健康生活TOP 食生活 認知症予防、改善に葉酸が効果あり!高齢者は葉酸不足に注意

認知症予防、改善に葉酸が効果あり!高齢者は葉酸不足に注意

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葉酸(B9)はビタミンB12と一緒に働き、欠乏すると悪性貧血になるリスクが高まります。妊娠中の方、妊娠を望んでいる方の中には、胎児に悪い影響が出るかもしれないことが知られているので、ご存知の方も多いでしょう。

ビタミンB群が不足すると、興奮しやすく、疲れやすく、不安になったり、過敏になったり、怒りっぽくなることがこれまでに分かっています。

今回は認知症と葉酸の関係を見て、葉酸の効果的な摂り方のコツをご紹介します。

うつや動悸、貧血も!ビタミンB群の欠乏症で起こる症状

ビタミンB群は、バランスが崩れたり不足すると「欠乏症」となって、深刻な影響を体に及ぼします。

まずはビタミンB群の主な働きを見てみましょう。

  • 体の細胞分裂、発育を促す
  • 口腔内の炎症を予防する
  • 皮膚を健康にする
  • 病気に対する抵抗力をつける

このように見ていくと、ビタミン、特にB群は細胞の再生を促すほか、炎症に対しても治癒を促す働きを持っていることがわかります。

そして、ビタミンB群の中でも葉酸(B9)が不足してしまうとこんなことが起こってしまいます。

  • 神経過敏
  • うつ状態
  • 口内炎
  • 貧血
  • 胃潰瘍
  • 動悸
  • 息切れ

冒頭で不足すると悪性貧血になるということに触れましたね。また、リストから葉酸は細胞の再生に深く関わる栄養素ということを分かっていただけだかと思います。

認知機能低下と葉酸の関係は?

今、認知症にかなりの関心が集まっています。

「認知」とは、見たり、聞いたり、判断したり、物事の段取りをつけたりと、日常生活で必要とされる脳の働きを指します。

認知症とはもともとの認知機能が後から何らかの理由で低下したり、今まで出来ていたことができなくなったりする病気の総称です。

認知症に含まれる病気は沢山あるのですが、中でもアルツハイマー病、脳卒中などが原因の血管性認知症が多くを占めています。それらはまだ解明が進んでいる最中であり、現段階では完治が難しい病気です。

一方で、原因が比較的に明らかであり治療によって、場合によっては回復可能な認知症もあります。例えば怪我や脳腫瘍によるもので一時的なものが該当します。

ビタミンB12欠乏症も回復可能な認知症です。このような栄養障害もまた、認知機能に関係します。ビタミンB12欠乏症は欠乏している状態が解消されれば、低下していた認知機能も元に戻ることが知られています。

ビタミンB12は、魚介類、牛肉、豚肉、鶏肉などで摂取可能です。しかし加齢により胃の機能が低下すると、食品からビタミンB12の成分を分離させる胃酸を十分に分泌できなくなります。その結果、体内においてビタミンB12は不足状態になりがちになってしまいます。

アメリカでは、国を挙げて高齢者にサプリメントでB12を摂ることを進めているほどです。

ビタミンB12に話が逸れてしまいましたが、このように適切な「栄養素」は国が動くほど重要だということです。

認知症の中には、進行性で完治しないものもありうるので「怖い病気」という印象を持たれやすいかと思います。しかし、日常の食事で認知機能の低下が改善するかもしれないということになれば興味を持っていただけるのではないでしょうか。

高齢者は葉酸不足になりやすい?認知症の他の危険な病気

消化吸収能力は加齢と共に衰えていきます。消化に必要な酵素の分泌量が減少し、腸のぜんどう運動も低下してしまいます。これは生理的な変化ですので、極端に低下することがなかったとしても徐々に衰えてしまうものなのです。

