやすさが違う

人の98%以上は左が軸足になり右足が利き足となる左重心タイプです。陸上競技のトラックや野球のベースランニングは必ず左回りですね。

左重心の人は、左回りの動きの方がやり易く、体が壊れない動きなのです。

また、体を支えるための構造を持つ重心側は関節を伸ばす筋肉が働きやすくなっており、物をつかむ、地面をとらえる構造を持つ利き手・利き足側は、関節を曲げる筋肉が働きやすくなっているのです。

また内外の重心においては、左足の内側と右足の外側に重心が掛かる人と、左足の外側と右足の内側に重心が掛かる人がいます。全体として外重心、内重心に見えても、このどちらかのタイプに属します。

足の左右の内重心と外重心のタイプ

当然、右と左とでは手足を外側、または内に捻じる動作のやり易さが変わってきます。つまり「体をねじる運動」にて、捻じった時の可動範囲は左右で違ってくるのです。

ラジオ体操を左右対称に行うと体は壊れる!

関節や体幹を動かす場合、

  • 筋肉がつっぱったり引き伸ばされたりする感覚を感じずに自然と動かせる可動範囲
  • 頑張って動かす、または人に動かしてもらって筋肉がストレッチされる可動範囲

があります。

前後または左右で動かしやすい側への動かす場合は、筋肉がストレッチされるくらいの大きな動きを受け入れ、体が整います。しかし、動かしにくい側へ動かすときは、自然に楽に動く範囲で動かさないと体は歪んでしまいます。

ラジオ体操を行うとき、動かしにくい側があると何とかして動くように反動をつけて頑張って動かしてしまいます。ラジオ体操には反動を使う動作が多く、体に負担がかかり体が壊れます。

学校では、ラジオ体操の動作は前後左右同じように動くように教わりましたし、動きが悪い側があるとしっかりと動かすように指摘を受けた記憶があるのも、頑張って動かしすぎる原因といえるでしょう。

頑張れば頑張るほど体を壊してしまうのです。

反るのが苦手な人が腰の後屈運動を思いっきり行ったとたんにぎっくり腰になったり、捻じりにくい側に捻ったとたんに腰や脇腹の筋肉を傷めてしまうことになる…安易に想像できますよね。

両方同じように行うと緩んでいる筋肉も緩めてしまう

どちらか一方に動かしにくいと感じるには理由があります。

たとえばラジオ体操の「体を横に曲げる運動」の時、肋骨が下がる側に動かすと動かしにくく、肋骨が上がる側に曲げ易くなっています。

肋骨が下がる側は、腹斜筋という骨盤から肋骨に付着する脇腹の筋肉が緊張することで肋骨を引き下げています。

左の肋骨が下がっている場合、肋骨を引き上げるように右側に側屈すると腹斜筋がストレッチされてゆるみ、肋骨の下がりが整います。少し肩を後ろに引くと、腹斜筋に刺激が入り易くなります。

体を横に曲げる運動の筋肉への働き

逆側に大きく側屈すると緩んでいる腹斜筋をストレッチしてしまうことになるので、両側する場合はストレッチの力がかからないくらいに軽く動かすのがポイントです。

ラジオ体操にもこのようなストレッチの要素が多く取り入れられています。緊張している筋肉をストレッチする方向に動かす場合は問題ありません。

しかし、両方同じように行うことで、緩んでいる筋肉もストレッチして緩めてしまう危険があるのです。

腰を傷めるリスクのあるラジオ体操の動作はこれ!

ラジオ体操のうち、特に腰痛を引き起こしやすい、または悪化させやすい体操をピックアップして対処法を解説しましょう。

腰を傷めやすい「前屈・後屈の体操」

「体を前後に曲げる運動」で腰を前に曲げたのちに後ろに反らす動作は、最も腰を傷め易い体操の一つです。この場合今まで膝を曲げてはいけないと教わりましたね。

ところが、膝を伸ばしてして前屈や後屈した場合、腰を痛めるリスクは高くなります。とくに、後ろ重心の人の前曲げ運動と前重心の人の後ろ反らし運動です。

後ろ重心の人は膝を軽く曲げて、腸骨を前傾してから前に曲げるとやり易くなります。学校では膝を曲げてはいけないと教わりましたが、このやり方は腰に負担が掛かかってしまいます。

同様に、前重心の人は膝を軽く曲げて、腸骨を後傾させてからすると腰に負担がかかりません。

腰を傷めやすい「左右に体を捻じる体操」

「体を捻る運動」も、捻じり易い側と捻じりにくい側があります。腕を振って反動をつけて行うと、捻じりにくい側も大きく動いてしまうので注意が必要です。

骨盤から捻じって動かすと、ほとんどの人が左重心のため、左へ動かしやすいです。しかし、骨盤を固定した状態で捻じると、肋骨の捻じれ方によって動かしやすい方向が変わります。

また、「両脚で飛ぶ運動」や「胸を反らす運動」などで、腕を水平に上げても負担が掛からない人と、斜め45度くらいで方で行う方が良い人があります。これも前後の重心の掛かり方で変わります。

もう一つ、手のひらの向きです。肩が内側に巻いている内重心の人は手の甲が前を向き、肩が開いている外重心の人は、手のひらが前を向きます。

手の甲が前を向く内重心タイプの写真

「腕を上下に伸ばす運動」をする時、手のひらが向く角度で掛かる負担が変わってきます。

頑張らないラジオ体操のススメ!

「ラジオ体操は、健康に良い、腰痛に効果がある」というのは必ずしも当たっているとはいえません。

動かしにくい側に頑張って動かすという私たちが教わってきたやり方は、腰痛持ちの人や体の硬い方、高齢の方には体を壊すリスクがあります。

ラジオ体操は体を動かしやすい側に動かすときは大きく動かし、動かしにくい側に動かすときは楽に動く範囲で動かすのがコツです。それが交感神経が緩み、体が柔らかくなり、体が整う健康のための体操なのです。

なにごとも無理は禁物!健康のために、自身にあったレベルでラジオ体操を取り入れましょう。

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