健康生活TOP 下痢 高齢だけが原因ではない便失禁は今や誰にも知られず治せる病気に

高齢だけが原因ではない便失禁は今や誰にも知られず治せる病気に

shutterstock_969745732

便失禁をご存じでしょうか?言う迄もなく、便漏れの事ですよね。ただ尿漏れである尿失禁と比較すると、便失禁の方はあまりにも話題にしにくい現象です。

然しながら、当事者や身内の人間にとっては、一刻も早く解決する必要のある極めて切羽詰まった状況には違いありません。

と言う訳で、そんな皆さんの為に、このページでは便失禁についてご説明していきましょう。

隠すのが当たり前な便失禁・・・しかし便失禁は治る時代に!

それにしても、自分や家族が便失禁を起こす、なんていう事態に見舞われたら、周囲には言うまでもなく、医師にさえ公表したくはない、それがごく普通の心理です。

仮に、自分や配偶者の便失禁の類の行為を、平気で周囲に公表する人物が存在した場合、それはその人物自身の性格に問題があるのではなくて、むしろ判断力を司る脳の何処かに何らかの異常を来している、と考えるべきではないでしょうか。

それ位、こうした排泄に関する問題は人間の尊厳の根幹に関わるのです。それ故、その失敗を隠そうとする心理を持つ間は、まだ快復する見込みがあると解釈しても良いのかも知れません。

それはそうでしょう。尿失禁でも偏見を持って見られる怖れがあるのに、便失禁だなんて言ったら、それこそ人間の廃物扱いされ兼ねませんからね。

この様に、羞恥心という面では、便失禁は尿失禁とは比べ物にならない程大きな存在である訳です。

今や治る時代に入った便失禁

だからと言って、隠したいあまり放置していたら、いつまで経っても解決しませんよね?

ここで、「え?便失禁って、解決出来るのですか?」という反応が返って来るかも知れません。ええ。そうなのです。便失禁というのは、今や解決が可能な現象なのです ね。

それでは、便漏れを起こすのは、どういう状態の人なのでしょうか?まず真っ先に、乳児が挙げられますね。

とは言え、赤ん坊が便を垂れ流すのは、当たり前の仕事であって、全ての人間が通って来る道でもありますから、これを便漏れや便失禁という言葉で呼んでも良いのか、という疑問は残りますが…

次に挙げられるのが、高齢者…その中でも後期の、その又後期の、更に後期の、本当に最後の状態の最期が近い高齢者、という印象があるのではないでしょうか?

病気だからこそ解決する便失禁

ところが、実は便失禁というのは、こうした自然現象だけではなく、立派な病気でもあるのです。(厳密に言えば、便失禁とは、病名ではなく症候名であって、裏に正式な病気が隠れているのですが…)

従って、赤ちゃんやお年寄りだけではなく、青年や壮年であっても、便失禁を起こす可能性がある、という事になります。

実は、先程申し上げた、便失禁が解決出来るというのは、赤ん坊や老人等、年齢に伴って起こる、自然現象の方ではなく、青年や壮年にも起こり得る、病気の方に焦点を絞ったお話だったのです。

言い換えれば、病気であるからこそ、便失禁は快復する 、とお伝え出来るのです。

年齢由来の便失禁にも有益

だからと言って、年齢由来の自然現象になる便失禁の方には、快復の見込みはない、という事は、一言も話してはいません。

何故なら、確かに、赤ん坊の便失禁は、誰もが通る道ですし、短期間で終了しますが、老人の便失禁の方は、この道を通らずに済む人も、少なからず存在するからです。

この様に、高齢でも便失禁にならずに済む人間が存在するという事は、高齢由来の便失禁の方にも快復の可能性がある 、という解釈が成り立ちます。

だからこそ、便失禁でお悩みの老後の方々にも、この病気としての便失禁のお話は、便失禁を少しでも軽減する目的に、存分にお役に立てていただけるに違いないのです。

便失禁はどんな風に気づくか?例のお話で見てみましょう

それでは、便失禁とは一体、どういう病気であるのか、これより詳しく調べていきましょう。

これが便失禁の現状だ…男性版

例えば場面が、定年退職後の写真サークルの撮影旅行として、数人の撮影仲間と共に出掛けた、神社仏閣巡りの最中とします。

ここは有名な某寺院で、境内の木陰で休憩中、缶珈琲を飲みながら、談笑している設定です。

その中の主人公の男性が、ふと「何?この変な臭いは…」と気付き、周囲を見渡すと、地面の上に点々と、茶色の物体が落ちている、という訳です。おそるおそる、近付いて見ると、やっぱり何かのフンです。

