健康生活TOP 糖尿病 女性は糖尿病になりにくいと言われるが罹ると死亡率が高くなる!

女性は糖尿病になりにくいと言われるが罹ると死亡率が高くなる!

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国民病とまで言われるようになった2型糖尿病ですが、患者数は男性の方が女性よりずっと多いことはよく知られています。

しかし、糖尿病にかかってしまうと、女性の方が死亡率が高くなると言うショッキングな結果が、日本で行われた長期間大規模調査によって明らかになりました。

糖尿病は男性の病気?肥満からくる糖尿病に気を付けたいのは女性も同様だった!

厚生労働省が2013年に発表した資料によると、成人男性のおよそ6人に1人、成人女性のおよそ11人に1人が「糖尿病が強く疑われる」状態であったとされています。

こうして見ると、2倍とまでは言わなくても、男性の方が女性より2型糖尿病にかかりやすいようですね。原因は色々考えられますが、やはり肥満の影響は大きいようです。

肥満と加齢が糖尿を呼ぶ

同じ資料によると、成人男性の肥満の人の割合は28.6%、女性は20.3%です。この差が糖尿病の発症にも大きくかかわっているのでしょう。また、糖尿病は年齢を重ねると発症しやすくなるとも言われていますね。

男性では40歳を境に、女性では50歳を超えるといきなり患者数が増加します。そして、その後は年齢を追うごとに一定の割合で徐々に増えて行っています。

肥満の傾向をみると、男性は40歳を境に急激に肥満者の割合が増えます。30代で25.4%だった肥満者の割合が、40代になるといきなり34.9%と急増するのです。

女性はと言うと、40代では14.8%だった肥満者の割合が、50代では21.9%と増えています。糖尿病の患者数と肥満者の割合の増加のタイミングが綺麗に一致していますね。やはり肥満が糖尿病の大きな原因であることは確かなようです。

しかし、男性は40代をピークにその後は徐々に肥満者が減るのに対して、女性はその後も肥満者が増え続け、70歳を超えるころには男女差はほとんどなくなってしまっています。

一方、糖尿病の患者数は、女性の40代でわずかに減少傾向があるものの、ほとんど男女とも年齢を重ねるごとに糖尿病の患者数は増えていきます。やはり、加齢も大きな要因になるようですね。

実は糖尿病患者はもっと多い?

このデータでは「糖尿病治療の有無」と言う質問項目に「有」と答えた人、あるいは、HbA1cが6.5%以上であった人を「糖尿病が強く疑われる者」と定義しています。

治療を受けている人は糖尿病であると言うのは良いとして、問題はHbA1cの方ですね。確かに糖尿病の確定診断の一つにHbA1c6.5%以上と言うものがあります。しかし、健康診断などで正常値とされる上限は6.2%です。

このわずか0.3%の中に、意外と隠れた患者が多くいるのではないでしょうか。あなたの数値は如何ですか?

そんなに多くの肥満者が日本人にいるの?

日本人は世界的に見ても肥満者の割合が低い事で有名です。統計によって微妙な差はあるものの、アメリカの30%超、イギリスやオーストラリアの30%弱、ドイツやフランスの20%前後に比べて、日本は5%以下だと言われていました。

なのに、上でお話しした内容だと24~5%も肥満者がいることになってしまいますね。これはなぜなのでしょうか。

実は基準の取り方が違うのです。日本ではBMIが25~30の人を肥満1度、30~35を肥満2度、35~40を肥満3度、40~を肥満4度としています。

一方、世界保健機関WHOの基準では、やせと正常の基準は同じですが、BMIが25~30の人をOverweight(過体重)、30以上の人をObesity(肥満)と呼んでいるのです。

ですので、WHOの基準に沿うと、わが国の肥満者の割合は5%以下となり、20%内外の人は「過体重」状態だと言えるのです。しかし、これは言葉だけの問題で、過体重が健康に好ましくないことに変わりはありません。

参考までに、日本の基準で世界を測ると、アメリカ人の66%以上、ヨーロッパやオーストラリアでも半数以上が肥満者と言うことになってしまいます。凄いですね。

99584人対象の大規模研究でわかったのは糖尿病の女性の死亡率の高さ!

