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自律神経失調症の治し方!1日3分の胸鎖乳突筋ストレッチで改善

自律神経失調症に関係があるとされる胸鎖乳突筋という筋肉について、またその具体的なストレッチ方法をご紹介します。

これまでにも何度か紹介してきた自律神経失調症ですが、実はまだまだ正体がつかめていない病気なのです。それでも、数多くの人が悩んでおられるのですから、病名を付けたり原因を探るだけでなく、まずは症状を治すことが先決です。

自律神経失調症は、日本ではすでに一般的になった病名ですが、世界保健機関WHOによる「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」では、残念ながら「原因が特定されない自律神経の故障」として扱われています。

原因が特定されないため、疫学的な研究や治療効果のある対処法についても、まだまだデータが不足しています。ですので、今回の話題については、必ずしも充分な医学的研究のデータによる裏付けはなく、専門医の方々の意見を中心に紹介することになります。


自律神経は身体の自動運転装置

人間の神経系統は、中枢神経と末梢神経に分類できます。中枢神経とは脳と脊髄のことで、そこから出ていて、身体の隅々にまで分岐して届いている神経を末梢神経と言います。

脳と脊髄から直接出ているのは、12対の脳神経と31対の脊髄神経で、これが様々に分岐して身体の各部へつながっているのです。

末梢神経には体性神経と自律神経がある

末梢神経にはまず、体性神経と言うグループがあります。これは知覚神経(求心性神経)と運動神経(遠心性神経)に分かれています。名前の通り、知覚神経は身体の各部で感じた情報を脳に伝える神経です。

ペットの毛皮を撫でて気持ちいいと言う感覚も、グルメな料理を食べて美味しく感じる味覚も、タンスの角で足の小指をぶつけて痛いと言う痛覚も、すべてこの知覚神経が脳に情報を送っています。

一方、運動神経と言うのは脳から身体の各部へ命令を送る神経です。良く「運動神経が良い」と言った表現をしますが、これは比喩的な表現で、強いて言えば「脳でイメージした通り身体が動く」と言うような内容なのでしょう。

このように、体性神経は末梢の感覚を知覚として脳に送ると同時に、脳で考えた内容を末梢に命令として送ることのできる神経系統です。

それに対して、自律神経は本人の意志とは関係なく働く神経系統です。ですので、本人が眠っていようが起きていようが、自律神経系自体が集めた情報に従って、身体をベストの状態で動かすようになっています。

例えば、身体を動かしたり環境の温度が高くなったりして、体温が上がってくると自動的に汗が出ます。一方、すごくお腹が減っている時でも、大変危険な状態に出会ったら空腹はどこかへ消えてしまいます。

こうしたことは、人間の身体が必要な状態を自動的に検知して、身体をそれに適した状態に変化させる自律神経の働きなのです。ですから、これの働きが上手く行かなくなると、全身に様々な症状が現れるのです。

自律神経の働きは単純ではない

自律神経はどうしても交感神経=興奮系・副交感神経=リラックス系と単純化されてしまうため、多少の誤解も生まれやすいのです。

例えば、男性が性的な興奮を覚えた時活発になるのはどちらの神経だと思いますか。また、気管支の筋肉が緩むのはどちらの神経の働きでしょう。

正解は「男性の興奮→副交感神経」、「気管支筋肉の弛緩→交感神経」の働きなのです。

じっくり考えれば、なるほどと思えるかもしれませんが、興奮は交感神経が、リラックスは副交感神経が担っていると単純化して考えると誤解を生むこともあります。

自律神経失調症は必要な時に必要な方向に自律神経が働かないこと

例えば、朝起きた時と言うのは覚醒に向かって自律神経が働くべき時ですね。交感神経が優勢になって心拍数や血圧を上昇させて、これから活動的になる状態を準備しなければなりません。

一方で、交感神経ばかりが働くと、空腹感が出てきませんので朝食が食べられません。適度に副交感神経が働いて食欲が出てくると同時に、胃腸は消化吸収の態勢を整えるタイミングでもあります。

このように、交感神経と副交感神経は、同じタイミングであっても、微調整を行うことで必要な場所に必要な指令を出して人の身体を動かしてくれているのです。

この絶妙のコントロールが崩れると、人間にとって不快な症状が現れ始めます。これが自律神経失調症です。

この交感神経と副交感神経と言う名前から、交感神経がメインで副交感神経の方がサブの役割と思われがちですが、そんなことはありません。基本的にまったく対等な神経系です。

英名の”sympathetic nervous system”と”para-sympathetic nervous system”、あるいはその元となったラテン語名を翻訳する際に、”para-“を「副」と訳してしまったのが微妙に誤解を生みやすい用語を生んだのだと思います。