「何だ。動物のフンか」と思いつつ、あまりの不快な臭気に、「場所変えよう。こんな臭い所に、いつ迄も立ってなんかいられない」と、主人公は仲間をうながす心積もりをします。

そうしながらも、「それにしても、ここの寺、管理が悪いな。こんな汚物を放置するなんて。汚れ物が来たら、すぐに気が付いて、掃除しなくては駄目じゃないか」と、次第に腹が立って来るのです。

その内、「でも、来た時は何も落ちていなかったのに、何故今落ちているのだろう?その間、動物が来た様子もないのに…」と、主人公が疑問を持ち始めるのですね。

そして、「もしや、メンバーのあの人…あの男が漏らしたのではないか。どうも最近ボーッとして、様子が変になったとは思っていたが、あいつ実は認知症を患っているのではないのか」と、秘かに心の中で犯人探しを始める訳です。

その内に、主人公の人物は、パンツの中の自分のお尻に、生暖かな物体が引っ付いている事実に気が付くのです。しかも、逃げ出したくなる程、耐えられない悪臭が、その辺一帯に漂っているのです。

その上、デザインがユルユルしたパンツです、このお尻に密着した物体だって、いつ落下するか、知れたものではありません。

「なんじゃ!こりゃ!あの地面の汚物は、自分の排泄物だったのか!」と主人公は、大変なショックを受けるのです。

そこで、「仲間に悟られない間に処分を」とばかり、大急ぎでお尻の排泄物をはぎ取った後は、地面の汚物を拾い集め、手持ちのスーパーの袋に入れ、悪臭が漏れないようにと、きつく口を縛ります。

その後、「やれやれ。幸いなことに、仲間が何も気が付かない間に、全部処理出来て、本当に良かった。それにしても、おかしいじゃないか。どうして力んだ覚えもないのに、勝手に便が出てしまったのだろう?」と考え込むのです。

これが便失禁の現状だ…女性版

勿論、便という病気に見舞われるのは、こうした男性ばかりではなく、女性にも有り得ます。と言うよりも、便失禁の患者の性別を見ると、女性が八割近くを占める、と言う医療機関も存在する位です。

そこで、例えば、女性の場合ですと、主人がテレビを見ている側で、夕食の支度をしている時、変な臭いに気付いて、何気なく床を見ると、ウサギのフンの様な便が、あちこちに落ちている、という状況になる訳です。

この場合も、女性の精神的なショックは計り知れませんが、何とか家族の目をごまかしながら、汚物の処理をする展開になるのですね。

ただ、自宅は戸外とは異なり、原因を動物にも出来にくい上、臭気がこもる意味では、取り繕いが大変かも知れません。

何しろ、犬や猫を飼育していた場合でも、トイレの躾が出来ている筈ですし、マンションの類の機密性の高い部屋であれば、途端に悪臭が家族に行き渡ってしまうからです。

と言う訳で、実は、病気による便失禁とは、こういう現象であったのですね。それでも、あらん限りの知恵を絞って、ご一緒に対処して行こうではありませんか!

便失禁にもさまざまなケースがある・・・便失禁の定義と種類

それでは便失禁なる病気とは、いかなる原因で発生するのでしょうか?その辺のメカニズムから、解き明かしていきましょう。

初めに、便失禁とは、排便のコントロールに、異常を来たした状態 を指します。

とは言え、正確に定義するなら、便失禁とは、症候名の名称に過ぎません。然しながら、何らかのトラブルが体内に発生しているからこそ、便失禁という症状が現れたという点に着目し、便失禁は病気であると分類されているのです。

更には、その漏れる便の形状も、固形物とは限らず、液体の場合も存在します。又、分量も、外にこぼれる程、多量な場合もありますが、衣服を汚す程度の少量のケースもあるのです。

