健康生活TOP 運動 時々立つだけで効果アリ!?運動よりも簡単に血糖値を下げる

時々立つだけで効果アリ!?運動よりも簡単に血糖値を下げる

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糖尿病を指摘されたり、健康診断で「血糖値が高めだからこのままでは糖尿病になるでしょう。」と指摘されて、食事療法や運動療法を指導された経験をお持ちの方は多いんじゃないでしょうか。

現在、糖尿病リスクを持っている人は全国で2000万人を超えると推定されています。子供の場合、2型糖尿病のリスクはそれほど高くありませんから、中高年層に限った数値で見ると3~4人に1人が該当すると言われています。

食事のできるお店に入って店内を見渡せば、1テーブルに1人くらい糖尿病リスクを抱えた人がいるっていうのは、ある意味すごく危険な状態ですね。

「糖尿病予備軍」「強く疑われる」とかの表現に甘えてはいけない

糖尿病についての統計では「糖尿病を治療中の人」「糖尿病が強く疑われる人」「糖尿病の可能性を否定できない人」のように分けられています。

この表現を見て、「私は強く疑われていても、治療中じゃないからまだ糖尿病じゃない」と思っちゃいけません。「糖尿病が強く疑われる人」とは、糖尿病の基準を満たした人なのです。

では、なぜこのように婉曲な表現を使うのかと言うと、統計を取る際にアンケート形式で、個人から情報を集めているからなのです。

糖尿病の診断基準は思ったより複雑

特に、糖尿病になって間もないレベルの人では診断基準が複雑になることがあります。一方、しっかり糖尿病の人は検査一発で診断がつくこともあるんです。

ですので、健康診断で異常を指摘されて病院に行き、1回の血液検査で糖尿病と診断されたら、かなり悪いと思って差し支えありません。真剣に治療に取り組みましょう。

糖尿病の診断で基本になるのは慢性的な高血糖状態です。さらに実際の症状や体重、家族の罹患歴なども参考にされます。高血糖状態の判断に使われる情報は次の通りです。

  • 過去に糖尿病と言う診断を受けたことがある
  • 空腹時血糖値
  • 随時血糖値
  • HbA1c(糖化ヘモグロビンA1c)
  • 口が乾く症状
  • 尿が多い症状
  • 水分を多く飲む症状
  • 体重の減少
  • 糖尿病性網膜症の存在
  • 経口ブドウ糖負荷2時間値

これらの条件が一定の数値や状況を満たした場合、糖尿病と診断するとされています。しかし、あくまで診断するのは診察したお医者様ですので、アンケートで集めた検査結果の数値からだけでは糖尿病と断定はできません。

その結果「糖尿病が強く疑われる人」と言う表現になるわけです。厚生労働省などは統計分析の際、糖尿病と実際に診断された人を含めて「糖尿病が強く疑われる人」に入れています。

そして、健康な人と予備軍の合計3グループに分けての数字を見ているようですね。

一方、国立循環器病研究センターなどは、「糖尿病が強く疑われる人」に「現在治療中の人」は含めず、合計4グループに分けて統計分析を行っています。

いずれにせよ「糖尿病が強く疑われる人」とは、一般人の感覚では糖尿病患者と言ってしまって差し支えないでしょう。

検査一発で糖尿病と診断されてしまう例

その人の身体の状態に応じて、病院での検査1回で糖尿病と診断される人がおられます。

まず確実なのは「過去に糖尿病と言う診断を受けたことがある」人です。この場合、その検査で糖尿病を示す数値が出ていなくても糖尿病と診断されます。

これが「糖尿病は治らない」と言われる理由です。ただし、血液検査の結果が健康な人のレベルであって、合併症の兆候がなく、体形に問題がなければ「時々検査に来てくださいね」で終わるでしょう。

