健康生活TOP 食生活 コーヒーは1日何杯まで?飲み過ぎは心臓死リスクを高め危険!

コーヒーは1日何杯まで?飲み過ぎは心臓死リスクを高め危険!

コーヒーが健康に良いらしいと言うデータは、様々な研究によって裏付けられつつあります。特にお砂糖やミルクのカロリーを排したものが良いようなイメージで語られることも多いみたいですね。

しかし、全死亡に対するコーヒーの効果は、ミルクやお砂糖とは関係なく、欧米での研究によってゆるやかな効果が認められてきていました。

今回紹介するのは日本国内で行われた研究ですので、私たちの体質を反映していると言えるでしょう。

かなり綿密に調べられた調査でコーヒーの効果が判明

こうした調査と言うのは、統計的なものですから調査対象以外の要因によって結果が左右されやすいんですよね。例えばコーヒーの他に何を飲んでいたかなんてのは大きく影響しそうです。

今回の調査では、コーヒー以外の要因についても細かく調べ、データの影響がないよう統計的な手法で調整した後の数値ですから、かなり信頼度が高いと考えられます。

さて、いったいどのくらいの生活習慣情報を調べて、調整の対象にしたんでしょうか。

性別、年齢、保健所地域、喫煙習慣、飲酒習慣、BMI、高血圧・糖尿病既往、運動習慣、緑茶・中国茶・紅茶・炭酸飲料・ジュース摂取、

総エネルギー摂取量、果物・野菜・魚・肉・乳製品・米飯・味噌汁摂取及びベースライン調査時の雇用の有無で調整。

このように、肉体的な状況や住んでいる場所、他の嗜好品飲料の摂り方、食生活や仕事をしているかどうかまでが、この調査に影響を与えるとして調整の対象になっています。

全死亡リスクはコーヒーを飲むほどに下がった

さて、まず注目は全死亡リスクです。病気の種類などは問わず、死亡するリスクがどの程度になるのかを見てみましょう。コーヒーをほとんど飲まないとした人たちのグループのリスクを1とした場合の数値です。

統計の信頼区間は95%、つまり対象を変えても、同じ統計を100回取った場合に、95回は同じ結果が出ると言うレベルの確からしさをもった統計です。その結果はこのようなものでした。なお、カッコ内はデータのばらつきの範囲です。

  • ほとんどコーヒーを飲まない人:1.0
  • 1日1杯未満の人:0.91(0.86~0.95)
  • 1日1~2杯の人:0.85(0.81~0.90)
  • 1日3~4杯の人:0.76(0.70~0.83)
  • 1日5杯以上の人:0.85(0.75~0.98)

1日4杯までの人の間では、多く飲む人ほどリスクが下がっているのが判りますね。5杯以上の人で少し上がっているのは5杯でも20杯でもこのグループに入っていると言うことからでしょう。

想像ですが、おそらく2杯ずつの区切りをもう少し続けて行けば、どのあたりが「飲み過ぎ」と言うレベルになるのかが判ったのに、ちょっと残念かもです。

でもコーヒー1杯って具体的にどのくらいの量?

気になるのは、「コーヒー1杯が何mLになるのか」と言うことですね。しかし、この研究データにそのことは記載されていません。

「それじゃ意味ないじゃないか」とは思わないで下さいね。確かに定量的に調べたとは言えないデータです。つまり「お薬のようにコーヒー成分を何mg飲むとどんな病気が減るのか」と言う調べ方をしたものではないと言うことです。

定性的と言う言葉が当てはまるのかどうかは自信ありませんが、「コーヒーを飲むと言う習慣に着目した統計」だと考えるのが良いと思います。

研究報告には書かれていませんが、もしかすると「コーヒーを飲むことによるリラックス効果」も好ましい方向に働いているかもしれませんよね。それはコーヒーの成分や1杯の量に左右されるものではありません。

実際のカップの容量として見れば、デミタスカップで75mL前後、レギュラーカップで150mL前後、モーニングカップで200mL~300mLくらいですね。ここまでのカップにはソーサーが付きます。

