健康生活TOP 糖尿病 糖尿病検査で血糖コントロール値がOKでも網膜症が進展する?

糖尿病検査で血糖コントロール値がOKでも網膜症が進展する?

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糖尿病の検査と言えば、空腹時血糖値とHbA1c(グリコヘモグロビン値)が定番になっています。一方でGA(グリコアルブミン値)と言う検査項目もあって、一部では用いられています。

また、あまり用いられていませんが1,5-AG(1,5-アンヒドロ-D-グルシトール値)と言う検査数値ももあります。これは検査直前数日間の高血糖を検出する数値なんです。

HbA1cが正常値に近くても糖尿病性網膜症を発症する?検査の制限と網膜症

現段階の保険診療では、同じ月のうちにHbA1c、GA、1,5-AGのどれかを1回だけ検査することしか対象になりませんので、ほとんどの場合HbA1cだけの検査になることが多いようです。もちろん全額自費で検査してもらうことは可能ですが。

しかし、ここにきてHbA1cが正常値に近くても糖尿病性網膜症を発症する人が目立ってきています。ある大病院の研究によると、HbA1cとGAの比率を求めることでこの網膜症の発症を予測することができるようだと言うことです。

糖尿病性網膜症の発症

糖尿病はさまざまな合併症を引き起こしますが、その中でも有名なのがこの糖尿病性網膜症ですね。最初は目の奥にある網膜に小さなこぶ(動脈瘤)ができたり、血管がもろくなって小さな出血が見られるところから始まります。

そのうち、血管の詰まりがもとで血液の流れが足りなくなるため、身体は新しい血管を作って、必要な血液を網膜に送ろうとします。けれどこの新しい血管は細くて弱いので、すぐに破れて出血を起こします。

最終的には、光を脳に伝える信号に変換する網膜が、目の内側からはがれてしまう、網膜剥離(はくり)と言う現象を起こして失明すると言う、とても怖い合併症です。

新しい血管ができ始めるころまでに、血糖値をきちんとコントロールできれば、ある程度は回復します。また、視力が落ちてきても血糖値のコントロールを行えば、失明にまで至らなくて済むこともあるのです。

しかし、最近になって、HbA1cでコントロール良好とされていた患者さんの中に、網膜症が進んでしまうと言う例が見られるようになってきました。いったいなぜなんでしょう。

網膜症を起こすのは食後高血糖

糖尿病性網膜症は、食後高血糖が原因で起こると言われています。つまり、食事を摂った直後に、どこまで血糖値が上がっているのかがポイントになると言うことですね。

健康な人では多少暴飲暴食をしても、インスリンが働いて血糖値をコントロールするので、めったに180mg/dLを超えることはありません。

しかし、糖尿病患者の場合、普段の血糖値がOKでも、少し油断して多く食べると、簡単に300mg/dLとか400mg/dLとかと言う、非常に高い数値が出てしまうんです。

もちろんコントロールが良好な人であれば、比較的早く元の数値におさまってくれはするのですが、それでも数時間はかかります。その間に網膜が痛めつけられると言うわけです。

着眼するべきはHbA1cとGAが表すものの差だった!両方の比較から出たその結果は

ヘモグロビンは赤血球の中にあるたんぱく質で、酸素を運ぶ仕事をしているものです。これが血液中のブドウ糖と結びついたのがグリコヘモグロビン、つまりHbA1cなのです。

アルブミンは血液の上澄み成分に多く含まれるたんぱく質で、グロブリンと並んで上澄み成分中のたんぱく質の大半を占めています。これがブドウ糖と結びついたのがグリコアルブミン、つまりGAと言うことになります。

有効期間が違う

赤血球は老化してくると、体内のマクロファージに食べられて分解され、鉄分やアミノ酸などはリサイクルされます。その寿命はおよそ120日ですので、赤血球の中にあるヘモグロビンの寿命も120日と言うことになります。

