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味覚障害の原因は亜鉛不足?その症状とお勧めの食品・食事法

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せっかく食事をしても、その味をはっきりと感じられなくてはつまらないでしょう。食べ物の味がわからなくなる「味覚障害」になってしまうと、食事の楽しみは半減し食欲も落ちてしまいます。

食欲が落ちてしまうと十分に食事が摂れなくなってしまい、栄養バランスが崩れてさらに体調を悪化させてしまいます。

味覚障害を引き起こす最大の原因は亜鉛不足だとされます。ではどんな食事をして、どのようなことに気をつけていくことで症状を改善させていくことができるのでしょうか。

味覚障害が原因で高血圧になる!?味覚障害の症状と弊害

普段は何も不思議に思うこともなく感じている、食べ物の味。しかし味覚障害になってしまうと、今までは当り前だと思っていたことが当り前ではなかったことに気付かされます。

味覚障害になると、次のような症状が現れます。

  • 食べ物の味がいつもより薄く感じる、もしくは味がなくなった
  • 甘いはずのものが甘く感じられず、苦い気がする(本来の味と違う味になる)
  • ある特定の味だけが感じられない
  • 口の中が何となくいつも苦い
  • いままで好物だったものを食べてもおいしくなく、逆にまずく感じる
そして味覚障害になると食べ物がおいしくなくなってつまらないというだけでなく、様々な問題が起きてしまう可能性もあります。

例えば味が薄い気がしてついつい塩分を摂り過ぎ高血圧になってしまったり、甘みが感じられずに砂糖を使い過ぎて血糖値を上げてしまったりということがあります。

そして食べ物が傷み始めていても味が異常なことに気付かず、腐った物を食べてしまったりということもあるかもしれないのです。

味は舌でなく脳で感じている!味を感じるメカニズム

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食事をしたとき、その食べ物の味を感じるまでにはどのような流れがあるのでしょうか。

食べ物の味を感じるために重要な働きをしている「味蕾(みらい)」という器官の名前は聞いた事があるかもしれません。この味蕾は舌の表面だけでなくほっぺたの内側や喉の奥のほうにもあって、食べた物の味を感じとる働きをしています。

乳児期には約10000個もの味蕾があるのですが、歳をとるとともに少しずつ減ってきます。成人になったときには約7500個ほど、そして70歳以上になると最多時の約半分になってしまっているとされます。

そのためにお年寄りになると、つい味の濃いものを食べるようになってしまいます。特に塩味を感じにくくなってしまうために塩分を摂り過ぎてしまい、血圧が上がりやすくなってしまうのです。

他にもタバコを吸う人は味蕾が衰えていきやすいとされます。禁煙することで味蕾がきちんと機能するようになり、食事を今までよりもおいしく感じられるようになるでしょう。

味覚を感じるためには、味蕾の中にある味細胞の働きが重要です。食べ物の中の「味物質」は舌の上の「味蕾」に到達すると、その中にある「味細胞」を刺激します。この刺激が電気的シグナルに変わり、味神経を通って大脳の味覚野へと伝わります。

食べ物の味以外の情報、例えば色や形、食感などは他の感覚器を通って大脳へと伝えられます。そしてその全ての情報を統合して、大脳ではその食べ物の味を評価します。つまり食べ物の味は、舌でなく脳で感じているのです。

なぜ味覚障害が起きてしまうのか?考えられる様々な原因

味覚障害は様々な原因から引き起こされます。その中でも実は、特に薬の副作用による味覚障害がとても多くなっています。亜鉛不足が関係している場合も多いのですが、味覚障害の原因の全てが亜鉛不足にあるわけではないので注意してください。

味覚障害の原因として考えられること

  • 亜鉛不足によるもの
  • 加齢によるもの
  • 薬の副作用によるもの
  • 心因性のもの
  • 臭覚障害によるもの
  • 全身性の病気によるもの
  • 口の中の異常によるもの など

亜鉛不足による味覚障害

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食べ物の味を感じるためには、味蕾の中にある味細胞が重要な役割をしています。この味細胞の寿命は10~12日と比較的短く、どんどんと新しい細胞に生まれ変わっていっています。そしてこの細胞の新陳代謝には亜鉛が深く関わっているのです。

つまり亜鉛が不足し味細胞の新陳代謝がスムーズに行かなくなってしまうと、味覚の感度が下がってしまうことになるのです。

亜鉛は味細胞だけでなく、全身の細胞の新陳代謝にも関わっています。新しい細胞が生まれるためには「酵素」の働きが必要なのですが、亜鉛はこの酵素を構成する成分なのです。

亜鉛が不足してしまうと、細胞が生まれ変わることができなくなってしまいます。肌や爪、髪の毛などの成長がうまく進まなくなってしまうのです。特に成長期の子供の場合では発育が遅れてしまったりということもあります。