それから、実は便失禁は、二種類に大別されています。

  • 漏出性便失禁
  • 切迫性便失禁

漏出性と切迫性、それぞれの便失禁とさらにそれを兼ね備えた便失禁

それでは、それぞれの特徴をご説明しましょう。

漏出性便失禁

先程、ご紹介した実例が、このタイプの便失禁で、便失禁患者の半数近くが、この漏出性便失禁に分類されます。

先ず、この漏出性便失禁の特徴は、漏らした行為が身体で自覚出来ない 点にあります。

従って、下着の汚れや周囲の落下物を見た時点で、初めて便の失禁に気が付く、という経過をたどるのです。

切迫性便失禁

これに反して、切迫性便失禁は、便失禁患者の一割以上を占めています。この切迫性便失禁の特徴は、便意は自覚出来るものの、便意の我慢が出来ない 点にあります。

その結果、便器にたどり着く迄の間に、便を漏らしてしまう、という経過をたどるのです。そして、この切迫感を取り上げて、切迫性便失禁と名付けられたのです。

因みに、便意の我慢が出来ないというのは、肛門を締める筋力の弱まりであり、それ以外の何物でもありません。

この時、肛門を締める筋肉は、内肛門括約筋と呼ばれます。言うなれば、内肛門括約筋が働かないから、便失禁が引き起こされる訳です。

当然の事ながら、便意の我慢とは、降りて来る便を上へ戻す行為でも、他の事に気を紛らわせて、出したい気持ちを忘れる行為でもないのであって、大便を確実に肛門の側で待機させる行為に他なりません。

従って、肛門を締める筋力が衰えれば、当然の様に便漏れは発生します。

もうひとつの便失禁

漏出性+切迫性=便失禁

さて、「何ですか?これは…二種類ではなかったのですか?」と驚かれそうですね。実は、三種類目と呼べるかどうか、便失禁には、こういう漏出性と切迫性を兼ね備えたタイプも存在するのです。

因みに、このタイプが便失禁全体の中で占める割合は、予想通りかも知れませんが、残りの三割以上になります。

便失禁発病の原因は老化から病気、怪我と様々

それでは、便失禁がいかなる原因で発病するのか、その部分に少々触れてみましょう。

内肛門括約筋の異常によるもの

分娩の際に受けた、内肛門括約筋の損傷

これは、出産時の肛門の筋肉の傷みが、原因となるケースです。先程お伝えしましたが、患者に女性の割合が多いのは、この出産時のリスクが原因である、とされているのです。

因みに、出産の際に、会陰が自然に避けない様にと、産科医師から会陰切開を受けるのは、現代では自然分娩の全員に共通しますが、勿論、会陰切開を受けても、内肛門括約筋が損傷しない産婦が大部分ではあります。

痔や直腸癌の手術で受けた、内肛門括約筋の切開

言うまでもなく、痔やガンの手術で受けた、肛門の筋肉の切開が、原因となる場合です。 但し、何れの手術の場合も、必ず切開されるとは限りません。

老化現象に伴う、内肛門括約筋の衰弱

これは加齢が原因となるケースで、誰もが通る道ですので、いつかは来るかも知れませんが、少しでも回避出来る様にと、お互いに知恵を絞って行きたいですね。

つまり、ここまでで述べた内容を整理してみますと、内肛門括約筋の異常の種類は

  • 分娩→損傷
  • 手術→切開
  • 老化→衰弱

の3つであるといえるわけです。

神経系統の異常によるもの

一方、便失禁の原因としては、先程述べた内肛門括約筋の異常の他に、神経系統の異常が挙げられます。具体的には、脊髄の怪我(損傷)による、神経系統のトラブルと、髄膜の病気による、神経系統のトラブルになります。

以上の二種類は、大便を止める筋肉の問題ではなく、便意を伝える神経系統に原因があるものです。従って、冒頭の例に挙げた便失禁は、便漏れの自覚が出来ない訳で、この型に分類される事になります。

特発性の原因によるもの

また、特発性の原因によるものも存在します。突発性と間違われそうですが、正確には特発性です。この様に括約筋にも神経にも異常が認められないのに、便失禁を引き起こす事例も存在するのです。その筆頭が、過敏性腸症候群です。

つまり、髄膜に起こる神経系統のトラブルの原因とは、

  • 怪我
  • 病気

を主とし、さらに特発性の原因として「過敏性腸症候群」もある。
ということになります。

画期的な便失禁の治療法!SNMとポリカルボフィルカルシウムのススメ

shutterstock_1552984552

それでは、便失禁には、いかなる治療法が、存在するのでしょうか?