検査のため採血した血液の中に含まれているHbA1cは、出来てすぐのものなのか、もうすぐリサイクルされるものなのかを区別することはできません。ですので、HbA1cは、概ね過去1~2か月の血糖の状態を示すと言われています。

一方、アルブミンですが、これは自然に減ってゆくペースで見ます。新しくできたアルブミンが半分の量に減るのに17日かかります。ですので、グリコアルブミン、GAは、過去2週間~1か月の血糖の状態を示すのです。

観測対象が違う

これまで、どちらの数値も対象期間の血糖値の動き全体を反映していると考えられてきました。しかし、最近になって、GA値は、より食後高血糖に良く反応して変動するのではないかと言うように考えられてきています。

そこで行われた研究ですが、GAとHbA1cの両方を測定し、その比率を求めて、同じHbA1c値の患者さんの中で、比率の大きい人と小さい人では糖尿病性網膜症の進行度合いがどの程度異なるかを見たそうです。

その結果、HbA1cの値が同じでも、GA/HbA1c比の大きい人(食後高血糖が多かったと思われる人)ほど糖尿病性網膜症の進行が見られたと言う結果になりました。

つまり「ゆっくり食べる」「食事全体のGI値を下げる」ことが効果的

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この研究は、お医者様たちが、どの検査結果を利用して糖尿病を測るのが良いのかと言う目的で行われたようですが、患者の側から見ても大いに利用できるデータですね。

つまり、平均血糖値で見た場合同じであっても、ピーク値が低い方が失明する恐れが少なくなると言うことだと考えられるからです。

食べるスピードと内容

血糖のピーク値が高くなるとか低くなるとかとはどう言うことでしょう。

これは、食べたものがブドウ糖として血液に乗ることで血糖値が上がることと、インスリンの働きで血糖が消費・貯蔵されてゆくスピードのバランスなのです。

血糖値が上がると、糖尿病患者であるなしに関わらずインスリンが働きます。インスリンが出なくなっている1型や重度の2型の人でも、インスリンの自己注射を行っていますから、必ず働くわけですね。

しかし、その処理には時間がかかります。健康な人であれば、よほど極端な血糖値上昇がない限りピーク値は一定以下に抑えられますが、予備軍を含めて糖尿病を持っている人の場合、多く摂るとそれだけピーク値は上がります。

一方、食べている間にもインスリンはブドウ糖を処理し続けますから、食べるスピードを処理できるスピードに合わせてやれば、極端な上昇は避けられると言うことですね。

同じ量を食べた場合、処理速度に合わせてゆっくり食べていると、食べている間は一定にまで血糖値が上がった状態が持続され、食べ終わってからゆっくりと血糖値が下がることになります。

一方、一気食いして血糖値がドカンと上がった場合、ピーク値は高くなりますが、そこからは急激に処理されて血糖値はどんどん下がってゆきます。

最終的に「上昇した血糖値×上昇していた時間」が同じになれば、HbA1cはほぼ同じ値を示すでしょう。一方でGAはピーク値を反映しますから、一気食いした時の方が高値になります。

糖尿病性網膜症は、ピーク値に影響されると言うことですから、同じものを食べる場合でも、ゆっくり食べた方が発症や進行を避けられると言うことになりますね。

また、主食類など糖質が豊富なものは、食物繊維や油脂類を糖質と一緒に摂って、食事全体のGI値を下げるのも効果的だと言うことになります。

それが上手くいっているかどうかを見るには、血糖値自己測定装置を購入して、食後一時間と食後二時間の血糖値を毎回計ることが確実と言えるでしょう。

糖化現象も問題!糖質制限の現実的な方法としてこんな食事はいかがですか?