加齢による味覚障害

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歳をとるとともに、食べ物の味を感じるための味蕾の数も減ってきてしまいます。70歳以上の方では、味蕾は最多時の半分にまで減ってしまっているのです。そのため加齢とともに味覚障害が訴える人も増加してしまいます。

また高齢者になると食事量が減ってしまい、そのために亜鉛が不足してしまう場合もあります。

薬剤の副作用による味覚障害

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薬剤の副作用が原因で味覚障害を起こしてしまっている患者は、味覚障害全体の20%以上にもなります。実は味覚障害を引き起こす可能性のある薬剤は非常に多くあるのです。

味覚障害を引き起こす可能性のある薬剤

  • 降圧剤
  • 高脂血症の薬
  • 抗生剤
  • 抗ウイルス剤
  • 抗ガン剤
  • 解熱鎮痛剤
  • 抗うつ剤
  • 抗てんかん剤
  • 抗パーキンソン剤
  • 抗アレルギー剤
  • 甲状腺ホルモン剤 など

他にも味覚障害の副作用を起こしてしまう薬剤はいろいろとあります。多くの場合は、薬を服用後2~6週間くらいで症状が出始めます。このときなるべく早く薬を止めたり変更することが大切です。

薬を止めても、場合によっては症状が消えるまでに数ヶ月かかってしまうこともあります。高齢になり薬の数も増えてくると、味覚障害の副作用も起こしやすくなりますので、周りの方も気をつけて様子をみてあげてください。

食べ物の味を感じにくい、味が薄く感じるといったことの他にも、食事がおいしくない、食べ物の好みが変わった、口が乾く、口の中が苦く感じるといったことも、味覚障害の初期症状の可能性があります。

気になる症状があれば、すぐに医師に相談してください。

心因性の味覚障害

軽度のうつ病や神経症などが原因で味覚障害になってしまうこともあります。

臭覚障害による味覚障害

風邪などで鼻づまりを起こしたときに、食べ物の味がわからなくなったという経験をしたことのある人は多いでしょう。味を感じるためにはにおいを感じることも大切なのです。様々な感覚からの情報を統合することで、初めて食べ物の味を味わえるようになります。

全身性の病気による味覚障害

糖尿病、肝障害、腎不全、甲状腺機能低下、更年期障害などの病気によっても味覚障害を起こしてしまうことがあります。他に胃や腸を切除した人も起こすことがあります。

口の中の病気による味覚障害

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  • ドライマウス
  • カンジダ感染症
  • 舌炎

といった口の中の病気によっても味覚障害を起こしてしまいます。これらの病気によって味蕾のある舌が炎症を起こしてしまうと、味蕾の働きが低下してしまいます。

また口の中が乾燥して唾液が少なくなると、味細胞をうまく刺激することができなくなってしまいます。味を感じるためには、唾液の存在も必要なのです。

他にも放射線治療によっても味覚障害が起きますし、その他にも味覚障害を引き起こしてしまう原因はいろいろあります。

ただ全体としては、亜鉛不足が原因の味覚障害が多く発生しています。検査などの結果、亜鉛不足が原因の味覚障害と診断されたときには、以下のようなことに気をつけてみてください。

亜鉛不足を防ぐために気をつけるポイントは?

亜鉛は不足しやすい栄養素です。ダイエットで偏った食事をしていたり食事の量が少ないとき、歳をとって食事量が減ってきたときなどには不足しやすくなります。

動物性食品をあまり食べずに植物性食品に偏った食生活をしていても亜鉛不足になりやすくなります。また加工食品ばかりを食べているのもよくありません。

亜鉛の食事からの吸収率は、あまり良くありません。そして一緒に食べるものによってはもっと吸収率を下げてしまいます。

亜鉛の吸収率を下げてしまう成分には、このようなものがあります。

  • フィチン酸:穀物や豆などの植物性食品に含まれる
  • シュウ酸:ほうれん草などの青菜に含まれる
  • 食物繊維
  • 食品添加物:インスタント食品などに使われるリン酸塩など

亜鉛を不足させないためにはこのようなポイントに気をつけるようにしていきましょう。

食事は十分に摂る

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食事の量が減ってしまっては、亜鉛の摂取量も減ってしまいます。食事を減らすような無理なダイエットなどはしないようにしましょう。せっかく無理して頑張っても、亜鉛が不足してしまっては味覚だけでなく肌や髪に悪影響が出てしまいます。

また高齢者では食事量が減ってしまうために、亜鉛不足にもなりやすくなってしまいます。亜鉛を多く含む食品を意識して摂るなどしてみてください。

そして味覚障害になってしまうと、食事がおいしくないために食欲不振にもなりがちです。しかし食欲不振のために食事量が減ってしまうと、余計に亜鉛不足に陥ってしまい症状が悪化してしまいます。メニューを工夫したりして、少しでも食べるようにしましょう。

