健康生活TOP 食道がん 胸焼けは食道がんの原因!?治療困難な病気、食道がんの症状と予防法

胸焼けは食道がんの原因!?治療困難な病気、食道がんの症状と予防法

胸焼けという症状はわりと普段から起こりやすいものですよね。食べ過ぎた時やお酒を飲み過ぎた時など、しょっちゅう起こるという人もいるでしょう。しかし「たかが胸焼けぐらい」と放っておくのは危険です。

胸焼けは繰り返すたびに確実に食道を傷み続けています。そして最悪の場合は、食道がんになるリスクを高めることにつながります。また単なる胸焼けや胃の不快感だと思った症状が、最悪の場合、食道がんだったということもあり得るのです。

ふだん起こる胸焼けの原因をあらためて真剣に考え直してみましょう。

ここでは胸焼けが起こる逆流性食道炎や食道がんの症状、また胸焼けから食道がんに進行してしまう経路を追ってご説明します。

そして食道がんを予防するために、あなたに日々意識してほしい生活ポイント(食後横になる時の向きなど…)を詳しくご紹介していきます。

「たかが胸焼け」が食道がんの初期症状の「胸焼け」に進行

食道がんというのは初期の自覚症状が少なく早期発見が難しいがんです。食道とは食べ物を胃に送り込むための通り道であり、長さ25cm、太さ2~3cm、厚さ4mmの管の形をした臓器です。

食道を知らない人はいませんが、”食道の仕組み”を知らない人は、意外に多いと思います。まずは、食道とはどんな仕組みなのか、どんな働きをしているのか、確認してみましょう。

のどの奥には、食道と気管を分ける部分があります。この部分が食道の入り口(食道入口部)で、ここから胃の入り口(噴門)までをつないでいるパイプ状の器官が食道です。

食道の構造

口から飲み込んだ食べ物は重力によって自然に胃に落ちているわけではなく、食道の筋肉によって上から下へと送り出されています。これを食道の蠕動運動といいます。

寝たままでものを食べても途中で止まることなく胃まで送り届けられるのは、蠕動運動の働きがあるからです。

また、食道の内側の壁には食べ物が通りやすいように、粘膜で覆われ粘液が分泌されています。食道の蠕動運動や粘膜、粘液の働きによって、食べ物がスムーズに胃に運ばれる構造になっています。

しかし、なんらかの原因でこの食道がただれてしまうと、食べ物を飲み込んだ時に

  • 違和感がある
  • しみる
  • 痛みがある

などの症状が起こりはじめます。このような胸焼けは食道がんを早期発見する重要なポイントとなります。

しかし、胸焼けが起こるからといってもちろんすべてが食道がんの初期症状ということはありません。

ですが、「胸焼けが起こっている」ということはなんらかの原因で食道が傷んでいることであり、何度も繰り返す場合、それを放置しておくと食道がんに発展してしまう危険性があるのです。

なぜ放置してしまうのでしょうか?それは「たかが胸焼けぐらい」といった軽い気持ちと、症状がずっと起こっているわけではなく、しばらくすると治ってしまうことが原因と考えられます。

しかし、その「たかが胸焼け」は気づかない間に、「食道がんの初期症状である胸焼け」に進行してしまう恐れがあります。そうなる前に、まずは胸焼けを放置せずに原因をつきとめ、改善することが重要なのです。

食道と胃はセットで考えることが大切!胃の不調が食道の病気を引き起こす

食道は胃と隣り合わせでつながっているため、胃の不調や胃の病気の影響を最も受けやすい器官といえます。

冒頭であげた「胸焼け」「胃もたれ」「胃痛」「胃の不快感」などの症状も、胃の不調が現れているだけでなく食道の病気を引き起こす大きな原因になります。

胃の調子が悪い…と感じる場合は、胃だけでなく食道の異常や病気にも注意しなければいけません。

とくに”胸焼け”の症状がある場合は要注意です。胸焼けは、胃酸が食道に逆流して起こるので、食道に大きなダメージを与えます。

食道に異常を引き起こす最大の原因は胃酸!