マグカップはソーサーがつかない筒型のカップで、容量にはばらつきが多く、250mL~600mLくらいです。600mLと言うと既にコーヒー用ではなくビアマグかも知れませんが。

これらの容量は満量表記なので、実際に入っているのはこの容量の8~9割くらいでしょう。

コーヒーを飲む杯数でカウントする場合、デミタスの人は少数派でしょう。また、意外にモーニングカップやマグカップを使っている人も多そうです。

また、この研究ではレギュラーコーヒー・インスタントコーヒーの他、缶コーヒーやカフェインレスコーヒーも含めて「コーヒー」に入れています。

缶コーヒーはショート缶で190g(≒190mL)、ロング缶で約250mL、リキャップ缶のショートで約350mL、ロングで約500mLくらいですね。

また、最近流行のコンビニコーヒーはSサイズでだいたい160mLですし、自販機でレギュラーコーヒーが飲める物はレギュラーサイズで220mLくらいですね。

最近のコーヒーショップのサイズは、最も小さいサイズで150mL~240mLです。大きい方ではスターバックスコーヒーのヴェンティで590mLですからビアマグサイズですね。でも、これで「コーヒー1杯」とは普通数えないでしょう。

そうなると180~220mLくらいが平均値になるかもしれませんね。

欧米での研究では1杯240mLとしているケースもありますが、これはアメリカの計量カップが8液量オンス≒237mLだからかもしれません。

と言うことで、少々説明が長くなりましたが、「自分的に1日何杯飲んでいるか」を目安にすればいいんじゃないでしょうか。

心臓・脳・呼吸器の疾患が原因の死亡数が減る

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今度は死因別に見てみましょう。コーヒーの効果と言えばダイエットや糖尿病の予防、血栓や動脈硬化の予防改善、一部のがんのリスク低減効果などが良く知られています。さて、研究の結果はどうだったでしょうか。

今回の研究では

  • 心疾患
  • 脳血管疾患
  • 呼吸器疾患
  • がん

の4つに分けての統計も取られています。

がんには効かないコーヒーだが増やすこともなかった

意外なことに、がん死亡については全くと言っていいほど影響が見られませんでした。リスクは0.95~1.0の範囲で、しかも0.8弱から1.2弱の範囲でばらつきがあったため、全く影響が見られないと言う状態でした。

しかし、同じ国立がん研究センターの研究グループが行った、部位別がんの先行研究では

  • 肝がん
  • 膵がん
  • 女性の大腸がん
  • 子宮体がん

に対してリスク低下が示唆されたと言う研究結果があります。

ですので、今回のようにがん全体をひっくるめた研究では、はっきり見て取れるほどの差がなくなったのではないかと、研究グループは見ているようです。

このようなことから、上に示したような部位のがんには、リスク低下が期待できる可能性もありますので、美味しく楽しむにはいいと思いますね。

適量はよく効くが飲み過ぎると心臓に悪いかも

心疾患を死因とする死亡リスクについては、コーヒーを飲むとぐっと下がる事が判りました。しかし、1日に5杯以上飲むと逆にリスク上昇の恐れもあるようです。

もちろん5杯以上の中には10杯とか20杯とかも含まれてますので、5杯飲んだら心臓に悪いと言うことはないでしょう。得られたデータは次のようなものです。信頼区間は全死亡リスクと同じ95%、ばらつきは省略しますね。

  • ほとんどコーヒーを飲まない人:1.0
  • 1日1杯未満の人:0.90
  • 1日1~2杯の人:0.77
  • 1日3~4杯の人:0.64
  • 1日5杯以上の人:1.03

1日4杯のコーヒーで心疾患死のリスクがが36%も下がると言うのは、とてもありがたいことじゃないかと思います。

一番効果があったのは脳血管疾患だった

脳血管疾患と言えば、動脈硬化が原因になると言う意味で心疾患と同じような部分があるのですが、こちらの方が効果が大きかったようです。

それのみならず、飲み過ぎてもそれほどリスク上昇には繋がらなかったと言うのも注目されますね。

  • ほとんどコーヒーを飲まない人:1.0
  • 1日1杯未満の人:0.84
  • 1日1~2杯の人:0.77
  • 1日3~4杯の人:0.57
  • 1日5杯以上の人:0.72
5杯以上飲む人のリスクは3~4杯の人よりは高くなるものの、1~2杯の人よりなお低いリスクであると言うのはすごいデータですね。

