健康生活TOP てんかん リラックスすると発作が!?てんかん発作の予防に効果的な8つの行動

リラックスすると発作が!?てんかん発作の予防に効果的な8つの行動

胸の前にハートもつ医師

皆さんは「てんかん」と呼ばれる病気をご存知でしょうか?私とてんかんとの出会いは中学生の頃です。

クラスメートの中に細くてちょっと弱々しい感じの男子がいたのですが、昼休みに彼が突然倒れて痙攣(けいれん)を始めたのです。周りはもうビックリで何が起きたのか解りません。

その時一人の子が「舌を噛まないようにハンカチを入れて」と叫んだのです。私たちはただアタフタするだけで時間が過ぎたように思えます。そうしていると痙攣も治まり、彼は普通に起き上がったのです。

これが私のてんかんとのファーストコンタクトでした。日本でも人口の0.5%~1%の人がてんかんの発作で苦しんでいるそうです。てんかん発作は予防することができるのでしょうか?

てんかんは発作を繰り返す病気!脳でおこっている暴走とは

毎日の様にテレビでは交通事故のニュースが流れていますが、近年ではてんかんに関係のある事故を多く見かけます。病気と交通事故との関係にはピンとこないものがありますが、実はてんかんによる発作が痛ましい事故を生んでいるようです。

人間の脳は電気的な信号で情報をやり取りしている

脳は人間にとって最も重要な臓器の一つで、脳がコントロールすることで身体は機能して生命を維持することができます。また外からの刺激を把握して、「物を見る」「音を聞く」「言葉を理解する」などの刺激にも対応しています。

また脳は「感情」や「記憶」をコントロールする機能もあり、その全てが脳神経によって伝達されているのです。

例えば目で見た景色を映像で脳に送ることは不可能ですよね。景色は全て電気信号に変換されて脳に伝わることで、認識をすることが可能になります。

また脳は腕や足などを動かすために電気信号を筋肉に送り、それによって歩いたり物を掴んだりすることが可能になります。さらに人間が生きていく上で大切な、「代謝」をコントロールしているのも脳からの信号だと考えられています。

つまり脳に対するアクセスは脳神経を使った電気信号であり、この流れが正常に保たれることで身体のコントロールも正常に行うことが可能になるのです。

脳の一部が興奮することがてんかんの原因

通常ではこの電気信号のやり取りは問題なく行われていますが、何かのきっかけでそれが暴走することがあります。例えば特に興奮もしておらず、静かにリラックスしている状況にもかかわらず脳が興奮することがあるのです。

これが「てんかん発作」と呼ばれるもので、必要のない電気信号が身体のあちこちに勝手に送られることになります。

そうなると自分の意思とは関係なく、手足が動いたり、身体が反ってしまったりしてしまいます。また、意識もなくなり倒れたり、痙攣を起こしたりしてしまうことも珍しくありません。

特に子供では代謝異常の原因による「熱性痙攣(熱性けいれん)」と呼ばれる、発熱を伴った痙攣が多く見られます。

通常の脳では一定の感覚で弱い電気信号を発していますが、てんかんの症状が現れると神経細胞(ニューロン)が、強い電気信号を一斉に出してしまいてんかん発作を引き起こしてしまうのです。

またてんかん発作には脳の一部が興奮してしまう「部分発作」と、脳の大部分が興奮して起こる「全身発作」があります。

てんかん発作はアクセルとブレーキの故障

てんかん発作を解りやすく説明しますと、脳を自動車に例えるとよいでしょう。自動車はアクセルを踏むことで加速して、ブレーキにより減速しますよね。

脳も同じで「興奮物質(アクセル)」が集まると興奮して、興奮しすぎたところで「抑制物質(ブレーキ)」によって過剰な興奮が抑えられるのです。

しかしてんかん発作では抑制物質でも治まらないくらいの、興奮状態にあると言えます。興奮が強すぎて通常の抑制物質では間に合わないのです。

また抑制物質が少ないこともてんかん発作の原因になります。脳が興奮した状態で抑制しなくてはいけないのに、抑制物質が出ないと鎮めることができなくなります。

つまり脳のアクセルが故障すると過剰な暴走を許し、ブレーキが故障すると脳の暴走を止めることができなくなるのですね。

てんかんの診断は

  • 脳波測定
  • 脳MRI診断
  • 血液検査
  • 問診

などの結果により行われます。一度発症すると完治が難しいてんかん発作ですが、発作を予め予防することは可能なのでしょうか?