胃酸は、食べ物を溶かすために、ph1~1.5という強い酸性の性質があります。

胃の内側にある胃壁は、胃酸で溶かされないように、酸に対する幾十もの防御機能が備わっていますが、食道は、もともと食べ物を送り通すだけなので、胃酸のような強い刺激を防御する仕組みがありません。

そのため、胃酸が逆流しておこる胸焼けの症状は、酸に対して無防備な食道に大きなダメージを与えるのです。

また、胃痛や胃もたれ、胃の不快感など、胃の不調が現れている場合は、胃壁を溶かす働き(攻撃因子)と胃壁を守る働き(防御因子)のバランスが崩れ、胃酸の分泌が過剰になっていることが多いため、胃酸が食道へ逆流しやすくなっています。

ですから、胸焼けや胃痛、胃もたれなど、胃の不調が起こっている場合は、食道にもその影響が及んでいると考えたほうが良いのです。

次のような症状が起こっている場合には、胃の不調だけでなく、食道にも大きなダメージを与えていると考えるようにしましょう。

  • 胸焼け
  • 胃痛
  • 胃もたれ
  • 呑酸(酸っぱいものが込み上げてくる)
  • お腹が張る
  • ゲップがよく出る
  • のどや胸の奥がチクチクする
  • 吐き気

胸焼けの種類をきちんと見極めて対処することが重要

ひとことで胸焼けといっても、さまざまなことが原因で起こります。大きく分けると、原因が明らかで一時的なものと、原因がハッキリとはせず注意が必要な胸焼けの2つに分かれます。

一時的な胸焼け

誰でもたまには、ついつい暴飲暴食はしてしまうものですよね。暴飲暴食は食べ過ぎなうえに早食いのことが多く、あまり咀嚼されていない大量の食べ物が入ることで胃に大きな負担がかかります。

またアルコールの摂り過ぎはさらに胃を傷める原因になります。アルコールは胃に入ると胃粘膜を直接的に傷つけてしまい、胃酸の分泌を過剰に促してしまうことでさらに胃粘膜を傷つけてしまうことになります。

また油っぽい食事や、甘いデザートなどは、とても消化に時間がかかります。さらに味の濃い食事、香辛料がたくさん入っている刺激のある食事も胃粘膜を傷めることになります。

このような暴飲暴食の後の胸焼けというのは一時的なものであり、胃薬を服用したり、安静にしたりすることで改善できます。

注意が必要な胸焼け

注意が必要なのは暴飲暴食をしたわけでもないのに、何度も繰り返して起こる胸焼けです。もちろん、このような繰り返す胸焼けも、もとの原因の多くは悪い食生活が関係しています。

しかし、一時的ではなく何度も繰り返すということは、悪い食事、またストレスや乱れた生活習慣などから、食道と胃の間にある下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)が緩んでしまい、胃酸が逆流してしまっている可能性があります。

このような状態になってしまうともはや胃薬では対処できなくなり、胃酸の逆流による胸焼けを起こす人のうち約4割は胃薬の効果が出なくなるといわれています。

  1. 何度も繰り返す
  2. 薬が効かない

この2つのポイントが当てはまる胸焼けが要注意ということになります。

繰り返す刺激がやがて逆流性食道炎に進行していく

胸焼けを起こす病気はさまざまなものがあります。

  • 胃・十二指腸潰瘍
  • 糖尿病
  • 食道裂孔ヘルニア
  • 逆流性食道炎

この中でも、近年、食事内容の欧米化から日本人に急増してきているのが逆流性食道炎です。胃には食べた物を消化するため非常に強烈な胃酸が出ています。胃の壁はこの強烈な胃酸から胃粘膜によって守られているため損傷をうけることはありません。

しかし、ただ単に食べ物の通り道にすぎない食道は違います。胃酸が逆流を起こしてくれば胸焼けがしたり、胸痛がしたりして、損傷を受けてしまいます。それを防ぐために食道と胃の間には下部食道括約筋があるわけです。

