健康生活TOP ダイエット 断食、絶食の正しいやり方は?ダイエットのための食べないことの効果

断食、絶食の正しいやり方は?ダイエットのための食べないことの効果

絶食と断食、どちらもダイエットの方法として使われることもある用語で、よく似た言葉ですが何が違うのでしょうか。結論から言うと、方法論的な部分では全く同じで、健康に与える影響も同じです。

ただ、断食と言うのは自分の意思で行うのもであるのに対して、絶食と言うのは例えば手術の前準備などのように、自分としては食べたいのだけれど食べさせてもらえないと言った状態も含んでいるということなのです。

絶食を行うと、食べていない間は体重が減ります。しかし、絶食を終わらせると体重は元に戻ります。実に簡単で自然なことですね。

しかも、終わらせ方を誤ると、むしろ絶食によって太ってしまうこともあるのです。気を付けましょう。

絶食によって体重が減ってもリバウンドしてしまうメカニズムとは?「胃が小さくなる」というのは本当か?一日一食ダイエットの効果とは?

…などなど、食べないことのダイエットへの効果を解説してまいります。

自分の理想的な姿を追求することが健康を害することもある

世間で言われているダイエットと言うのは、「なりたい体形になるための努力」です。これ自体は良いことです、目標を持って行動することは褒められるべきことだと言えるでしょう。

しかし、2つのことに注意しないと、それは誤った行動になってしまうのです。ひとつは誤った方法をとってしまうこと、もうひとつは誤った目標を持ってしまうことです。

絶食は医療行為として行われることもある

絶食は医療行為として行われています。例えば、割合悩んでいる人が多い過敏性腸症候群では、10日間の完全絶食期間と5日間の復食期間の、合計15日間の絶食療法に有効性が示唆されています。

この療法によってある程度は体重が減るかも知れませんが、必要なビタミンやミネラル、各種栄養素などは輸液(点滴)によって賄われますから、それほど痩せてしまう心配はありません。

こうした医療機関の管理下での絶食は、他の病気に対しても有効性があると考えられていますし、実施している医療機関も少なくありません。

さらには代替医療としての絶食療法も、医療機関によっては採用している例があるようですね。いずれにせよ、絶食する人の健康状態を医療者がしっかり監視しているということは共通しています。

では、肥満に対して絶食療法が採られることはあるのでしょうか。これは医療機関ごとの判断によってまちまちですが、採用している医療機関もあります。だいたい安いところで6泊7日(うち絶食は3日間)で10万円前後の費用がかかるようです。

一方で、病的肥満については健康保険が適用される可能性もゼロではないので、医療機関に相談してみましょう。基準は医療機関によってまちまちですが、おおむねBMIが35.0kg/m2を超えていて※、肥満による合併症があることが条件になります。

※BMI35.0kg/m2とは、身長155cmで84.1kg、身長170cmで101.2kgくらいです。

こうした場合には、他にも手術で栄養吸収を抑えてしまう、胃バイパス手術が行える場合もあります。

絶食はごく一部の例外を除いて誤った行動である

「自分のあるべき姿、理想の姿と言うもののうち、自分の体形に関係した部分を追求し、食事に関して厳しく制限する」と言う言葉を聞いて、ダイエットをしたいと思っている人は、「それだ!」と感じるのではないでしょうか。

しかし実はこれ、摂食障害のうち神経性食欲不振症の定義でもあるのです。いわゆる思春期やせ症などもこれに含まれます。もちろん、スポーツや職業などで必要である場合は別ですよ。

なぜ別かと言うと、そうした目的のある体形の追求は、それ以前に健康であることが優先されるからです。病的な状態の上に理想の体形は成立し得ないからと言っても良いでしょう。

こうした誤った理想像と行動は、中世ヨーロッパの修道女の間によく見られたという研究もあります。食べ物を遠ざける禁欲も、神に使える身の美しさの一つと考えられたのです。

実際に、そうした食事に関する禁欲的な生活が原因で死んだシスターも結構おられたということです。そのせいか、こうした精神的な病態は17世紀には既に報告されており、現在のような病名も19世紀には確立していたとされています。

一方、こうした摂食障害では、反動で起こる「無茶食い+嘔吐」と言う症状も有名ですね。思春期の摂食障害では吐きダコができるぐらい、無茶食いと嘔吐を繰り返す人もいます。

中世の宗教者の間では、こうした状態を「悪魔の仕業」と考えたようです。医学的な情報が充分でなかった時代ならではの考え方ですが、何となく気持ちは判ります。

大昔には宗教的な意識から発生した自分の体形に関する感覚が、現在では美的なものに変化したと考えればいいのでしょう。しかし、安易な絶食が無意味かつ危険であることは今も昔も変わりありません。

