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【てんかんとは】遺伝の有無や車の運転は?発作予防は薬で可能

てんかんという病気については、最近交通事故に関係している可能性について話題になっているので、気になっている人も多いのではないかと思います。

この病気は誰でも発症する可能性があるので、まずはどんな病気なのかから見てゆくことにしましょう。

てんかんとは?脳の中の命令系統の大混乱で発作が起きる

てんかんと言う病気については、大きなうめき声とともに意識を失って倒れ、その後全身を硬直させて痙攣する強直間代発作(てんかんの大発作)など、目立った大きな発作が有名ですが、実際にはそれだけではありません。

例えば、欠神発作と呼ばれるものでは、立っているときには立ったまま意識を失い、それが数秒から30秒程度続きます。倒れないので気づかれにくいですが、もしこれが運転中だったら事故につながりますね。

てんかんは神経ネットワークの電気的暴走

私たちの脳の中にある神経細胞は、電気的なネットワークとしてつながっています。そして、普段はさまざまな情報のやり取りを、微弱な電流の形で行っているのです。

ところが、何かのはずみで神経細胞の接続の一部から、突然大きな電流が流れ出してしまうのが「てんかんの発作」なのです。

そう言う予定外の、しかも普通よりずっと大きな電流が流れ出してしまうと、脳の中の様々な命令が上手くやり取りできなくなります。その結果、身体に正しい命令が伝わらなくなって発作が起こるのです。

その「何かのはずみ」が何なのかは人によって違います。脳の病気やけがによるものもあれば、原因がわからないタイプのものも数多く存在しています。

ただ、重要なポイントは、「同じ人では同じところで電気的トラブルが起こる」と言うことです。つまり、てんかんがある人では、発作が起こった場合、常に同じ症状が現れるということです。

ですので、今日は痙攣で明日は失神と言った、バラバラの状態にはなりません。つまり、予測対応がしやすいということが、てんかん発作の特徴でもあるのです。

てんかんは遺伝することもある

曖昧な言い回しですが、遺伝するてんかんは、てんかん全体の一部にすぎないのです。てんかんの内、ベースになる病気がないものを特発性てんかんと言います。

特発性てんかんについての遺伝子は、かなり特定されていますが、多くのてんかんは複数の素因や外来の刺激によって、偶然てんかん発作を引き起こす条件が整った時に起こります

こうしたものを多因子遺伝と言いますが、一言で言うと「てんかんになりやすい体質は遺伝する可能性がある」という事です。

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一方で、基礎疾患によって引き起こされるてんかんを「症候性てんかん」と呼んでいます。症候性の原因になるのは、奇形、脳炎、脳梗塞、脳腫瘍などです。

症候性てんかんでは、基礎疾患のため知的障害や四肢の麻痺が見られるケースが多くなっています。

てんかんは意外に判りやすい病気

このように、てんかんというのは脳の中で電気信号が異常を起こすことで発作が現れる病気で、発作が起こる場合、必ず同じ発作が起こる病気であるということです。

そして、その発作の原因が遺伝によっててんかんになりやすい体質が遺伝したところに、何らかの外的な要因が加わって起こっている場合と、主に脳の中に病気や怪我があって、発作が起こっている場合があるということです。

後ほど詳しくお話しますが、発作に関しては、予防薬をきちんと服用しておくことで防ぐこともできる病気です。

脳の中の電気といってもピンとこないかもしれませんが、脳波計と言うのは、その電気信号を拾って、波の形のグラフを描き出している装置なんですよ。

歯を食いしばって卒倒するだけじゃない!てんかんの症状

てんかん発作というと、突然身体を固くして、歯を食いしばり卒倒してしまうという派手なものを連想する人が多いでしょう。これは症状が激しいために印象に残りやすいからで、これが必ずしもてんかんの発作とはいえません。

このタイプのものは大脳の両側にまたがる、広い範囲で電気的な興奮が起こっています。多くの場合、本人には意識はありません。

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強直間代発作と言う典型例

この、突然意識を失い、身体を固くして、歯を食いしばり卒倒してしまうという発作は、強直(きょうちょく)発作と呼ばれ、呼吸も発作の間は止まっていることが多いです。

大きな唸り声を上げて倒れることが多いので、周囲の人は大変驚きますし、てんかんの大発作を見たことのない人は、うろたえてしまうかも知れません。

そして、その発作の後は、膝を折り曲げ、手足をガクガクと曲げ伸ばしする痙攣発作に移行します。これを間代(かんたい)発作と言います。間代痙攣の状態では痙攣のリズムに合わせて唸り声を上げることが多いです。

この、30秒から1分ぐらい継続する一連の発作を、まとめて強直間代発作と言います。昔は「てんかんの大発作」と呼ばれていました。昔は舌を噛まないように口に物を突っ込むという対応をしましたが、今はその必要性はないとされています。

それよりも、強直発作で倒れた時に、周囲に危険なものがないかを確認して、安全なスペースを確保、同時にタオルなどを準備して、間代発作に移行した時下に敷いて、痙攣によって頭を床で打ち付けないように配慮することが大事です。

