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本屋でトイレに行きたくなる、青木まりこ現象に科学的根拠はあるの?

本屋で本を手に取る女性

急ですが、皆さんは書店で長時間本を探しているとき突然、便意を催したことはありますか?おそらく耳にしたことのあるこの現象、実は「青木まりこ現象」という名前があります。この現象に名前が付けられ、大々的に広まったのは今から30年以上も前。

もちろん最近は、始めの頃の注目を浴びていたときに比べると比較的あまり耳にしないかと思いますが、「青木まりこ現象」自体が消えたわけではありません。

原因がはっきりせず確認しずらいこともあり都市伝説として説明されていることもありますが、今現在もこの現象に悩む方は存在します。

この現象の原因としては様々な説があり、今までも何度か雑誌、テレビで取り上げられました。原因解明を目指したくさんの専門家がいろいろな仮説を唱えましたが、では一体どれが真実なのでしょうか。

謎の多い「青木まりこ現象」の今現在わかっている情報をまとめてみましたので、この現象で困っている方もあるいは便秘気味の方も、毎日快調だけど雑学として知りたい方も是非この記事を読んでいただきたいと思います。

本屋での便意、青木まりこ現象!その由来と歴史

まずはじめに疑問に思うのは「青木まりこさんって誰?」ということかと思います。青木まりこさんというのは始めに自身の体に起こったこの現象について、世に広めるきっかけとなった女性の名前です。

発端は1985年、とある雑誌の読者欄に当時29歳の女性・青木まりこさんの「本屋に長時間いると便意を催してしまう」という内容の投稿が掲載されました。

その雑誌が発売されるとたちまち同じような悩みを持つ読者から多くの反響があり、それは次号で特集記事が組まれるほど大きなものでした。

そこからこの現象は、最初の投稿をした女性の名前である、”青木まりこ”現象と名付けられ、広く話題になりました。

青木まりこさん本人はその後も同内容の取材をいくつが受けており、投稿したのも悩みというよりは「なぜこのような現象が起こるのだろう」と純粋に疑問に思ったからのようです。

書店で催す便意が「青木まりこ現象」という名前で広く知れ渡る以前にも同様の話はちょこちょことはあったようなので、陰ながらこの現象を体験している方はこれ以前から存在していたということでしょう。

ちなみに国外でもこの現象は起きているのですが、日本ほど注目されたことがないためか数としてはそれほど頻繁に同様の声が上がるということはないそうです。

青木まりこ現象の詳しい症状とは?

書店での便意ということですが、青木まりこ現象の体験者のほとんどが”大”の方を強く催す傾向にあり、”小”を催すのは少数派とのことです。そしてこの現象の特徴は”突然”トイレに行きたくなるという点です。

それは漫画の立ち読みをしていても、学識高い文芸書の立ち読みをしていても本の種類は問わず、体調が良い・悪いも関係なくやってきます。

またその便意についてもその強度は幅広く、我慢できる程度なので目的の本を探し購入してからトイレへ行くという方もいらっしゃれば、症状が重い方ですと購入する本を事前に決めておきその本だけを素早く購入しすぐさま立ち去るようにしないと不安だという方もいらっしゃいます。

さらに重度だともはや書店の中に入れず、必要な本があれば必ず人に頼むかネット注文で購入する方というまでいらっしゃいます。

なお、これは個人差がありますが、「便秘気味のときに多く見られる」、「体験者はほぼ成人であり、子どもにはあまり起こらない」という意見もあります。また書店から出ると、不思議なことに便意がおさまる方もいらっしゃいます。

「青木まりこ現象」は病名ではありません。そのような疾患が存在するわけでもありません。

仮説は多数あるものの原因不明

さて、ではこの不思議な現象の原因は一体何なのか気になりますよね。実はこの現象、医学的・科学的な面からの答えは今だ確立してはいません。青木まりこさん本人の取材から得た詳しい情報は次の通りです。

  • 書店に長時間(だいたい1時間以上)滞在すると突然便意を催す
  • 読んでいる本の種類が難解なものであろうと読みやすい漫画であろうと同じように便意を催す
  • 図書館や古本屋ではこの現象は起きない

