健康生活TOP 食生活 心筋梗塞予防にビタミンBが効果あり!キーワードは3の倍数

心筋梗塞予防にビタミンBが効果あり!キーワードは3の倍数

vitaminb

ビタミンB、疲労回復に良いと言うイメージのビタミンですね。サプリやビタミン剤、ドリンク剤なんかでお世話になっている人も多いんじゃないでしょうか。

今回はこのビタミンBが心筋梗塞を予防してくれると言うお話です。特に3種類のビタミンBが役に立ってくれるのですが、一つでも欠けるとダメと言う、ちょっと難しい側面もあります。

正しい知識を付け、ビタミンBの恩恵を受けてみませんか?

炭水化物をエネルギーに変えるビタミンBは全部で8種類

ビタミンBには後ろに番号が付くことが知られています。他のビタミンでも番号が付くものはありますが、正式に異なる働きを持つ物質として番号が認められているのはビタミンBだけです。

そのビタミンBですが、いわゆる水溶性ビタミンで過剰症が出にくく、すべてに共通するのは炭水化物をエネルギーに変える経路の中で補酵素としての働きを持っていることです。

ビタミンB6・B9・B12が心筋梗塞を防いでくれる

国立がん研究センターが中心になって行われている観察型の大規模研究、「JPHC-Study 多目的コホート研究」において、ビタミンB群が心筋梗塞など虚血性心臓疾患の発症リスクを下げると言う結果が得られています。

これはメチル代謝と言う部分で補酵素として働く3つのビタミンBに焦点を当てて研究したものです。その中でも特にビタミンB6が重要な役割を果たしていることが判りました。

ビタミンB6は、栄養関係の資料を当たると「腸内細菌が合成してくれるので欠乏症は通常起らない」・「ほとんどの食品に含まれているので一次性欠乏症は起こらない」とされています。

その一方でコホート研究の報告書では、ビタミンB6が不足気味とされています。これは、欠乏症を起こすほど不足はしていないけれど、積極的に病気を予防するほどは摂れていないと言うことを示しています。

ビタミンB6の欠乏症には口内炎、貧血やてんかん発作などが知られています。通常の生活をしていれば、そこまで不足はしないと言うことですね。

ビタミンBにはどんな働きがあるのか

ビタミンB1
チアミンと言う物質で、ビタミンの中で最初に見つかった物質です。不足すると脚気になることが知られていますね。日本の鈴木梅太郎氏が1910年に発見しています。
ビタミンB2
リボフラビンと言う物質で、主に成長に関与するビタミンです。不足すると老化が早くなったり皮膚や粘膜にトラブルが起きたりします。ビタミン剤を飲んだ後のおしっこが蛍光イエローになるのは、余って排泄されたこのビタミンの色です。
ビタミンB3
ナイアシン(ニコチン酸・ニコチン酸アミド)と言う物質で、循環系・消化系・神経系に重要な役割を果たしています。タバコの毒性物質であるニコチンの名前が入っていますが、まったく毒性はなく、人間にとって必須の栄養素です。
ビタミンB5
パントテン酸と言う物質で、糖質や脂質を代謝してエネルギーを得る時に重要な役割を果たしています。不足すると成長が止まったり皮膚や粘膜にトラブルが起きたりします。
ビタミンB6
ピリドキシン・ピリドキサミン・ピリドキサールと言う3つの物質の総称です。肝臓において多彩な代謝の補酵素として働いています。
ビタミンB7
ビオチンと言う物質で、三大栄養素の代謝に関与する補酵素であると同時に、免疫についても重要な役割を持っていると考えられています。
ビタミンB9
葉酸と言う物質です。妊娠を予定している女性には最も大切なビタミンの一つなので、女性の皆さんが一番よくご存知のビタミンBかも知れませんね。
ビタミンB12
シアノコバラミンと言う、コバルトと言う金属を構造中に持つ物質です。すべての細胞の代謝とエネルギーの産生に関与する、とても重要なビタミンです。

なお、4,8,10,11は欠番です。

ビタミンBってたくさんあるんですね。身体にとってなくてはならないと言うこともよく判りました。食べ物なら牛や豚のレバーがお勧めでしょう。大好物なんで私は不足しない自信があります。