「食べなければ痩せる」のだから「絶食が最も効率的」と考えるのは大きな誤りなのです。

絶食してもすぐには死にませんから、安易に絶食を行おうとしてしまうのでしょう。でもそれは危険ですので、絶食は医療行為として必要な時に、医療機関において、医療者の管理の下でだけ行うようにしましょう。

絶食で見かけの体重が減るのは当初の3日間だけのまやかし

絶食すると最初の3日間くらいは大きく体重が減ることがあります。しかし、これはあくまで見かけの体重だけであって、身体の実質がそれほど大きく減ったわけではありません。

また、絶食を完了すれば徐々に食事を元に戻すわけですが、この時にはその「見かけの減量分」が、リアルタイムでリバウンドして行きます。

最初に減るのはカロリーの影響ではなくて便の重さ

絶食すると食べ物が入ってきません。つまり、一日に食べる分の重量がゼロになるという訳です。しかし、健康であれば毎日排便しますから、絶食前に食べた食べ物も、2~3日で完全に出てゆくでしょう。

普通なら食べた量とバランスするこの重さが補充されないわけですから、見かけの体重はあっという間に減りますね。もしかすると1日に1kg減と言った、ものすごく大きな数字が表れるかも知れません。

でも、これは本当の体重が減ったわけではありません。ポケットに石ころを詰めて体重計に乗っていた状態から、石ころを出しただけにすぎないのです。

そのため、食べ物由来の便が全部出た段階で、減量スピードはぐっと遅くなるでしょう。そこから先は、本当にカロリーが減ったことによる体重減に変わってゆきます。

仮に1日2000kcalくらい食べていたとして、それがゼロになるわけですから、最初は一日におよそ270g~280gくらい減るかも知れません。しかし、食べ物が入ってこないと消費されるカロリーも減りますので、すぐにもっと少ない体重減に変わるでしょう。

絶食によるカロリー減少効果は極めて少ない

普通の人が絶食できるのはせいぜい10日間くらいでしょうか。多くの場合1日から3日くらいではないかと考えます。仮に3日とした場合、1日2000kcalとして6000kcal、体重にして800gくらいが減るだけです。それなら1日10%分、つまり1800kcalに絞って一か月ダイエットしても同じですよね。

しかも絶食している間は何も食べないわけですから、ビタミンもミネラルも食物繊維もゼロです。餌がもらえなくて腸の中の善玉菌が死んでしまうかもしれません。

体内ではエネルギーを作り出し、外敵を排除するために活性酸素が作り続けられますが、何も食べないと言うことは抗酸化物質の摂取もゼロと言うことになります。

医療行為としての絶食療法ですら、輸液に含まれるビタミンやミネラルなどの微量要素の不足が指摘されるようなこともありますので、一般人が自己判断で絶食をするのはあまりお勧めできません。

ビタミン剤やサプリを絶食状態で服用することの安全性も、保証されたものではありませんから思わぬトラブルを招く可能性もあります。

ダイエットは一生続けられなければ意味がない

どんな方法であっても、ダイエットして体重を減らした後、元の生活に戻れば元の体重に戻ります。これは、ダイエットを始めたときの生活と言うのがそのタイミングでの体重を維持していたからです。

ですので、ダイエットを終了して元の生活に戻すと、再び元の体重になるのは自然なことなのです。ですから、体重を減らしたまま維持するのであれば、ダイエット後の生活パターンを見つける努力が必要になります。

このことは、仮に絶食によって体重を減らした場合でも同じことが言えるのですが、絶食は摂取カロリーをゼロにしていますから、その後の生活の設定が難しいのです。

まず、目標体重より少し重めのところで、体重減少が続いているかどうかを確認します。まだ減っているようであれば、少し食事を増やしたり、運動量を減らしたりします。

それでもまだ減っているようであれば、さらに微妙に食事を増やしたり、運動量を減らしたりします。それを毎日少しずつ変化させながら、体重が増加に転じたところで1~2日前の生活パターンにして様子を見ます。

そうすると、体重が増えも減りもしないところが見つかるはずですので、それをその後の生活の基準にして下さい。

もちろん、加齢に伴って食べ物の好みが変わったり、消費カロリーが変わったりして体重に変動が起こることもありますから、その際にも同じようにして微調整し、その後の生活を決めて下さい。

体重が減ると消費カロリーも減りますので、必ずこうした調整を行っておかないといけません。つまり、ダイエットとは一生の間調整しながら継続できないとダメだということなのです。