ですが、この下部食道括約筋が緩んでしまうと、ちょっとの食べ過ぎ、または胃に負担がかる内容の食事をしただけで、胃酸が食道に逆流するようになります。このような状態を胃食道逆流症といいます。

さらにそれが繰り返すことで食道に炎症ができてしまった状態のことを逆流性食道炎といいます。

食道の病気で最も恐ろしい”食道がん”を引き起こす2つの原因

食道の病気の中で最も恐ろしいのは、やはり食道がんです。

食道がんは初期症状が極めて少なく早期発見が難しいだけでなく、手術や治療の難易度が高いので、医者の間でも最も手術が難しいといわれています。

だからといって、食道がんには成すすべがないわけではありません。

先述したように、食道に起こる異常の多くは、胃の異常に連動して起こります。胃の異常を早期発見することができれば、食道の異常も早期に見つけることにつながります。

食道がん自体の初期症状は極めて少ないのですが、食道がんを引き起こす要因となる2つの大きな症状があります。

  • 胃食道逆流症
  • バレット食道

この2つの状態を早く発見できれば、食道がんを予防することも可能なのです。

1.食道がんを引き起こす「胃食道逆流症(GERD)」とは?

胃食道逆流症とは、あまり聞きなれないかもしれません。ですが、逆流性食道炎といえば、聞いたことがある人も多いと思います。

胃食道逆流症(GERD)は、逆流性食道炎を含めて胃酸や消化酵素が胃から食道に逆流して起こる症状の総称です。

少し専門的になりますが、胃酸や消化酵素が食道に逆流して起こる食道の症状は、

  • 内視鏡などを使って食道に炎症などの状態がはっきり見てとれるもの
  • 炎症などの状態は見えないけれども、症状は起こっている

という2つの状態に分けられます。

炎症などの症状がはっきり見てとれる状態を逆流性食道炎といい、見てとれないものを胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症)というのです。

炎症が見られれば「食道炎」、見られなければ「逆流症」となるわけですね。ただ、どちらも症状はあるので後者を総称として使います。

少しややこしいですが、いずれにしても逆流性食道炎を含めた胃食道逆流症は食道に大きなダメージを与えるため、いずれは食道がんへと進行する危険があります。

2.食道がんにつながる危険な状態「バレット食道」とは?

バレット食道もまた、一般の人には聞きなれないと思います。バレット食道は簡単にいえば、胃酸過多や胃酸の逆流によって食道の組織が変質した状態のことです。

もともとは肉を多く食べる欧米人に多くみられていましたが、最近では食の欧米化に伴い、日本人でも増えている食道の異変です。

肉を消化するには時間がかかるため、多量の胃酸が長時間分泌され、食道にも胃酸の影響が及びやすいのです。

また、バレット食道は、肉や脂肪の多い食生活のほか、喫煙や多量の飲酒、食べ過ぎなど生活習慣によっても引き起こされることも指摘されています。

食道、胃や腸はそれぞれ違う粘膜で構成されています。

  • 食道の粘膜 → 扁平上皮(へんぺいじょうひ)
  • 胃や腸の粘膜 → 円柱上皮(えんちゅうじょうひ)

逆流性食道炎を放置しておくということは、食道への胃酸の逆流が繰り返し行われるということです。長い間ずっと胃酸からの刺激を受け続けてきた食道粘膜は損傷をしては回復を繰り返していきます。

しかし、損傷 → 回復の過程を何度も繰り返して行っているうちに、もともとの食道粘膜である扁平上皮から、胃や腸の粘膜である円柱上皮に近い粘膜に変化してしまうことがあります。

このような状態をバレット食道と呼ぶのです。

繰り返される胃酸の刺激により、損傷と回復を続けた食道粘膜が扁平上皮から、円柱上皮になった部分には食道がんを発症することに影響を与える腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)という細胞組織が80%含まれています。

内視鏡検査などで食道粘膜の扁平上皮に約3cm以上の円柱上皮が見つかった場合は食道がんに進行するリスクが高くなるといわれいます。

ですが、食道粘膜に円柱上皮が見つかるとすべてが食道がんになるリスクがあるわけでなく、約3cm以下の場合はがんになるリスクは低くなります。しかし食道がんになるひとつの通過点であることにかわりありません。

