健康生活TOP 糖尿病 禁煙で糖尿病が悪化!?安全で効果的な禁煙方法を探ろう

禁煙で糖尿病が悪化!?安全で効果的な禁煙方法を探ろう

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たばこは身体に悪いものです。そして、たばこを吸う事で糖尿病にかかるリスクが平均で44%も上昇することが多数の研究成果から明らかになっています。ですので、すぐに禁煙するべきだと誰もが思っていたでしょう。

ところがここに来て意外なデータが浮かび上がってきたのです。それは糖尿病患者が禁煙すると血糖値が悪化すると言うものでした。

喫煙が糖尿病を引き起こす理由を知ろう!喫煙と糖尿病の関係

上でお話しした「たばこを吸う事で糖尿病にかかるリスクが平均で44%も上昇する」と言うことですが、なぜそうした現象が起こるのでしょうか。

まずは禁煙に関係する現象を見る前に、喫煙と糖尿病の関係を見て行きましょう。「たばこが身体に悪い事は判ってるんだからそんな話は要らない」なんて言わないで下さいね。

悪いものはなぜ悪いか、を知っておかないと単なる迷信の信者になってしまうからです。

犯人はニコチン

まだすべての要素が分析されたわけではありませんが、やはり糖尿病に関してもニコチンが一役買っている可能性が高いと言う事が判っています。

最近注目を集めているホルモンに、脂肪細胞が分泌するアディポネクチンと言うものがあります。これは色々な働きを持っていますが特に糖の取り込みに関して大きな役割を持っているのです。

インスリンの感受性を上げると同時に、インスリンに頼らず筋肉に糖を取り込ませるなど、血糖をコントロールするのに重要な役割を果たしています。

このアディポネクチンは、同じ脂肪細胞でも内臓脂肪が増えると分泌が減ると言う現象も確認されているのです。つまり内臓肥満で糖尿病になりやすくなると言うことですね。

一方、たばこの影響です。喫煙後数時間でアディポネクチンが血液中から減ってしまう事が観測されています。そしてその状態は6~12時間継続します。

また、ニコチンの量が多ければ多いほどアディポネクチンの分泌が妨げられるのです。つまり、糖尿病と言う視点から見た場合、喫煙は体重に関係なくメタボの状態を作り出すと言うわけですね。

ですから、たばこを吸うと糖尿病に罹りやすくなると言うわけです。

軽いたばこでも危険

よく話題になることですが、いわゆるライトたばこであればニコチンの害が少ないのかどうかと言うことは、このような情報があるととても気になりますね。

結論から言うと、超ヘビーな葉巻であろうと、ライトたばこであろうとニコチンの影響は変わりません。なぜなら、喫煙者は血中ニコチン量が一定になるまで吸うと言う習性があるからなのです。

本人が満足するまで吸えば、何を吸っても一緒と言うことですね。一方、受動喫煙者にとっても同じなのです。

それは、ライトたばこはニコチンの少ない材料を使っているのではなく、フィルターから空気を取り込んで煙を薄めているからです。つまりフィルターではなくたばこの先端から出る副流煙のニコチン量に差がないからですね。

ニコチンは分解できないの?

特に副流煙に悩まされる受動喫煙者にとっては、他人のたばこのせいで糖尿病に罹らされたのではたまったもんじゃありませんよね。だから、何とかニコチンを分解する方法はないものかと思うのが人情です。

たばこは子供の誤食などの事故が話題になりますが、その際のニコチン含有量は、たばこのパッケージに書いてある(喫煙者が吸うと思われる)ニコチン量の約10倍と言われています。

実は、意外なことにニコチンを分解するには高温にさらすのが一番なのです。ニコチンの分解温度は247℃です。ですから、たばこが燃えている部分ではニコチンの90%はすでに分解されているんですよ。

ただ、問題は副流煙です。たばこを吸い込むときは先端が赤く光りますね。酸素がしっかり供給されて燃焼温度が上がるためです。だから、喫煙者にはあまりニコチンが届きません。

一方、たばこを灰皿においた状態では、先端の温度は吸い込んだ時の半分程度の温度です。もちろんそれでも500℃くらいはあるので、1/3~1/4くらいは分解されます。

でも、副流煙には喫煙者自身が吸っている3倍弱の量のニコチンが含まれてしまってるんです。

非喫煙者の糖尿病予防の観点からも、分煙や喫煙者の禁煙は推進した方が良いようですね。

あまりにも意外な結果!糖尿病患者は禁煙すると糖尿病が悪化する!?

