健康生活TOP 脂質異常症 オリーブ葉のサプリは避け、抗炎症・抗酸化成分はオイルでとろう

オリーブ葉のサプリは避け、抗炎症・抗酸化成分はオイルでとろう

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脂質異常症に高い効果が期待できるだけではなく、高血圧を正常化し、血糖値の低下も期待できる新しいサプリとして、オリーブオイルならぬオリーブの葉エキスが注目されているようです。

しかしながら、オリーブの葉に関しては安全性が充分確認されていませんし、そもそも葉っぱから摂れる有益な成分は、オイルからでも充分に摂れる物なのです。

宣伝文句や風評に惑わされず、しっかりその成分の知識をつけておきませんか?

新成分オレウロペイン

今注目を集めている、オリーブの葉に含まれる成分はオレウロペインと呼ばれる有機化合物です。

強い抗酸化作用を持ち、アドレナリン・ノルアドレナリンの活性化、サーモゲニン活性化の働きを持っている物質です。

なぜか宣伝されないダイエット効果

実は、現在オリーブの葉の効果効能として宣伝されているのは、抗酸化作用に基づく部分だけなんですね。でも実際のところ、サーモゲニン活性化の方が一般受けしそうな気がします。

サーモゲニンと言うのは冬眠している動物が体を震わせることなく褐色脂肪細胞から熱を発生させ体温を維持するための物質、つまり強力な脂肪の熱変換効果を持っている物質なのです。

でも、そのことにはあまり触れられることはないようです。なぜ宣伝されないのかについては、明快になった理由はありません。

でも、想像できることは一つあるんですよ。実は褐色脂肪細胞によるエネルギーの消費には大事な要素が一つあるんですが、黄色人種にはそれが働いていない人が多いんです。

いわゆる節約遺伝子の効果なんですが、まさに節約遺伝子によって阻害されてしまうその要素こそが、サーモゲニン活性化によって期待されるダイエット効果なのです。

ですから、日本人に対してオレウロペインの効き目でダイエットできると言う宣伝をすると、効かなかったと言うクレームを量産しかねないからじゃないかと想像してしまうんですよね。

血中脂質の改善

これは、かなり効果のある部分だと思われます。高い抗酸化効果を持っているので、酸化ストレスから身体を保護してくれます。そのため悪玉コレステロールの量も抑えられますね。

また、悪玉コレステロールが酸化されてしまうと言う悪い現象を抑えることも期待できます。

LDL-c低減効果

数十名、数週間の小規模実験ですが、オリーブの葉抽出物を投与したところLDL-cが有意に低下したと言うデータがあるようです。

ですので、ある程度の効果があるのは認められるようですが、長期間大規模研究はまだ発表されていないので、どこまで信頼性があるかは微妙なところです。

それに対して抗酸化作用のデータはかなり整っているようですね。ですから抗酸化物質としてオレウロペインを含むオリーブの葉は有効と言えるかもしれません。

宣伝のトリック

オレウロペインを中心としたポリフェノール群が、エキストラバージンオリーブオイルの数十倍も含まれていると言う宣伝を目にすることがあります。

これは嘘ではないと思います。そもそも、普通に美味しく食べられるオリーブオイルと、一般食品ではないオリーブの葉のエキス(=抽出濃縮物)を比較する段階で、数字のマジックが働いているだけなんです。

苦くないの?

お手元に新しいエクストラバージンオリーブオイルがあったら、小さじ半分ほど口に含んでみて下さい。油臭さのない新鮮なオイルであれば、けっこう辛味や苦味が口に拡がると思います。

例えば南フランスからイタリア北西部のリヴィエラで獲れる、タッジャスカ種の完熟系オイルなど、ごく一部の例外を除けば、これがオリーブオイルの特性と言っても良いでしょう。

この苦味や辛味はポリフェノールに由来するものなのです。オリーブオイルに含まれるポリフェノールのルテオリンには強い苦味がありますし、同じくオレオカンタールには刺激的な辛味と苦みがあります。

オレウロペインもポリフェノールですから苦みや辛味などの刺激があると思われるんですが、それに言及したサプリの宣伝はごく一部、私が見たのは外国製のものしかありませんでした。

しかも、それによると「苦みをなくした」と書かれているんですね。化学成分としての特性で苦味や辛味があるのに、苦みをなくしても元の成分のままなんでしょうか。

副作用は大丈夫?

また、オリーブオイルの数十倍もポリフェノールが含まれていると言う広告も見かけます。はたしてそんなに苦いのは大丈夫なんでしょうか?

オリーブオイルの苦み成分であるルテオリンは、抽出してエキスにしたものでは胃腸症状が出る副作用があるとされています。あんまり苦いとそういう症状が出ても不思議じゃないですよね。

また外国の話ですが、胃潰瘍の手術歴がある男性が、糖尿病の治療のためオリーブの葉を常食していたところ、胃で固まって胃石になり、それが小腸閉塞をもたらしたと言う例も報告されています。

有効成分のマジック

もちろんオレウロペインはオリーブオイルよりオリーブの葉の方に圧倒的に多く含まれますが、これにはわけがあります。

それは、オレウロペインの化学的構造と生物の中でどのように代謝されるかと言う部分にその差の原因があるのです。

オレウロペインの構造

オレウロペインは二つの物質が化合した状態のポリフェノールです。その一つがヒドロキシチロソールと言うポリフェノールです。これは非常に優れた抗酸化作用を示すものです。