このバレット食道炎の症状は、胸焼けや胸通などであり、逆流性食道炎と同じ症状です。ですから、食道がんになるリスクから食道を守るには、まずは逆流性食道炎を防ぐことが重要なのです。

では、自分の胸焼けが逆流性食道炎なのかどうかセルフチェックしてみましょう。

逆流性食道炎セルフチェック

  • 「むねやけ」が1ヵ月以上続く
  • 「むねやけ」だけでなく、胃もたれ、胸の痛み、のどがおかしいなどの症状がある
  • 酸っぱい胃液がこみあげてくることがある
  • ものを飲み込むとき、つかえる感じがある
  • 胸にしみるような痛みがある
  • 食べ過ぎたとき、脂肪の多い食事や香辛料のきいた食事をとったときに、「むねやけ」がひどくなる

このような症状が1つでもある方は、逆流性食道炎のおそれがあります。放置しておかずに早めに消化器科などがある病院を受診しましょう。また念のため、食道がんの症状も確認しておきましょう。

食道がんの症状

食道の粘膜にとどまる早期のがんでは、症状が現れることは少なく、がんが進行するにつれて以下の症状が現れます。

1)食道がしみる感じ
熱いものを飲み込んだ時にしみるように感じるといった症状です。

2)食物がつかえる感じ
がんが大きくなると食道の内腔が狭くなり食べ物がつかえます。のどがつかえるような感じです。

3)体重減少
がんが進行すると体重は減少します。急激に体重が減ったら要注意です。

4)胸痛・背部痛
がんが食道の外に浸潤して、まわりの肺や背骨、動脈を圧迫すると、胸の奥や背中に痛みを感じるようになります。

5)せき
がんが進行して気管、気管支、肺まで浸潤すると、せきや血のまじった痰が出ることがあります。

6)声のかすれ
食道のわきの声を調節している神経(反回神経)に浸潤すると、かぜをひいたときのようなかすれた声になります。

食道のまわりには肺、気管、心臓、大動脈などのとても重要な臓器があります。そのため手術はとても難しく、できるだけ早期発見をすることが重要となります。これらの症状がある場合はすみやかに消化器科のある病院を受診して下さい。

食道がんに似た症状が現れる病気

食道がんに似た症状が起こる病気には、次のような病気もあります。

食道潰瘍 食道の内壁の組織がただれて損傷した状態
食道裂孔ヘルニア 胃の一部が裂孔の上に飛び出した状態
食道憩室 食道の蠕動運動の異常により、食道の壁にポケットができた状態
ヒステリーボール 精神的な原因により、のどに何か詰まったような感覚が起こる症状

食道裂孔ヘルニアは胃の一部が裂孔の上に飛び出している状態です。

正常な食道と食道裂孔ヘルニアにかかった食道

胸部と腹部を分ける場所にある横隔膜に食道が通る道である食道裂孔がるのですが、この道を通って腹部にあるべきの胃の一部が胸部側へ出てしまった状態なのです。

軽いものではとくに治療は必要ありませんが、食道炎を起こし胸焼けの症状が強くでる場合は薬物療法か外科手術が必要になります。

食道憩室(しょくどうけいしつ)とは、食道の壁の一部がぽこっと袋状に飛び出し、ポケットができた状態です。

食道憩室を起こしている食道

袋が大きくなると食道を圧迫し、嚥下困難や異物感、違和感が発生します。

食道裂孔ヘルニア同様、軽度のうちは特に治療は必要ありませんが、炎症が繰り返し起こる場合や誤嚥のリスクが高い場合は、切除や塗って小さくするといった外科手術が必要となります。

ヒステリーボールを除けば、これらの病気や症状も、胃酸過多や胃酸の逆流が原因で起こることが多いとされています。食道がんのような専門性が高い病気は自己診断で見分けることが難しいため、専門医の診察と検査を受けることが必要です。