ちなみに青木まりこさんは以前印刷所に勤務していたこともありますが、その時は突然便意におそわれた経験はないようです。

原因がはっきり確立したわけではありませんが、これまでたくさんの議論がなされ様々な方面から見た仮説が多く立てられています。なのでここではその中でも有力だと思われる説をいくつかご紹介します。

青木まりこ現象の原因(1)本のインクのにおい説

本の紙やインクなどの何らかの科学物質が脳に刺激を与えることで便意を誘発するという説。

この説は比較的古くから言われており有名な説なのですが、上記にあるように青木まりこさん本人の話を聞くと印刷所で働いているとき紙やインクのにおいはよくかいでいたそうなので、その点で言うとこの説が答えだとは断定しにくくなります。

その他、否定派の意見としては下記のものがあります。

  • 印刷所や書店で働く人が仕事中にこの現象を体験する話は聞かない。そもそも働くたびにトイレに行きたくなってしまったら仕事にならない。
  • 自宅に大量の本がある人の家でこの現象は起こらない。
  • 青木まりこ現象を本屋以外の、例えばレンタルビデオ店や通勤電車などでよく体験する人もいる。

また以前テレビ番組でこの説を検証しようと実験が行われましたが、その時にも証拠となる実験結果は出ませんでした。

「そのような物質があればすでに便秘薬として製品化し、売り出されているはず」と言う専門家の声もあり確定には至っていません。

青木まりこ現象の原因(2)条件反射説

自宅でトイレに入るとき、常日頃から本を持っていくという方に起こる条件反射が原因とする説。

「パブロフの犬」と言う実験はご存知ですか?ある犬に、ベルを鳴らしてからエサを与えることを何度も繰り返すと、いずれその犬はベルを鳴らしただけでよだれを垂らすようになったという実験です。

この犬が、まだえさをもらっていないにも関わらず、ベルの音を聞いただけでよだれを垂らすことを条件反射といいます。この犬の頭には「ベルの音=えさ」という回路が出来上がり、体が自動的に唾液分泌量を増やしたのです。

これと同じような仕組みで、日常的にトイレで本を読む習慣が付いている人の頭の中には「本を読むこと=排便」という回路が出来上がり、それにより本屋へ行くたび便意に襲われるようになってしまうという説です。

しかしこの説も確定には至らず、以下のような否定派の声もあります。

  • 本屋以外の場所で、単に本を読んでいる場合にはこの現象は起こらない。
  • 青木まりこさん本人の取材で「古本屋や図書館ではこの現象は起きない」と言っている。(古本屋、図書館で起こる人もいる)
  • トイレで本を読む習慣がある人すべてにこの現象が起こるというわけではない。
  • この現象の体験者すべてがトイレで本を読む習慣があるわけではない。

そしてもう一つ条件反射に似たものの中に”思い込み”という説もあります。なぜなら青木まりこさん本人に、この現象を親友の話で聞いてから自分自身にも起こるようになったという経緯があったからです。

親友にその話を聞いた当初はむしろ疑いをもっていたくらいでしたが、まもなくして自分にも同じような症状が起きるようになったと言います。

また始めにこの現象を「青木まりこ現象」と名づけた雑誌の編集者の方も、青木まりこさんへの何度かの取材を終えるころには5人中3人がこの現象を発症するようになりました。

このような事例もあることから「”本屋に長時間滞在すると便意が誘発される”と聞いた人がこれを信じ、思い込んだ結果それが実際に現象となって体に影響を及ぼした」という思い込み説が生まれましたが、もちろんこの説も決して完全なものではありません。

後日、ある実験で便秘に悩む女性を本屋に長時間滞在してもらうというものがありました。”思い込み”を避けるためもちろんこの現象のことは伏せて、その経過を視ていきました。その結果しばらくすると4人中3人が明らかな便意を催したということです。

他にも「幼いころ、本屋でトイレに行きたくなって大変な思いをしたことによるトラウマ」という説もありますが、この現象を日頃から体験している方が皆幼いころにこのような目に合っているとは考えにくいです。

