健康生活TOP 脂質異常症 LDLを下げる食べ物が機能性表示食品に登場!そのサプリの成分とは

LDLを下げる食べ物が機能性表示食品に登場!そのサプリの成分とは

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健康にまつわる食品の表示は消費者庁が管轄していますが、2015年4月から第3の表示制度が始まり6月からは市場に商品が投入されています。

それは「機能性表示食品」です。従来の「特定保健用食品」に比べて、検査などの規定が緩いため、中小企業にとっても参入しやすく消費者の選択肢も広がることが期待されています。

機能性表示食品と特定保健用食品・栄養機能食品の違い

見出しに書いた3種類の食品は、基本的に消費者庁の管轄にある保健機能食品と言うジャンルに属する、いわば「普通の食品である健康食品」とでもいうような存在です。

健康食品と言うと、錠剤やカプセルやドリンク剤など、医薬品と似たようなルックスのものがい多いのですが、保健機能食品は、もちろんサプリもあるものの、「普通の食品」に機能が表示されたものが多いと言えるでしょう。

トクホの取得には膨大なコストがかかる

どのお役所が所管しているかと言うと、イメージとして厚生労働省のような気がしますが、2009年に消費者庁に移管されました。この3つの中で最も古いものは特定保健用食品、いわゆる「トクホ」です。

トクホは1991年に制定され、1998年にヤクルトが最初に取得しました。このトクホについては国が機能を保証する制度ですが、それだけに審査には非常に時間とお金がかかります。

現在では数千万円程度にまで値下がりしたようですが、10年くらい前までは1品目につき最低でも2~3億円のコストがかかったため、中小企業が手の出せるレベルじゃなかったんですよね。

ですから、優れた機能を持つ食品を作っている中小企業があっても、事実上トクホの道は閉ざされていたんです。今でもトクホの商品って高いです。

例えば500万本のトクホのコーラを売ったとして、トクホ用の原料成分の値段などは別にして、1億円の取得費用をカバーしようと思ったら1本20円を上乗せしなくちゃならないからなんですよ。

ただ、これが1年で1億本売れるとなれば、5年で償却するとして1本あたり0.2円。企業努力で吸収できる範囲に収まりますから、大企業の商品にしかトクホが無理だったというわけです。

栄養機能食品は定められた成分を含んでいれば表示できる

2001年に始まった栄養機能食品は、厚生労働省が定めた栄養成分が、一般食品に比べて一定の割合以上強化されている場合に、審査を受けなくても表示できる制度です。

また、これとは逆にコレステロールや糖質・糖類などを含まないなどと言う表示もこの栄養機能食品の表示制度に従ったものです。

強化されていることが表示で生きる栄養素は以下の通りです。

  • 亜鉛
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • ナイアシン
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • 葉酸

企業の責任で機能性を表示できる機能性表示食品

事前に企業から消費者庁に対して科学的根拠が届け出られた食品について、その科学的根拠に基づいた機能性を表示することが2015年4月から受け付けられるようになり、6月から販売が開始されました。

トクホとは異なり、莫大な費用をかけて審査を受ける必要がないために、中小企業や第一次産業関係の生産者からも機能性食品が消費者に届けられるようになる制度です。

例えば、この健康生活のサイトでも2015年5月にご紹介した「βクリプトキサンチンの効果で骨粗しょう症が予防できる温州みかん」について、研究を行っていた三ケ日みかんが2015年11月から機能を表示する予定です。

一方、そうした裾野が広がるメリットの裏側には、国による審査が行われていない、つまり責任を事業者側に丸投げしているというリスクもあります。

ですので、消費者としては充分な知識を持って、こうした商品を賢く利用したいものですね。この健康生活のサイトもぜひ活用してください。

サプリにも適用されるの?されるのです!早速適用例が出ました

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今回紹介するのは、LDLコレステロールを下げるという機能を謳った、粒状のサプリメントです。販売開始は2015年の11月1日となっています。

この商品の宣伝をするつもりはありませんので、ここで商品名を紹介することは控えさせてもらいます。

サプリ大国で大人気のフランス松抽出成分・ピクノジェノール

この新しいサプリは、海外で人気の抗酸化サプリ・ピクノジェノールの主要成分と同じものを有効成分としています。

ピクノジェノールはフランス企業の商標で、日本企業も同様の製品を作っており、こちらはフラバンジェノールと言う商標ですね。どちらもフランス海岸松の樹皮成分やブドウの種から抽出したものです。

これらのサプリの有効成分はOPC(オリゴメトリック・プロアントシアニジン)と呼ばれる化合物群です。アントシアニジンは有名なアントシアニンの非糖部分(アグリコン)です。

そのアントシアニジンの前駆体がプロアントシアニジンで、それが2~4くらいくっついた(オリゴメトリック)ものがOPCです。ちょっとややこしいですね。

日本語では縮合タンニンとも呼ばれます。縮合とは2つ以上の分子が水などの小さな分子を切り離しながら繋がってゆくことです。

このOPCの中にはプロシアニジンと言う生理活性を持つポリフェノールが含まれていて、その中のプロシアニジンB1と言う抗酸化物質が今回発売される機能性表示食品のサプリなんです。

プロシアニジンB1にはLDLコレステロールの低減作用が動物実験で見出されていますので、それがこの食品の機能性表示に示されています。

もちろんLDLコレステロールの低下作用は、フランスにおいてピクノジェノールなどのフランス海岸松抽出サプリにも認められている効果です。

有効性の根拠は動物実験によるものだった

もちろん医薬品ではありませんから、人間による臨床試験は必要とされていません。見てみると、この商品の有効性の根拠はラットを使った動物実験によるものでした。

また、有効成分には「松樹皮由来プロアントシアニジン(プロアントシアニジンB1として)が含まれる」とされているので、実際にはピクノジェノールやフラバンジェノールと同じようなものかもしれません。

