健康生活TOP 脂質異常症 紅麹サプリは脂質異常症に効果あり!でも毒性の不純物には要注意

紅麹サプリは脂質異常症に効果あり!でも毒性の不純物には要注意

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最近ではコレステロールのコントロールに関する効果が期待されてサプリになっているのをよく見かける紅麹(べにこうじ)ですが、もともとは調味料・食材でした。

有名なところでは沖縄の郷土料理、豆腐ようがありますね。(「よう」は「餃」の「交」を「羔」に変えた漢字です。難しいのでかな書きで…)

豆腐を麹や紅麹で発酵させた、赤いチーズのように見える美味しい食品です。泡盛など、お酒の供として出てくることが多いのですが、お酒は中性脂肪を跳ね上げますから、ちょっと微妙な思いもあります。

さて、紅麹のサプリに話を戻しますが、このサプリの効能と医薬品並みの副作用について、あなたはどれだけご存知でしょうか?はてさて安易に使用しても良いものなのか…一緒に考えてみましょう。

紅麹サプリは安全か?含まれている成分の量とそれによって起こる副作用

かまぼこなどの赤い着色料として、カタカナ書きの「ベニコウジ色素」と言うものを目にされたこともあるでしょう。紅麹は鮮やかな赤色を出してくれますから、便利な食品添加物なんですよね。

ちょっと脱線しますが、同じ真っ赤な色素としてベニバナ赤色素やコチニール色素が知られています。コチニール色素は臙脂虫(えんじむし:コチニールカイガラムシ)のメスから採れる色素だと言うので、生理的嫌悪感から嫌がる人もたまにいますね。

でも、ベニコウジ色素なんてカビですよ。そのせいかどうかは判りませんが、ベニコウジ色素は光に弱いんですよね。熱に弱いベニバナ赤色素を含めて、いずれも天然着色料で非常に安全なものです。

サボテンに着く臙脂虫のコチニール色素は光にも熱にも強く、ヨーロッパで200年以上安全に使われています。

紅麹にはコレステロール低下薬の成分が含まれていた

紅麹には、人間の身体に影響を与える様々な物質が含まれています。それが健康に寄与する部分はもちろんあるわけですが、場合によっては副作用として、具合の悪い働きをする場合もあるのです。

特にメビニン酸と言う物質のグループの中にはモナコリンKと呼ばれる物質が入っていて、これが血中コレステロール濃度を下げる働きがあります。これは副作用と言うより期待された働きなんですが、効きすぎるんですよね。

この物質は、良くある健康食品的に「コレステロールを下げると言われています」的な効果ではなく、本当にコレステロールを低下させる強い働きがあります。

と言うのも、このモナコリンKは別名ロバスタチンとも呼ばれ、スタチン系コレステロール低下薬として最初に商品化された成分でもあるのです。ですから摂り方を間違うととんでもないことになります。

「サプリに入ってる程度なら大したことないんじゃない?」と思われる方もおいでかも知れませんね。多くの場合そうなんですが、紅麹についてはちょっと危険なデータもあります。

医薬品より多い量が入っていた例もある

アメリカ・ペンシルベニア大学の研究によると、市販の紅麹サプリ(有効成分600mg含有と表示の製品)1カプセルには、ロバスタチンが0.1mg~10.09mg含まれていたと言うことです。

分析方法:紅麹製品の各製剤は有効成分600mgとされたものを使用しました。モナコリン類とシトリニンの分析は高速液体クロマトグラフィ質量分析計を使用して2006年8月から2008年6月にかけて行いました。

分析結果:12種類の紅麹製品からは、1カプセルあたり総モナコリンが0.31mg~11.15mg、モナコリンK(ロバスタチン)が0.10mg~10.09mg、モナコリンKAが0.0mg~2.3mg検出されました。なお、4製品ではシトリニンの含有レベルが上昇していました。

このように全部で12製品を分析したそうですが、最大で100倍もの差があると言うのもとんでもない話ですよね。しかも10.09mgと言うのは医薬品としてのロバスタチン製剤より多い量です。

ロバスタチン製剤は1日2.5mg(急を要する場合は5mg)から開始して、それでも効き目が弱い場合は4週間後から1日10mgに増やしてもよいとなっています。さらに、重症の人にはその後最大20mg/日まで増やすことができます。

このサプリは通常投与量を超えちゃってますよね。そして、ちょっと心配になったんでアメリカのサプリをいくつかチェックしてみました。

するとある製品には「1回1カプセルを1日2回。1日に4カプセルを超えては摂らないこと」と書いてありました。もしこの製品が最大含有量のものだったら普通でも重症患者向けより多くの成分を摂ることになります。

さらに、サプリが許容している量だと、重症患者向けの2倍以上の医薬品成分を摂ってしまう事に繋がりかねません。

また、別の製品を見てみると、「1カプセルを1日2~4回、4回を超えてはならない」と書いてあります。それでも上の商品と同じ危険性がありますね。

いずれの製品にも「妊娠授乳期や妊娠の予定がある時、病気治療中の服用禁止」が書かれています。また、「筋肉痛が出たらすぐに服用を中止して、医療機関を受診するように」と書かれていました。

サプリメーカーとして最低限の義務は怠っていないようではあります。

横紋筋融解症と言う副作用が実際に報告されている

ロバスタチンを含む、医療用のスタチン系コレステロール低下剤には横紋筋融解症と言う副作用が知られています。これは骨格筋が侵されて壊死し、筋肉の成分が溶け出し、それが腎臓を傷めつけると言う重い病気です。

その結果、激しい筋肉痛が起こったり、しびれやだるさ、力が入らないなどの症状に加えて、尿が赤褐色になると言う症状が起こります。早期に適切な処置を行わないと生命にもかかわりかねません。