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一方で、最近老化の原因になるとして警戒され始めている糖化現象ですが、これは高血糖にさらされている時間も重要になってきます。

ですので、GA値の低下で網膜症を予防改善できたとしても、HbA1c自体が高ければ意味をなしません。その場合やはりピーク値だけではなく全体を見る必要があるため、糖質制限の導入を考えなくてはいけないでしょうね。

糖質制限と炭水化物制限

いまだに糖質制限に対して否定的な意見はかなり多く見られます。しかし、大事なことは糖質制限は飽くまで制限であって禁止ではないと言うことですね。

糖質を完全に禁止して摂取量をゼロにしても、まぁ何とか人間の身体は回ります。しかし、ブドウ糖しかエネルギーとして使えない赤血球のために、肝臓で脂肪からせっせとブドウ糖を作る必要があります。

脳もブドウ糖なしで、ケトン体からだけでもエネルギーを得られますし、ケトン体をエネルギーにできない肝臓も、たんぱく質に普遍的に含まれるアラニンをエネルギーに使って仕事はできます。

でも、全体として身体に非常に負荷をかけることになりますから、糖質をゼロにすることは危険でしょう。それに、そもそも何にでも含まれている糖質だけに、ゼロにするのはあまりにも難しすぎます。

そしてもう一つ、糖質制限と炭水化物制限は、全く違うものであると言うことも見逃されがちで、誤解されたままの事柄です。

現実問題として、今の厚生労働省による栄養摂取基準の炭水化物60%と言う場合でも、食物繊維も含んだ炭水化物ですので、糖質だけで食べ物の60%にしましょうと言ってるわけではないんですね。

それでも、普通の食事では糖質の占める割合は55%内外のようです。それを20%以下ぐらいに持って行けるといいなと言うことです。もし、食物繊維40%・糖質20%にできれば、それも炭水化物60%の食事なんですよ。

厳しい糖質制限を推奨されている方は12%と言う数値を提示されていることも見かけますが、ちょっと困難かもしれません。

現実的な糖質制限

糖質制限で最もポイントになるのは主食です。糖分を摂らないのは簡単ですが、ペットボトルのコーラが大好きな人でもない限り、糖分だけで糖質を摂っているわけではありませんからね。

例えば普通のコーラをペットボトル一本と、ご飯茶碗一杯を比べた場合、ご飯の方が糖質の量は少し多くなります。もちろんコーラはすぐに吸収できる糖類、ご飯は消化に少し時間のかかるでんぷんですからその差は出ます。

コーラはペットボトル症候群(急性糖尿病)の原因になりますが、ご飯でそれはありません。それでも、最終的に糖化を起こす量はご飯の方が上だと言うことになるんですよ。

ですので、主食をいかにコントロールするかがポイントですね。

例えば、朝食は温野菜と鶏胸肉のソテー、それに好みの甘くない飲み物などはいかがですか。パンやご飯を外しても不満の残りにくいメニューですよ。あらかじめ調理して冷蔵庫に保存、朝は電子レンジだけと言うのも楽でいいです。

お昼は蕎麦やうどんを避けるのもコツですね。麺類はご飯と変わらない糖質を含んでいる上に、一食あたりに食べる量がご飯より多くなりがちです。さらに粉に挽いたものだけに消化が良くて吸収されやすいと言う難点もあります。

さらに、蕎麦やうどんは、つゆにも砂糖が使われていますので、全体としては糖質多めの食事になります。主食を摂るのであればご飯にしましょう。

夕食は、家で食べられる場合はおかずを色々つまむ、贅沢な食事がおすすめです。外食でも夜ならば、ゼロカロリーのノンアルコールビールなどを利用すれば糖質は減らしやすいですね。

基本的に糖質は、穀類・イモ類を除いた野菜から摂ることを意識しましょう。意外と野菜をたくさん食べるだけでも糖質は多く摂れてしまうんですよ。もちろん食物繊維も連動しますから良い事ではあるんです。

いかがですか、糖尿病をお持ちの方はもちろん、老化防止のために糖質を制限するにしても、健康的に制限しないと意味がありません。

最近では専門のお医者様の著作も多いようですので、そうしたものをお読みになって、ご自身で研究してみられるのもまた面白いかもしれませんね。

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