そのうちの一部だけを有効成分として申請することで書類を簡略化した可能性は十分にあると思います。

もちろん、そのことによって申請された内容が嘘であるということにはならず、むしろ隠れた有効性があるかもしれないという期待にはつながりますね。

禁忌対象者や副作用情報が少し弱いかもしれない

この商品については、妊娠中やその可能性のある人は医師と相談するようにと言う案内があります。また、松皮アレルギーのある人は摂らないようにと案内されてもいます。

一方、国立健康栄養研究所によると、松皮抽出物についてかなり安全なものである旨の情報が示されています。1日あたり200~450mgを3か月まで摂っても安全であったということです。

この製品には約2.5mgのプロシアニジンB1が含まれているということです。この量が松皮抽出物に換算した場合どの程度の量になるかはわかりませんが、まさか100倍にはならないと思うので、まず心配はないでしょう。

一方、理論的な可能性として糖尿病の人や低血糖症の人、出血障害のある人は摂取に注意が必要としています。

また、同じく理論的な相互作用の可能性として、次のような薬やサプリなどとの併用には注意が必要だとしています。

  • アンジオテンシン変換酵素阻害薬
  • アンジオテンシンII受容体遮断薬
  • 血糖値に影響する医薬品(糖尿病治療薬など)
  • 血糖値に影響するサプリやハーブ
  • 出血のリスクを増大させる可能性のある医薬品(抗凝固剤など)
  • 出血のリスクを増大させる可能性のあるサプリやハーブ
  • 免疫抑制剤
  • 免疫賦活剤
  • 抗酸化剤

ですので、これらのお薬やサプリなどを摂っている場合にはあまり使わない方が良いのかもしれません。

機能性表示食品の利用法とは?補助的食品としての位置づけ

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さて、新しい制度で機能が表示される商品の例を紹介してきましたが、私たちはこれらの商品をどのように利用するのが良いのでしょうか。

これは私の個人的な考え方になりますが、常用するのではなく、何かの機能が欲しい時に一般の食べ物からだけでは不足する場合に利用するのがいいと思います。

先にお話しした栄養機能食品は、基準値以上のビタミンやミネラルを含んでいる場合に表示できる制度でした。しかし、例えばビタミンであってもビタミンKは対象に入っていません。

また、ミネラルについても、健康増進法に基づく食事摂取基準の対象として挙げられている13成分のうち5成分しか対象になっていませんね。

何らかの事情でこうしたものを補助的に食べ物から摂りたい時に、機能性表示食品にそれがあれば便利です。

また、トクホには存在している、食物繊維を強化した食品についても、場合によっては機能性表示食品で十分であると消費者が判断すればそっちの方が割安になるでしょう。

ですので、この機能性表示食品は、トクホや栄養機能食品を補完する位置づけで利用するのがいいと思います。

また、例えば普通の農産物であるみかんなどは常用しても良いでしょうけれど、サプリ型は必要に応じて摂るというスタンスが、副作用防止の観点からもおすすめです。

【栄養補助食品】

かつて、「健康食品」に係る制度の見直し(平成16年)以前に、よく使用されていた名称。

当時(平成12年頃)は、栄養成分を補給し、または特別の保健の用途に資するものとして販売の用に供する食品のうち、錠剤、カプセル等通常の食品の形態でないものと一応、定義されていた。

現在、国が制度化、定義しているものではない。

【健康補助食品】

栄養成分を補給し、または特別の保健の用途に適するもの、その他健康の保持・増進及び健康管理の目的のために摂取される食品として、財団法人日本健康・栄養食品協会が提唱している。

このような内容のものですが、国が制定していないジャンルであっても、栄養補助食品や健康補助食品と言う位置づけは実用的なんじゃないでしょうか。

機能性表示食品と特定保健用食品・栄養機能食品の使い分け

こうしたお役所的な分類と言うのは、なんとなく難解でややこしいものですが、それなりに意味のある分類ですから、私たちはそれをうまく活用すればお得だともいえます。

日々の健康に生かしてゆくための方法をまとめてみましょう。まず一番大事なのは、こうした保健機能食品より、毎日食べている普通の食品を大切にするということです。

三大栄養素以外にも、1袋25円のもやしには80μg以上の葉酸、130mg以上のカリウムや2.6gの食物繊維が含まれています。100g97円の豚肉には5mgほどのナイアシンや1mg以上のパントテン酸が含まれています。

普段から口に入れている物の大切さをよく認識した上で、何か足りないものや少し余分な効果を期待したいものがあれば、保健機能食品を利用するのが好ましいのです。

裏付けのしっかりした特定の用途に使いたい場合は「トクホ」、特定保健用食品を使いましょう。

ビタミンやミネラルに不足を感じたときは栄養機能食品が良いですね。

そして、栄養機能食品には含まれないビタミン・ミネラルや、用途をそれほど特定しない補助的な栄養を求める時には、新しいジャンルである機能性補助食品が適しています。

様々な制度が次々に出てくるので混乱しそうですが、こうしたものはメーカーを儲けさせるためにあるのではなく、消費者にとって判断の目安となるためのものです。

ですから、消費者の側としても充分な事前の知識を持って、国が無料で準備してくれた情報をフル活用したいものですね。

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