つまり、病気だけど治療の必要がないということで、注意さえしておけばOKと言うことになります。

問題は現在進行形で糖尿病の人ですね。検査1回で糖尿病と診断されるのは次のような条件を1つでも満たした場合です。

  • 随時血糖値が200mg/dL以上
  • 空腹時血糖値が126mg/dL以上 かつ、HbA1cが6.5%以上
  • 空腹時血糖値が126mg/dL以上、またはHbA1cが6.5%以上で以下の症状がある場合
     ・口が乾く症状
     ・尿が多い症状
     ・水分を多く飲む症状
     ・体重の減少
     ・糖尿病性網膜症

こうした内容で糖尿病と診断された場合は、そこそこ糖尿病が進んでいますから、早急に治療に取り組まなくてはいけません。特に網膜症が存在しているというのはかなり危険な状態です。

そのほかは次の表を見て下さい。

※クリックで大きい画像が見られます
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2回目以降の検査で診断された場合は早期治療が可能

1回目では確定診断がつかなかった場合、血液検査をもう一度行って結果を出します。それでも確定できない場合はブドウ糖を飲んで、2時間後の血糖値を測るという検査を行います。

いずれにせよ、1回目で糖尿病と診断された人よりは軽症であったり、早く発見されたりしたと言うことですので、治療に取り組めばより良い効果が得られるでしょう。

特にブドウ糖を飲んでの検査でやっと糖尿病診断がつくレベルの人であれば、生活習慣の見直しだけで軽快させることも簡単ではないかと思います。

糖尿病こそ早期発見、早期治療です。しかし自覚症状がないだけに、皆さん軽視されがちなのは気になりますね。診断を受けたら真面目に治療に取り組んで下さい。

糖尿病の治療は食生活の改善から…しかし難しいのが本音

糖尿病の治療と言えば、まず思い浮かぶのが「食事療法」と「運動療法」ですね。適切な食事と適度な運動は、糖尿病を改善するだけでなく予防もしてくれることは周知の事実です。

にもかかわらず、糖尿病は国民病とまで呼ばれるようになるほど増えてしまいました。なぜなんでしょう。

食事療法は体重コントロールと体脂肪コントロールの両面で

糖尿病でカロリーを制限した食事を行うのは、多すぎる体重や体脂肪を適正値に保つためです。現在の体重が肥満度1以上(BMI=25kg/m2以上)ある人は、インスリン抵抗性が現れて血糖値が上がっている可能性があります。

ですので、消費カロリーより少ないカロリーの食事を摂ることで、体重を適正化するのが糖尿病の治療につながると言わけなのです。

一方、体重だけではなく体脂肪も重要な意味を持ちます。一言でいうと、過剰な体脂肪はインスリンの効きを悪くする物質を多く分泌するからです。

体重を落とすのにカロリーだけを制限したのでは、筋肉が落ちて体脂肪が残るという結果になるかもしれません。これは糖尿病を悪化させるだけではなく、サルコペニアの入り口に立つということでもありますね。

血糖値の急上昇は適正体重の人に糖尿病をもたらす

また、適正体重になっても油断は禁物です。食事をすると血糖値は上がります。しかし、この上がり方が急激であると、インスリンの分泌による膵臓への負荷が高くなって、膵臓が疲れてしまいます。

そうなると、インスリンの分泌不足による血糖値の上昇が起こります。さらに、この高血糖が膵臓を痛めつけるという悪循環にはまって糖尿病の発病や悪化が起こるのです。

それを避けるのがいわゆる糖質制限です。世間では誤解されているような気がしますが、糖質制限の目的は、血糖値の急上昇を防ぐことであって、体重を減らすことではありません。

結果として体重を減らす効果もないわけではありませんが、体重を減らす目的で糖質制限を行うのはあまりお勧めできません。

誤ったカロリーコントロールは糖尿病を呼ぶ

カロリー制限をすると、最も単位重量当たりのカロリーが高い脂肪分を避けようとして、肉類の摂取が減る傾向が強くなります。これでは筋肉の減少で体重が減るという最悪の結果を招きます。