青木まりこ現象の原因(3)精神状態によるもの説

自律神経に関係する、内因性のものだという説。例えば、書店にはトイレが設置されていないところも多いです。そのため「ここでトイレに行きたくなったらまずい」と無意識のうちに考えます。

その「トイレに行けないプレッシャー」が精神に影響を及ぼし、かえって便意を誘発してしまうという内容です。

本屋は一般的に、たくさんの人がとても静かに本を探したり立ち読みしていたりと独特の雰囲気があります。空間としても高い本棚が迷路のように立ち並び異様な圧迫感がありますのでこれもプレッシャーを助長している要素の一つかも知れません。

まれにこれがひどい場合は過敏性腸症候群の一種として診断される場合もあります。そしてそれは羞恥心を持ちやすい若年者や女性に多く見られる傾向があります。

またこれには逆のパターンを主張する説もあり、それは本が大好きな方が本屋に言った時のワクワクした気分がリラックス効果を生むため胃腸が活性化するというものです。

本を読むと眠たくなることはありませんか?眠たくなるということは自律神経が副交感神経へスイッチされているということなのです。副交感神経が優勢になると心身ともにリラックスした状態になります。

実際、本屋や印刷所などで働く方に同様の現象が起こらないとすれば、原因は心因性である確立が高いということになるのでこれもなかなか有力な説に思われます。しかしこれにも同じように否定を唱える意見があります。

  • 本屋でない場所でも、例えば電車内や高速道路を走っているときなども、すぐさまトイレに駆け込める状況ではないがこの現象が起きるという話はあまり聞かない。
  • 例えば瞑想などにより、深いリラックス状態であるときに便意が催されるという話は聞かない。
この現象は、作家をはじめとする出版関係者にも多くみられるという点で、大量の活字に囲まれている緊張感や焦燥感などの心理的圧迫が便意と関係しているという説もあります。

青木まりこ現象の原因(4)本を立ち読みするときの姿勢・視線説

本を立ち読みするときの姿勢や、瞼を伏せることで自律神経が副交感神経優勢となるために起こるという説。

少々前かがみの直立姿勢と下を向いて本の活字を追うというこの姿勢が便意を刺激するというものです。さらに荷物をもって立ち読みすると腹筋が刺激されるため、という理由もあります。

リラックス状態により便意が刺激される、というのは上記にもありましたが、この理由は腸の蠕動運動が活性化してしまうからというためです。副交感神経が優勢になると内臓の働きが活性化することは確かなのですが、それが突然の便意までをも誘発するかというと疑問符がつきます。

以下は否定派の意見です。

  • 長時間の直立姿勢は本屋以外でも多くある状況であるが、そのたびにトイレに行きたくなることはない。
  • 瞼を伏せた状態が便意を誘発するというなら、勉強中の学生や、ものを描く仕事の人にも頻繁に起こるはずだがそのような話は聞かない。

その他、有力説とは言えませんが少数派の意見としては以下のような説も存在します。

  • 背の高い本棚に囲まれ大量の本が整然と並ぶ様子が脳を刺激する
  • 写真などのカラーページ特有のインクのせい
  • 紙のアレルギーにより大量の紙に囲まれる本屋で発症する
  • 冷房が効きすぎているから
  • 書籍という有益なものを前にすると無意識の”抵抗”の気持ちが発生し体に影響を及ぼす(幸福否定説)
はたまた「本には著者や出版に携わった多くの人々の情熱や思い入れが込められており、強い霊力を放つものなのでそのような大量の本に囲まれた際に体に影響を及ぼす」という面白い説もあります。

2016年現在、専門家たちによる見解

上記のように、心理学者や精神科医、医療関係者など様々な専門家たちがこの「青木まりこ現象」のメカニズムを解明すべくたくさん仮説が語られましたが、いずれも医学的・科学的にはっきりとした確証はありません。

「なぜ本屋なのか?」というところがカギなのですが、これに対する明確な答えも出ていません。むしろこの奇妙な現象の存在を疑う意見もあり、単なる都市伝説として片付けてしまう見方さえあります。