つまり高齢者は一様に、若い人ほど栄養を取り入れる力がないわけです。

また葉酸は食べ物から摂取する際単独で存在しているわけではなく、たんぱく質と結合しています。

しかし前述した通り、高齢者は消化酵素の分泌量が減っており、たんぱく質を分解する酵素であるプロテアーゼも例外ではありません。

理論上は充足するはずの葉酸を食事から摂取していても、血液中には十分な葉酸が見られないという研究結果も存在しているのです。

ホモシステインの増加が病気を呼ぶ

葉酸が不足すると、体内でホモシステインというアミノ酸が過剰になります。これは、メチオニンというアミノ酸が生成される過程で生まれる物質であり、この代謝に葉酸が深くかかわっています。

葉酸が不足するとメチオニンが生成されず、ホモシステインが増加します。さらに加齢と共にホモシステインは産生されやすくなるのです。

では、ホモシステインが増加することで、どんな問題が起こるのでしょうか。

ホモシステインはチオールという構造を持っており、反応性が非常に高い物質です。そのため、血液中にホモシステインが多量に存在すると血管内皮細胞を傷つけてしまいます。

よって血栓が生じやすくなり

  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞

といった命に関わる病気を引き起こします。

血管が傷つくことで動脈硬化も進みます。ホモシステインには血液の凝固を促進する性質もあるので、さらに血栓が生じやすいと言えます。

さらに最近の研究では、アデノシルメチオニン(メチオニンの一種)が神経系に関わっていることも明らかになってきています。上でもお話しましたが、うつ病と関係があることがわかってきたのです。

うつ病患者にみられる血液の状態として、アデノシルメチオニンの数値が低い、つまりメチオニンの代謝がなされずホモシステインが多いという状態が報告されています。葉酸不足はうつ病を引き起こす可能性を高めるのです。

高齢者と言えば骨粗鬆症が有名ですが、ホモシステインはそんな骨粗鬆症にも関与しています。

骨はコラーゲンというたんぱく質によって構造が維持されているのですが、ホモシステインはコラーゲン同士の結合に作用し、正常な骨の形成を阻害してしまいます。そのため骨粗鬆症が進行し悪化してしまうのです。

ホモシステインを有用な物質にかえる!葉酸のはたらき

葉酸には、血液中で悪さをする「ホモシステイン」という物質の働きを抑える(活動を邪魔する)役目があります。

ホモシステインが増えると、アルツハイマー病の原因と言われている、「βアミロイド」というタンパクを活性化させてしまうのではないかといわれています。

ホモシステインは、必須アミノ酸の一つであるメチオニンが代謝されるときに生じます。ですから、ホモシステインはどうしてもできてしまうのですが、葉酸、B6、B12の働きが体に有用な物質に変えてくれるのです。

これら3つのビタミンが足りず、ホモシステインが変換されずに血液中に残されて多くなると、脳とのパイプである重要な血管にダメージを与えたり、神経細胞の炎症を引き起こしたりと脳にとって良くない事態を引き起こします。

もともと無害のはずのホモシステインが神経細胞にとって有害なものになり、認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)に発展する危険はかなり高くなってしまうのです。

この現象によって、スポーツをする際に必要な、目と手の動きを連携させる速度(精神運動速度といいます)や、与えられた課題に取り組む際のスピードを遅くなってしまうこともすでに確認されています。

2015年に発表されたアメリカの研究研究チームの報告からは、葉酸の摂取が不足していた人は、認知症の前段階とされるMCIと初期の認知症発症のリスクを高めたということが分かりました。

ただ、この研究では食事での葉酸摂取を分析していて、サプリメントの効果までは追求できなかったとしています。

この結果に対して結果が逆、あるいは無関係という結果の報告もあるようですが、研究者らはそれらの多くの論文の追跡期間(対象者のフォロー期間)が多くの場合1年程度と短いことを指摘し、より長く追跡した研究が必要であると述べています。