ビタミンB6が心筋梗塞のリスク軽減に最も重要だった

さて、メチル代謝に関連する3つのビタミンBについてのコホート研究の結果を見てみましょう。この研究では研究開始時に40歳~59歳だった健康な男女約4万人を、およそ11年間追跡したものです。

そして、ビタミンB6・B9・B12の摂取量と、心筋梗塞などの虚血性心疾患にかかった危険性の比率(ハザード比)の関係を見比べたものです。

どのビタミンも多く摂った人のリスクが下がっていた

まず、ビタミンBをどの程度摂ったかについて、5つのグループに分けて見た場合のデータです。それぞれの最多グループと最少グループの平均摂取量は次の通りです。

ビタミン 最大摂取量平均 最少摂取量平均
ビタミンB6 1.6mg/日 1.3mg/日
ビタミンB9(葉酸) 436μg/日 290μg/日
ビタミンB12 11.1μg/日 6.5μg/日

その結果、最も少なく摂った人のリスクを1とした場合、どのビタミンでもより多く摂った人のリスクは下がっています。特にビタミンB6については多い方から2番目のグループでもはっきりとしたリスク低下がみられます。

graph about the risk of intake and myocardial infarction of vitaminB
一方、ビタミンB9(葉酸)については、ある程度の傾向は見られたものの、統計的に有意であると言うところにまでは届かなかったようですね。

ビタミンB6が最もリスクに影響を与えていた

次に、それぞれのビタミンを摂ったレベルが高いか低いかに二分して、その高低の組み合わせでリスクを測ったデータもあります。

全部たくさん摂った人のリスクを1として、どれかが低いレベルであった場合、どの程度リスクが増えるかを見ています。

graph about the risk of intake and myocardial infarction of vitaminB 2

全部が低レベルであった人のハザード比が最も高くなっているのはもちろんですし、3つのうち2つが低いと、やはりリスクが上昇します。

それに対して、1つだけが低かった場合は、ビタミンB9とB12ではそれほど上昇しないのに、B6が少ないと、それだけでリスクが跳ね上がっています。

ただ、B6ともう1つの2種類の組み合わせで少ない時より、B6だけが少ない時の方がリスクが上がっている理由ははっきりしていないようです。

研究グループの推論として、日本人ではビタミンB9(葉酸)とB12は比較的よく摂れているのに対して、B6の摂取量が全般的に少ないことに何らかの原因があるのかもしれないとしています。
ビタミンBでこれほど心筋梗塞のリスクが変わるんですね。食生活をしっかり組み立てて病気にならないよう備えましょう。

なぜこの3つのビタミンが心筋梗塞を予防するのか

研究グループはホモシステインと言う物質に着目しています。ホモシステインは必須アミノ酸であるメチオニンが代謝されてゆく途中にできる中間生成物ですが、これが血液中に増えると動脈硬化を引き起こすことが知られています。

レアケースの先天性の病気でこのホモシステインを処理できない場合は、かなり重症になることも珍しくないのですが、その際にもビタミンB6・B9・B12を治療に用いることがあります。

注目すべきは代謝の流れをスムーズにするこのビタミンの働き

先にメチル代謝と言う言葉を紹介しました。必須アミノ酸のメチオニンには末端にメチル基と言う部分がくっついています。そして他の物質にこのメチル基を引き渡すことで体内の様々な働きに関与しているのです。

そして、メチル基を失ったメチオニンはホモシステインと言う物質になります。ホモシステインはビタミンB12の働きで、ビタミンB9が運んでくる別のメチル基を受け取ってメチオニンに戻ります。

一方、ビタミンB6の働きでホモシステインはシステインと2-オキソ酪酸と言う物質に代謝されるルートもあります。2-オキソ酪酸はさらに代謝されてTCAサイクル(クエン酸回路)の中でエネルギーとして消費されてゆきます。