食道がんの予防のために~命を守るための7か条~

食道がんを予防するには、逆流性食道炎を含めた胃食道逆流症やバレット食道の状態にならないようにすることが最善の方法といえます。

胃食道逆流症もバレット食道が起こる原因も、突き詰めれば、胃酸の出すぎ(胃酸過多)と胃酸の逆流が繰り返されることで起こります。こうした状態を予防するには、次のような生活習慣を心掛けることが何より大切です。

  1. 肉や脂肪分の多い食生活を改善し、野菜をたくさん摂る
  2. 熱いものや辛いもの、刺激の強い食べ物を摂り過ぎない
  3. よくお酒を飲む人は、節酒を心掛ける(とくに長年に渡って多量の飲酒の習慣がある人は要注意)
  4. ストレスは胃酸過多の大きな要因となるため、ストレスをあまく考えず、日常生活でのストレス解消に積極的に取り組む
  5. 睡眠不足は免疫力を低下させるため、睡眠時間を十分にとる
  6. タバコはあらゆるがんの危険因子となるため、喫煙習慣のある人は禁煙する
  7. 年に1度は健康診断を必ず受ける

こうした生活習慣や心掛けを行うことが、食道がんの予防につながります。

最悪の事態となる食道がんを予防するためには、胃酸が逆流してしまう原因をもっと詳しく探り、そして予防策を立てていく必要があります。

食事は1日3回、規則正しく

胃腸を長く休ませるために朝食を抜く健康法というものがあります。しかし、ストレスなどの精神的な不安を抱えている場合、長い時間の空腹は逆に胃酸を多く分泌させてしまう要因になります。

また朝食を抜くと食事回数が2回に減ってしまうため、一回の食事量が増えてしまう可能性が高くなり、食べ過ぎによって胃に負担をかけることに繋がります。食事はできるだけ1日3回きちんと同じ時間に摂るようにしましょう。

もしも、仕事が忙しくて、どうしても夕食が深夜になってしまう場合でも、夕食の時間帯に軽いものでかまわないので何かお腹に入れるようにしましょう。そうすることで深夜に摂る食事量が減り、胃の負担が少しは楽になります。

油っぽい食事や甘いものをはできるだけ控える

油っぽい食事や甘いものは十二指腸から分泌されるホルモンの影響で食道と胃の間を胃酸の逆流から守っている下部食道括約筋が緩んでしまう原因となります。できるだけ控えるようにしましょう。

ゆっくり噛んで、腹八分目

食事はできるだけ集中して味わい、ゆっくり噛んでから飲み込みましょう。早食いは消化が悪くなり胃に負担がかかります。また早食いにより食べ過ぎになると胃が大きく引き伸ばされてしまうことにより下部食道括約筋が緩んでしまいます。

食後に横になるなら右を向いて

一番多いのは食べた後すぐに横になる行為です。お腹が一杯になるとつい横になりたくなります。この時どの姿勢で横になるかによって結果が変わってくるのを知っていましたか?

胃は正面から見たとき右を上にして下に向かうほど左にカーブしたS字のような形をしています。つまり自分で上から見た場合は、左側が上になり下に行くほど右にカーブしていることになります。

食後すぐに横になると牛になるという言い伝えがありますが、これは食べた後すぐ横にならないよう注意しようという意味もあるのです。

本来は食後30分くらいは横にならず椅子やソファによりかかった状態でいるのが望ましいのですが、どうしても横になりたい時は、右側を向いて横になりましょう。こうすれば胃の形に逆らわず横になれるので食べ物や胃酸が逆流するのを防ぐことができます。

お酒は控えめに

お酒は適量にしておけば、ストレスを発散させてくれ、健康を促してくれる効果もあります。しかし、飲みすぎでは良いことはありません。アルコールは胃の粘膜を直接的に傷つけてしまい、胃酸の分泌を促します。

お酒の量はできるだけ減らし、そして1週間に1日はお酒を飲まないようにして胃や肝臓を休ませてあげましょう。

タバコはやめる

タバコというのは本当に「百害あって一利なし」の言葉通りです。逆流性食道炎だけでなく、病気の数々は、あらゆる要因が重なった時に発症するものですが、その中の要因にタバコが加わることで本当に多くの病気を発症する確立がグンと上がってしまいます。