それが理由かはわかりませんが、一時期ブームのように日本中に広がり様々な仮説が立てられた割には、専門家たちによる実際の検証はほどんど行われていません。

青木まりこ現象に悩んでいる方へ。簡単な対処法を紹介

日本出版インフラセンターが行った「書店活性化事業」というものの中で”本屋で利用したいサービス”を複数の中から選択するというアンケートがありました。その第3位にランクインしたのが「トイレの利用可」です。

これは本屋にトイレが設置されていないところが多いことに反して、本屋でトイレに行きたくなる方が多いということです。

しかしただでさえ本屋は万引き被害が多い場所です。そこにトイレを設置すると個室への本の持ち込みまで容易になり、さらに被害が拡大する恐れがあります。また管理コスト、落書きや衛生的な問題などもあることから、トイレがない本屋は非常に多いです。

ここまで記事を読んでくださった方の中にも、この現象の体験がある、もしくは必ず起こるという方もいらっしゃると思います。そんな方は「はっきりした原因が解明されていない」と聞いてがっかりしてしまったかもしれません。

原因がはっきりしていないため正規の対処法があるというわけではありませんが、本屋に出かけるときには事前に気を付けたいこと、店内での簡単にできる措置などがありますのでご紹介します。

本屋に入店したらまずトイレの場所を確認しておく

もし店内にないトイレがない場合は入店前にあらかじめその近辺で利用可能なトイレを調べておきましょう。

精神的なことが原因だと仮定した場合、こうしておくことにより「もし急にトイレに行きたくなったらどうしよう」という無意識のプレッシャーを、「いざ突然の便意がやってきても大丈夫」という安心感で打ち消すことができます。

またもし一度、二度と成功を重ねればそれが自信になり、いずれトイレのことなど意識しなくても平気になるかも知れません。

インクのにおい物質が体内に入らないようにマスクを着用する

紙やインクのにおいが原因だと仮定した場合、入店前にマスクを着用することでにおい物質を防ぐことができるので効果的です。

もし紙やインクのにおいが便意を誘発する原因ではないとしても「これをしていれば大丈夫」というプラシーボ効果も期待できます。

※プラシーボ効果とは思い込みの力が体調にも影響することを言います。

太ももをつねる

これはただ単に紛らわしのように思えますが、リラックス状態が急な便意の原因とした場合、つねったときの適度な痛みにより副交感神経から交感神経へのスイッチがなされ腸の蠕動運動を弱めることができるという方法です。

目当ての本を”30分”を目安に探し、購入したら早めに本屋を出る

これは対処法と言っていいのかわかりませんが、この現象の体験者によると1時間前後を目安に発生する確立が高くなるようなので、30分以内であればそれを防げる可能性が高くなります。

この現象は若年層に多い傾向があるということですが、中高年になるにつれて緩和する場合も多いです。なので生活に支障をきたさない程度であれば気にすることはありません。

もし症状が重い場合は過敏性腸症候群や不安神経症である可能性があります。「もし○○だったら・・・」という不安やプレッシャーは不安予期といい、それが異常に強いものである場合不安神経症と診断されることもあります。

「青木まりこ現象」を利用して便秘を解消!

本屋での便意に悩まされている方がいる一方、最近は食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣により便秘の方も大変多くなっています。いつものことだから、と便秘を放置していると肩こり・肌荒れ・吐き気・免疫力の低下など体全体に悪影響を及ぼすようになります。

そこで青木まりこ現象を「本屋で便意を誘発させて便秘解消!」という逆の発想で利用する方法があります。方法は簡単で、本屋に30分~1時間ほど滞在するというシンプルなものです。

本にまったく興味のない方ですと少々苦痛かも知れませんが、大型書店などで自分の興味のある種類の本棚を中心に回り、気になる本があればパラパラと開いてみたり立ち読みしてみるなどすればそれくらいは意外とすぐに過ぎてしまいます。

この現象を広めた本人、青木まりこさん自身もこの現象体験する前は便秘気味だったようですがこの現象を発見して以降、便秘解消法として利用していたと言います。

なので便秘でお悩みの方は、近くの本屋さんに一度お出かけになってみてはいかがでしょうか?

タレントの関根勤さんも便秘気味のときには薬を飲むよりも本屋へ向かい、この青木まりこ現象を便秘解消に利用しているようですよ。
キャラクター紹介
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