ですので、カロリーは糖質と、たんぱく質を含まない脂質で制限するのが好ましいですね。糖質とは食物繊維や、それと同じ働きをする難消化性多糖類以外の炭水化物すべてです。

これが何を指すかと言うと、いわゆるジャンクフードとファーストフード全般なのです。概ねこうした食品は、糖質を油脂で調理することで、安価に満腹感が得られるようにしてあります。

言い換えればこうした食品からは、満腹感をもたらす急激な血糖値の上昇と、満足感をもたらす脂肪分以外は摂れないと言っても過言ではありません。

ジャンクフード・ファーストフード・清涼飲料水の3点セットを生活から排除するだけで、かなり簡単に糖尿病の食事療法を始められるでしょう。

もちろん、糖尿病の数値が安定したら、こうした「身体に悪いけど食べるのが楽しい」と言う心の栄養を摂ることがいけないわけではありません。

すべての数値が正常化してから、月に1回とかのレベルでならいいかもしれませんね。

安さと手軽さだけを求めて食事をすると、浮いたお金と時間はすべて病院と薬局につぎ込むことになります。

そんな無駄をするより、最初から美味しくて楽しい食事を選んで下さい。

しなきゃ!とは思っていても…運動する時間とモチベーションは手に入れにくい

筋肉を落とさないと言う意味からも、運動する習慣は大切なものです。運動することで筋肉の細胞の奥に隠れているブドウ糖輸送担体-4(GLUT-4)が細胞表面に浮上してきて、血液中からブドウ糖をどんどん取り込みます。

その結果、血糖値が下がりますので肝臓に蓄えられたグリコーゲンがブドウ糖に分解されて補充されます。それでも足りなくなると、今度は脂肪細胞の中性脂肪をエネルギーとして使うようになるんですね。

それでも運動の習慣はなかなか身につかない

運動をすることが糖尿病の改善に良いことは皆さんご存知です。それどころか、心肺機能の向上にもつながるし、ストレスも解消できるし、ダイエットにもなる。良いことずくめなのに習慣にならないのはなぜでしょう。

特に運動を趣味にしている人を除けば、生活の忙しさに時間を取られてしまっているということなんですね。それに、疲れが溜まっちゃってる人も少なくないでしょう。

「一駅分歩くくらいなら、その数分の時間でも余分に寝ていたい」、「階段を上がるより、エレベーターの壁にもたれて数秒でも休憩したい」、こんなのが本音の人も多いと思います。

また、そこまで忙しくなくても、運動をしているうちに身体に異常が出てやめちゃう人も少なくありません。腰が痛くなったから運動を1週間休んだら、再開する勢いがなくなったなんてこともあるでしょう。

それどころか、雨が2日続いたら3日目にウォーキングに出る気力が失われるなんてことも珍しくありません。

運動をするに越したことはないが無理は禁物

運動を習慣化する中で、最も避けなければいけないことは「運動が嫌になる」と言うことです。ですので、この際、気分が乗らなければその日はやめちゃいましょう。

そして、身体を動かしたくなるタイミングで再開すればOKです。運動なんて毎日する義務はないのです。でも、体力を落とさない程度には、たとえスクワットの1回でも、腕立て伏せの1回でもやらないよりはましです。

でも、それだけじゃ糖尿病の治療には役立ちそうにないですね。困りました。しかし、実に面白い方法に関する研究結果が得られています。これなら誰にでもできるでしょう。

座り続けることのリスクを回避すると糖尿病もよくなる

仕事で座りっぱなしの人はそうでない人よりも死亡リスクが高まるなどと言う研究報告があったせいで、日本でも座りっぱなしを避けようという雰囲気が少しだけ存在したことがあります。

残念ながら最近ではすっかり聞かなくなりましたね。しかし、座りっぱなしと言う姿勢はエコノミークラスシンドロームにも見られたように、太ももの血管を圧迫し続けるので良くないことは間違いないでしょう。

その他、背中の筋肉にも余分な緊張を強いるので、肩こりの原因にもなりそうです。これを解消するには時々立てばいいのですが、それが糖尿病の改善に役立つことがわかりました。