このようにビタミンB9とB12はホモシステインののリサイクルに、B6はホモシステインの消費に関わる重要な補酵素として働いていたんですね。

身体に悪影響のある中間生成物を残さないための働きを持っていたから、動脈硬化を、ひいては心筋梗塞のリスクを下げたのでしょう。

ホモシステインの害とホモシステインリスクの高い人

ではホモシステインはどのように身体を傷め、どんな要因が血液の中のホモシステインが高くなりやすい人なのでしょう。

(抜粋)

血漿ホモシステイン濃度の上昇には、加齢・男性などの生理的要因、ホモシステイン代謝に必要なビタミンB6、 B12、又は葉酸などの補酵素の不足、喫煙やコーヒー摂取などの生活習慣などが係わっていると考えられている。

ホモシステインは血管内皮細胞障害、血管平滑筋細胞増殖、血小板活性化、血栓形成などの作用があることが知られている。

ホモシステインがジスルフィド結合を形成する過程で生じた過酸化水素やスーパーオキシドラジカルなどが酸化ストレスとして内皮細胞を障害すると考えられている。

これらの活性酸素種は、内皮由来のNOを不活性化して内皮機能を低下させたり、LDLを酸化LDLに変性させる。

引用文中にある”NO”は「一酸化窒素」のことです。血管の筋肉を緩め血流量を増やす働きがあります。心臓病のお薬のニトログリセリンもこの物質の働きを利用しています。これが活性酸素に出会うと酸化されて二酸化窒素になり、血流を増やす機能がなくなるのです。

ジスルフィド結合とは含硫アミノ酸2つが、硫黄原子の部分で結合することです。髪の毛の構造に関係するので、パーマ液が化学反応の標的にする部分でもあります。

コーヒーについては逆に血中ホモシステイン濃度を下げると言う研究もあるようですから一旦措くとして、ある程度の年齢以上の男性で、ビタミンをあまり摂らずタバコを吸う人がハイリスク群ですね。

私の場合、年齢以外は合格ですね。でも、加齢と言うのは誰にでも起こる現象ですから、これまで以上に自分の身体を大切にしたいです。

もう一つの3の倍数、ビタミンB3は心筋梗塞に効くのか?

これまではビタミンB6・B9・B12を見てきましたが、B3についてはどうなんでしょう。3の倍数と言うのは偶然の一致にすぎないのですが、やっぱり気になりますよね。

ビタミンB3はナイアシンと呼ばれることの方が多いビタミンです。

ナイアシンには心筋梗塞の再発防止や動脈硬化の改善作用があった

ナイアシンについては、以前「たらこ」が脂質異常症を改善するお話で紹介しました。
脂質異常症にたらこが良い!常識をくつがえすたらこの効能

脂質異常症を改善してくれるのですから、動脈硬化の予防には役立ちます。その結果虚血性心疾患の予防にも役立つだろうと言うことは充分想像できますね。

しかしそれだけではなく、個々の臨床事例でも、ランダム化比較試験でも、実際に心筋梗塞のリスクを下げたと言うデータはいくつも得られています。と言うことで、ビタミンB3についても虚血性心疾患の予防改善に効果が期待できます。

「3の倍数の時だけ~」っていう芸人さんがいましたね。

3の倍数ってビタミンBでは心臓の味方だったんです。アホになってる場合じゃありませんよ。

これらのビタミンB群はどんな食べ物に含まれているのか

先のビタミンB6・B9・B12の研究では、サプリやビタミン製剤ではなく、食べ物からどの程度摂取しているかと言う内容での研究でした。つまり、普段の食べ物に気を付けているだけで心筋梗塞を予防できると言うことですね。

そうなってくると、どんな食事をするのが良いのか気になります。しかし、予防したいのは心筋梗塞だけではありませんから、健康のためにはバランスも考えて食べましょうね。

ビタミンB6は現状の日本人では推奨量に達していないビタミン

ビタミンB6については厚生労働省の示す推奨量、女性1.2mg/日・男性1.4mg/日に対して、実際には女性で平均1.02mg/日、男性で平均1.20mg/日しか摂れていません。だいたい15%くらい不足している感じですね。

ではたくさん含んでいる食べ物を見てみましょう。野菜や肉・穀類などたくさんに使えるものと、乾物や香辛料など少量しか使えない物に分けて見てみます。たくさん使えるものは可食部100gあたり、少量しか使えない物は可食部1gあたりの数値です。

