健康生活TOP 糖尿病 肉食が糖尿病の原因になるのは男性だけ!男は鶏肉・女は肉全般を

肉食が糖尿病の原因になるのは男性だけ!男は鶏肉・女は肉全般を

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肉食と糖尿病の関係について、これまで様々な意見が戦わされてきましたが、どうやら一つの方向性が見えたようです。

予防医学に関する大規模要因対照研究において、お肉をどの程度食べると糖尿病に罹り易くなるか、その量に関する統計がありました。

お肉は直接血糖値を上げないが糖尿病の原因にはなり得る

糖尿病の改善を目指した治療法の一つに糖質制限の導入があります。糖尿病学会などは決して推奨していませんが、糖質制限を行っている先生方との主張の間に大きなずれがあるため、そもそも議論にすらなっていないような気もします。

一方で、糖質制限を推奨する側の立場において、肉類はカロリーを適正に保つ限り糖尿病に関して全く問題のない食材だと言う主張をされていますが、それはそれで、今回の統計からは一部否定される内容だったのです。

糖質制限の可否に関する議論のすれ違い

糖尿病学会はその公式発表の中で糖質制限について「低炭水化物食」と位置付け、低炭水化物食は6か月以上続けても意味がなく、1年経ったら「体重は元に戻っていた」と言うことを柱に主張を組み立てています。

一方、糖質制限派の先生方は、「炭水化物のうち食物繊維はしっかり摂って、糖質を減らしましょう」と言うことを推進されています。

この二つ、似ているようで全く関係のないことを主張し合っているわけですから、合意が形成されるはずありませんよね。

さらに、糖尿病学会は低炭水化物食による肥満解消が糖尿病の改善に役立つと言う部分に注目しています。最初の半年は減量効果があるけど、そもそもカロリーを制限していないから1年経ったら元の木阿弥と言うことが言いたいようです。

一方、糖質制限を推進される側は糖質制限の副次的効果として減量効果は認めておられるものの、主たる目的は糖質を食べることによる血糖値の急激な変動を抑えることが目的です。もちろん過体重の解消はそれ以前の絶対条件です。

ここまでかみ合っていない議論も、世の中に珍しいんじゃないかと言う気すらしますね。

どちらに軍配が上がるのかはまたわからない

実はカロリー制限派の糖尿病学会も、糖質制限派の先生方も、糖尿病患者は適正な体重を維持すべきだと言う点では一致しているのです。

その体重コントロールにおいて、極限までカロリーを絞って「昔から言われているバランスの良い食事」をするのか、カロリーは過食にならない程度の数値に抑えて「炭水化物のうち糖質だけを制限する」のかの違いなんです。

お肉が身体に悪いということはあり得ない!

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まず、最も重要な点はこのことです。およそ25万年前に地球に現れた現生人類の種であるホモ・サピエンスは、野菜も果物も魚も肉も普通に食べてきました。そして25万年間絶滅するどころか、ちょっと増えすぎちゃってます。

もし、お肉が身体に悪かったのならとっくに絶滅してるはずですよね。あるいは草食人間だけが生き残って、肉食や雑食人間は絶滅してしまっているはずです。

現代文明の汚染のせいで最近ではファーストフードも食べるそうですが、イヌイットやカラーリットなどのエスキモー系民族の人々は、100年くらい前までは野菜を摂らず、生肉しか食べなかったと言っても過言ではありません。

そして、イヌイットやカラーリットの人々は、私たち日本人と同じモンゴロイドに分類される人類なんです。ですからお肉が身体に悪いと言うことは、宗教的・社会的な制約の中で生まれた、ある種の迷信に過ぎないんですよ。

様々な要因を加味してお肉の影響をしっかり調べた研究

さて、今回得られたデータはコホート研究と言う名前で呼ばれることも多い要因対照研究によるものです。特定の要因に晒されたグループと晒されていないグループを一定期間追跡し、見比べて研究対象の病気の発生率を調べるものです。

今回のものは「お肉を食べる」と言う要因に「どの程度晒されたか」を見比べて得られたデータです。単に晒されたか晒されていないかではなく「どの程度」と言う要素が入っているのがミソですね。

