健康生活TOP 自律神経失調症 五月病の原因と対策!治すのではなく自在に操る、が正解

五月病の原因と対策!治すのではなく自在に操る、が正解

五月病の男性

「春眠暁を覚えず諸処に啼鳥を聞く」という漢文を習った事があると思います。

意訳しますと「春の眠りは床を離れてもまどろみから抜け出しづらく鳥の鳴き声で何とか朝を迎えることになる」という、ついつい朝寝坊をしたくなる。という意味です。

五月病の症状と似た身体の様子を文章にしているのがこれで、作は唐の時代。日本では江戸時代よりはるか以前です。これから推察すると五月病は「現代病ではない」と結論付けるのが妥当でしょう。

五月病は「病」でなく、季節の変化に併せて起こる「生理的変化」の極端な状態だとお考え下さい。

今回は五月病とはどのような状態なのか、そして予防するにはどうすればよいのかをご紹介します。

うつなどに間違えられやすい五月病の症状はどんなもの?

代表的なものとして以下の事が上げられます。

朝、眠くて起き辛い

  • 目覚ましが鳴っていてもボンヤリとした状態が続く(30分以上の場合も)
  • 起き上っても身体に力が入らない(立ってズボンの脱ぎ履きがしづらい)
  • 休みの日は朝昼兼食になる程まで起きない(用事がない限り布団の中でダラダラしていたい)

活動意欲が発揮できない

  • 何となく身体が重い感じがして歩く速度が遅く感じる(実際の速度は関係なく「感じる」という症状)
  • 同じ距離を歩いても今までより長く感じる(途中で立ち止まってしまうこともある)
  • 階段を春先のようなテンポで上がれない(下りは無視してください)
  • 休日の予定を立てるなら「○○でのんびり」という選択肢を取る(例えば川原でBBQよりも自宅でテレビ観賞)

集中力が散漫になる

  • 仕事で細かいミスをする(コンピュータのタイピングで誤字が増えている)
  • 買い物で計算違いをする(スーパー等で多種類の食品を購入したときなど)
  • 信号機への注意が曖昧である(青になって後ろの車にクラクションを鳴らされ慌てて発信する。赤信号の手前で急ブレーキをかける)

症状と具体例を3点ほど挙げてみましたが、この他にもあります。ここでは代表例のみ書き出しました。共通点を見てみましょう。

「慣れた場所(自宅・通勤路・職場等)で慣れた作業(通常業務や通勤定期の出し入れ・普段の買い物等)で身体が覚えていること(階段昇降=段差の確認・着替え・歩行等無意識で行なえる動作)」

これらの「緊張しなくてよい場面」で顕著に症状が現れるのが五月病の特徴です。

  • 絶対失敗できないプレゼン
  • 上司を乗せて運転=道の間違いや事故がないように細心の注意が必要
  • 大事な取引先への大量の贈り物の選定

など緊張感が伴うところでは案外失敗しないものです。

上記の症状は無気力症候群や「うつ」と錯覚したり、社会不適応の身体症状と考えたりされることがありますが、明確に異なります。

うつでは「頑張らないといけない」けど「頑張れない」という悲愴感を自覚しますが、五月病は最初から「頑張る気になれないし、悲愴感もない」という状況です。

社会不適応が身体症状として表れると「会社に行くとき、動悸や息切れ」等集団社会への参加に拒絶(緊張)反応がおこります(交感神経の過剰な活動)。

これに対し、五月病は「だる~い感じがして全然気分が乗ってこない、布団でごろごろしたい。」という感覚に支配されます(副交感神経の過剰な活動)。

五月病とうつ病無気力症候群社会不適応の症状の比較

無気力症候群は食欲や性欲といった動物本来が当然持つべき欲求にまでダメージがあります。その中で、性欲と食欲に気力が減少するのが特徴です。

五月病に関しては食欲は余り減少しません。「やる気はないけど取りあえず食べておこう」的な意識が特徴です。

五月病の原因は?自律神経の働きが起こす五月病の実態

私達は「交感神経」と「副交感神経」でコントロールされています。この二つの働きを確認しておきましょう。

交感神経
体温上昇や、心拍数の増加、興奮、意欲の増大等、身体を活発にさせる等の為に働きます。また、このような活動をすることで交感神経は刺激されます。
副交感神経
体温の低下(上昇抑制)、心拍数の低下、鎮静、(回復目的としての)意欲の減少、休息を促す等の為に働きます。