脳が勝手に暴走して信号を出すのがてんかんです。てんかん発作は「全身」と「部分的」な発作に分類されています。

てんかん発作を予防する効果的な方法

てんかんを発症した人は常にてんかん発作に注意しなくてはいけません。自宅で発作が起きるならまだマシですが、駅のホームなどで起きたら命の危険もあります。

てんかん発作を予防する方法はあるのでしょうか?

【てんかん発作の予防法1.】医師の指示を守る

てんかんは個人差がある病気で、風邪薬のように「大人」「子供」と一括りで治療することはできません。第一次の治療法である「抗てんかん薬」の服用も、沢山の抗てんかん薬の中から、その人にあった薬と分量を処方するのです。

そのためには薬の服用を守るのはもちろんのこと、定期的な効果測定や血液検査が重要になります。特に血液検査による濃度測定は重要で、それによって薬の効果が見えてくるのです。

最近発作がでないから薬を止めても大丈夫だ」と勝手な判断をして、大きな事故につながることも実際に起きています。

てんかんは自分の命だけでなく他人に対しても危害を加える可能性のある病気です。発作を予防するためにも、定期的に病院へ通院して医師の指示に従い、必要な投薬は続けるようにしましょう。

【てんかん発作の予防法2.】ストレスに注意する

てんかん発作は脳の暴走にあるので、脳を疲れさせる行為には注意しなくてはいけません。特に精神的なストレスは、脳に過剰な負荷をかけて暴走させてしまう可能性があります。

特に苦手な人間関係を続けていると、思いもよらないストレスを受けてしまう可能性もあります。嫌いな上司や知人などと話しているだけで緊張する…などの症状がある場合には、特に1対1で会わないなどの工夫が必要です。

ストレス解消の基本はストレス要因から離脱することなので、無理に克服しようと考えるとてんかん発作を招いてしまうことになります。「ストレスは脳の疲労」と理解して、ストレス要因を作らないようにしましょう。

【てんかん発作の予防法3.】身体をしっかりと休める

身体が疲弊している状態は、脳も疲れていることが考えられます。てんかん発作が現れる状況として、疲労の蓄積があることから、十分な休息を心掛けるようにしましょう。

特に睡眠は脳を休息させるだけでなく、自律神経を整える作用もあることから重要です。最低でも7時間は睡眠をとって、脳を休めるようにして下さい。

【てんかん発作の予防法4.】過度な運動は避ける

運動はストレスを発散させる効果が期待できますが、負荷の強い運動は身体だけでなく脳を刺激しててんかん発作を発症させてしまいます。

特に呼吸が荒くなるスポーツ(マラソン、サッカーなど)では、荒い呼吸で自律神経が刺激されることから脳を興奮させてしまう恐れがあります。てんかん発作を予防するためには、負荷の強いスポーツは避けるようにして下さい。

また運動中にてんかん発作が起こると、状況によってケガをする場合もあります。特にスイミングではプールで発作が起きると、そのまま沈んでしまい死亡するケースもあります。

どうしても負荷の強いスポーツをする場合は、周りの人に事情を説明して、イザと言う時には助けてもらえる体制を作るようにしましょう。

【てんかん発作の予防法5.】気のゆるみには注意が必要

てんかん発作は脳に負荷がかかっている時に発症するだけでなく、なんと気が緩んだリラックス時にも起こることがあります。特に入浴時に「ホッと」した瞬間に、発作が現れることもあり注意が必要です。

てんかん発作を抑えるにはこのような気の緩みを見逃さないことも予防法になります。

てんかん発作を経験していると何となく発作の前ぶれみたいなものを感じるようになります。それは「軽い頭痛」であったり、「目眩(めまい)」であったりしますが、その状態で気がゆるむと発作が始まってしまいます。