タバコの何がそんなに良くないかというと、やはり血管を収縮させて血行を悪くしてしまうことです。もちろん胃も血行不良を起こし、その機能を低下させ、胃酸の過剰な分泌を促すことになります。ですから胸やけの症状がある人は禁煙は絶対に必要です。

もしも、どうしても禁煙ができないという人は、できるだけニコチンの少ないタバコや、また禁煙用のフィルターを使用するなどの工夫をするようにしてみてください。

ストレスを発散させる

胃や腸などの消化器官というのは非常にストレスに敏感な臓器です。とくに真面目で頑張り屋さんの人はストレスが溜まりやすいため、胃にさまざまな負担をかけてしまいます。

しかし、ストレスというのはどうしても溜まるものですから、そこはあきらめて、どのように発散させるか?に重点をおいてみましょう。ストレスからくる胃の不調や逆流性食道炎の症状は身体からの警告だと受け止め、自分なりの発散方法を考えてみて下さい。

睡眠はきちんととる

睡眠不足になると、肉体的だけでなく精神的にも不調を感じるようになります。また規則正しい睡眠は人間の生体リズムを整えてくれます。どうしても寝付けないという人は、まずは早寝からではなく、早起きから実行してみて下さい。

そして太陽の光を浴びましょう。人間は誰でも生体リズムとして、太陽の光を浴びてから15時間後に睡眠を促してくれるメラトニンが出る仕組みになっています。夜はきちんと睡眠をとり、胃腸と心をしっかりと休息させてあげましょう。

高齢者はとくに用心

若い時は、胃酸から守ってくれる胃粘膜もたくさん出ますが、高齢になるとどうしても分泌量が減ってきます。つまり高齢になると胃自体の機能が弱まってくるため、若い時には平気だった少々の食べ過ぎや飲み過ぎも対応できなくなってきます。

ですから、ご紹介してきた逆流性食道炎にならないための予防策を高齢者の方はとくに用心して守るように心がけて下さい。胃だけでなく、咀嚼するための歯も弱ってきてしまいますが、柔らかい物ばかり食べていては消化に必要な唾液が不足してしまします。

たとえ柔らかい食べ物であっても、たとえばお粥であっても口の中でよく噛むようにして唾液をしっかり出してから飲み込みましょう。それだけで胃と腸の負担がグッと軽減されます。

食道がんの治療は難しい…小さな兆候を見逃さず、早期発見へつなげる

ご紹介してきたように、胸やけは逆流性食道炎、バレット食道炎、食道がんの全ての共通した症状です。普段の一時的な胸焼けが、注意が必要な逆流性食道炎、そしてさらにバレット食道炎、食道がんと進行していく前に、対処するようにしましょう。

どんながんでも進行してしまえば治療は難しいものですが、がんの中でも食道がんはとくに進行が早く他の部位に転移しやすいため、がんが見つかったときにはすでに手遅れということも少なくありません。

冒頭でも述べましたが、手術するにしても食道がんの手術は非常に難易度が高く、大掛かりな手術となることが多いといえます。患者の体力や負担を考えると、たとえがんが見つかっても、およそ半数の人にしか手術することができません。

もちろん治療の方法は手術だけでなく抗がん剤や放射線を使っても治療しますが、どのような治療をするかは、がんの状態や患者の年齢、体力、術後の回復の見込みなどを専門医が総合的に判断することになります。

とにかく、食道がんはごく初期の場合を除いて、非常に治療が難しいがんだと考えることが必要です。

不幸にして食道がんが見つかった場合は、熟練した消化器科の専門医を受診して、治療について相談するほかはありません。

場合によっては、セカンドオピニオンやサードオピニオンを受け、自分が納得する形で治療法を選択するのが良いと思います。

「大丈夫だろう…」と考えるのではなく、「もしかすると…」と考えることが、食道がんの予防にとって、とても大切なことなのです。
キャラクター紹介
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