発想の転換・運動の効果より動かないことの危険性に着目

もともと運動とは関係なく、じっとしていると言うことが病気や死亡のリスクを高めるという観察研究が2012年ごろからいくつか発表されるようになりました。

日本でマスコミに紹介され、注目を集めたのは2015年1月に発表された研究でした。この研究では座ることが多い人は、運動習慣などとは関係なく疾病・死亡リスクが高まると言う物だったのです。

それに先立つこと2年弱、2013年には糖尿病患者が座りがちになっていると心血管障害のリスクが高まると言う発表を行った研究者がいました。

その同じ研究者が2015年12月、今度は2型糖尿病の女性を対象に座りっぱなしの人と、時々立ち歩く人に分けて健康状態への影響の分析を行ったのです。

(抜粋)

過体重または肥満で、2型糖尿病のハイリスク群である閉経後の女性ついての研究。

長時間座り続ける人に対して、5分の立位姿勢を取った人や、自分の感覚でそれほど負担にならないレベルで5分の歩行を入れた人たちは、食後血糖値・インスリン分泌量・遊離脂肪酸に対する反応が有意に改善しました。

もう少し詳細をお話しします。まず、閉経後の女性でBMIが25kg/m2以上または30kg/m2の過体重・肥満状態の女性を対象にこの研究が行われました。

そして、1日7.5時間座ってもらう実験を行ったのです。みんな読書やインターネットをして過ごしましたが、グループは3つに分けられました。

1つ目のグループは座りっぱなしです。そしてもう1つは30分おきに、5分間じっと立つという姿勢を取ってもらってます。

さらに、最後のグループは30分おきにルームランナーで5分間歩くという運動をしてもらいました。30分間座って5分間立つので、7.5時間÷35分で12回の座っていない時間があることになりますね。

つまり、合計で1時間立つか歩いたということです。

意外なことに立つだけでも歩くのと同程度の効果が得られた

得られた結果ですが、座りっぱなしの人に比べて、血糖値が描くグラフの面積が、立った人では約34%、歩いた人では約28%少なくなっています。

特に注目したいのは、最低血糖値は歩いた方の人が低く、最高血糖値は立っただけの人の方が低かったのです。つまり、立っただけの人の方が血糖値の変動が少なかったということになりますね。

どちらのグループでも、座りっぱなしの人に比べて明らかに血糖値の改善が見られたわけです。

歩いた人の場合、運動しているのですから血糖値が低くなるのは判るのですが、単に立っているだけでここまで大きな影響が出るのは驚きです。

30分に1回立つことは難しいか簡単か

私もデスクワークに就いていますので、気が付けば座りっぱなしと言うことがかなり多いと感じていました。そこでちょっと実験です。スマホのタイマーアプリを利用して、30分ごとに5分立ってみました。

仕事中の30分って意外に短いですし、5分って長いですね。普段動かないから余計にそう感じたのかもしれません。でも、うまくごまかせばそれほど難しくない感じもしました。

トイレに立つことをちょっと多めにしてみたり、資料を閲覧しに行ってみたり、用もないのに自分の席で立ちあがって伸びをしてみたり。

まぁ、若い社員さんには厳しいかもしれませんが、糖尿病が気になる年代の人なら会社員でも充分にコントロールできる時間でしょう。

家でもやってみましたが、これは割合簡単です。30分にこだわらなければ、テレビを見ている間はCMの時間に立っているようにすればいいんです。

問題はネットとかゲームでしょう。私は現在ゲームはしませんが、過去の経験を振り返ってみると「時間を忘れる」ってことはよくありました。いろんな意味でスマホのタイマー機能は役に立ちますよ。

なお、次の朝の血糖値は少しだけいつもより低めでした。続けてみようと思います。

30分ごとに5分立つだけと言うのは、「運動するんだ」と構えなくてもいいところが好ましいですね。
キャラクター紹介
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