健康生活TOP 食生活 無形文化遺産の地中海料理で健康長寿!その効能と食事のコツ

無形文化遺産の地中海料理で健康長寿!その効能と食事のコツ

mediterranean cuisine

数年前、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことは皆さんもよくご存知のことと思います。見た目にも美しくヘルシーな和食は、海外でも多くの人に絶賛されていますね。

無形文化遺産に登録されたヘルシーな食文化といえば、地中海料理も忘れてはいけません。地中海料理を食べる国には健康で長寿の人が多いのです!

そこで私達日本人も、食生活に地中海料理の良いところを取り入れてみませんか?今回は健康的な地中海式食事法の特徴と調理のコツについて紹介していきたいと思います。

生活習慣病・がんを予防する地中海料理

地中海料理(地中海食)は、イタリア・スペイン・ギリシア・ポルトガル・キプロスなどの地中海沿岸国に伝わる食生活・社会的慣習です。

日本が誇る和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたのは2013年のこと。実は、地中海料理も和食よりひと足早い2010年に無形文化遺産に登録されているのです。

無形文化遺産に登録されている地中海料理は、次のように定義されています。

  • 穀類、魚介類、野菜、果物、乳製品などバランス良く摂取する
  • 肉類の摂取は少量
  • 油脂は主にオリーブオイルから摂取する
  • 食事と一緒に適量のワインを飲む
  • コミュニケーションをとりながらゆっくりと食事をとる

日本ではバブル期にイタ飯(イタリア料理)が流行し、近年ではスペインブームによってBAR(バル)というスペイン料理の立ち飲み屋も増えてきました。

有名な料理にはパスタ、ピザ、パエリアなどがありますね。このように日本でもなじみの深い地中海料理は、とても健康に良い食事スタイルということで世界中から注目を浴びています。

地中海料理を食べる習慣のある国と世界の国々を対象に、食事スタイルと生活習慣病のリスクを調査したところ、地中海料理を食べる国に次のような傾向がみられました。

  • 同じヨーロッパでも、イギリス・ドイツ・北欧に比べると虚血性心疾患が少ない
  • アメリカ・北欧に比べ生活習慣病が少ない
  • 肥満や糖尿病が少ない

また、がんの予防に効果のあることも分かっています。

食習慣とがんおよび循環器疾患リスクとの関連についての観察型研究をレビューした
結果によると、地中海式食事や、野菜・果物が豊富な食事は心疾患および一部のがんに予防的な効果を示すことがわかりました。(Tyrovolas et al. Maturitas 2010)

今回は健康的なダイエットや生活習慣病予防を目的とした「地中海式食事法」に基づいて、地中海料理のポイントを説明していきます。

そのほか、認知症の予防やアンチエイジングに良いとも言われています。

地中海料理は、食事やワインを楽しみながら肥満や生活習慣病を予防することもできる素晴らしい食事スタイルなのです。

オリーブオイル・野菜・果物をたっぷりと!地中海式食事法の基本

「地中海式食事法」は、南イタリア地方やギリシャのクレタ島の食習慣をモデルとする食事スタイルです。

地中海沿岸国の中でもクレタ島に長寿の人が多いこと、クレタ島がオリーブオイルの産地であることから、オリーブオイルを使ったクレタ島の食習慣が健康づくりに良いとして注目されるようになりました。

地中海式食事法の最大の特徴は、オリーブオイルと野菜・果物をたくさん摂取するところです。オリーブオイル・野菜・果物が生活習慣病を予防しているのです。

地中海式食事法を提案したアメリカのキース博士は、地中海料理の特徴を「食品バランスピラミッド図」で表現しています。

food balance pyramid

上に行くほど食べる量は控えめにしたい食品、下に行くほど積極的に食べたい食品ということになります。

食事をとる時には次のポイントをおさえるのが基本です。

毎日摂取する食品

  • 油脂にオリーブオイルをたくさん使う。
  • 穀物、野菜、果物、豆・ナッツ類を摂取する。
  • 毎日、魚を食べる。肉を食べるなら赤身を少量のみ。
  • ワインを1日1~2杯飲む。
  • チーズや乳製品は少量摂取する。
控えたい食品