ダイエットは本来「食事療法」や「日々の生活」と言う意味ですので、本来の言葉通りの行動を取ればいいと言うことなんですね。

胃が小さくなるというのは比喩的表現

よく「絶食すると胃が小さくなるから減量に良い」などと言われます。これは実際に胃と言う臓器が小さくなるわけではなく、使わなかったことによって満腹になったと感じるレベルが下がったことを指す比喩的表現なのです。

ですので普通の食事に戻せば、ほどなく元の感覚にもどります。つまり「再び胃が大きくなった」と言うことですね。しかし、中には食べられる量が回復しない場合もありますが、それはむしろ良くないことの可能性があるのです。

そもそも胃は30倍以上に膨らむ

もともと空腹時には胃はしぼんでいます。空腹なのに、人体模型で見るような胃の形をキープしているわけではありません。逆に動けないほど満腹して、お腹がポッコリ膨れているようなときにも、人体模型のような形ではないのです。

完全に空っぽの時の胃は、大さじ3~4杯程度の容積しかありませんが、完全にはちきれるほど一杯になった時には一升瓶1本分くらいの容積があります。それほど伸縮するわけですね。

ですから先に紹介した胃バイパス手術や胃がんなどの疾患で胃を切り取ってしまわない限り、本当の意味で「胃が小さくなる」と言うことはありません。

しかし、絶食などで胃をあまり使わないと、胃が満杯になったという信号が早く出るようになります。これを「胃が小さくなった」と比喩しているわけですが、実際のところ効果としては胃が小さくなったのと同じですね。

とは言え、健康であればこの感覚はすぐに元に戻ります。むしろ問題なのは、こうした絶食を繰り返すことで、消化器の機能が落ちてしまうことです。

もちろん一度や二度の絶食で、そうした変化はおそらく起きないでしょう。しかし、習慣的な長時間の空腹が胃腸に悪影響を出す可能性はありますから、絶食や極端な減食は行わない方が安全です。

胃は縮まないが肝臓は太る

絶食と言うのは、意図的な低栄養状態と言い換えても良いでしょう。低栄養状態をもたらすことで体重を減らそうというものですね。この時に注意しなければいけないのは脂肪肝です。

特にたんぱく質が充分に摂れていない食生活の場合、脂肪肝が引き起こされることがあります。絶食の場合はたんぱく質も何も、食べ物を食べないわけですから全部が不足していますね。

絶食のような極端なダイエットを好む人は、普段からカロリーを気にするあまり、脂質を極端に嫌う傾向があります。アトウォーターの換算係数では、単位重量当たり脂質は糖質の2.25倍のカロリーがありますから、避けたくなる気持ちもわからないではありません。

しかし、脂質を避けようとするあまり、肉や魚はもちろん、大豆製品や乳製品まで食べない人も見受けられるようです。もちろん乳製品には乳脂肪がありますし、大豆も大豆油がとれるほど脂質を含んでいます。

だからと言ってそれらを摂らないとたんぱく質が不足してしまいます。そういった人の食生活は、炭水化物がエネルギーのほとんどを賄ってしまっていますから、カロリーは充分なのに飢餓状態になっていると言えるでしょう。

絶食はもちろんたんぱく質不足を招きますが、絶食をしなくても脂質を嫌うあまりたんぱく質不足になってはいけません。

たんぱく質不足は中性脂肪の合成を促進し、肥満である場合はもちろんのこと、痩せである場合ですら、肝臓に大量の脂肪がまとわりついてしまいます。

そうなると肝臓の機能が落ちて、さらに痩せにくい体質になってしまいますし、すでに痩せである人の場合お腹だけが出てくる可能性もあります。昔の絵にある餓鬼体形ですね。

今の日本では、普通の生活をしている限りこんな状態には陥りません。しかし、極端なダイエットをする人や大量飲酒者で食事を充分に摂らない人の場合、一部の厳しい食糧状態の紛争地域の子供たちのような栄養失調に陥ってしまうこともあるのです。

50代の大酒のみの人が肝臓の異常で意識不明になって搬送された時、調べてみたらアルコールの影響は少なく、低栄養で高度の脂肪肝になっていたことがわかったという症例もあるのです。もちろん日本での話です。

断食に似たものに一日一食ダイエットがあるがこれも要注意

絶食に宗教的な理由などがくっついてくると断食と言うことになります。日本では天台宗延暦寺の比叡山千日回峰行で行われる堂入りの、足掛け9日に及ぶ断食・断水・断眠・断臥の苦行が有名です。おそらく世界でも有数の苦行でしょう。

一方、多くの信者が参加するものとしては、イスラム教のラマダーン(断食月)がよく知られています。期間中は、太陽が昇っている間は一切の飲食をしないというものです。これは一日一食ダイエットに似ていますね。