自律神経交感神経副交感神経それぞれの働き

これらを見ると「どちらが必要でどちらが不要」とは断言できません。心身の機能を維持するうえでどちらもが必要なのです。

ところが、この両者は一年の健康を維持するために私達の社会生活を無視して機能してしまいます。

冬は寒さで身体が冷え、交感神経が活発に働いて体温を上昇させようとします。身体は緊張し、交感神経は環境に合わせて働きます。

また、基本的には「冬籠りしたい」身体の本能に逆らった生活なので「身体に鞭うつ働き」として交感神経は活発になります。と、いうよりも活発になるしかないのです。

春になると気温が上昇します。体温を上昇させる必要もなく、冬籠りの必要もありません。

ある程度季節に従った生活となりますので、交感神経の出番は少なくなります。冬期に休みがちだった副交感神経は「そんなに体温を上げなくても暖かいから大丈夫。」とか「厳しい冬を越したから少し息抜きをした方がいい。」等、現代社会を無視した働きを身体に行ないます。

これが「五月病の実態」です。

五月病が「病でない」と申し上げたのは以上が根拠です。「病気でないなら気合いで乗り越えよう」というのは多分、貴方の上司ぐらいの年代の方でしょう。

ですが「気合いで乗り越えられない」と言うのは先の説明でご理解頂けると思います。

五月病は精神疾患でも気合いの足りなさでもなく生理現象のようなものだからです。

では、諦めて眠いときに寝ましょう。意欲が減退したときは休みましょう。とは参りませんね?五月病は次にご紹介する対策で自在に操ることができるようになるのです。

五月病とは別物の新入社員五月病

事前に申し上げますが、「新入社員五月病」なる言葉がありますが、これは五月病のメカニズムとは根本的に違います。

あくまでも理論上ですが、新入社員五月病とは環境の変化に対応しようとして緊張していた神経が疲弊して起こるモノであり、リラクゼーションが必要と他の記事で紹介されています。

ですが4月から仕事を始め、休日を差し引いて僅か20日少々で神経が限界に来るというのは考え辛いことです。

学術研究を続ける予定の方が突然未経験の精密機械の作成をするとか、意に反する強制労働をする等全く心の準備がない状態では別です。

しかし面接を受け、仕事の内容を確認し「自らの意思で選択した職業・企業」なのですから、「4月に自らの意思で入職した社員が土日祝休んでゴールデンウィーク明けに心身の疲労が限界にきて神経の弛緩が必要」は到底理解できる説とは言えません。

新入社員五月病は明らかに今回説明する五月病とは異なります。

五月病を操る3つの方法!これで五月病を改善しよう

では本題に移りまして、五月病のコントロール術です。基本的には3つの事を心がけて頂くだけで随分変わります。

運動習慣を変える

健康には有酸素運動が良いと言われますが、これは運動終了後に副交感神経が活発に働きますので五月病対策には不向きです。

運動は、ごく短時間で息が上がるような、やや激しい運動(無酸素運動)がお勧めです。

朝、少しだけ家を出る時間を遅らせてみて「走らないと電車を1本乗り過ごしてしまう」という場面設定を作り、緊張感の中駅までダッシュをするのは効果があります。

夏の薄着に併せてシェイプアップがてらに筋力トレーニングも良いでしょう。

無酸素運動を就寝前にすることは避けて下さい。朝起きて仕事が始まる前がベストタイミングです。無酸素運動は短時間に激しい活動をしますので、血圧や心拍数・呼吸等の上昇がみられます。

これに「後発的に」交感神経が活発化するのです。就寝前に行なうと寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりするからです。

尚、無酸素運動とは安静時心拍数の約2.5倍程度を目安にすると良いでしょう。

私の安静時心拍数が60~72/分ですので150/分以上が目安となります。無酸素運動の領域値は個人差がありますので心拍数で推定するのが安全です。

一方、無酸素運動だけでは本来働きたがっている「副交感神経」を押さえつけてしまい、最悪の場合「自律神経失調症」になる危険がありますので、夕食後には30分から1時間程度の有酸素運動と入念なストレッチを行なって下さい。

積極的に副交感神経を働かせて「五月病になる」のです。

ご安心ください。夕食後の有酸素運動~低温入浴~ストレッチを行なうことで神経はリラックスし、快眠効果が期待できます。五月病本来の働き=副交感神経の活動で緊張の弛緩と安静を引き出すのです。