今回話題の研究は、日本国内で行われました。これまでこうした研究は欧米で多かったのですが、加齢も影響する糖尿病で、世界で最も長寿である日本人女性に注目して研究をすることも目的の一つであったそうです。

参加者は113402人。そこから既に心臓病や肝臓病、がん、腎臓病の人を外し、最初のアンケートでBMIが14未満あるいは40超と言う極端な数値を申告した人も除外したそうです。

その結果、99584人が対象に残り、中央値で17.8年間にわたって観察を続けた結果が今回の研究報告と言うわけです。

糖尿病の女性は死亡リスクが高い

期間中の病気による全死亡リスクは、糖尿病ではない人い比べて全体に多くなっていました。男性は60%高かったのに対して女性では98%、つまり糖尿病の女性はそうでない人に比べてほぼ2倍の死亡リスクがあったと言う結果が得られています。

死因別では、やはり循環器病による死亡リスクが高く、男性では76%、女性では149%(つまり約2.5倍)糖尿病でない人よりリスクが上がっていました。

一方、がんによる死亡リスクはそれほど大きく上がらず、男性で25%、女性ではたった4%高いだけと言う数字が出ています。

これまで、糖尿でがんになると言う噂がまことしやかに流されていましたが、全く嘘と言うわけではないものの、心筋梗塞や脳卒中などに比べると非常に低いリスク上昇率だと言えるでしょう。

そして、もっとも糖尿病患者とそうでない人とのリスク差は「それ以外の死因」によるものです。これは循環器疾患(色々病気はありますが心筋梗塞が一番大きいのではないでしょうか)やがんによる死亡以外の原因と言うことになります。

ですので、脳卒中・腎臓病・肺炎などはそちらに分類されますし、糖尿病患者が命を落としやすい病気としても有名ですよね。さらに血糖値が高いとさまざまな不調の治癒が遅くなることも知られています。

数値としては男性で91%、女性で167%も死亡リスクが高くなっていると言うデータが出ました。

ここで数値の読み方について、念のため説明しておきます。ここで女性の死亡リスクが149%高くなっていると言う数字を例にとりますね。

この研究では中央値として17.8年の期間を取っています。そこで、仮に10万人を半分ずつに分けて半分が糖尿病患者で半分がそうでないとします。そして、17.8年の間に何人亡くなったかを見比べるわけです。

そして、糖尿病でない人が1460人亡くなっていたのに対して糖尿病の人が3635人亡くなっていたと言うデータが取れたとします。

※ ((3635-1460)/1460)×100=149

※ 3635/1460=2.49≒2.5

となりますので、17.8年間の死亡リスクは149%高く、約2.5倍であったと言う風に読み取っているのです。

とは言え、実際にはちょうど半々はあり得ませんし、糖尿病以外のデータなども加味して考える必要も出てきます。そうした数字の幅や外部要因の影響なども数値化して、修正を加えることでこのようなリスク比率を計算しでいます。

糖尿病であった機関との関係

もちろん、これだけ長期にわたる研究ですから、「途中で糖尿病になる人」と言うのも少なからずおられます。今回の研究でも、調査開始時には健康であった人が、5~10年後の調査で糖尿病になっていたと言う人もおられました。

そういう人たちと、最初から糖尿病にかかっていた人を見比べた場合、最初から糖尿であった人の方が、男女とも死亡リスクが高かったと言う結果も得られています。

つまり、糖尿病を長く患うほど死亡リスクが高まると言う、ある意味常識的な考え方も裏付けられたようです。

お酒やタバコを嗜む女性は要注意!女性の死亡リスクが高い原因

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残念ながら、この研究ではそこまで踏み込んだ調査は行われていません。日本人も欧米人と同じように、糖尿による死亡リスクの上昇が見られると言う部分を検証するのが目的であったようです。

女性に対して甘く考えるのであれば、もともと男性の方が不節制による他の死因が多いから、相対的に糖尿病による死亡が少なくなっていると言うことはできるかもしれませんね。

不節制も男女平等?

iこのような、いわゆる不節制、特にアルコールに起因する肝炎や膵炎は、圧倒的に男性に多い病気です。喫煙率も影響しているでしょうね。

ですからお酒をよく飲む女性、タバコをよく吸う女性には男性と同じリスクがあると言えるのでしょうが、人数としての比率で言えば男性の方がまだまだ多いです。

ですので、多くの人数と対象とした統計では、女性の糖尿病死亡リスクが高まってしまうと言えるんでしょう。でも、個人で見た場合、お酒やタバコを嗜まれる女性は、男性並みの死亡リスクを抱えているとも言えるんですよ。
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なぜ女性に糖尿病が少ないのか?女性ホルモンと脂肪の関係

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2型糖尿病患者の数は男性が女性の1.8倍以上と言う統計があります。先にお話しした通り、女性の方が適正体重を維持しているから患者数が少ないと言う要因は小さくないでしょう。

しかし、例えば妊娠糖尿病のように男性に比べて糖尿病の入口が広いにもかかわらず、女性の方が少ないと言うのには何か理由がありそうですね。

妊娠糖尿病とその後

妊娠して胎盤が形成されると、妊娠を維持したり乳腺を刺激したりするホルモンが胎盤から分泌され始めます。このホルモンがインスリンの効き目を抑制してしまうと言う働きを持っています。