“para-“は「反対の」と言う接頭辞ですので、強いて言えば「対・交感神経」とでも言っておいた方が良かったのかもしれませんね。

自律神経は、名前の通り自分自身を律して働く自動運転装置です。でも、心臓だけは脈拍の早さこそ自律神経がコントロールしていますが、拍動自体は心臓自身が持っている電気信号発信装置によって起こっています。

自律神経の働きがおかしくなる原因は不自然な行動にある

例えば、人間の身体にはサーカディアンリズムと言う物があって、時計も窓もない部屋であっても、人間はだいたい24時間周期で生活ができます。体内時計と呼ばれることもある機能ですね。

しかし、仕事や遊びが忙しくて、このリズムを崩した生活を送っていると健康に悪いと言うことは、皆さんよくご存知ですね。これは、サーカディアンリズムを崩すような生活をしていると、自律神経の働きを阻害してしまうからだと考えられています。

自律神経を狂わせる悪い光

不規則な生活が自律神経に悪影響を及ぼすことは皆さんよく理解されていると思いますが、たとえ規則正しくても朝の光を浴びないとサーカディアンリズムの調整が上手く行かなくなります。いわば「規則正しい夜更かし朝寝坊も身体に悪い」と言うことです。

サーカディアンリズムは24時間より微妙に長くなっています。ですので、毎日時計合わせをしてやらないといけないのです。

電波修正機能のない古いタイプのデジタル時計には、00分ボタンが付いていますね。毎日少しずつ狂う時計を、毎正時の時報に合わせてこのボタンを押すことで、24時間に合わせています。

サーカディアンリズムでの朝の光は、この00分ボタンの役目をはたしています。24時間より少し長いと言うことは、朝に時計を合わせても、翌朝には少し遅れていることになりますね。

そこで朝日を浴びることで、時計を本来の時間に進めてやることができるのです。ところが、これが午後からの光になると時計が余計に遅れると言う現象が起こります。ですので、必ず朝の光を浴びることが重要なのです。

そして、最近問題になっているのがブルーライトです。ブルーライトは可視光線の中で最も波長が短い光です。光は波長が短いほどエネルギーが高いので、眼を通して自律神経に及ぼす影響も大きいと考えられています。

このブルーライトを多く出すものは、LEDなのですがそれだけではなく高演色蛍光灯などでもブルーライト領域に高いエネルギーを持っている物も存在はしています。

ですので、深夜にテレビやパソコンを見ているだけではなく、一般家庭より明るい照明を点けているコンビニなどに出入りすることも、特に身体の反応が敏感な若い世代では自律神経に悪影響が出やすいでしょう。

また、特に問題になるのはスマホですね。ベッドに寝っころがって、部屋の明かりも落とした状態でスマホの画面を見続けるのはお勧めできません。

よくダイエットの話題で「寝る2時間前からあとは食べ物を摂らない」と言うのがありますが、「寝る2時間前からはスマホやパソコン、テレビは見ない」と言うのも習慣に加えると良いかもしれませんね。

ストレスの影響をいかに早く脱するかがポイントになる

ストレスを受け続けると言うのは、緊張状態を続けることになります。動物としての人間で見た場合、例えばお腹をすかせた虎やライオンに囲まれている状態が「ストレスを受けている」状態と言うことです。

自分を捕食するような敵からは、何とかして逃げるか、それがかなわない時は戦うしかありません。有名なアドレナリンと言うホルモンがありますが、これは交感神経の興奮状態によって分泌が増えます。

アドレナリンは「闘争か逃走か」と言う別名を持つホルモンです。英語では”Fight or Flight”と韻を踏んでいるので、日本語に訳す時に工夫したようですね。

このホルモンの分泌が続いていると素早く動けますし、身体の表面の血流を抑えていますから、けがをしても出血が少なくて済みます。しかし、この状態が続くと身体への負担も少なくないため疲れます。

現代の私たちは、そうした物理的危害を加えられる可能性によるストレスと言う物はめったにありません。しかし、仕事などで精神的にストレスがかかった時も身体は同じように反応してしまうのです。

本来アドレナリンが働くときは瞬発的に力を出すのが目的です。ですから、精神的ストレスがかかったとしても、それを長時間キープしてしまってはいけません。

仕事のストレスは、終業後も心に引きずっていることは多いですし、それほど簡単に切り替えが効くものでないことは確かです。それでも、無理やりにでもストレスから自分を解放してやらないと自律神経に多大な悪影響が出ます。

ストレスから自分を解放する方法は人それぞれですが、お酒やたばこ、多すぎたり偏ったりした食事をその道具に使うのは止めなければいけません。

精神的ストレスを解消するために、肉体的なストレスを受けることになって、それは次の精神的ストレスを生む悪循環になるからです。

更年期障害による自律神経失調症は受診した方が良い

女性に限らず、年齢を重ねてくると男性にもホルモンバランスの崩れから自律神経失調症が起こることが知られています。こうした場合、症状が重い時にはホルモン補充療法が有効な場合があります。