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さて、たばこの害が判ったところで本題に戻りましょう。イギリスの国営国民保健サービス傘下の衛生研究所が行った、対照患者数1万人以上の大規模研究によって、実に驚くべき数字が報告されました。

喫煙している糖尿病患者1万人余りに対して、禁煙した人3000人余りと喫煙を続けた人7000人程度の、一年後の糖尿病の状態を比較したものです。

それによると、禁煙した人の方が糖尿病が悪化していたと言うデータが集まったのです。

この研究を行った学者さんたちも、禁煙することで糖尿病は改善したと言う結果が出ることを期待していたようです。普通はそう考えますよね。ところがふたを開けてみると全く逆。さぞ驚いたことでしょう。

まず、データは単に禁煙したかどうかだけでは正確さを欠きます。そこで、

  • 年齢
  • 性別
  • 糖尿病になってからの期間
  • 重症度
  • 体重
  • 脂質異常症の薬を飲んでいたかどうか

などの項目を反映させデータを整理しました。その結果として現れたのが

禁煙に成功した糖尿病患者の禁煙後1年間のHbA1cは、禁煙しなかった患者に比べて0.21%高かった。

と言うデータだったのです。一体どうしてでしょう。

体重と禁煙の関係

私たち素人にも想像できることは、「禁煙して太ったから糖尿病が悪化したのではないか」と言うことですね。実際、禁煙に成功した人は平均で4.65kg体重が増えていたそうです。

ところが、体重要素を勘案して分析してみると、HbA1cの悪化は体重変化とは独立して認められた、つまり、太ったこととは関係なく悪化していたことが分かったとあります。

これはさすがの研究者たちも、意外であったと述べています。この研究については、25の様々な研究データを集積したものですので、患者の嗜好変化についてまでは追い切れていません。

そのため、研究をリードした先生は「禁煙後に甘いものを好むようになると言う一般的な知識に照らして、食べ物の内容が悪影響を及ぼした可能性がある」と仰っています。

この事については、さらに研究を重ねる必要があるとも仰っていますね。

禁煙はしない方が良いのか?ここででてくる心臓血管系の病気の問題

ならば、たばこを吸っていて糖尿病になってしまった人は禁煙をしない方が良いのでしょうか。いいえ、決してそんなことはないのです。

合併症と言う問題を考える上で、禁煙は必ず行わなければいけない治療だからです。

たばこを吸わない糖尿病患者は、たばこを吸う糖尿病患者に比べて、心臓血管系の病気を発症するリスクが50%も低くなると言うデータがあります。

逆に言えば、たばこを吸う糖尿病患者は、心筋梗塞など心臓血管系の病気で倒れる可能性が2倍になると言うことですね。

ですから、禁煙しなければいけないと言うことに何の変りもありません。

有効な禁煙はいかに血糖値やHbA1cを悪化させずに禁煙を行うか

たとえ一時的にであっても血糖値やHbA1cが上昇してしまうと言うのは、その高血糖状態がメタボリック・メモリーとして将来の合併症の悪い要因として記憶されてしまうので良いことではありません。

ですので、いかに血糖値やHbA1cを悪化させずに禁煙を行うかがポイントになってきます。

血糖値は悪化したままなのか?

禁煙から1年後にはHbA1cが悪化したと言うデータが取れていますが、では、ずっと悪化したままなのでしょうか。

研究によると、その後徐々にHbA1cは改善してゆき、3年を過ぎるころには喫煙者と禁煙者の間に差はなくなったとあります。つまり、一過性の現象であることは確認されています。

まだ、食べ物の嗜好が変わったことが原因とは確定していませんが、そのように推定されていますので、糖尿病を持っている人が禁煙する時には、甘いものが食べたくなるかもしれないと言うことを予測して行うべきでしょう。

ですので、あらかじめ「禁煙しても、甘いものは食べない」と心に誓っておくのも一つの方法です。ただ、これにはかなりの困難が伴うと思います。

そこで、いわゆるゼロカロリーのゼリーなどを上手く利用して、その欲求をそらすように準備しておきましょう。ゼロカロリーでなくても、糖質自体がなければ良いので、甘味料を利用するのも一つの方法です。