また、胎盤自体にもインスリンを分解する働きがあるため、妊娠すると糖尿病を発症しやすくなるんですね。近年診断基準が変わったこともあって、実に8~9人に1人が妊娠糖尿病にかかるという数字もあります。

一方、出産と共に役目を終えた胎盤は後産として娩出されますから、その時点でインスリンに与えられていた悪影響は消え、妊娠糖尿病も消失します。

しかし、中にはそのまま2型糖尿病に移行する人もいれば、後日2型糖尿病を発症する人もいます。妊娠糖尿病であった人は、その後2型糖尿病にかかるリスクが、そうでなかった人の7倍にもなると言うデータもありますね。

内臓脂肪の恐怖

女性にはそれだけ大きな糖尿病リスクがあるにもかかわらず、男性の半分強程度の発症率であるのはどうしてでしょうか。それにはホルモンと脂肪の関係が大きくかかわっていそうです。

メタボの話の時に良く出る肥満の例ですが、男性型肥満(リンゴ型肥満)と女性型肥満(洋ナシ型肥満)と言うものがあるのはみなさんよくご存じでしょう。

男性型肥満は内臓脂肪が多く、女性型肥満は皮下脂肪が多いというアレですね。これは男性ホルモンや女性ホルモンの働きによるものなのですが、この内臓脂肪と皮下脂肪と言うのがポイントです。

脂肪細胞が分泌する生理活性物質の中で、糖尿病を抑制する因子にアディポネクチンと言うものがあります。これは運動した時と同じようにAMPキナーゼと言う物質を活性化させ、筋肉への血糖の取り込みを促進するのです。

そして、内臓脂肪が多いとこのアディポネクチンの分泌が抑えられてしまうんですね。ですので同じ肥満度であっても、男性の方が女性より糖尿病になりやすいんです。

糖尿病でない人と同等のレベルにまで血糖値を下げて死亡リスクを減らそう!

2型糖尿病には完治しないとも言われますが、死亡リスクを下げるにはどうしたらいいのでしょうか。答えはいたって簡単です。糖尿病でない人と同等のレベルにまで血糖値を下げておけばいいのです。

あまりにも単純な答えで申し訳ないのですが、さらに突っ込んで言えば、そのコントロールができれば糖尿病の人は健康な人より長生きできるかもしれないんですよ。

血糖コントロールをためらわないで

糖尿病の治療と言うといわゆる四本柱で成り立っています。

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 経口血糖降下薬
  • インスリン自己注射

この4つですね。昔とは違って、糖尿病が悪化する前、かなり早い段階でインスリン注射を導入することもあります。

インスリン注射で強力に血糖値をコントロール、高血糖による悪影響から膵臓の残った機能を保護して、早めにインスリン注射から離脱すると言う治療法も存在します。

現在の血糖値の悪い状態がメタボリック・メモリーと言う現象に記憶され、遠い将来に合併症を呼び起こす可能性も示唆されています。

ですので、お医者様と相談して、一刻も早く正常な血糖値レベルに落とし、その後は生活習慣で正常血糖値を維持しましょう。お薬を使うのも使わないのも、ケースバイケースで決めればOKです。

糖尿病で一病息災

もう何十年も前の話ですが、無病息災にひっかけて一病息災と言う言葉が使われ始めました。一つくらい病気があった方が健康に気を使うから長生きできる、というような意味合いです。

上でお話ししたように、血糖値が正常の範囲であれば糖尿病は何の悪さも引き起こさない病気だと言えるでしょう。基本はHbA1c6.0%以下ですが、可能であれば5.5%くらいまで下げておくのが余裕があっていいですね。

それでも、飽くまで糖尿病は治っていないわけですから、2~3か月に1回は受診することになります。そして、その都度血液検査を受けたり、年に1~2度は眼底検査や心電図、動脈硬化の検査なども行うでしょう。

全く健康に異常がなければ、何か悪い病気が潜んでいても大きな症状が出るまで病院には行きません。それに比べれば、糖尿病患者は常に病院で身体をチェックしているので、悪い病気でも早期発見できる機会が増えます。

糖尿病自体をしっかりコントロールすることで、より健康になれるってお得ですよね。

割合、野放図に暴飲暴食を繰り返して糖尿になりやすい男性に比べれば、女性の方が、比較的とはいえ自制が効いていることが多いのではないでしょうか。

死亡リスク上昇は、飽くまでコントロール不良な場合と言うことになりますから、コントロールさえしっかりしていれば、むしろ健康に目を向けるいいチャンスだとポジティブに捉えてみましょう。

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