バランス良く食べて亜鉛を意識して摂ろう

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偏食してしまっては、亜鉛に限らず大切な栄養素を十分に摂取することができません。また足りない栄養素があるからとそれを集中して食べても、効率良く吸収して利用していくことはできません。

全ての栄養素は助け合って働いています。いろいろな食品をバランスよく食べるようにしてください。その上で、亜鉛を多く含む食品を意識して摂るようにしてください。

亜鉛を多く含む食品には以下のようなものがあります。

  • 魚介類:カキ、ホタテ、カニ
  • 肉類:豚レバー、牛肉、ビーフジャーキー
  • 豆類:ピーナッツ、豆腐、納豆
  • その他:玄米、小麦胚芽、卵、チーズ、ゴマ、ココア など

カロリーや塩分などの摂り過ぎにも注意するようにしてください。

動物性食品も摂るようにする

植物性の食品に偏った食事は亜鉛不足になりやすくなります。植物性食品に含まれるフィチン酸やシュウ酸、食物繊維は、亜鉛の吸収を妨げてしまうのです。植物性食品も大切ですが、動物性食品もバランスよく摂るようにしましょう。

ビタミンCやクエン酸と一緒に摂ろう

ビタミンCやクエン酸は亜鉛の吸収率を上げてくれます。レモンやお酢などと一緒に食べるようにするとよいでしょう。

加工食品を摂り過ぎない

インスタント食品など加工食品に使われている、リン酸塩などの食品添加物は亜鉛の吸収を妨げてしまいます。せっかく亜鉛をしっかり摂ったつもりでいても、加工食品も多く摂っていては吸収の邪魔をされてしまいます。

加工食品ばかりの食生活にならないように注意してください。

アルコールはほどほどに

アルコールの飲み過ぎも亜鉛をたくさん消費してしまいます。あまり飲み過ぎずに、ほどほどの量で飲むようにしておいてください。

味覚障害になってしまったときの食事の工夫

味覚障害のために食欲が落ちてしまっているときには、食事のメニューにも工夫してみてください。

味覚障害に対して、特に食べてはいけない食品などはありません。調理法なども特に注意すべきことはありませんが、できるだけ消化のよいものがよいでしょう。揚げ物のような油を多く使った料理は止めたほうがよいかもしれません。

ただし、もし肝臓や腎臓の機能に問題があるといったような基礎疾患があるようでしたら、食事の制限などについて医師に相談しながら進めていってください。

まずは亜鉛不足を解消できる食事メニューを

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亜鉛不足が原因の味覚障害でしたら、まずは亜鉛をしっかり補っていくようにしましょう。特にカキは亜鉛を非常に多く含んでいます。そして効率的に亜鉛を吸収するためにも、ビタミンCが豊富なレモンを絞って食べるようにするとよいでしょう。

インスタント食品のような加工された食品はなるべく食べるのを控えてください。冷凍食品や缶詰は大丈夫です。

間食には

  • ピーナッツ
  • ココア
  • チーズ

などを摂るようにしてもよいでしょう。

彩りのきれいなものにしてみよう

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食欲をアップさせるには、見た目も大切です。トマトやレタス、パプリカなどきれいな色合いのものも使ってみて下さい。パセリや三つ葉を添えたりしてもよいでしょう。

また料理をのせるお皿も普段と違うものにしてみたり、盛りつけ方を工夫してみたりしてもよいでしょう。普段はあまりしないような飾り切りをしてみてもよいかもしれません。

香りの強いものを使ってみよう

嗅覚に働きかけるためにも、香りの強いものにするとよいでしょう。大葉や生姜、茗荷などの香味野菜などを使ってみてください。レモンやかぼすを絞ったりしても香りがよくなりますし、ビタミンCも摂れるためお勧めです。

香辛料を多少使ってもよいですが、唐辛子などのような刺激の強いものをあまりたくさん使い過ぎるのは避けたほうがよいでしょう。そのために、逆に味蕾が破壊されてしまいます。

味覚障害の原因は亜鉛だけではありません。亜鉛不足だろうと思っていたら、実は糖尿病の合併症の神経障害が起きていて、そのために味覚が鈍くなっているという可能性もあります。また治療を始めるのが遅れると、治りも悪くなってしまいます。

いつもの食事がいつものようにおいしく感じない、いつものように作ったはずなのに家族から味が濃いと言われたなどということがあれば、一度耳鼻科を受診してみることをお勧めします。

その上で亜鉛不足によるものと診断されれば、亜鉛を補うような食事をしていくようにしてください。

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