たくさん使える食材名 ビタミンB6含有量(100gあたり)
マグロ類 0.46~1.08mg
酒粕 0.94mg
牛レバー 0.94mg
かつお 0.76mg
七面鳥 0.72mg
黒砂糖 0.72mg
鶏肉:ささみ・キモ・胸肉 0.35~0.65mg
豚レバー 0.57mg
新巻鮭 0.56mg
牛ランプ肉赤身 0.52mg
少ししか使えない食材名 ビタミンB6含有量(1gあたり)
とうがらし(乾) 0.038mg
ガーリックパウダー 0.023mg
乾燥バジル 0.018mg
生にんにく 0.015mg
乾燥パセリ 0.015mg
乾燥パン酵母 0.013mg
ピスタチオナッツ(炒り・味付) 0.012mg
ドライバナナ 0.010mg
乾燥生姜 0.010mg
抹茶 0.010mg

先の研究で、最も多く摂っていた人たちのグループでは平均1.6mg/日でした。ですので、平均的な日本人であれば、だいたい男性で0.4mg、女性で0.6mgを多めに摂れば良いわけですね。

一つの食品で摂る必要はありませんから、こうしたデータを参考に献立を考えてみて下さい。

ビタミンB9・B12は不足はしていないが積極的に摂りたいビタミン

ビタミンB9(葉酸)とビタミンB12は、厚生労働省の示す摂取推奨量に対して、平均的な日本人の食事で足りていると言う統計があります。ですので、普通に生活している分には欠乏症の心配はありません。

しかし、先に挙げた「心筋梗塞の予防」に有効な量には達していません。ビタミンB9で現状プラス160μg/日くらい、ビタミンB12で現状とほぼ同量を追加することになる、現状プラス5.5μg/日くらいを摂りたいところです。

ビタミンB9は鶏・牛・豚レバーや枝豆などに多く含まれます。現在の食事に追加して、鶏レバーなら生の状態で13グラム、あるいは枝豆なら豆の部分だけで50グラムを摂れば、心筋梗塞のリスクが低いグループの数値に届くでしょう。

ビタミンB12は青魚や魚卵、貝類に多いですね。これらを毎日30~50グラム追加すればOKです。シジミなら食べられる部分8グラムで間に合いますから味噌汁が良いですね。北海道名物、鮭の内臓の塩辛「めふん」なら、毎日2グラムで足りますよ。

ビタミンB3は不足していないがもう少し摂りたいビタミン

ビタミンB3(ナイアシン)は、ほぼ厚生労働省の推奨量を満足する程度の量を、平均的日本人は摂っているようです。ですので特に心配はないのですが、心筋梗塞予防と言う観点からは少し余分に摂りたいところですね。

ビタミンB3は先ほど紹介したたらこの他、メジマグロやびんちょうに多く含まれています。ピーナッツにもそこそこ含まれていますので、おやつに良いかもしれません。

そう言えば最近シジミの味噌汁って食べてないですねぇ…。

ビタミンB12のために塩分には気を付けつつしっかり食べましょう。

ビタミンB3・B6・B9には過剰症があるのでサプリは控えた方が良い

基本的にビタミンB群は水溶性なので過剰症が出にくいのですが、今回紹介したものは過剰摂取しても一定量以下しか吸収されないB12を除いて、いずれも過剰症が知られています。

ですので、国産の総合ビタミン剤に含まれている程度は別にして、サプリなどから高効率のものを大量に摂るのは避けた方が安全です。

特にB3(ナイアシン)とB9(葉酸)は食事からだけでも、厚労省の推奨量には届いているわけですので、食事のコントロールにとどめた方が良いでしょう。

大雑把な言い方ですが、レバー類と青魚を上手に摂っていれば、これらのビタミンはうまく補充できます。レバー類は脂質も少なく高たんぱくなので、積極的に摂りたい食物ですね。

今夜はレバニラ炒めを食べたくなってきました。ニラはβカロテンが多くて、これも健康に良いんですよ。

ノンアルコールビールでガッツリいただきましょうかね…お腹がすいてきました。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る