まず対象となった人々を性別と、お肉を食べる量で分けました。食べる量は最も少ない人から最も多い人までの4グループに分けています。

また、お肉も「赤肉(牛肉・豚肉)」・「加工肉(ハム・ソーセージ類)」・「鳥肉(鶏肉)」に分類したデータも取られていますので、なかなか参考になりそうですね。

さらにそれだけではなく、糖尿病を発症することについて影響を及ぼしそうな、次のような他の要因による影響も、統計的な手法で可能な限り排除されています。

  • 肥満度(BMI)
  • 飲酒
  • 喫煙
  • 運動の量
  • 高血圧歴
  • コーヒー摂取量
  • 糖尿病の家族歴
  • マグネシウム摂取量
  • カルシウム摂取量
  • 米を食べる量
  • 魚を食べる量
  • 野菜を食べる量
  • 清涼飲料水を飲む量
  • 摂取カロリー

統計に表れたのは男性においてお肉が糖尿をもたらすことだった

そうした統計のうち、まずお肉の合計の量から見て行きましょう。男性の場合、最も少なくお肉を食べた人の中央値(平均ではなく真ん中の数値)は1日当たり23g、最も多いグループの中央値は108gでした。

一方、女性の場合、各々20gと94gでした。これは身長差を考えると妥当な線でしょう。体格で比較した場合、特に男女のどちらが多く食べていると言う傾向はないようです。

さて、男性についてのデータはどうだったでしょうか。最も少なくお肉を食べているグループの人が糖尿病に罹るリスクを1とした場合です。

意外なことに、お肉を食べた量が多い方から2番目のグループも、少ない方から2番目のグループも、たいしてリスクに差は表れませんでした。

平均値としては少ない方から2番目で0.88、多い方から2番目で1.06ですが、データのばらつきを考えると、統計的に意味のある差ではありません。

しかし、最も多く食べたグループ、概ね1日当たり100g以上食べたグループでは1.36、データのばらつきの一番下をみても1.1ぐらいと、明らかにリスクが跳ね上がってたんですね。

つまり、男性においてはお肉を1日平均で100g以上食べる人は、3~4割糖尿病に罹るリスクが高いと言う事が判ったのです。

なぜか全く影響が認められなかった女性グループ

一方、女性においては全く異なった結果が得られています。統計的にはどのグループの間にも糖尿病に罹るリスクに差はないと言う事が判ったのです。

一応、平均値を見てみると、一番少ない方のリスクを1として、次が0.97、0.89で、最も多く食べた人のグループは0.87でした。

このように、お肉を食べれば食べるほど糖尿病リスクが下がる傾向がありましたが、これは統計的誤差の範囲です。

男性とは全く異なる結果が出ました。そこで、さらに踏み込んでどんなお肉が影響するかの分析が行われています。

どうやら牛肉や豚肉が男性に対して悪さをしている犯人らしい

分類は先ほど紹介したように、赤肉・加工肉・鶏肉です。そして、はっきりと影響が出ていたのは赤肉だけだったんです。つまり牛肉や豚肉ですね。

一般的には羊や鹿、猪、兎など哺乳動物の肉はすべて赤肉に分類されると思いますが、食べる量として無視できるレベルのなので、牛肉と豚肉としているのだと思います。

男性・赤肉・最も多く食べるグループだけが糖尿に罹りやすかった

さて、得られた結果ですが、男性で赤肉を概ね1日平均80g程度以上食べる人たちのグループだけが、糖尿病に罹るリスクがはっきりと高くなっていました。一番少ないグループを1とした場合で1.42です。

しかし、それ以下の人の場合、食べる量に関わらずリスクにはほとんど差がありません。

さらに、私自身とても意外に思ったのが、男性において加工肉を食べる量と糖尿病リスクの間には関係が見られませんでした。そしてさらに鶏肉についても、糖尿病に罹るリスクとは関係が見られていません。

一方、女性です。女性においては肉類総量でも影響がありませんでしたが、お肉の種類にも全く関係なく、糖尿病に罹るリスクとお肉を食べる量の間には全く関係性が見いだされなかったのです。

つまり様々な研究結果と似た研究成果だった!男性は鶏肉・女性はお肉全般を食べよう

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これまで欧米を中心とした外国の研究でも、男性の肉類摂取量と糖尿病リスクは、一貫して関係ありと判定されてきていますが、今回の研究もそれを裏付けた形になります。