このような時は思いっきり「ギュッ」と力を入れて、気がゆるまないようにするのです。こうするだけで気にゆるみはなくなり、発作も抑えられることがあります。

嘘みたいな話ですが、結構効果があるようなので、試してみてみるのもよいかもしれませんね。

【てんかん発作の予防法6.】目からの刺激に注意して

脳に与えるストレスには様々なものがありますが、中でも気をつけたいのが目からの刺激です。目は光を浴びることでそれを脳に電気信号として送っています。

しかし強い光や点滅した光を一定以上浴びると、それが強い刺激となっててんかん発作を誘発させてしまう原因になります。

特にテレビを一日中見ていたりすると刺激が強くてんかん発作を起こしてしまう危険性があります。強い光には注意しましょう。

【てんかん発作の予防法7.】スマホの使用は控える

最近では誰もがスマホを持っていて、「ながらスマホ」により一日中ネットと接続しています。スマホのように小さな画面を一日中眺める行為は、目を疲れさせて脳に強い刺激を与えてしまいます。

またスマホの設定によっては、バックライトが強くなりすぎて、強い光で脳を刺激してしまいます。

てんかん発作を予防するのであれば、パソコンやスマホの使用は限定した方がよいでしょう。また使用する際には「ブルーライトカット機能付きモニター」や「PCメガネ」を使用するのもオススメです。

てんかん発作を予防するなら、スマホゲームはほどほどに!

【てんかん発作の予防法8.】アルコールは我慢する

てんかん発作と飲酒はどうも相性が悪いようです。特に強いお酒は脳を麻痺させる働きが強くなるので、オススメすることはできません。アルコールがてんかん発作にどのように影響するのかまとめてみましょう。

脳に直接作用する

アルコールの酩酊作用(酔っ払う)は、直接脳を麻痺させることで現れる作用です。特に沢山のアルコールを摂取すると、脳が疲弊してしまいてんかん発作の引き金になってしまうのです。

またアルコールで酔っ払った状態で、てんかん発作が起きてしまうと、嘔吐により気管がふさがり呼吸ができなくなる危険性も考えられます。

抗てんかん薬の効果が低下する恐れがある

抗てんかん薬は肝臓で代謝されて、全身に広がって行きます。アルコールも肝臓で代謝されるために、同時に服用すると効果が低下してしまうことがあります。

そうなると抗てんかん薬の分量を必要以上に増加させたり、別の薬に変更したりするなどの対策が必要になるかもしれません。抗てんかん薬の効果を最大限に引き出すためには、アルコールの摂取は控えたほうが得策です。

アルコールは脳を休ませない

「お酒は睡眠薬だ」と言う人がいますが、実はアルコールで眠ってもその眠りは浅く、十分な休息を脳に与えることはできません。

大酒を飲んだ翌日に頭がスッキリしないことがありますが、これはアルコールにより脳は疲労したままで休息が足りない状態になります。

てんかん発作を予防するには、脳を休ませることが大切です。質のよい睡眠を邪魔するアルコールは、てんかん発作を誘発しています。

てんかん発作の予防は規則正しい生活が不可欠です。また睡眠は特に大切なので夜更かしには注意したいですね。

発作が起きた時の対処法とは

てんかんは人口の0.5%~1%程度いることから、だいたい100人に1名程度の割合と思われます。これは決して少ない数とは言えず、いつてんかん発作を目の当たりにするのか解りません。

そこで自分がてんかんを発症した場合と、てんかん発作に出会った場合にできる対処法を考えてみましょう。

【患者が行う対処1.】てんかん発作の前兆を見つける

てんかん発作には前兆があると言われています。それは何回か発作を経験していく上で、少しずつ身についたもので、全ての患者が同じ前兆を感じる訳ではないのです。

代表的なてんかん発作の前兆を紹介します。

てんかん発作の前兆

  • 手、足、顔などがピリピリする感覚を受ける
  • 軽い頭痛を感じる
  • ムカムカするような吐き気を感じる
  • 目眩のような感覚で景色が歪んで見える
  • 耳の聞こえ方が悪くなる(左右の一方が強くなる)
  • 言葉が突然出なくなる
  • 不安感が急に出てくる
  • 発熱(37.5℃以上)
  • その他