実際、紅麹サプリを使っていてこうした健康被害が起こったと言う報告もあります。

もともと、この副作用はコレステロール低下薬のものとして知られています。お医者様の処方で薬局からこのお薬が出る時には、必ずしっかりとした説明が行われますから、副作用に対応できないと言うことはありません。

しかし、サプリが原因でこの副作用が起こってしまうと厄介ですね。副作用の認識がないまま受診が遅れると、重症化する可能性は高くなるでしょう。

紅麹サプリは品質に注意が必要!すでにスイスでは紅麹製品の売買は違法行為になっている

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コウジカビと言う有用菌は非常に一般的で、特に醸造や発酵食品の生産にはなくてはならない物です。しかし一方で、有毒物質を作り出してしまう事も知られています。マイコトキシンと言うカビ毒ですね。

マイコトキシンを作り出すものは主にアオカビ・アカカビ・コウジカビです。アオカビと言うとうっかり食べ忘れたパンのイメージがありますが、ロックフォールやゴルゴンゾーラチーズ作りには欠かせませんよね。

コウジカビは私たちの食べ物の多くを作り出してくれています。この3つの中で人の役に立たないのはアカカビぐらいでしょうね。

紅麹はコウジカビと同じマイコトキシンを作り出す

紅麹はコウジと言う名前を持っていますが、学名モナスクス属に分類されるもので、コウジカビ(アスペルギルス属)とは別のカビです。

しかしながら、紅麹の中にもマイコトキシンを作り出してしまう種があることが知られています。含有量はそれほど多くない物の、現在ではその種を含まない紅麹の選別が課題になっていますね。

ヨーロッパでは厳しい規制が行われている

このことや紅麹の医薬品成分の含有、効果効能と副作用の詳細がはっきりしないため、ヨーロッパでは紅麹について規制を行っているところもあります。

まず、EU全体としてはサプリメントに含まれる紅麹1kgあたり、シトリニンと言うマイコトキシンの含有上限量を2000μgに設定しました。2ppm(100万分の2の割合)と言うことですね。

このシトリニンは、先に紹介したペンシルバニア大学の分析研究でも、試料の1/3から含有レベルの上昇が観測されていた物質です。

またフランス政府は、紅麹サプリを摂る前には必ず医師に相談するよう注意喚起を行っています。妊娠授乳期の人や子供、青少年、高齢者やその他の条件に当てはまる人が摂ってはいけないからだとしています。

最も厳しいのはスイスです。スイスではサプリ・医薬品・食品の種類を問わず、紅麹製品の売買は違法行為になります。

過剰なコレステロールの低減は生活習慣の見直しから改善しよう

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最近では、血中脂質の量についてあまり厳しいことを言わなくなったようですので、むしろこうしたサプリにも手が出にくくなっていいのかもしれません。

それでも、バランスの悪いコレステロール値や高すぎる中性脂肪は、決して健康に良いとは言えないでしょう。ですので、血中脂質の改善はサプリに頼ることなく生活習慣の見直しで行いましょう。

基本は全ての健康管理と共通する生活習慣

いわゆる悪玉コレステロールですが、これについてはそれほど気にしなくてもよいと言った研究が支配的になってきているようですね。それでも糖尿病の人など、コントロールが必要な人も少なくありません。

そうした人の場合は、陸上動物性脂肪の摂取量を減らし、その分をω3不飽和脂肪酸を多く含む魚を多く摂ったり、ω9不飽和脂肪酸を多く含むオリーブオイルと置き換えるなどの工夫をしましょう。

善玉コレステロールが足りない人は運動を行って下さい。有酸素運動が効果的ですが、筋トレなどの無酸素運動も長期的には良い効果を出します。中性脂肪が多い人はお酒を止め、糖質を減らしてください。

そして全ての項目に共通するのは禁煙です。禁煙しないとすべての努力が無駄になります。

お酒は百薬の長ではない嗜好品

絶対に飲んではいけないと言うのは中性脂肪が高い人だけですが、それ以外の人でもアルコールは決して良いものではありません。とは言え、ここからは健康のお話と言うより、お酒の豆知識ですので気楽にお読みください。

今回話題の紅麹ですが、ネットを見ていると中国浙江省の銘酒・紹興酒の醸造に使われるなどと言う誤った情報が、けっこう多くの記事として流れていたりします。

紹興酒の種類やそれを祝い事に使う時の名前に「紅」の文字が使われているから発生した勘違いじゃないかとは思いますが、「紅麹の酒だからコレステロールに良い」などと言う妙な言い訳はダメですよ。

紹興酒には、もともと朱色の甕で売られていた「元紅酒」というグレードがあったり、男の子の誕生を祝って仕込む「状元紅」と言う特別なお酒があるため勘違いされただけだと思います。

紹興酒に使われるのは普通の麦麹です。紹興酒は浙江省紹興市で作られたものだけをそう呼んでいます。シャンパーニュで作られる物だけがシャンパンだと言うのと一緒ですね。あるいは灘の生一本とか。

一般名称は黄酒(ホァンチュウ)、それの古酒を老酒(ラオチュウ)と呼んでいて、これは日本でもおなじみですよね。

一方、紅麹で作ったお酒もあるにはあります。台湾や対岸の福建省で作られている紅酒(ホンチュウ)です。しかし、一般的に中国で紅酒と言うと赤ワインを指すぐらい、紅麹のお酒はマイナーな存在ですね。

ここまで長々とお話してきましたが、この記事であなたにお伝えしたいことは「サプリを摂らなくても自分の少しの努力でなんとかなるよ」ということです。楽はしようと思えばできますが、その楽が何かのリスクをおびている事は承知してくださいね。

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