運動習慣のまとめ

  • 活動時は短時間で激しい活動で心身を緊張させる。
  • 休息時間前は30分~1時間の有酸素運動とストレッチで心身を弛緩させる。

食習慣を変える

食事も工夫の余地があります。「腹八分で医者要らず」という言葉がありますが、五月病対策は更に一分減の「腹七分」を行ないましょう。

そして、香辛料も活用して下さい。

  • 唐辛子
  • ワサビ
  • カレーパウダー
  • 粒山椒

等を使用した食品を取り入れると脳のスイッチがONになり交感神経が覚醒します。

メジャーで活躍中のイチロー選手は「朝カレー」という習慣を取り入れていた時期があります。香辛料が目覚めのスイッチに効果ありとか。

最近は温かいご飯にかけるだけのカレー丼用パックもありますので参考にして下さい。

私は朝食とランチにワサビを使用します。朝食のご飯に海苔の佃煮にワサビを添えて、ランチはワサビを利かせた雑魚炒飯を食します。

これは単に交感神経の働きを促すだけでなく、抗菌作用もありますので参考にして下さい。また、雑魚のカルシウムは自律神経系の調子を整える効果があることも見落とせません。

夕食は不足したエネルギーと副交感神経の目覚めを促すため「腹九分」まで食して下さい。満たされた気分で心が安らいできます。

尚、ハーブティを愛用される方は活動と休息で使い分けて下さい。活動時は濃い目のローズヒップティやレモングラス等酸味のあるものを、休息時にカモミールやラベンダーのような安息系を摂るとよいでしょう。

生活習慣を変える

ある意味で最も難しい課題かもしれませんが、この期間限定で「飲み会禁止」です。

なぜかと申しますと、運動習慣・食習慣の実践を阻むのが飲み会であり、飲み会は「どこか神経を使う、おカネを払う残業」だからです。

これでは副交感神経は出番なく翌朝まで活動を待機して朝になって「春眠暁を覚えず」宜しくグッタリとして仕事モードに切り替わりません。

また、アルコールは心悸亢進・血圧上昇・感情の高揚等交感神経を刺激する一面もありますので、避けるのが無難でしょう。

ですから、

  • 宴会はキッパリ断る
  • 残業を極力しない、又は減らす
  • 早く寝る

を梅雨までは実践して下さい。

断るのは至って簡単です。「花粉症があって宴会どころではありません。特にアルコールや人の密集した環境で症状が悪化する体質のようです。その代わりと言っては何ですが、夏のビアガーデンの企画を立てさせて下さい。」と言って文句を言う人はいないでしょう。

五月病を予防するためにすべきこと(春までにしておく生活習慣の改善)まとめ

極論を言えば「五月病は冬の備えで回避できる」です。冬の間に交感神経と副交感神経の出し入れを自在に操ることができれば五月病はコントロールできます。

冬に意識的に副交感神経を活発にする行動を取り入れることができれば「五月病マスター」です。

冬期の休日やアフター5に有酸素運動を実践し、リラックス状態で睡眠することを意識して下さい。

五月病という症状について説明して参りましたが、「治す」ではなく「管理する」というのが原則なのです。

こんな症状は通院を!五月病で病院に行くべき例

翌日の仕事が気になって寝つきが悪く、疲れた朝を迎える

  • 仕事が気になる=脳は緊張を命令
  • 疲れた朝を迎えて起きられない=弛緩を命令

この繰り返しが「頑張らないといけない」でも「辛くて頑張れない」という精神疾患を誘発する精神活動の起序です。

食欲が極端に低下し、普段の半量程度の食事が1週間以上続く

前述しましたが、食欲・睡眠・性の欲求は人間のみならず動物の基本的な生物として必要な欲求です。このうち、食欲は生命の危険に直結しますので、早期に受診した方がいいでしょう。

仕事(学校)に行くのが怖い

これも前述しましたが「集団不適応」若しくは「無意識に虐めに遭っている」ということが考えられます。

その集団が貴方に不向きならば転職・配置換え・転校を検討し、雑踏に身を置く事すら怖いようであれば受診。とお考えください。

診療科目は神経内科でも構いませんが、抵抗がなければ時間をかけてカウンセリングしてもらえる精神科が望ましいです。

五月病と疾患を上手に見極め、楽しい夏を迎える準備をしましょう。

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