これはあくまで一例なので人それぞれに前兆はあると思います。中には感覚的なものもあり、言葉で表せないものもあるでしょう。

しかしそのような前兆をしっかり理解することは、これからの生活にとって重要であり、てんかん発作によって不必要な事故を防ぐポイントになります。

発作時の記録をメモして、前兆となるものを見つけるようにしましょう。

【患者が行う対処2.】てんかん発作の前兆が現れたら安全確保

てんかん発作が起こると身体が自分の意志ではコントロールできず、場合によっては意識も失ってしまうことも珍しくはありません。これはとても危険なことで交通事故や転落事故に巻き込まれる可能性もあるのです。

そこで大切なのが「安全確保」です。前兆によりてんかん発作が起きると思ったら、まず周りの状況を把握して安全な場所に移動するようにします。

階段であれば踊り場に移動して、横断歩道であれば渡るのを止めます。また急な発作で間に合わない場合もありますが、そのような時はまずしゃがむことで転倒事故を防ぐことができます。

安全確保は自分だけでなく、周りの人に影響を与えないために大切な行動です。出来る限りでよいので考えてみましょう。

【周りで行う対処1.】周りの人は慌てないことが大切

家族や友人が急に発作を起こしたら、慌ててしまうのは仕方がありませんが、まずは心を落ち着かせて対処することが重要です。

一般的なてんかん発作は早ければ数分、長くても5分程度で治まることが多く、その後意識も回復します。まずは本人の意識の確認と、発作による外傷がないかをチェックするようにして下さい。

また痙攣が長く続いたり、収まった発作を繰り返したりするようであれば、病院での治療が必要なので救急車を呼ぶようにしましょう。

発作を起こしているのは患者なので、周りの人がパニックになる必要はありません。慌てずに対処しましょう。

【周りで行う対処2.】安全な場所に移動させる

てんかん発作を見かけたら安全な場所に移動させるようにして下さい。特に痙攣を起こしていると、障害物で打撲を負ってしまうことがあります。

患者の周りにぶつかるものがないかを確認して、危険なものが無いように気をつけましょう。

【周りで行う対処3.】呼吸を確保する

てんかん発作で意識がない状態で最も注意したいのが、呼吸の確保です。首元やベルトを緩めて呼吸しやすいようにして、上向きではなくなるべく横向きになるように寝かせて下さい。

特に発作後に嘔吐してしまうことがありますので、嘔吐物が詰まらないように配慮しましょう。

【周りで行う対処4.】口にハンカチをつめてはいけない

てんかん発作が起こると「舌を噛まないようにハンカチを口に入れてっ!」と言う人がいますが、これは危険な行為です。

確かに痙攣は舌を噛んでしまうこともありますが、口に物をいれることは呼吸を阻害して嘔吐物を詰まらせてしまう危険性もあります。

また介護者が口に手をいれることで、噛まれて負傷してしまうことも考えられます。

無理に物を詰めるのではなく、舌顎を上に向けるなどして舌を噛まないような姿勢を取らせるようにしましょう。

【周りで行う対処5.】意識が回復しても休ませる

てんかん発作が終わって意識が回復すると、患者は慌てて立ち上がろうとします。しかし意識は回復していても、脳の興奮状態は続いており、手足に影響が残っていることがあります。

その状態で立ち上がって歩き出すと、フラついたり転倒したりすることが考えられます。意識が回復しても最低10分はそのまま休息させるようにして下さい。

てんかん発作よりもそれによる二次的な事故に気をつけなくてはいけません。「安全確保」と「呼吸の確保」を忘れないようにしましょう。

てんかんと上手に付き合う心構えを

てんかんが発症すると治療で完治させるには時間がかかります。中には一生てんかんと付き合って行く人も少なくないと思います。

しかしちょっとした前兆を見つけることで、様々な対処ができるようになるのも事実です。またてんかん発作の予防法を実践することで、発作の回数を半分程度に削減した人もいるそうです。

てんかんでは治療も大切ですが、日常生活で上手に向かい合う心構えも必要なことです。

これ以上てんかん発作で痛ましい事故が起こらないように、上手にセルフコントロールを実践してみましょう。

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