我慢しすぎた反動のドカ食いは、糖尿病患者が病気を悪化させる大きな要因の一つです。ですから、こうした甘味料などを上手に使ってストレスをためないように工夫しましょう。

でも、ゼロカロリーだから、糖質ゼロだからと極端な量を摂ってしまうと他の弊害が出るかもしれませんので、どれだけ食べるかという点にも注意を払って食生活を組み立てましょう。

メタボほど禁煙が危険に?まずはメタボを解消することが大切

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この研究が行われる前に、数十人規模ですが日本の研究者の先生が、実験的にデータを集めて同じ結論を導いています。

その先生のデータによると、日本人での研究では、もう少し悪化する幅が大きかったとも仰っていますね。

日本人の体質の問題

日本での研究によると、体重増加はHbA1cの悪化とは直接関係がなく、むしろ禁煙開始時に太っていた人が悪化しやすいと言う傾向が見られました。また、中性脂肪が多い人も悪化しやすいそうです。

つまり、メタボリックシンドロームである人ほど、禁煙した時にHbA1cが悪化しやすいと言うことになりますね。

日本人は欧米人に比べるとインスリンの分泌能力が低いため、肥満する前に血糖値が悪化するのです。ですから、体重の増加と血糖値の悪化は直接関係しなかったと言うことに繋がります。

むしろ、禁煙前にメタボであった人は、既にインスリン抵抗性が現れていたので、禁煙によって糖質摂取が増えた時に悪化を招いたのではないかと言うことです。

禁煙前にしておくべきこと

そうなってくると、やるべきことはメタボの解消ですね。食事と運動、この二本柱はとても大事です。

まず、体重を正常範囲内、BMIで25未満18.5以上の範囲に収めるよう減量です。できれば標準体重の22くらいまで落としましょう。

また、インスリン抵抗性の問題から体脂肪率の適正化は避けて通れません。大雑把な数値ですが、女性で25%くらい、男性で20%くらいを目指してください。

血圧コントロールも重要

血圧が正常でないと様々な弊害が予想されるので、血圧管理も重要です。また、中性脂肪も正常範囲に持って行く必要があります。

  • 体重
  • 体脂肪
  • 血圧
  • 血中中性脂肪

が正常範囲になって、何か月か変化がなければ禁煙に挑戦です。さまざまな実験報告からこれが最もリスクを避けられる方法だと言えるでしょう。

喫煙からの禁煙はさらに危険!糖尿病の発症リスクが上昇する喫煙者

先にお話しした通り、喫煙者は非喫煙者に比べて糖尿病にかかるリスクが4割以上高くなっています。しかし、さらに厄介なデータも一部にはありました。

それは喫煙者が禁煙すると、さらに糖尿病発症リスクが上がると言うものです。

10~20年の我慢

それほど研究の件数が多いわけではありませんが、喫煙者が禁煙すると糖尿病を発症しやすくなると言うデータもあります。

このデータの確実性は判りませんが、リスクが上がった人でも、10年~20年後には喫煙歴のない人と同程度までリスクは下がるそうです。

ですので、糖尿病にならないような食事と運動の習慣を身に付けたうえで禁煙するのがベストだと言うことですね。

正直、とても面倒で根気がいるものだと思います。ですので、そもそも最初からたばこを吸わないと言うのがベストの選択でしょう。

そして、吸ってしまったからには、その代償として慎重な健康管理を行うべし、と言うことになるのでしょうね。

喫煙によって起こる弊害を知って!若者たちへのアドバイス

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喫煙習慣自体は、若いうちに身に付ける人が多いでしょう。そういう意味では、大人が率先してたばこを捨て、若者たちに吸わないよう指導するのが義務かも知れません。

ただ、若者たちはなかなか年配者の言う事を聞きません。ですから、事実を伝えてあげるのが親切と言うものでしょう。

  • 歯磨きやマウスウォッシュでは消えない口臭が出る
  • デオドラントではごまかせない体臭が出る
  • EDになる
  • 妊娠時に悪い影響が出る
  • 顔の見た目が悪くなる・化粧が乗らなくなる

と言うことで、あなたが若者ならこの事実を知って下さい。あなたが若者を指導する立場ならこの事実を伝えてあげて下さいね。

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