ご安心下さい。現代では、画期的な治療法が出現しており、もはや便失禁は治癒する病気である、と結論付けても支障はないのです。

そして、その画期的な治療法としては、二種類が挙げられます。それでは、これより順番に、ご紹介していきましょう。

SNM仙骨神経刺激療法が凄い

先ず、ひときわ人目を惹くのが、便意を司る神経に働き掛ける治療法です。その名も、仙骨神経刺激療法で、別名でSNMと呼ばれます。

言うなれば、感じられない便意を、感じられる様にすると言うのですから、まさしく驚異的な医学の進歩である、といっても過言ではありません。

つくづく、ひと昔であれば、手の打ちようがなかった便失禁が、ほぼ正常な水準にまで快復するのですから、改めて現代に生を受けた幸福に、感謝しようではありませんか!

それでは、排便を制御する神経に作用する、SNM(仙骨神経刺激療法)とは、具体的にはどんな治療法なのでしょうか?

実はこれは、小型の刺激装置を身に着け、電気による刺激を与えて、神経を治療する方法なのです。具体的には、このペースメーカー状の物体は、お尻の盛り上がった部分に、手術で埋め込む必要があります。

但し、事前に、リード(細い線)を挿入して、試験的な電気刺激を受け、治療の効果が確認出来なければ、この治療法は不可能になるので、その点には注意が必要です。

とは言え、電気刺激の出力の設定も、患者の方で調節が可能な上、健康保険その他の特典も適用される為、治療効果が期待出来る人にとっては、素晴らしいニュースではないでしょうか。

では、治療効果が現れなかった人には、もう画期的な治療法の恩恵は受けられないのでしょうか?

そんな事は決してありません。一つの方法が駄目なら、次の方法へ移行するのです。次の方法も駄目なら、その次のまた次の方法へ移行するのです。

これを繰り返せば、必ず最適な治療法に出会えますから、どんな事があっても希望だけは捨てないで、ご一緒に頑張って治しましょうね。

と言う訳で、今度はもう一つの治療法を、ご案内しましょう。

ポリカルボフィルカルシウム

そのもう一つの治療が、ポリカルボフィルカルシウム、という方法です。

実は、このポリカルボフィルカルシウム、薬剤の名称でありまして、驚くなかれ、便の水分を吸収する作用により、便のもれを食い止める方法なのです。

その証拠に、ポリカルボフィルカルシウムは、高吸収性ポリマーと呼ばれているのです。 ただ、本来この薬は、過敏性腸症候群の改善に特化したもので、商品名はコロネルやポリフルになります。

それにしても、確かに、人工的な便秘の状態を作り出せば、便がもれる筈もありません。

要するに、理論上は、排便出来る状態の時に、今度は人工的な下痢の状態を、作り出せば良い訳ですから。(とは言え、こちらの下痢の方は、筆者の想像の産物であって、実際に存在するかどうか、それは定かではありませんが…)

従って、こちらも凄い治療法だと、驚かざるを得ないのです。こんなに最高度な水準にまで、医学が進歩した時代です。ありとあらゆる柔軟な発想に基づき、想像さえしなかった働きの薬が登場しているのですね。

排便障害で治療が受けられる!名誉を守ってくれる現代の医療

勿論、詳細にご案内した治療を受ける時にも、便失禁なんて露骨な診断名は公表されません。何故なら、患者さんの羞恥心に配慮し、医療機関の側では、「排便障害」という幅の広い名前で、皆さんの名誉を守ってくれるからです。

これ程の素晴らしく高い水準の医療が、こんなにまで成熟した心遣いの元で受けられる、現代に生まれた幸運を感謝したいものですね。

どうか患者さんの皆さん、我々とご一緒に頑張って、この病を乗り越えて行こうではありませんか!それでは又お目にかかりましょう。何かあればお声をお寄せ下さいね。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る