  • 赤身の肉は月に数回程度。
  • 卵と甘い物は週に数回。
地中海式食事法のコツ

  • 1日にコップ6杯の水を飲む
  • 適度な運動を毎日行う
  • ゆっくり時間をかけて食事する
ワインは毎日飲んでもいいんですよ!これは嬉しいですね。

次に、日本人の食事に地中海式食事法を取り入れるにはどうすれば良いのか、ちょっとしたコツを紹介していきます。

これならできる!地中海式食事法を食事に取り入れていこう

地中海料理が体に良いといっても、急に食事スタイルを変えてしまうと、逆にストレスが溜まってしまうかも。まずは、いつも食べているメニューを少し地中海風にアレンジした「我が家の口に合う地中海料理」を目指すと良いですよ。

油はオリーブオイルに切り替えて

今使っている調理油がオリーブオイル以外の物なら、次からはオリーブオイルに買い替えてください。

調理用には「バージンオイル」を、生食用には「エクストラバージンオイル」を使うと良いでしょう。

サラダ油やキャノーラ油より少し値段は高くなりますが、後で病気になることを思えば安いものだと思って、健康重視で油を選びましょう。

パンに塗るのもオリーブオイル

トーストにはバターかマーガリンを塗るのが一般的かと思いますが、これからは「オリーブオイル+塩」に切り替えてください。

パンにつける時は生のエクストラバージンオイルを選んでください。果実特有の爽やかな風味を楽しむことができます。

バターは動物性脂肪が多く、摂り過ぎると悪玉コレステロールが増えてしまいます。また、マーガリンには、健康被害をもたらすとして規制の始まっている「トランス脂肪酸」が多く含まれているのです。

魚はカルパッチョやホイル焼きがおすすめ

日本も魚をよく食べる国なのですが、地中海沿岸国には負けているようです。肉や卵を食べる回数を減らして、代わりに魚のおかずを増やしましょう。

また日本と地中海沿岸では、魚の調理法も異なります。日本では刺身・焼き魚・煮魚を食べることが多いのですが、地中海料理では、魚はたっぷりの野菜と一緒に調理するのが一般的です。

有名な料理に、魚を丸ごと使って野菜と一緒に煮込んだ「アクアパッツァ」があります。

家庭で地中海風に調理するなら、カルパッチョや魚のホイル焼きがおすすめです。実は、魚のカルパッチョは、刺身を西洋風にアレンジした日本発祥の料理なのです。

魚のカルパッチョ
サラダに刺身を乗せ、オリーブオイル・酢・塩などで味付けする
ホイル焼き
魚の切り身・野菜にオリーブオイルをかけ、ホイルで包んで蒸焼きする

これなら簡単に魚と一緒に野菜やオリーブオイルを摂取することができます。

魚にはコレステロール値を改善する不飽和脂肪酸、野菜には、ビタミン・食物繊維・ポリフェノールが豊富に含まれています。魚と野菜をたくさん食べましょう!

肉は赤身だけを食べる

地中海式食事法では肉の摂取量が少なく、食べるのは赤身だけです。一方、日本人は肉の脂の旨味や甘みを好み、脂も一緒に食べることが多いです。

肉の脂には悪玉コレステロールを増やす飽和脂肪酸が含まれているので、食べ過ぎは良くありません。

地中海式食事法を意識するなら、

  • 皮のない鶏肉
  • ささみ
  • 牛や豚のヒレ肉
  • 羊肉

を選びましょう。もったいないかもしれませんが、肉についている脂身も切り捨てたほうが良いです。

時には主食をパスタに

地中海料理の主食はパン、パスタです。主食はご飯の回数を減らし、パンやパスタに変えてみるのも良いでしょう。

中でも、全粒粉の小麦粉で作られている物がおすすめです。

私達が食べている精白米(白ご飯)は、糖質の吸収速度が速く血糖値が上昇しやすいので、食べ過ぎると糖質が体脂肪に変わりやすくなったり、糖尿病を招いたりしてしまいます。