発作が治まったら、ほとんどの場合眠ってしまうか、意識が朦朧とした状態になります。この発作では身体を固くして倒れるため、転倒時にけがをすることがあります。眠りに移行したらけがをチェックしてあげましょう。

強直間代発作では尿失禁・便失禁が見られるケースもありますので、配慮してあげることも大事です。

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全身の力が抜ける脱力発作

強直間代発作とは対象的に、脱力発作では全身の筋肉から緊張がなくなってしまうために、立っていた場合、崩れるように倒れてしまいます。継続時間が数秒と短いもの特徴です。

一方、椅子に座っている場合などは、脱力するだけですので、継続時間が短いこともあって発作に気づかれないケースもあります。

倒れた時にも、崩れるように倒れるため、危険なものを持っていたり、危険なものの上に倒れたりしない限り、比較的けがの少ない発作です。

欠神発作は意識だけが途切れる

欠神(けっしん)発作は、意識だけが数十秒間なくなる症状です。倒れたり、痙攣したりはしません。ですので、会話中にこの発作が起こった場合、話が突然途切れます。呼びかけても反応はなく、動作も停止してしまいます。

顔を見ると、眼球が上に向いてしまっていて、まぶたが痙攣していることはあります。子供に多いタイプのてんかんで、女児に多く見られます。

親御さんや先生たちが注意しなければいけないのは、子供が突然「心ここにあらず」の状態になったように見えて、単なる注意力散漫な子供だとか、集中力が途切れやすい子供だとかの評価を下してしまうことです。

何か、自分の楽しいことでも考えていて、そっちに入り込んでいると思い込むことは、その子の、てんかんの治療機会を失わせることになります。注意深く子供の様子を見ていれば、眼球の動きやまぶたの様子から、異常は察知できると考えられます。

なお、時々誤解されますが、欠伸発作ではありません。欠伸(あくび)とてんかんの間には関係性は存在しません。

ミオクロニー発作は熱いものを持っていると危険

ミオクロニー発作は全身や四肢の筋肉が突然ビクっと痙攣するものです。何度か繰り返すことがあります。

手に持っているものを投げ飛ばしてしまうぐらい、ビクッとする動きが強いこともありますので、熱いものや刃物を持っていると危険ですね。

寝起きや寝入りに起こりやすいのですが、足だけ、手だけがビクッとする「睡眠時ミオクローヌス」とは別物です。気になるようであれば、脳波検査を受けてみて下さい。

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てんかんには部分発作というものもある

ここに列記したのは、全身性に起こるてんかん発作で、全般発作と呼ばれます。他にもいくつかありますが、代表的なものを紹介しました。

また、てんかんには部分発作と呼ばれるものも存在していて、体の一部に痙攣や異常な動きが起こるケースがあります。こうした場合、意識が保たれている場合と、意識が失われる場合があります。

意識を失っても倒れるわけではなく、本人の記憶がないだけで、勝手に歩き回ったりする、無意味な動作を行うことが多くなります。

さらに、こうした部分発作が予兆のようになって、続いて強直間代発作に進展する場合もあります。もし、そうした発作を経験した場合、部分発作は強直間代発作の前兆だと意識して対応して下さい。

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私も若い頃は良く寝入りばなにビクッとして目を覚ましました。いつの間にか起こらなくなりましたね…

てんかんの治療の基本は薬物療法

てんかんは予防薬を服用することで、発作を未然に防ぐ事ができる病気です。しかしながら、長期に渡って飲み続ける必要のあるお薬ですから、「ついつい飲み忘れた」はダメです。

特に自動車や自転車、工作機械や炎が出るタイプの調理器具などを扱う人は、飲み忘れたら扱えないと意識して、しっかり飲んでくださいね。

発作が一定期間なければ運転はできる

主治医の許可が出ていれば、運転免許の取得や更新は可能です。一方で、2年以内に発作を起こしたことがあると、免許を持っていても道路交通法によって運転が禁止されます。

また、てんかん学会は、大型免許や2種免許は取得・更新しないように求めています。一方で、5年以上コントロールされていて、お医者さんの指示で抗てんかん薬を使わなくても良くなっていた場合には、運転適性ありとされます。

逆に、てんかん発作を起こした後に自分で運転してお医者さんに行ったりして、違法に運転していることを知られると、お医者さんから警察に通報されることがあります。

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抗てんかん薬は種類が非常に多い

抗てんかん薬はさまざまな種類のものが発売されていますので、ここではお薬の種類は紹介しません。たくさんの種類があるということは、それだけきめ細かに、症状に応じた対応が可能だということです。

お薬を使う上で絶対にやってはいけないことが2つあるので、それはしっかり守って下さい。

第1は、他の人とお薬のやり取りをしてはいけないということです。それだけ種類があるということは、同じ抗てんかん薬でも、人によって効くものと効かない物があり、その判別が難しいので、他人と薬のやり取りをしてはいけません。

第2は、絶対に自己判断でお薬を中断しないことです。急激な中断や減薬は、症状を悪化させることがあります。お薬を中止する際は、お医者さんの指示に従って、服薬量を変化させてゆくことが必要です。

一部の難治性てんかんでは手術対応もありえますが、ほとんどの場合お薬が有効です。出されたお薬はしっかり全部飲みきってくださいね。

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