数字の上での抗酸化作用はオリーブオイルに含まれる他のポリフェノールと大差ないのですが、オリーブオイル内での濃度が高く、重要な全体効果を持つので身体にとって大変有用なのです。

もう一つはエレノール酸です。これは抗菌作用を持つ有用な化合物として知られていますが、重要なのはオリーブ果実の成熟を示すマーカーになっていると言う事ですね。

つまり、オリーブの実にも多く含まれていたオレウロペインは、オリーブオイルが絞れるくらい成熟したオリーブ果実の中では、エレノール酸とヒドロキシチロソールに代謝されてしまっているのです。

成熟した果実の中、そしてオリーブオイルにはオレウロペインの残量が減る一方で、少なくともオレウロペインと同じくらい有用な2つの物質が増えているんですね。

ですから、単純にオレウロペインの量だけを測定すると、オリーブの葉に圧倒的に多いと言う現象が起こるのです。

オレイン酸の効果

オリーブの葉のサプリメントの広告を見ると、オリーブオイルはカロリーが高いけれど、オリーブの葉にその心配はないと書かれているのもよく見ます。

しかしながら、それはオリーブの葉のサプリに血中脂質改善効果が半分しかないと言っているに等しいんですよ。

血中脂質改善効果と食用油

血中脂質の状態を改善するには三つの方法があります。

  • 中性脂肪の改善:糖質制限と禁酒
  • 善玉コレステロールの改善:運動と禁煙
  • 悪玉コレステロールの改善:動物性脂肪を減らし植物性油脂を摂る

この三つですね。

オリーブの葉に期待されるのは一番下のものと同じ効果です。でも、カロリーが少ないと言う事は、オリーブオイルの持つオレイン酸による悪玉コレステロール低減効果がないと言う事です。

オレウロペインの危険性

危険性と言うとやや大げさですが、サプリの宣伝などで見られる、高血圧にも効果があったと言う現象は、かなり限定的なグループに対してのものではないかと思われるんです。

オレウロペインの優れた生理活性の一つに、アドレナリン・ノルアドレナリンの活性化、つまり「元気になる」と言う部分があります。

交感神経刺激物質

アドレナリンが活性化されると交感神経が刺激され、活発に活動するための条件が整えられます。

  • 血圧の上昇
  • 心拍数の増加
  • 血糖値の上昇
  • 筋肉への血流増加
  • 痛覚の麻痺
  • 消化器の活動低下

などが起こり、肉体の激しい運動に耐えられるよう身体の条件を準備するわけですね。

またノルアドレナリンですが、アドレナリンと同じように交感神経を刺激し、血圧の上昇などの他、脂肪のエネルギーを放出させ、筋肉の動きを素早くします。

副作用になるかも

特に身体がそれを必要としていない時に、交感神経が刺激されると言う事は高血圧や高血糖の原因になりますから、むしろ良くないことと考えても良いでしょう。

ですから、高い抗酸化効果を持っていても、オレウロペインよりも、それが分解された後のヒドロキシチロソールの方が、アドレナリン類の活性化効果がないので好ましいのではないかと思われます。

抗酸化効果において、ヒドロキシチロソールはオレウロペインに劣るものではありません。実際、オレウロペインが抗酸化物質として働く際には、一旦ヒドロキシチロソールに分解されてから働いている可能性もあるのです。

サプリは本当に有効なのか?

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サプリのいいところは、食物から摂るには含有量が少ないとか、毎日摂るのが困難な食物であるなどの理由で、摂取量が不安定で不足する場合にも、楽に摂取量を安定させられるところです。

一方で、普通に食物から摂れるものをサプリで摂るとなると、無駄でリスクの多い方法を選択していると言えるでしょう。

オリーブの成分はオイルからとろう!

どうしてもオリーブの香りが嫌いだと言う人は仕方がないですが、美味しいオリーブオイルを選べば、醤油なみに毎日使えて、必要にして充分なポリフェノール類が摂れますよ。

中には一日に1,500mgものポリフェノールを摂るのが良いと謳っているのを見聞きしたこともありますが、そもそもお茶やコーヒーを飲んでいれば7割がたそれだけで事足ります。

そもそも、厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」は、五大栄養素に対して事細かに規定されていますが、ポリフェノールは五大栄養素に含まれませんので、推奨量や上限量は定められていないのです。

もちろん、研究機関ごとに、何らかの基準を持って摂取量を推奨することはあると思います。でも、オイルとして充分美味しく食べられるものをサプリで摂ると言うのは無駄な気がしますね。

例えば、比較的高価ですが、まず「はずれ」をつかむことが少ない500mL瓶で2,500円程度の、イタリア産エクストラバージンオリーブオイルを見てみましょう。生で食べるとかなり美味しいですよ。

これを、ちょっと多めですが、一日に大さじ2杯程度使ったとしたら、1日150円です。サプリとお値段変わりませんよね。しかも良い脂肪酸が摂れる調味料として使えるんですからお得です。

オリーブの栄養素にお金をかけるなら、ぜひ良いオリーブオイルに投資していただきたいと思います。

特にシチリア産のエクストラバージンは比較的お値段が安い上に、スパイス的に使える強烈な辛味や、脂っこさを打ち消す苦味の強いオイルが多いので、ポリフェノールを摂るのに適していると思いますよ。

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