対してパスタは精白米より糖質の吸収速度が遅いため、精白米と同じカロリー量を食べても太りにくいメリットがあります。

また小麦粉も、精製した物より全粒粉などの生成されてない物の方が糖質の吸収速度が遅いので、パンを食べる時はなるべく全粒粉で作られているパンを選ぶのがおすすめです。

野菜から食べる

地中海料理では、

前菜

スープ・パスタ

メイン料理

デザート

の順で食事を進めます。

この順序には、肥満や糖尿病を予防する効果があります。

最初に野菜を胃に入れておくと、野菜の食物繊維が糖質の吸収を妨げ、その後に食べる料理の糖質の吸収速度をゆるやかにするのです。主食の前に野菜を食べる習慣をつけましょう。

昼食はしっかり、夕食は控えめに

日本人には、昼食は軽く短時間で済ませ、夕食にボリュームがある物を食べる傾向があります。しかし地中海沿岸国はその逆で、昼に時間をかけてしっかり食べ、夕食は軽食で済ますことが多いのです。

睡眠中には消化機能が低下するため、晩にたくさん食べると消化不良を起こしたり体脂肪がつきやすくなったりしてしまいます。

夕食を軽く済ますと夜に消化器の負担を抑えることができ、睡眠の質を高めることができます。

時にはワインと軽めの夕食を用意し、談笑しながらゆっくり食事を進めるのも良いのではないでしょうか。

おやつは果物やナッツを

地中海料理はあまり砂糖を使いません。地中海食事法でも、甘い物を食べるのは少量となっています。
おやつにはナッツ類・チーズを、甘みが欲しい時は果物を食べましょう。

一般的なスイーツは動物性脂肪と砂糖が多く使われている物が多く、食べ過ぎはよくありません。

なぜオリーブオイルは油なのに体に良いの?

地中海式料理に欠かせないのがオリーブオイル。一般に油脂は肥満や生活習慣病のもとになるといわれるのに、なぜオリーブオイルは体に良いのでしょうか。

オリーブオイルはほかの油より酸化しにくく、悪玉コレステロールを抑制する「オレイン酸」が豊富に含まれているので体に良いのです。

油は酸化すると風味と栄養価が落ちるほか、食べた時に下痢や嘔吐を引き起こすおそれがあります。その点、酸化しにくいオリーブオイルは安心して使うことができます。

オレイン酸というのは、植物油や魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種です。低温でも固まりにくく血液をサラサラと流れやすくしてくれます。

オレイン酸を摂取すると、LDL(悪玉)コレステロールを減らして善玉(HDL)コレステロールを増やすので、脂質異常症や動脈硬化を予防することができます。

同じ油脂で体に良くないのは、飽和脂肪酸を含む動物性脂肪です。飽和脂肪酸は低温で固まりやすいので血液をドロドロにし、悪玉コレステロールを増やして動脈硬化・心疾患のリスクを高めてしまいます。

そのほか、オリーブオイルには便秘を解消したり腹持ちを良くする効果があるとも言われています。

しかしオリーブオイルも油なので、ほかの油と同じように摂り過ぎてしまえば、カロリーオーバーから肥満を招いてしまうことになります。

動物性脂肪と置き換えることでその効果を発揮するので、おいしくてもオリーブオイルのかけ過ぎには注意してくださいね。

地中海料理は日本人の口に合いやすい料理

地中海沿岸と日本の生活習慣や食文化には違いがあるので、私達の食生活に地中海料理をそっくりそのまま取り入れることは難しいかもしれません。

しかし、日本の食文化はもともと魚食で動物性脂肪を食べることが少なく、米、野菜、魚、豆を基本とした和食は、地中海式食事法の食事バランスに似ています。ですから地中海料理は日本人の口にも合いやすいのではないかと思います。

時には和食や洋食を地中海料理に変えてみたり、和食と地中海料理をコラボさせたりして、地中海料理の良いところを取り入れていきましょう。また適度な運動もお忘れなく…。

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