中東では断食月に肥満者が増える

ラマダーンの断食は宗教的行事で、そのお祝い的側面に原因があることも否めないのですが、日が上っている間一切の飲食ができないことから、夜間に摂る食事の量が非常に多くなることが原因で断食月に肥満する人が多くなると考えられています。

一日一食ダイエットの場合も、これに近い現象が起こり得ます。一回の食事ではそれほど大量の食品を摂れないことから、好きなだけ食べても総カロリーが抑えられるというのが、一日一食ダイエットの主な狙いのようです。

確かにそうした方法が身体に合う人がいる可能性は否定できません。しかし、誰にでもお勧めできる方法でないのは確かですね。

例えば若い人であった場合、一回の食事で充分なカロリーが摂れるように、脂質の多い食事を好み食物繊維などを好まないように、食事の嗜好が変化して行く可能性があります。

例えば、一日一食だからとチャーシューメンにチャーハン、鶏のから揚げ一人前を付ければ、お店によっては軽く2000kcalを超えてきます。そうしたものに嗜好が偏ってゆくのは非常に危険です。

糖尿病リスクが増える一日一食

肥満は糖尿病のリスクを高めますから、一日一食ダイエットであっても肥満を解消できるのは良いことです。しかし、それは飽くまで普通体重から逸脱した肥満であって、主観で測る見た目の太さとは関係ありません。

ですので、BMIが25.0kg/m2以上になっていないのにそうしたダイエットを行うのはやめましょう。BMIが25.0kg/m2とは身長155cmで60.1kg、170cmで72.3kgです。これを超えてはじめて、もっとも軽度の肥満と言えるのです。

一方で、一日一食と言うことは、食間が23時間くらいになると言うことです。その時間の間には体内のグリコーゲンも使い果たして、脂肪から分離されたグリセリンと、たんぱく質を分解した糖源性アミノ酸を原料に肝臓で糖が新生されているでしょう。

糖新生が行われると体内でエネルギーがたくさん使われますので、それによってのダイエット効果も期待できるとは思います。

一方で、血糖値は低血糖ぎりぎりまでのレベルに下がっているでしょう。もちろん健康であれば肝臓の糖新生によって、最低限の血糖値は保たれますから低血糖は起こりません。

しかし、そんな状態で23時間ぶりに食べ物がたっぷり入ってきたら、いきなり血糖値は跳ね上がります。するとインスリンが大量に分泌されて、血糖を中性脂肪に換えて保存し、血糖値を一定に保ちます。

インスリンが肥満ホルモンと言われる所以ですね。これを繰り返すと、糖新生で脂肪を使っては食事で脂肪を増やすことになるので、トータルではバランスしているかも知れませんし、場合によっては体重が減るかも知れません。

でも、こうした血糖値の急上昇と急降下は耐糖能を低下させ、ひいては糖尿病を発症させてしまいます。

普通体重を維持できているのであれば、むしろ同じ量の食事を5~7回に分けて食べる頻回食の方が、身体への負担が少なくて良いかもしれません。

中東の方は男性の場合恰幅のいい人が多いですよね。はっきり言って肥満レベルです。女性はあの衣装のせいで体形がわかりにくいのですが、イラン在住の日本人女性の話では、とてもふくよかなんだそうです。

絶食は勧められないがどうしても行うのなら入院して行う

このように、食事を抜くダイエットと言うのは、様々な面から見てベネフィット(期待できる効果)よりリスク(予想される危険性)の方が大きいと言わざるを得ません。ですので、減量目的のダイエットであれば、食事を抜くのではなく量と質のコントロールで行って下さい。

それが難しいから手っ取り早い食事回数を減らす方法を行うのだという人は、一度立ち止まって考えて下さい。まずあなたはBMIが25.0kg/m2以上の肥満体形なのですか。もしそうでないならダイエットしようとすること自体が誤りです。

一方、肥満体形で生活習慣病の危険性を指摘されているのなら、病院を受診して栄養士さんによる栄養指導を受けて下さい。そして、1~2か月に1度は生活習慣のチェックを受けましょう。糖尿病などの生活習慣病の診断を受けていれば、健康保険の適用もあります。

普通体重の範囲ではあるけれど、BMI=22.0kg/m2の標準体重にしたいという希望があるのであれば、先に紹介した栄養バランスはそのままで一日のカロリーを10%減らす方向にチャレンジして下さい。

概算ですが、普通体重の上限から標準体重に落とすまで、おそらく1年は必要ないでしょう。8~9か月くらいで目標が達成できると思うので、後はそれを維持する食事パターンを見つけてくださいね。

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