日常生活を営む上で支障が出るようであれば、内科を受診して相談してみられることをお勧めします。ホルモン補充療法はリスクもある治療ですから、まず内科で身体的な状況のチェックを行うことが必要になるからです。

自律神経失調症は原因も症状もさまざまですので、この治療を行えば治ると言う決定打は存在しないことを理解して、自分の状況に応じた治療を選ぶことが大事です。

ベッドでのスマホは、「ベッドに入ったら情報を集める」と言う習慣づけが行われることで、不眠症の原因になることも知られています。スマホは起きている時に使いましょうね。

胸鎖乳突筋が自律神経失調症に関わる!?胸鎖乳突筋ストレッチの方法

胸鎖乳突筋と言うのは、首の下の鎖骨の端の出っ張りである胸鎖関節付近を起点として耳の後ろ当たりの頭骨(乳様突起)で終わる筋肉です。首を回して横を向いた時に、首に浮かび上がる筋がこの筋肉です。

胸鎖乳突筋

この筋肉は首を曲げたり回転させたりする筋肉ですが、歯を食いしばる時にも強く緊張する筋肉です。このあたりがストレスと関係しているのかもしれませんね。

胸鎖乳突筋にトリガーポイントが発生しているという考え方

トリガーポイントとは「引き金になる場所」と言う意味です。筋肉痛であれ、神経痛であれ、そこに触れることで痛みが発生する場所をそう呼んでいます。

痛みの種類は様々です。トリガーポイントを押してみると、そこ自体が痛む場合もありますし、離れた場所に痛みが出ることもあります。また、痛みの種類も鈍痛から、飛び上るほどの激痛まで様々です。

自律神経失調症によってめまいや立ちくらみが起こるのは、この胸鎖乳突筋にトリガーポイントが発生しているからだと考えている先生方がいます。

胸鎖乳突筋をストレッチして伸ばすことで、自律神経失調症が改善すると言うのは、飽くまで経験則的な物で、メカニズムが完全に解明されたものではありません。それでも、実際に改善すると言う経験談は少なくないようです。

先にもお話しした通り、最も大切なのは症状を悪化させることなく改善に向かわせると言うことで、理屈は後からついてくると言っていい部分はあると考えます。

胸鎖乳突筋ストレッチは、様々な自律神経失調症のタイプのどれにでも利用できると考えて問題ありませんが、継続的なストレスや置かれたシチュエーションから緊張することが多く、首・肩こりがひどい人には特に有効である可能性があります。

胸鎖乳突筋ストレッチの方法

まず最初に、首の状態を確認します。上を向いて、ゆっくり軽く首を左右に傾けてみてください。どちらかに傾きくいと言うことはありませんか。傾きにくい方にトリガーポイントが発生している可能性があります。

以下のイラストでは、左には傾けやすいと言う状態を前提に説明しています。動きについては、できるだけゆっくり行って下さい。早く動くと筋肉が反射的に縮んで、かえって症状を悪くしてしまいます。

まず、背筋を伸ばして正面を見てからゆっくりと上を向きます。全行程を通じて、ゆっくり呼吸しながら行って下さいね。息を止めてはいけません。

胸鎖乳突筋ストレッチの方法1

その次に、首の筋が引き伸ばされるのを感じながら、じっくりゆっくり首を左に傾けて行きます。

胸鎖乳突筋ストレッチの方法2

一杯まで傾いたら、左手で右の鎖骨を軽く押え、あごを上げるような感じで頭を左後方にゆっくり倒すと、胸鎖乳突筋はいっぱいに伸びます。一杯に伸びたら、逆の手順でゆっくり元に戻してください。

胸鎖乳突筋ストレッチの方法3

ここまでできたら、次は反対側です。反対側はもともとうまくできなかった方ですので、可能な範囲で動き、特に早く動かないように注意するようにして下さい。

左右均等に行う必要はありません。「倒しやすい方」を反対側の2~3倍行い、倒しにくい方は少なめで行うのがポイントなのです。実はトリガーポイントのある側のほうが伸ばしやすいのです。

これはトリガーポイントに力が加わると痛むため、無意識にトリガーポイントに力を掛けないようにしているためだと考えられています。

これは腰の痛みなどでも同じで、腰が痛くて身体が傾いている時に、まっずぐにしようとするとかえって腰を傷めることがあるのと同じなのです。

胸鎖乳突筋以外にも効果がある筋肉がいくつかある

自律神経失調症に関わる筋肉と言うと胸鎖乳突筋はもっともメジャーですが、実はほかにもいくつか、かかわりがあるのではないかと考えられている筋肉があります。

大きなものとしては僧帽筋ですが、僧帽筋のストレッチは、胸鎖乳突筋のストレッチを行った後、僧帽筋が伸ばされるのを感じるように首をゆっくり前に回すだけでできますので試してみてください。