研究が大規模でもフォローが十分でないと複雑な関係がはっきりしないようです。

別のアメリカの研究チームも、葉酸をたくさん摂ることによってアルツハイマー病発症のリスクを低下させることを報告していますが、はっきりするためにはまだまだ多くの時間と多くの人の協力が必要のようです。

さらに、食事で葉酸を摂る場合とサプリメントで摂る場合の効果を比べた結果、それぞれ単体での摂り方では効果はなく、一緒に、つまり食事とサプリメントの併用が好ましいということが明らかになりました。

この研究結果が今後の他の研究で裏付けられれば、医療現場などで医療スタッフが簡単かつ価格の安い治療をアドバイスできるようになるのではないかと述べています。

確かに、アルツハイマー病を始め認知症患者さんはこれからも増え続けるでしょう。

医療費などがかさむと、高齢者にとっても、支える人たちにとっても大きな負担になります。しかし食生活のアドバイスが予防や治療の選択肢となれば、大袈裟かもしれませんが、社会の負担を減らすことにつながりますね。

葉酸はできるだけ食品で摂ろう!サプリにはちょっと注意

葉酸は

  • ブロッコリー
  • ほうれん草などの葉野菜
  • 大豆
  • いちご

などに多く含まれています。野菜を食事に取り入れるようにしていれば問題はあまりありません。

様々なサプリメントが市場に出回り、インターネットなどで簡単にしかもリーズナブルに手に入る便利な世の中です。忙しい方にとっては強い味方ですよね。

しかし、葉酸をサプリメントで摂取する際には注意が必要であることをここで注意しておきます。

血液中の葉酸濃度が高い一方でB12の濃度が低くなると、今まで述べてきたことと逆の現象、すなわち認知力の低下を招いてしまいます。 

ビタミンB6も多く摂りすぎると神経にダメージを与えますので、サプリメントなどで摂取する際は「マルチビタミン」など複数のビタミンが一緒にとれるものをおすすめします。

お決まりのようなことですが、適量を考え、野菜や肉類、魚類を含むバランスの良い食事を心がけましょう。

葉酸の効果的な摂り方

葉酸は水溶性ビタミンです。例えば、ほうれん草などを調理する際は、茹でるとせっかくの栄養が溶け出してしまいます。

食事で葉酸として摂る場合は、例えばお味噌汁やスープで一緒にいただくなど調理や摂り方に工夫が必要です。

ビタミンB群は現代において不足しがちと言われています。 その理由として、

  • 加工品が増えたことによるビタミンB群の摂取の減少
  • ストレスにより過度にアルコールを摂取する機会の増加
  • 同じくストレスなどが原因で過食に走ってしまったりすること(人)が増えたこと

などが挙げられます。

不足する理由の一つにストレスの結果としての”行動”があるということが言えますね。ストレスは生きていく上でどうしても避けられないものですが、上手に付き合っていく方法を考える必要があります。

食生活を見直して将来への不安を和らげましょう

いかがでしたでしょうか。

葉酸だけではダメなのか、葉酸だけのサプリはダメなのかとがっかりした人もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、今回ご紹介した研究は、それぞれ数ヶ月単位の短いものです。 そのせいで精密な結果が出ていないということを「言い訳」しましたが、実験・研究は世界中で日々行われ、医療も着々と進んでいます。

近い将来、信頼性の高い研究がなされ、良い結果が報告されれば、現状では症状の進行を抑えるお薬しかないアルツハイマー病などにも有効な薬やサプリメントなどができるでしょう。

今からでも遅くありません。生活習慣を見直してみるなど少しの工夫をして将来に対して漠然と持っている、健康不安や恐れを和らげてみませんか?

今回は食物と認知症の関係についてふれましたが、食生活に限らず、普段の生活習慣の積み重ねによって将来が決まってくると言っても過言ではありません。

この記事をきっかけに、今の食生活をもう一度、見直してみてはいかがでしょうか。

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