健康生活TOP 運動 健康には中強度メッツ!最も効率的な身体活動「メッツ」って何?

健康には中強度メッツ!最も効率的な身体活動「メッツ」って何?

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運動不足、それは日本人全体の問題ですが、特に高齢者の入り口に立っている人にとっては深刻な問題です。

男性の場合、定年を迎え会社勤めを卒業した人はいきなり活動量が減ることも珍しくありません。

そうした運動量の急減が様々な生活習慣病をもたらすであろうことは、現代の日本人なら言われるまでもない事ではないでしょうか。

一方、日本人的な几帳面さやこだわりの部分を利用すると、案外うまく運動量を確保できるかも知れないと言う面白い実験結果が得られています。

「健康になるには運動をしろ。」聞き飽きる内容ですが、効果的な正しい運動をしなくては意味がありません。

METs(メッツ)って何?

METsとは運動の強度を表す指数で、代謝当量(Metabolic Equivalents)から生まれた略語です。

単数形のMETも複数形のMETsも、どちらもメッツと読みます。

元々は安静時の酸素摂取量を1メッツとして、その何倍にあたるかと言う基準で決めていました。

今では数値的に体重1kgあたり、毎時1kcalを消費する運動強度と定義づけられていますが、これはだいたい以前の定義と同じ程度になるようです。

中強度のメッツ

健康を維持してゆくうえで。中強度と呼ばれる範囲の運動が効果的だと言う事は以前から言われていましたが、特に中高年層において有効であると言う研究があります。

若者の場合は、ジムやスポーツ施設で高強度の運動をして肉体の成長を促すのも良いのですが、中高年層になると、それは場合によって危険を伴います。ここで注目されるのが中強度の運動なのです。

METs表から抜粋です

では中強度の運動強度にあたる活動とはどんなものでしょうか。数値的には1~2が低強度、3~5が中強度、6以上が高強度とされています。

  • 階段の昇降:3.0METs
  • 犬の散歩:3.0METs
  • ボウリング:3.0METs
  • ゴルフの打放し:3.0METs
  • モップ掛け:3.5METs
  • アーチェリー:3.5METs
  • 柔軟体操:3.5METs
  • 卓球:4.0METs
  • 高齢者介護:4.0METs
  • バドミントン:4.5METs
  • ジャズダンス:4.8METs
  • 子供と走って遊ぶ:5.0METs
  • 15kgくらいの荷物を持って階段を下りる:5.0METs

いろいろありますが参考程度に。

ご自身の活動については様々な運動強度の書籍などがありますのでそれで調べてみてくださいね。

歩数計と活動量計

その研究では、歩数と中強度の運動の時間の両方に注目していました。

単純に歩数だけが多くても運動強度が伴わないと効果が少なかったからです。

METs計を利用しましょう

METs計とも言う活動量計ですが、あらかじめ設定した運動強度に相当する活動の時間を測定記録してくれます。もちろん歩数計の機能も持っていますので便利ですね。

お値段は7~8000円ぐらいと、ちょっとリッチな感じもしますが、消費するものでもないので、一つ奮発してみてはいかがでしょう。

記録が気になる

実際にこの研究に参加された人たちは、入浴時間以外ずっとこれを身に付けていたそうです。

そうなってくると気になるのが今日の数値ですよね。

毎日これを身に付けていた人は、その日の活動量が少ないと埋め合わせをする活動を行うことが多くなったそうです。

少し余分に歩いてみるとか、少し体を動かしてみるとか。その結果活動量が増え、好ましい結果が得られたと言う事です。これって結構日本人的ですよね。

身体活動と予防効果の関係

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この研究によると、”歩数と中強度の活動時間数の組み合わせ”で得られる予防改善効果が色々判ったそうです。

  • 4000歩・5分:うつ病
  • 5000歩・7.5分:認知症・脳卒中・心疾患
  • 7000歩・15分:がん・骨粗鬆症・動脈硬化
  • 8000歩・20分:高血圧・糖尿病・脂質異常症・メタボ

と言う事で、これを超えると筋力はつくものの健康効果は頭打ちになったと言う事です。

若ければもう少しがんばってみよう

この研究は65歳以上の人が対象ですので、「もう少し若い人であればもうちょっと動いても良いのかな」と言うイメージはありますが、残念ながらそのデータはありません。

でも、例えば毎日階段の昇降に相当するエネルギーで8000歩ってのは意外と大変かもですね。まぁ、そのうち20分だけが階段昇降に相当するだけでいいのですが。

と言う事で、飽くまで推定ですが、これを1.2~1.3倍ぐらいすると中年層にも適用できるんじゃないでしょうか。

いずれにせよ、年齢に関わらず自分の活動強度・運動強度を数値化して見ながら身体を動かしてみると言うのは、思ったより効果が高いのかもしれません。

運動強度の重要性

この研究を行った先生の患者さんで、毎日1万3千歩も歩かれる女性がおられたそうですが、この方が骨粗鬆症から骨折と言うけがをなさったと言う事です。

この女性は屋内業務の従事者で、しかも和服を着てのお仕事でしたので、歩数こそ多いものの運動強度は非常に低かったんですね。それが骨粗鬆症を招いたとのことでした。

宇宙飛行士の場合

話は変わっていきなり空の上です。

現在でこそさまざまな対策がされていますが、宇宙と言う場所は重力がかからない分人間の身体に大きな影響が出ます。

初期の有人宇宙飛行計画ではたった数日宇宙にいただけで、帰還した宇宙飛行士が歓迎の花束を重さに耐えられず取り落としたと言う有名なエピソードがあります。

アポロ計画の前のジェミニ計画に参加した宇宙飛行士のデータでは、一日に骨量が2%減ったと言う数字も出ていますね。

あるいは、宇宙において筋肉が衰えるスピードは寝たきりの人の2倍だと言うデータもあります。つまり、地球の重力下にいるだけで寝ていても運動強度が発生していると言う事になるのです。

参考までに、就寝時の運動強度は約0.9METsだと言う事でした。

強度がないと運動が無駄に

今では国際宇宙ステーションに数か月滞在することも普通になってきましたから、それだけ運動による筋肉や骨の衰え防止が重要になってきました。

アポロ計画のころは月まで往復する時間があったので、いろいろなトレーニング機器が開発されてもいます。

しかし、つい最近までは骨量の減少を食い止める方法が見つからなかったのが実情なのです。

訓練を受けたスペシャリストである宇宙飛行士ですら、たった半年で骨量が15%も減少するとか。これは一般的な骨粗鬆症患者の10倍の速さです。

地上にいれば、24時間地球の重力に抗して体を支え続けると言う運動強度があるからこそ健康でいられると言う事です。

それでも最近、日本の宇宙飛行士による実験で、骨粗鬆症治療薬が宇宙飛行士にも有効である可能性が示されましたので、これからはちょっと変わるかもしれません。

人間本来の姿が健康をキープ

ただ、元来動物を追い、高い木に生っていたり地面に生えていたりする果実や植物を採取すると言う運動によって食物を得ていた人間は、そうした活動を行い続けて初めて健康が維持できるのでしょう。

大まかに言えば、動物を狩る運動は高強度運動、植物から食べ物を採取するのは中強度運動ですね。

あるいは狩った獲物や採取したものを処理するのも中強度に分類できるでしょう。

そうした意味合いから、中強度の運動を一日に20分以上行うと言うのは、食べ物を食べ続ける条件と言っても良いのかもしれません。

動物本来の姿を思い浮かべれば、自然な健康の姿が見えてくるかもしれませんね。

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