他の筋肉は優しく触れることでリラックスさせる

自律神経症状が出た時にトリガーポイントが現れるとされている筋肉はいくつか存在しています。

例えば頭痛を症状としている場合には首の後ろ側の筋肉が関係しています。後頭部の頭蓋骨の下の端から骨に沿って耳の下あたりまでの筋肉を、指の腹で優しく触れて下さい。

そして、気持ちいい程度の圧力を掛けながらゆっくり撫でます。触れて痛いところがあれば、そこは特に優しく撫でるようにして下さい。痛みをこらえてマッサージしてはいけません。

耳鳴りがある場合には、あごの筋肉の上の端、耳の前あたりを優しく撫でましょう。場合によっては、その筋肉の下の端である顎のラインあたりを撫でるのも効果があります。

自分の身体を抱くように撫でると良いこともある

息苦しさを感じる時は、腕をできるだけ深く組んで、身体の両脇を触れてみてください。息苦しさがましになるポイントを見つけたら、手のひらと指の腹で優しく撫でましょう。

また、胸やけやお腹の張りがある時は、その姿勢から手を肋骨の下あたりに移してみて下さい。それで楽になるポイントが見つけられたら、軽く圧力をかけて撫でます。

背中にも効果的なポイントはあるのですが、自分で触れるのは難しいので、今回は紹介を見送ります。

頭を含めて撫でてもらうのって気持ちいいですね。マッサージと言うとつい強い力でやってしまいがちですが、優しく撫でるだけでも充分効果があるんですよ。

自律神経失調症かどうかは受診しないと判らない

自律神経失調症と言うのは、検査で当てはまる病気が見つからないのに、症状が現れている時に付けられる診断名です。つまり、故障部位は見つからないけど症状はあると言う状態ですね。

多くの場合、動悸・息切れ・めまい・立ちくらみ・便秘・下痢・のぼせ・冷え・頭痛など、さまざまな具体的症状で受診されるでしょう。それぞれの症状には他の病気の可能性もたくさんあります。

ですから、自分で自律神経失調症だと判断はしない方が良いです。まず受診して他の病気の可能性を排除してから対策を考えましょう。

お薬を使うこともあるが生活改善を優先する

自律神経失調症の原因になっているのは、多くの場合ストレスと不規則な生活です。このため、ストレスマネジメントと生活習慣の改善抜きに自律神経失調症の治療は成り立ちません。

今回紹介した胸鎖乳突筋のストレッチも、生活習慣の改善の中に含めて行うべきの物なのです。いくらストレッチをしても、夜更かし朝寝坊や朝食の欠食、喫煙や節度ある量を超えた飲酒、多すぎるストレスなどを抱えたままでは決して改善しません。

その中で、一つお勧めしたいのが「早起き・早寝」です。早寝・早起きではありません。毎日、平日も休日も盆正月も、全く同じ時間に起床するのです。そして、疲れたら早く寝るようにします。

とにかく早起きをすることで、夜にテレビを視たり、ネット巡回に時間を使ったり、スマホゲームに興じたりできないくらい、夜に眠気が来るようにすることが自律神経の調整には役立ちます。

お薬が使われるのは、更年期障害のようにホルモンバランスの崩れが問題になっている時や、自律神経症状があまりに重い時に抗うつ薬や抗不安薬を用いると言う時になるでしょう。

原因が特定しにくい自律神経失調症では、お薬を使うことは一種の賭けになることも多いので、医療機関によるカウンセリングや生活指導を重視した治療を受ける方が効果的だと言えるでしょう。

食事を摂るリズムも自律神経の調整には重要

食事を摂ると言うことは、それ自体が自律神経に働きかける行為ですので、それを毎日一定の時間に行うことは、自律神経失調症の改善に役立ちます。

先にお話ししたように、毎日同じ時間に起きると言う行動を取ることで、毎日同じ時間に朝食を摂ることができますね。昼食や夕食は仕事などの関係でなかなか一定の時間に摂ることが難しいと言うことがあるかもしれませんが、朝食なら大丈夫です。

また、昼食や夕食が遅れがちな人は、シリアルバーなどを常備しておいて、空腹時間が長くなりすぎないように調整するのも一つの対策になるでしょう。

自律神経失調症は、生活のリズムを整えることが完治への一番の早道です。それなしにはお薬もストレッチも、それほど大きな効果を表さないことを知っておいて下さい。
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