もしかすると、心疾患の方ではカフェインが悪く働く部分があるけれど、脳血管疾患ではそれほどでもないのかなと想像してみたりもしました。

呼吸器疾患では少なく飲んでも効果的だと言う事が判った

1日に1杯未満でも、コーヒーを飲む習慣のある人は20%以上リスクが下がる上に、1~4杯の範囲の人は死亡リスクが40%くらい下がると言うのが呼吸器疾患での特徴です。

一方で5杯以上飲む人は1杯未満の人と同程度に戻ってしまうのみならず、データのばらつきが0.5くらいから1.4くらいと極端に大きくなっています。

  • ほとんどコーヒーを飲まない人:1.0
  • 1日1杯未満の人:0.78
  • 1日1~2杯の人:0.63
  • 1日3~4杯の人:0.60
  • 1日5杯以上の人:0.79

ですので呼吸器疾患死に対するリスク低減は1日1~4杯がベストと言えるでしょう。

毎日4杯までのコーヒーがベスト!コーヒー成分に関する推測もされています

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さて、この研究は統計的なものですので、個別の栄養素や病気に対する治療効果などについては触れられていません。

それでも死亡リスクが下がると言うことは決して小さなことではありませんから、研究グループは、その原因についていくつかの推測を行っています。

1日4杯までのコーヒーは死亡リスクを下げる

この研究で明らかになったのは、上の小見出しの通りです。このリスク低下は統計的に見てはっきりと意味のある数値として現れています。ですので、特にコーヒーを飲んではいけない理由がない限り、コーヒーは好ましい嗜好品と言えるでしょう。

このような結果が得られたことについて、研究グループは3つの推論を立てています。

  • クロロゲン酸の働き
  • カフェインの血管に対する働き
  • カフェインの気管支拡張機能

この要素が死亡リスクの低減に役立っているのではないかと言うことですね。

クロロゲン酸による血圧と血糖値への影響

クロロゲン酸はコーヒーに含まれるポリフェノールです。血糖値を下げ、血圧を改善し、抗炎症作用を持つとされています。もちろんポリフェノールですから抗酸化作用もありますよ。

研究グループは、クロロゲン酸の持つこの働きによって、心疾患や脳血管疾患のリスクが下がっている可能性を指摘しています。

他の記事でも書きましたが、クロロゲン酸はコーヒーに特有の物質ではなくゴボウにはコーヒーより多く含まれていたり、他の野菜などにも広く分布しています。

カフェインの血管機能改善作用

カフェインは血管の一番内側にある血管内皮の機能を改善する働きがあります。血管内皮は、様々な物質が血管の内外へ移行することをコントロールしていますので、生命活動において非常に重要な役割を持っているんですね。

例えば、腎臓の糸球体は血液をろ過して老廃物を捨ててくれますが、この基本的な働きは血管内皮によるものです。

また、血管内皮の機能が失われると動脈硬化につながります。動脈硬化は心疾患や脳血管疾患の一番の原因ですよね。ですから、これが改善されると言うことは様々な病気を予防できると言うことでもあります。

カフェインは気管支にも働きかける

カフェインは気管支拡張作用があります。気管支が拡張されると呼吸困難などになりにくいので、呼吸器疾患の改善には役立ちそうですね。

また、呼吸器機能全体に対してもカフェインは改善効果を持っているようです。

これらのことから、コーヒーが呼吸器疾患による死亡リスクを下げたのではないかと研究グループは推定しています。

個別の治療効果は測られていないので断定はできない

それぞれの疾患について、コーヒーを一定量飲ませるなどの介入研究が行われたわけではありませんので、コーヒーがどんな病気にどのような原理で働くのかは推論の範囲を出ていません。

そして、先にお話ししたようにお薬として働くだけではなく、リラックス効果などについても特に検討はされていません。

それでも、全般的にこのような効果があったと言うことですから、毎日4杯までのコーヒーを飲むと言うのが健康に良いと言うことだけは間違いなさそうです。

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