女性については一致した結果は見いだされていませんし、中国においての研究では、お肉をよく食べる女性の糖尿病罹患率は低くなると言うデータもあります。これもまた今回のデータに近いものですね。

加工肉については日本人の摂取量そのものが少ないからかもしれない

欧米ではハムやソーセージの摂取量は糖尿病リスクになると言うデータがあるようです。日本人は欧米人に比べると加工肉の摂取量そのものの基準が大変低いので影響しなかったのではないかと結論付けられています。

確かに、アメリカ人でベーコンをよく食べる人とか、ドイツ人でソーセージをよく食べる人と言う場合、日本人なら見ただけで胸焼けしそうなレベルですものね。ベースラインが違いすぎるのかもしれません。

赤肉が悪影響を及ぼす要因は推定できるが影響しない理由は不明

赤肉が糖尿病の罹患リスクを上げる要因としては次のようなものが挙げられています。

  • ヘム鉄
  • 飽和脂肪酸
  • AGEs(糖化最終産物)
  • HCA(複素環アミン)
ヘム鉄は貧血予防などに重要な役割を果たしていますが、鉄過剰になると膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が痛めつけられてインスリン分泌が減ります。このことが糖尿病の要因になり得る可能性はありますね。

飽和脂肪酸のうち、炭素数16のパルミチン酸はやはりβ細胞に悪影響を及ぼします。牛肉や豚肉では有名な炭素数18のステアリン酸を抑えて、最も含有量の多い飽和脂肪酸です。

糖化最終産物のAGEsは、お肉を焼くときに生まれます。これがインスリン抵抗性を生み出す原因になっているのは間違いないとされています。

HCAはお肉を焦がした時に生まれる物質で、これがインスリン抵抗性の原因になる場合もあるのです。HCAはグループの名前で、例えばナイアシンのようなビタミンを含むと同時にTrp-P-1のような発がん性物質も含んでいます。

このように、赤肉が糖尿病の原因になる理由はある程度推定されているのですが、なぜ女性には影響しないのかは判っていません。

何となく、鉄の消費量が多い女性の場合、鉄過剰が起こりにくいのかなと言うイメージは持っていますが、観察や実験の裏付けがあるわけじゃありません。それでも日本の女性には、もう少しお肉を食べてもらいたいと個人的には思います。

男性は鶏肉を女性はお肉全般を食べましょう

このように、日本人の平均的な量から見る限り、女性はお肉を食べて良質のタンパク質を確保する方が健康に寄与しそうですね。

男性の場合、肥満率が高いこともありますし、食べるなら鶏肉にしましょう。もも肉でもリスクが高くなることはなさそうですよ。塩の焼鳥で一杯…健康のためノンアルコールビールにしておきましょうか。

ちょっと体験談をさせて下さい

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私自身、もう17年も糖尿病を持っていますが、現在はHbA1cが6.0%内外と安定しています。実は、一番悪かった時期では11%を超えていてインスリン注射の導入を強く勧められていたんですよ。

それまでは糖尿病学会の言う通りの、体重を減らし、悲しくなるほどひもじい思いをしてカロリー制限に取り組んでいました。

しかし、私には向いていませんでしたね。時々精神的に耐えられなくなって、気づいたら甘いものを馬鹿食いしたりしていたんです。そのせいでどんどん悪化しました。

そんな時糖質制限に出会って、カロリー制限を緩め主食を抜くようにしてから、あっという間、それこそ1年もかからずにHbA1cは7.0%を下回るようになりました。

それから5年くらいで、糖質制限を続けていても、体重が増えて血糖値も上がってきてしまいましたので、自分なりの工夫をしてBMI22~23kg/m2、体脂肪率18%くらいに調整しました。

現在では糖質制限についても、それほどストイックな物じゃなく、食べたい時にはケーキでもラーメンでも食べると言うスタイルにしています。それでも1か月あたりで見れば、普通の人の半分程度の糖質摂取量だと思います。

おかげで合併症もなく、今を元気に過ごしています。とどのつまり、カロリー制限も糖質制限も手段の一つに過ぎず、自分の頭と心で考えて、自分に一番適した方法を見つけることこそがベストなんですよね。

糖尿病はある意味複雑な病気です。ですので、自分に合った方法を見つける努力こそが一番だと痛感しています。

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